ニューヨーク市マンハッタンにあった往年の名ジャズクラブ「Birdland」の1954年2月21日のライブ録音の第1弾。翌年に Cafe Bohemia でArt BlakeyとHorace Silver 以外のメンバーが異なる At The Cafe Bohemia Volume 1 (1955), At The Cafe Bohemia Volume 2 (1955) もありますが、「Birdland」のほうが勢いがあって楽しいイメージです。わたくしは、最高に楽しくスカッとするライブの A Night At Birdland Vol2 を先に聴いて、これは「1」も、と中古を探しながらも中古は「2」ばかりで、新宿タワレコで新品を購入しました。
作風は、第1弾と2弾では若干異なり、第1弾は Horace Silver の作品を中心、第2弾はビ・バップ色が強いものを集めたものです。といっても第1弾では Horace Silver 作は 2, 4, 6 曲目、違うのは3, 5, 7 曲目 半分に見えますが、このCDはリマスターなので、1,6,7曲目はオリジナルに入っていませんので、中心はやや誇張表現ではあるが間違いではないと思います。
ライナーノーツを見ていたら、この2月21日のライブは日曜日でなんと5セットを演奏したとのことで、客もひっきりなしに入れ替わり、メンバーも演奏しっぱなしのクレイジーな1日だったようです。メンバーのテンション維持と集中力も大変ですね。
そしてリマスターで拍手を送りたいのは、独特の声質としゃべり方でライブの始まりを告げて盛り上げる Pee Wee Marquette の MC を新たに収録していることで、これでグッとアルバムを聴く高揚感が上がります。集合写真があったので下記に掲載の一番左の背の小さいかたです。オジサンに見えますが、女性説もあるようで、Birdlandでは名司会者として有名な方だったようで、出演するバンド・メンバーにはしつこくチップを請求し、チップを払うのを拒否しようものなら、Marquette はそのミュージシャンの名前をわざと間違えて紹介するなど、かなり個性的な方だったらしいです。Art Blakey はきっちりチップをはずんでいたんでしょう。Art Blakey も Marquette も満面の笑み。でも、その他のメンバーは笑ってはいるものの苦笑いのような愛想笑いのようにも見えなくもない。
Split Kick 曲順が本番でこの通りであったかはわかりませんが、勢いがあって前へ進む力がみなぎるオープニング。Brakey の押し出しの強いドラムにバンド全体を押し上げるアクセントが感じられ、若いメンバーの反応は速く、各自のソロに入ったあとも勢いは落ちない。
Once in a While 落ち着いたテンポになり、メロディの歌わせ方が映える1曲で、Clifford Brown のトランペットが全体をリードします。派手さよりも、ソロの流れやアンサンブルの整理された曲になっています。
Quicksilver Silver が自分の名前を付けた作品で、名前のとおりの動きの速さ、軽さメンバーの切れ味の良い演奏が魅力です。速いだけではなく、リズムの切り替えや合いの手が小気味よく決まっていて個々がスピードに乗りながらの噛み合い方が絶妙。
A Night in Tunisia Breaky はこの曲を同じ形で繰り返さないタイプだとされていますので検証はいずれやりましょう。まずは Breaky のシンバルから始まり、裏にベースがいます。次いでピアノが入ってきてテーマに突入しますが、よく聞くと複雑なリズムにメロディーが絡みながら入ってくるところが中々カッコよい。Breaky は、各人のソロがいいところで、もっと突っ込んでいけとばかりにドドドンとやって圧をかけて後押しします。派手で大げさなエンディングも嫌いじゃないです。
Mayreh 原盤ではこの曲でアルバムが終了しますので、ライブの熱を持ったまま終わる感覚がある演奏になっているように聞こえます。終盤らしい余韻と推進力のバランスが魅力。
Wee-Dot テーマが短いぶん、最初の入り方でバンドの緊張感が出ていて、Lou Donaldson は 少し粘るようなフレーズで先にソロをとり、対する Clifford Brown のソロは、音の立ち上がりが速く輪郭の良さが感じやすい展開。そこから低音中心のゴロゴロとした男前のピアノソロとなります。ボーナストラックですがなかなか良い。
Blues くだけた感じにブルース、好きにやってやるぜのブルースセッション。
Birdlandは、ニューヨーク市マンハッタンにあったジャズクラブで1949年当時ジャズのメッカであったブロードウェイの52丁目にオープンし、1965年までジャズの黄金時代を牽引した名店。名前は、Charlie Parker のニックネーム「バード」にちなんでいます。1965年に閉店したのですが1986年にブロードウェイの106丁目で同名の店が営業を開始、現在は44丁目に移転し営業しています。
最高のバンドに思える演奏ですが、グループはこのギグで解散してしまい Clifford Brownは Max Roach とともにクインテットを結成し、1956年6月26日に交通事故で亡くなることなり、映画のようなジャズ戦国時代のようなものを感じます🎶🥁
drums : Art Blakey
bass : Curly Russell
piano : Horace Silver
alto Saxophone : Lou Donaldson
trumpet : Clifford Brown
producer : Alfred Lion
recorded on February 21, 1954 at Birdland, New York City.
recording by Rudy Van Geler
cover design by Reid K. Miles
1. Announcement By Pee Wee Marquette
2. Split Kick / Horace Silver
3. Once In A While / Bud Green, Michael Edwards
4. Quicksilver / Horace Silver
5. A Night In Tunisia / Dizzy Gillespie
6. Mayreh / Horace Silver
7. Wee-Dot (Alternate Take) / J.J. Johnson, Leo Parker
8. Blues (Improvisation)
▶ Mayreh
▶ Wee-Dot
▶ Blues















