2023年9月23日土曜日

渡辺香津美 / To Chi Ka


 1980年リリースで、渡辺香津美が若くて、黄色で統一したジャケットはインパクト抜群。テクニカルなギターとポップに味付けされたフュージョン・サウンドで大ヒットしました。レコーディング・メンバーも海外の売れっ子ミュージシャンばかりで、世界的なギタリスト渡辺香津美の人脈の広さを感じます。録音は1980年3月4日から26日のニューヨーク。サポートメンバーとしてYMOの最初の世界ツアー参加していた「YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR」が1979年10月16日にロンドンで始まり、1979年11月6日にニューヨークで終了後のレコーディングです。そして、このアルバム発表後の1980年夏には、レコーディングに参加したMike Mainieri、Marcus Miller、Warren Bernhardt に Omar Hakim のバンドで日本国内の「トチカ・ツアー」が敢行されています。さらに2010年の東京JAZZでは、渡辺香津美 TOCHIKA2010 featuring TOCHIKA ALL STARS として、30年ぶりの同メンバーによる演奏が行われています。ちなみにアルバム・タイトルは、愛犬であった北海道犬の「図知華(トチカ)」に由来とのこと。


 さて、懐かしのアルバムのレビューです。このオープニングは上がります。 Liquid Fingers とてもノリの良いファンキー・フュージョンで、これぞ世界に通用するカッコよさではないでしょうか。Black Canal は、ずっしりとしたドラム、ベースに低音の単音リフから、段々と湧き上がってくるフレーズで、Michael Brecker はこの曲にはいないけど、それ系の曲です。当時の流行りのサウンドなんで Marcus Miller の味でもあるかもしれないですね。そしてタイトル曲は To Chi Ka ですが、柔らかなオベーションによるギター演奏で、Mike Mainieri のビブラホンも優しい、いかにも渡辺香津美らしい楽曲です。Cokumo Island は、向井滋春のフュージョン時代にあったようなラテンも感じる音使いが懐かしい。そして Unicorn は、売れましたね。これは若い頃の渡辺香津美の代表曲です。テーマも印象的ですがエキゾチックなスケールとアウトしたフレーズも織り交ぜながら縦横無尽のギターソロが魅力です。いやいや尖ってます。Don't Be Silly も良い曲です。雰囲気はまさに Don't Be Silly バカ言うなよって感じの砕けた感じが心地よい曲です。Sayonara は、Tony Levin のフレット・ベースがしんみりと響いてくる曲です。Manhattan Flu Dance は、渡辺香津美のこの時の得意なパターンですね。世界の渡辺香津美が強力メンバーで作り上げた若き日の傑作です🎵

guitar, guitar synthesizer : 渡辺香津美
rhythm guitar : Joe Caro (1,2,5,6)
keyboards : Kenny Kirkland (Keyboards 1,2,5,6/acoustic piano 2)
oberhiem, keyboards : Warren Bernhardt (Oberhiem 2,4,5,6,7 / keyboards 4,7,8)
bass : Marcus Miller (1,2,5,6)
bass : Tony Levin (fretless 4,7 / bass 8)
drums : Steve Jordan (1,2,5,6)
drums : Peter Erskin (4,7,8)
vibes : Mike Mainieri (3,5)
percussions : Sammy Figueroa (4,7)
tenor sax : Michael Brecker (4,8)

producer : Mike Mainieri

recorded & mixed by Doug Epstine at Media Sound, New York City, March 4-26, 1980

1. Liquid Fingers
2. Black Canal
3. To Chi Ka
4. Cokumo Island
5. Unicorn
6. Don't Be Silly
7. Sayonara
8. Manhattan Flu Dance

▶ 
Liquid Fingers


▶ Unicorn


  

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