キーボードJim Beardをプロデューサーにしてドラムの Dennis Chambers も一部参加の Atlantic からの1991年リリースの4枚目、通算では5枚目のアルバムです。このユニットは1989年~1992年まで活動しています。Milesバンドに参加は、1981年~1983年、1985年。1983年から1984年にかけては Jaco Pastorius のアルバム Word of Mouth に伴うツアーのバンドに参加しています。
つまり, Milesバンド期を経ての、ソロとして脂が乗りきった頃のスタジオ作といえますが、確かあのMiles に「おまえは薬をやめろ」と説教されて病院送りになったとの記事をどこかで読んだことがあり、おそらく1980年ごろから1984年前後にかけてが、最も依存状態が深刻だった時期、Upside Downside (1986) 以降は、クリーンな状態でリーダー作を出し続けているとされています。
ロック色の強いギター・フュージョンをベースにしつつ、コード進行やアドリブはかなりジャズ寄り、長めのソロをじっくり展開するためのオリジナル曲中心でテーマは比較的シンプル。その分ソロで攻める構成で激しい曲だけでなく静かな曲でもテンションは高くエネルギー感が持続しています。ギターが前面に出ていてもジャズ的な会話も濃い良作であると思います。関係ないですがマイルスに参加の頃の肥満とは全く別人で瘦せていてカッコいいスターンのジャケ写です。
アルバムとしては、作曲はほぼスターンで7曲目のみ奥様の Leni Stern の作曲となっています。で、他は全曲マイク・スターンの作曲となっています。
Keys メロディアスな感じが前面に出ている明るめのサウンドですが、マイナーのメロディの中に哀愁漂うトーンのギターです。海を泳ぐようなコーラスのクリーントーンでテーマを泳ぎ、ソロからはいつものディストーションを効かせた王道のパターンが気持ち良い。
D.C. ハイパワーなファンク・ジャズで、タイトルは、この曲でDennis Chambers のイニシャルと Mike Stern 自身が少年時代を過ごした Washington, D.C. へのオマージュから名付けられています。でもデニチェンは細かい技よりも爆発力優先のドラミングのようで、ドラムのフューチャーよりも、Mike Stern 特有の幾何学的音の羅列のようなテーマ、中東的な音使いが印象的です。
Common Ground とにかく素晴らしいバラードで、優雅なテーマと伸びやかなソロなど構成もばっちりです。上手くて大好きな曲の一つです。奇数小節の展開や、半音階で美しく下降・上昇していくクリシェや、分数コードを使用したよく考えられた曲でもあります。
Odds Or Evens 流れは D.C.系ですが、これがタイトル曲で不可思議で幾何学的に聞こえながらもファンクでありロックも感じる、いつものヤツの集大成。「Odds Or Evens」=「奇数か、それとも偶数か」のとおり、奇数拍子による変拍子とファンクが複雑に組み合わさっているトリッキーなリズム構造。アウトフレーズや複雑なテーマの Bob Berg との高速ユニゾンも聴きどころです。
Seven Thirty 今までの流れと変えたストレートなフュージョンで、スタイリッシュで都会的な感じです。
If You Say So メロディアスで明るく温かなテーマを中心に徐々に盛り上がっていきます。タイトルからすると「君がそうやるなら俺はこうやる」って音のインタープレイが背景?なのでしょうか。曲調は違いますが流れは D.C. 、Odds Or Evens と同じ延長線にあるように聞こえます。
Sandbox アコースティック調の清涼感あふれる小作品で、濃厚なジャズ・ファンクの連続からリセットする清涼飲料的な、奥様 Leni Stern の作曲作品です。
Walkie Talkie 「Walkie Talkie」は「携帯型の無線トランシーバー」で、Mike Stern のギターと Bob Berg のサックスが目まぐるしくフレーズを交わし合う様子を、無線機でテンポよく言葉を交わす無線通信に例えています。この超高速インタープレイを支えるのは、超高速のウォーキング・ベース、疾走感あるドラミングでもあります。テクニック全開で終了です。
全編にわたりスターンのクセがちりばめられていますが、何回聴いても飽きはこないです。Mike Stern のクセは、誰とどの曲をやっていてもわかる訛りが強い方言をしゃべっているようなものですよね🎶🎸
guitar, composed by : Mike Stern
bass : Anthony Jackson (2, 4, 6), Lincoln Goines (1, 3, 5, 8)
piano, synthesizer : Jim Beard
drums : Ben Perowsky (1, 5, 8), Dennis Chambers ( 2, 3, 4, 6)
percussion : Don Alias
sax : Bob Berg
executive producer : Christine Martin
producer : Jim Beard
1. Keys
2. D.C.
3. Common Ground
4. Odds Or Evens
5. Seven Thirty
6. If You Say So
7. Sandbox / Leni Stern
8. Walkie Talkie
▶ Keys
▶ D.C.
▶ Sandbox












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