2024年9月20日金曜日

濱口祐自 フロム・カツウラ 2014


 還暦を目前にしてメジャーデビューのギタリストで、私が存在をしったのは2014年のアコースティック・マガジンのインタビューでした。ちょうどその時にアコースティックギターに回帰していた時期で、youTube で動画を見て、なんと素晴らしいギターを弾く人かと感銘しての購入です。
 濱口氏のギターに対する姿勢、愛情、こだわりを、知れば知るほど、聞けばきくほど、見れば見るほど、自然体な音楽や生き方を語れるかっこいい60歳になりたいと、つくづく思いますが、最近ギターを手にしない日も多くなり、そんなかっこいい60歳にはなれそうにありません。
 濱口氏は、小学4年からギターをはじめ、東海大学体育学部時代にカントリー・ブルースにめざめ、その後、遠洋まぐろ漁船に乗り陸にあがって竹林パワーという店を開き、ギターを弾き続けています。ブルース、ラグタイム、ジャズ、クラシックと幅広く好きな音楽が自分のスタイルとされています。


 それでは、大好きな 濱口祐自 のアルバムをレビューします。ドクトル・Oのラグ は最も得意と思われるブラインド・ブレイク風のラグ・タイム。ドクトル・Oとは勝浦の隣町の新宮の大石誠のことで、貧しい人からお金を受け取らずに治療にあたりドクトル大石と呼ばれていたとのこと。エスニック・ウインドもラグ・タイムですが、名の通りエスニックな雰囲気のメロディーです。ジェロニモ 前曲よりもブルース的な音作りでありながらリズムが泥臭い曲で、エレキのスライドも多重録音されています。このような曲を延々と展開していく様々なアイデアが弾きながら即興ででてくるのがこの人のすごいところ。グノシエンヌ 1番 エリックサティのカバーです。ギターではなく古代の弦楽器を弾いているかのような響きです。おそらく、かなりの変則チューニングを施しているものと思われます。ビッグ・シティ・フェアウェル これもクラシック的な響きの味のある曲で完成されたメロディーが特徴で、ラグ・タイムだけでなく、このような曲をギター一本で作り上げてしまう達人を感じます。メドレー 秋の花びら / アメイジング・グレース きれいなギターの開放弦を使った響きの童謡のような秋の花びらから、誰もが知っているアメイジング・グレイスへつながります。様々な響きを角度からの研究は大事ですね。バンブー・ブルース 氏の愛する竹の賛歌といったところでしょうか。延々と聞いていられるのですが、これはあっさり終わります。ヘキサゴン・ブルース ライブ動画で見かけるノリの良いブルースです。ライブではテンポなども様々に演奏されている曲ですね。黒いオルフェ これも氏のギター独演の傑作で、結城貴弘の cello も入って荘厳な曲になっています。せつない香り 2分の小曲です。濱口氏はこのような引出しを無数に持っていて様々な楽曲に活かしているようです。テネシー・ワルツ これも日本人好みの有名な曲ですね。しっかりとブルースマンでありながら日本人のオジサンであることも親しみがわきます。ブルース・フロム・カツウラ 本腰を入れたブルース・ギターです。これも動画で様々なパターンの演奏を拝見しました。もう少し早めの演奏の動画は非常にスリリングでマネしたい演奏です。遠足 これも練習曲に名前をつけたのでしょうか。たくさんのバリエーションのひとつです。旗のもとに集まろう 浜風の中で遊ぶ少年たちを目を細めてみながらギターを弾いているような感じで作った感じの、平和で牧歌的な曲です。
 この人を聞いてからアコースティックへの憧れが強くなりました。何しろ生き方が音楽でわかるようなかっこよい演奏にすっかりファンです🎶

guitar : 濱口祐自
bass, percussion : 久保田麻琴
drums : 伊藤大地
cello : 結城貴弘

1. ドクトル・Oのラグ
2. エスニック・ウィンド
3. ジェロニモ
4. グノシエンヌ 1番
5. ビッグ・シティ・フェアウェル
6. メドレー 秋の花びら / アメイジング・グレース
7. バンブー・ブルース
8. ヘキサゴン・ブルース
9. 黒いオルフェ
10. せつない香り
11. テネシー・ワルツ
12. ブルース・フロム・カツウラ
13. 遠足
14. 旗のもとに集まろう





  

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