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2026年4月30日木曜日

Brian Melvin Featuring Jaco Pastorius / Jazz Street Last Recording


  Jacoは1986年にニューヨークのベルヴュー病院に躁鬱病で入院、2カ月の入院の後、ドラマーの Brian Melvinを保証人として退院して、サンフランシコの Brian Melvin の家で3ヶ月にわたって生活をしました。この作品はその時に録音されたセッション三部作「 Night Food (1985), Standards Zone (1986)、Jazz Street (1989) 」の最終作で最後のスタジオ録音とされています。Jaco は、この録音の翌年1987年にフロリダ州フォート・ローダデールのブラワード・ジェネラル・メディカル・センターで、殴打による脳血管破裂により35年の生涯を閉じています。
 晩年のジャコは心身ともに非常に不安定な時期にあり、多くの友人は彼から離れていきましたが、Brian Melvin はその時期の彼を公私ともに支え続けた数少ない人物の一人で、自分のアパートに Jaco を住まわせ食事を共にし、彼が音楽の世界に戻れるよう環境を整えました。これは、ビジネス友情なんじゃないかと邪推してしまいますが、Brian は後に『Reflections: On Music & Friendship with Jaco Pastorius』というドキュメンタリーを制作しており、タイトル通り、彼らの関係が「友情」であったことを自ら強調しており、この録音は「天才ジャコを利用したビジネス」ではなく、「友人であるジャコの才能を信じ、彼が再び立ち上がるための場所を作る」という献身的なサポートの一環で、単なる「共演」ではなく、「魂の救済としてのセッション」と呼べる行動だと信じます。(様々な記録を読む限り、ジャコの晩年の常軌を逸した奇行とジャンキーぶりは、過去の友情、利害関係が発生するとしても、私としては関わりたくない人になると思いますが)


「No Slack」ジャコのベースは、十八番のフレーズを組み合わせて曲にのせています。ベース・ソロも、それなりにしっかりしています。このアルバムの中では最も良いできの録音かと思いますがチープな感じはしてしまう。
「Jazz Street」Weather Report にも似たラテンのリズムの曲ですが、ラテン・リズム箇所の2部、ハードロック系フュージョン部分の、つぎはぎ具合の不自然さが気になってしまう。
「Miles Mode」ジェフベックがソロで乱入してきそうな曲調でスタジオでジャム的にリハをしていたものをアルバムに入れてしまったような感じがします。やっているプレイヤーは楽しそうです。
「May Day」ベースはこのアルバムで1曲だけ参加の Keith Jones です。ジャコとは明らかに違うテイストです。曲は Brecker Brothers  が大好きなんだろうなって感じます。後半の盆踊り的なところは意外と外人がよくやるフレーズのような気がします。
「Wedding Waltz」アルバムとしては聴かせどころのピアノ・バラードです。ジャコが途中までは曲に合わせて良い具合に弾いているのに、ベース・ソロの出番が来たところから覚醒してしまい暴走するので事故ってるな感がありますが、Jan Davis が修正してエンディングに持ってくるあたり、ある意味このアルバムで一番インパクトあります。
「Out Of The Night」順番に録音しているわけではないでしょうが、前曲でのインパクトがあり、ここでもジャコが覚醒してしまうのかとハラハラしてしまいますが、ただの自己主張が強いベーシストが長めにソロをとり過ぎた感じに収まっています。ここで気づきますが、ピアノの Jan Davis は、どんなに曲の流れをジャコに破壊されても、その後で軌道修正をして曲に戻す優秀な腕があります。 
「Drums Of Yadzarah」 空間を演出するSE的なシンセにのせて皆様がアドリブで音をのせていきます。ん~この曲では、おそらくジャコはいないんじゃないのかと思われます。この曲で最後に覚醒したベースソロをぶち込んでくるのは、ありなんじゃないかと思いますが、ベースを抱えて寝ていたものかもしれません。

 クオリティに期待する人には、あまりお勧めできるものではありませんが、Jaco の遺作録音としては知っておきたい一枚ではあります。でも「Wedding Waltz」はインパクトあり過ぎで、何回も聴いてたら、かなり脳にインプットされました🎶

drums, programmed by percussion, drum programming : Brian Melvin
electric bass : Jaco Pastorius
bass : Keith Jones (4)
guitar : Paul Mousavi
piano, synthesizer : Jan Davis 
sax, drum programming : Rick Smith
percussion, synthesizer : Bill Keaney

producer : Wim Wigt

recorded: Oct. 1 to Nov. 1 1986, Different Fur Studio, San Francisco USA except
Poolside Studio, SF / USA (1)
Gipsy Studio, SF / USA (7)

1. No Slack
2. Jazz Street
3. Miles Mode
4. May Day
5. Wedding Waltz
6. Out Of The Night
7. Drums Of Yadzarah




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月19日日曜日

Jaco Pastorius


 大学のジャズ研時代にジャコを知って最初に購入した思い出の詰まったアルバムです。ソロデビューアルバムで、邦題は「ジャコパストリアスの肖像」。音楽史に永遠に残ると思われるジャコですが、本人の意思によって制作されたスタジオ・アルバムは Word Of Mouth とこの2作品のみしかありません。ベーシストのみならず世界中のミュージシャンに影響を与えているのに、たった2枚しか制作していないのは、ジャコを知れば知るほど、彼の素行によるものが原因であると推測できますがビックリです。
 さて、このアルバムは1976年の発売で、ジャコは Weather Report に参加し、同年発売の Black Market に参加しています。 Blood,Sweat & Tearsのアルバム紹介でもとり上げてiいますが、このデビューアルバムの録音にあたっては、このアルバムのプロデューサーにも名を連ねている Blood,Sweat & Tears のドラマー Bobby Colomby が、ジャコの奥さんのトレイシーをナンパして翌日にからかい半分でジャコの演奏を聞いたら驚いたところから始まっています。ジャコの奥さんのナンパがきっかけとはいえ、大きなプロジェクトに発展させていて Come On, Come Over のボーカルにサム&デイブ、ホーンセクションにサンボーンとブレッカー・ブラザーズの顔ぶれと、かなり精力的にレコーディングメンバーも集めています。 さらにはハービー・ハンコックも全面的に参加でジャコを絶賛していたとのこと。


「Donna Lee」ジャズを嗜む人であれば必ずや通る Charlie Parker の名曲で、この長くて難解なテーマを普通はサックスとかのメロディー楽器で演奏するのが常ですが、フレットレス・ベースのみのソロでテーマのみを弾ききって、世界中にインパクトを与えてしまった名演です。私自身も、この演奏を聴かなければこの曲のテーマを弾くことはしていなかったと思います。ジャコとは関係ありませんが、Donna Lee最速選手権「ギター類の部 という動画はギタリストの方は、かなり楽しめます。
「Come On, Come Over」これはボーカルに Sam & Dave、ホーン部隊に Brecker 兄弟、サックスに David Sanborn、コンガに Don Alias という夢のような人選で録音されています。高校を卒業後に Cochran's Circuit Riders でソウル・バンドのベースマンとして活動していた素地からソウル曲のレパートリーは、彼のベースがジャズだけではなくソウル系の強力なグルーブからも発展していることがよくわかります。そんなことを思いながら聞き返していますが、インパクト抜群で、ソウル曲として最高に楽しめる内容で4分弱の録音では物足りなくて、もっと聞いていたい。
 「Continuum」ジャコ鉄板の曲で様々な録音が色々なアルバムで聴けますが、元祖はこの録音かと、再度ありがたく聴かせていただいております。神秘的な響きが塊りで、あちらこちらにボヤっと浮かびあがる曲想で、抽象的なのに、これだけインパクトと人の記憶に残る曲も珍しいのではないでしょうか。わたくしは、この曲を楽器で弾くことはできませんが、ほぼベースラインを口ずさめるほど愛聴しています。
「 Kuru / Speak Like A Child」聴き直して、さらにこのレビューを書くことになって気づきましたが、Herbie Hancock の Speak Like A Child に、ジャコが新たに「Kuru」という部分を付け足しています。原曲を感じさせないので新曲のようなものになっています。冒頭から炸裂するベースのリフはジャコの参加する様々な曲にも使用される発明品で、どんな曲もグルーブさせる魔力を持ち、驚異のスピードで叩きだされる単純に聴こえる難関フレーズです。ストリングのアレンジもジャコが行っているとのことで新人のソロデビューでは、やはり異質でしょ
「Portrait Of Tracy」フレットレス・ベースでハーモニックスを使用している一人ソロ作品で、ベースで全てのピッチでハーモニックスを使用してしかもリズムを崩さないのは激ムズのようです。Tracy はジャコの最初の奥様です。
オーバーダブしているのかをAIに聞いてみたら、ジャコ・パストリアスの「Portrait of Tracy」は、オーバーダブを使わずに演奏されています。ジャコ自身が明言しており、多くの人がエフェクトや電子機器を使っていると思いがちですが、実際にはすべて手だけで演奏されています。特に「Continuum」という曲については、曲全体を2回弾き、2人の人が歌っているような音にしたと語っていますが、録音の際に片方のトラックは聞いておらず、全てを記憶して演奏したという驚異的なエピソードがあります。これは、ジャコ・パストリアスの超絶技巧と音楽性を象徴するものです。と言う自信満々の回答が返ってきましたのでファクトチェックはしません。ハーモニクスの難しさだけではない超難問曲のようです。
「Opus Pocus」ジャコの愛する楽器 steel drums が花形に据えられた楽曲ですが、サックスの Wayne Shorter も良い味だしてます。でもメインはジャコのベースです。改めて聴くと録音のバランスも良いことに気づきます。
「Okonkolé Y Trompa」ピコピコと機械のループのようなベース音で、トレーニングが曲になったのかなと昔思っていましたが、聴けばアフリカンなワールド・ミュージックでスピリチュアルな楽曲。タイトルはアフリカ系の言葉かと思いましたが、スペイン語で「オコンコレとホルン」という意味だそうで意味は無い造語とのこと。
「 (Used To Be A) Cha-Cha」曲名からはチャチャチャでも取り入れたラテンかなと想像する人が多いかと思いますが、格闘技のような猛者たちの技が連発する躍動感あふれる楽曲です。ジャコのベースラインは Kuru / Speak Like A Child でも、登場するものと似ているフレーズで、これもジャコの様々なセッションで色々な曲に流用されるパターンです。ギターでやってみて、単純に聴こえますが高速で弾いて特に指弾きではリズムを支えるのが難しい。
「Forgotten Love」ピアノをジャコが弾いて、ベースは Homer Mensch, Richard Davis の二人が弾いているシンフォニックな曲です。この曲にも大勢のストリングスが入っていますが、アレンジは Michael Gibbs でジャコではありません。短い曲ですが、人が多ければ製作費もかかるものですから、このアルバムが売れると判断してのレコード会社とプロデューサーの意気込みも伺えます。


 アルバム全体もR&B、ジャズ、レゲエ、ラテン、シンフォニックと様々な曲でジャコを見せながらもまとまりのあるアルバムとしています。何百回もこのアルバムを聴いていますが、改めて最後の Forgotten Love など、プレイヤーとしてだけでなく、コンポーザーとして素晴らしい人であると再認識です。追伸 この時のジャコは酒もドラッグもやらない人でした🎶

released : Late April 1976
recorded : October 1975
studio : Camp Colomby Studios, Columbia Recording Studios C&B, New York City
producer : Bobby Colomby

1. Donna Lee / Charlie Parker
 bass : Jaco Pastorius
 congas : Don Alias
2. Come On, Come Over / Bob Herzog
 bass : Jaco Pastorius
 vocals : Sam & Dave
 keyboards : Herbie Hancock
 drums : Narada Michael Walden
 congas : Don Alias
 alto sax, soloist : David Sanborn
 tenor sax : Michael Brecker
 baritone sax : Howard Johnson
 trumpet : Randy Brecker, Ron Tooley
 bass trombone : Peter Graves
3. Continuum / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 electric piano : Alex Darqui, Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 bells : Don Alias
4. Kuru, Speak Like A Child / Herbie Hancock
 bass : Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 drums : Bobby Economou
 congas, bongos : Don Alias
 conductor : Michael Gibbs
 violin : Harold Kohon, Harry Cykman, Harry Lookofsky, Joe Malin, Paul Gershman
 violin, Concertmaster : David Nadien
 viola : Manny Vardi, Julian Barber, Selwart Clarke
 cello : Beverly Lauridsen, Charles McCracken, Kermit Moore
5. Portrait Of Tracy / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
6. Opus Pocus / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 electric piano : Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 percussion : Don Alias
 soprano sax : Wayne Shorter
 steel drums (alto) : Othello Molineaux
 steel drums (tenor) : Leroy Williams
7. Okonkolé Y Trompa / Don Alias
 bass : Jaco Pastorius
 congas, percussion (Okonkolo, Iya, Afuche) : Don Alias
 french horn : Peter Gordon
8. (Used To Be A) Cha-Cha / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 congas : Don Alias
 piccolo flute : Hubert Laws
9. Forgotten Love / Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 double bass : Homer Mensch, Richard Davis
 arranged by, conductor : Michael Gibbs
 violin : Arnold Black, Harold Kohon, Harry Cykman, Harry Lookofsky, Joe Malin,  Matthew Raimondi, Max Pollikoff, Paul Gershman
 violin, concertmaster : David Nadien
 cello : Alan Shulman, Beverly Lauridsen, Charles McCracken, Kermit Moore
 viola : Al Brown, Manny Vardi, Julian Barber, Selwart Clarke

▶  Donna Lee



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年2月20日金曜日

Weather Report / Best Of Vol.1


 ほぼ Weather Report のアルバムは持ってますので、私が若い頃に聴き始めた頃に購入したアルバムです。最初に Weather Report を知ったのは、このアルバムの冒頭曲の Birdland が最初で当時ラジオかなんかでかかっていたのを聴いたのだと思います。なんてキャッチーでカッコ良い曲だと思ってカセットに入れて聴いていたら、ある時コーラスのみで構成されているThe Manhattan Transfer バージョンを耳にした時は、Weather Report を完コピかと感動し、以来どちらも愛聴しております。
 久しぶりに聴こうと、これを引っ張り出しましたが 改めて見るとドイツの輸入盤でした。ググってみるとヨーロッパ、ドイツ、オーストラリアでの CBSから発売されていて日本やアメリカでは発売されていないようです。なお Vol.2 が出ているのかも検索しましたがヒットしなかったので、2作目構想はあったものの売れゆきが思わしくなかったので頓挫したのかと想像します。ライナーノーツに何が書いてあるのか、さっぱりわからずですが、これも一興。

 

 と、ドイツ語をOCして翻訳かけては非常にめんどくさいので省こうと思っていましたが、今はAIが発達しています。Gemini に二つの画像ファイルをアップロードしてを、日本語に翻訳してくださいと頼めば数秒で面倒な作業が完了しますので、翻訳終わったものを掲載しときます。
ウェザー・リポート(WEATHER REPORT)の軌跡
 ウェザー・リポートは1970年に結成されました。CBSの会長クライヴ・デイヴィスは、彼らの演奏を一度も聴く前から契約を結びましたが、その理由は、メンバー全員がマイルス・デイヴィス・グループの出身であり、並外れて高い芸術的評価を得ていたためでした。ウィーン出身のキーボード奏者ジョー・ザヴィヌルのリーダーシップのもと、バンドは全く新しいジャズのスタイルを急速に確立しました。1971年に最初のLPをリリースすると、ジャズ専門誌『ダウンビート』の読者投票ですぐさま「年間最優秀グループ」の称号を獲得しました。
 もちろん、ウェザー・リポートの音楽的業績は、グループ最大のヒット曲となった「バードランド(Birdland)」だけではありません。ザヴィヌルとウェイン・ショーターを中心に、長年にわたってジャコ・パストリアス、ミロスラフ・ヴィトウス、アルフォンゼ・ムゾーン、アイアート・モレイラ、オマー・ハキムといった革新的なミュージシャンたちが集まり、数々の優れたアルバムを世に送り出しました。
 アルバム『ヘヴィ・ウェザー(Heavy Weather)』は、ジャコ・パストリアスの巧みなベース・プレイのおかげでミリオンセラーとなり、グループを70年代で最も成功したジャズ・ユニットへと押し上げました。「Eurydice」「Elegant People」「And Then」「A Remark You Made」「Hernandu」といった楽曲は、今日ではエレクトリック・ジャズの古典となっています。1983年には初のボーカル曲が登場しました。マンハッタン・トランスファーによる「バードランド」のボーカル・バージョンとは対照的に、彼らはアルバム『プロセッション(Procession)』収録の「Where The Moon Goes」で自分たちの歌声を披露しました。
 ウェザー・リポートは今日、ジャズとロックを決定的に結びつけた音楽史の一部として評価されています。その音楽的多様性は、シンプルでメロディアスなアレンジから、多層的な音の奔流まで多岐にわたり、聴き手に現代ジャズへの新しい理解を促しました。録音から年月が経過しているにもかかわらず、彼らの作品は今なおジャズ愛好家にとって真の傑作であり続けています。また、次世代のジャズ・ミュージシャンにとって、「ウェザー・リポートという科目」は広く愛される必須の学習要綱(カリキュラム)となっています。
 ライナーノーツは Weather Report 入門盤としてのエレクトリックジャズの古典としての解説でした。私も当時は揃えていなかったので Weather Report なんて、どうせそろえるんだからベストなんて買う必要無かっただろ!って思わずに購入したので目的通りです。ベスト・アルバムは資源の無駄と思っていたことも過去ありましたが、金儲け主義の曲の羅列と思われるものも多いですが、企画した人の趣味や意図を感じられるもの、メジャーな中に1曲だけあるマイナー曲で、そのマニアっぷりにニヤリとすることもよくあります。さてこのアルバムにニヤリの要素はあるのか?ライナーノーツからはヒット曲集としての位置づけしか書いてありませんが、それだけなのか?


 聴き直しながら懐かしみながら編集者の偏愛はどこらへんにあるのか聴いて参ります。「Birdland」 最初は一番メジャー級の最大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) から、Jaco 参加2枚目のアルバムです。キャッチーなメロディ、編曲で誰もが一度聞いたら忘れられない曲です。Jaco のハーモニックスが粋です。「And Then」 中期のアルバム Mr. Gone(1978) からの曲で、Maurice White、Deniece Williams がボーカルで参加。Steve Gadd がドラムです。ここらへんの時代のフュージョン・バンドは歌物がアルバムに1曲入ってるものが多いのは、Weather Report の影響でしょうか。「A Remark You Made」 Heavy Weather(1977) から2曲目です。Wayne Shorter テナークス(テナー)がよく歌い、Joe Zawinul のシンセ音、Jaco のフレットレスがマッチした派手ではないが味わい深い名曲。「Second Sunday In August」Miroslav Vitous がベース、ドラムに Eric Gravatt)、パーカッションに Dom Um Romãoが新たに加入した2作目  I Sing the Body Electric(1972) で、ワールドミュージック的なスケールを感じる楽曲です。ポップさや派手さは無いですが世界観がすごい。「Herandnu」 Jaco が初めて参加したアルバム Black Market(1976) からの選曲で、この曲は Alphonso Johnson が作曲し、ベースを弾いています。スピーディで流れるようなリズム、アフリカを感じさせるシンセ音、ロックな雰囲気も感じます。カックイイですね。「Tears」しっとりと Wayne Shorter のサックスを聴かせながら段々とエッジの効いたシンセで煽ってくる静かなんだけどエネルギーが途中からドンドン出てくる楽曲です。マイルスのエレクトリック・ジャズ・ロック路線を引き継いだ Weather Report(1971) からの出品。「Elegant People」Black Market(1976)から2曲目の出品。これも Alphonso Johnson のベース。静かにエレガントに始まり、シンプルなテーマ繰り返しですがジワジワと緊張感を出してきて、これも名曲。「Eurydice」ファーストの  Weather Report(1971) からの2曲目です。Weather Report のイメージであるポップさは全くなく、Bitches Brew よりも少しバップよりな感じで Wayne Shorter のサックスが怪しい雰囲気で良い。「Man With The Copper Fingers」Weather Report  のラストアルバム This Is This!(1986) からの選曲です。ベースは Victor Bailey、ギターはCarlos Santana、ドラムはPeter Erskine の布陣で日本人もよくやるタイプのフュージョンサウンドで、聴いてて安心感あります。Santana のギターがメインですが(これを書いて知りましたが)、全くイメージのラテンフュージョン臭さが無いのもビックリ。「Where The Moon Goes」Jaco に変わって  Victor Bailey が参加した Procession(1983) からの選曲。スペースサウンドにアフリカンな変拍子リズムとそちら系のボーカルが入ってボコーダーも使ってしまうワールド・ミュージック・フュージョンです。最後のアレンジは Birdland 意識してる感あります。「Harlequin」Heavy Weather(1977) から3曲目の選曲で、よく聴くとつかみどころが少ないメロディーのスローナンバーですが、メチャクチャ頭にこびりつく名曲です。「Speechless」 Jaco Pastorius のフレットレスのソロに焦点があてられた奥深さが感じられるスローフュージョンです。余り今まで印象に無かった曲なのですが、改めて聴き直すと、ポップ過ぎない、ジャズ過ぎない、ワールドっぽさすぎない、ある意味 Weather Report の良さが詰まっている曲となのかと思いました。Weather Report 81(1982)からの選曲。「Palladium」大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) からの4曲目。Jaco のお得意ベース・フレーズにスチールパンが入った大好きな曲です。
 このベストのプロデューサーの意図はよくわかりませんでしたが、導入部分にはヒット曲を起用し、ポップ路線を聴かせながら古いところも、こんな一面もあると聴かせる中々良い選曲と順番であると思いました。
 また、Sweetnighter(1973)、Tale Spinnin'(1975)、Weather Report 81(1982)、Domino Theory(1984)、Sportin' Life(1985) などは持っていないことを再確認したので、どこかで入手していきたいと思います🎶

1. Birdland / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
2. And Then / S. Guest, Weather Report Mr. Gone(1978)
3. A Remark You Made / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
4. Second Sunday In August / Joe Zawinul, Weather Report I Sing the Body Electric(1972)
5. Herandnu / Alphonso Johnson Black Market(1976)
6. Tears / Wayne Shorter Weather Report(1971)
7. Elegant People / Wayne Shorter Black Market(1976)
8. Eurydice / Wayne Shorter Weather Report(1971)
9. Man With The Copper Fingers / Joe Zawinul This Is This!(1986)
10. Where The Moon Goes / Joe Zawinul, Nan O'Byrne Procession(1983)
11. Harlequin / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)
12. Speechless / Joe Zawinul Weather Report 81(1982)
13. Palladium / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)





  

2025年4月21日月曜日

Jaco Pastrius / Word Of Mouth Band 1983 Japan Tour featuring Kazumi Watanabe


 2012年リリースの発掘音源です。渡辺香津美がマイクスターンの推薦よって参加したワード・オブ・マウス・ビッグバンドの日本ツアーのミキサー卓から録ったカセットテープ音源なので音質もばっちり、リリース後に聞いた時には、これはすごい音源だとビックリしました。

 ジャコは1982年にウエザー・リポートを脱退し、ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドで、Invitations を録音しています。そして同年に東芝のオーディオ製品のブランド名を冠したオーレックス・ジャズ・フェスティバルで来日しています。その翌年の1983年にスモール・コンボとして再び日本でツアーを行ったのが本アルバム。1982年のツアー時には、かなりの奇行ぶりで、その後のイタリア・ツアーでは長すぎるディストーション・ソロとステージ放棄で2万人観客からのブーイング事件、ホテルのバルコニーの手すりから落下して骨折事件などお騒がせな時期だったはずですが、ここではフィジカルな演奏を見せており、素晴らしい録音内容です。特におかしなエピソードも見かけないので、安定期だったようですが、その頃二人でドラッグと酒にはまっていたマイク・スターンが来日できなかったことを思うと、そうでもないような気がします。ライナーノーツで渡辺香津美は、この後ツアーへの参加を要請されたけど断った、参加すればよかったと思っていたとの記述もありました。しかし、この頃のジャコは迷惑なエピソードのオンパレードで、それはリップサービスで実は渡辺香津美氏も危険を感じていたのでは?とも思ってしまいます。ライナーノーツに書いてあるツアーでのメンバーのエピソードを見ていると楽しそうな現場だったようです。


 全曲レビューしときます。 Disc1 から、Soul Intro, The Chicken ジャコと言えばこれです。The Chicken は、我々アマチュア・バンドでもセッションでは皆が楽しめる曲でお世話になってますし、ジャコが付け足した Soul Intro とのセットがやはり定番です。ジャコのベースもオルガンのようにブーストがかかり、演奏内容も良い状態です。Clean Up Woman 昔 Wayne Cochran のバンドに在籍していたジャコの思い出の曲ですね。Dermar Brown のボーカルも、かなりのハイレベル。ソウルに根差して鍛えられたベースのリズムを改めて認識ですが、2分3秒の超ショートでのフェイドアウト。Bass Solo は、MXRデジタル・ディレイを使用した、いつもの一人ソロですが、このベースソロは、よく聞くジミヘンなどは入れずに創造的です。時にやり過ぎてしまって不評を買うことも多かったソロですが、こいつは素晴らしい。Black Market これは Wether Report 時代の名曲で香津美氏のギターが、思いっきりヘビーに暴れているのが嬉しい。Black Market 1976。そして John & Mary は、ジャコの子供の名前をタイトルにした民族音楽的な楽曲、Word Of Mouth 1981 ですが後半は、原曲は後半がワールド・ミュージック風だったが、本アルバムではソウル風のアレンジ。Dania 正式アルバムには収録されていない Jaco Pastorius / Live In New York City Volume One に収録のジャコのスキャットが聴けます。その他FM東京のオンエアをCD化したブートレグっぽい正式リリース盤 Jaco Pastorius Band / Tokyo 83 なんかもありますが、聴き比べても、この盤の演奏は録音状態も含めて良いですね。
 続いて Disc2 です。Reggae Tune, Who Knows ジャコの作曲?発案?のレゲエセッションに、ジミヘンの Who Knows のドッキング。18分26秒の長尺で最後はプチっと終わり。好きな人には良いですが少々やり過ぎ感はある。Teen Town, Changes ジャコのセッションなどでも定番の Teen Town はディストーションのギターとも相性が良く、他でもハイラムが気持ちよくギュンギュン弾いているのもありますが、ここでは香津美氏がホント暴れっぷりが素晴らしい。私はハイラム・ファンであり悔しいですが、Jaco Pastorius / Live In New York City Volume One 、 Vol Two より、こちらの方が聴きごたえあるかな。Havona は、Wether Report / Heavy Weather 収録のジャコ作曲の名曲です。このコンボより少し大きい人数の編成でのスピード感のある演奏と非常にマッチしています。ジャコの指さばきも、速さ正確さパッションとも絶好調です。さらに Beavor Patrol は、正式アルバムには収録されていないナンバーで、この録音は Jaco Pastorius Band / Tokyo 83 と同じものと思われます。Fannie Mae, Why I Sing The Blues これもジャコの定番曲のメドレー。安定感は抜群です。


 ジャコのアルバムは、必ずしもコンディションの良くないジャコを悲しくなりながら聞いてしますこともありますが、このアルバムはホント聴けて良かったです。病気療養中の渡辺香津美さま、改めて有難うございます!

Jaco Pastorius“WORD OF MOUTH”Band 1983 ジャパン・ツアー・スケジュール
5月10日 大阪フェスティバル・ホール
5月11日 福岡サンパレス
5月13日 名古屋市公会堂
5月14日 宮城県民会館
5月15日 神奈川県民ホール
5月17日 新潟市県民ホール
5月19日 札幌厚生年金ホール
5月21日 新宿厚生年金ホール
5月22日 新宿厚生年金ホール(2ステージ)

bass : Jaco Pastorius
trumpet : Ron Tooley
sax : Alex Foster
keyboads, vocals : Dermar Brown
percussions : Don Alias
steel drums : Othello Molineaux
drums : Kenwood Denard 
guitar: Kazumi Watanabe

【Disc 1】
1. Soul Intro, The Chicken / Jaco Pastorius, A.J.Ellis
2. Clean Up Woman / Clarence Reid / Willie Clark
3. Bass Solo / Jaco Pastorius
4. Black Market / Joe Zawinul
5. John & Mary / Jaco Pastorius
6. Dania / Jaco Pastorius

【Disc 2】
1. Reggae Tune, Who Knows / Jaco Pastorius, Jimi Hendrix
2. Teen Town, Changes / Jaco Pastorius, Buddy Miles
3. Havona / Jaco Pastorius
4. Beavor Patrol / Jaco Pastorius
5. Fannie Mae, Why I Sing The Blues / Buster Brown, B.B.King


▶ Havona

▶ Dania


  

2025年2月2日日曜日

Joni Mitchell / Shadws And Light

 


 ジョニ・ミッチェルが1979年9月にカリフォルニアのサンタバーバラで行なったコンサートの模様を収録したライヴ作で、故ジャコ・パストリアスを初めとするドンアライアス、マイケルブレッカー、パットメセニー、ライルメイズというジャズファンからしたら聞き逃せないメンバーによる作品です。目当てとしてはジャコの作品収集の一環としての購入なのでジョニファンには申し訳ないですがジャコファン目線で記述すると、ジョニとジャコのコラボは1976年の「Hejira」1977年の「Don't Juan's Reckless Daughter」1979年「Mingus」があり、ジャコとのコラボ作としては最終作となります。パット・メセニーとのコラボは1975年にドイツで録音されたパット・メセニーのデビュー作 Bright Size Life から始まっています。
 ジャコ目線で追ってしまいましたが、これだけの凄腕を集めると誰かがジョニよりも目立ってしまったりしまうものですが、メンバーに最高のパフォーマンスをさせつつ従えて自分のパフォーマンスを最高レベルに見せてしまうことができるのは格が違います。ジャコついでに書いてしまうとビル・ミルコスキー作の「ジャコパストリアスの肖像」で大概の人はジャコはユーモアがあって素晴らしい男だったと褒めていますが、ジョニだけは「傲慢で挑戦的」とインタビューに答えています。でも「たいていの人は彼には耐えられなかったけど私は彼と一緒にやっていきたいと思った」とも答えています。ドラッグに溺れた後のジャコとはほぼ付き合いがなく最後に会ったニューヨークのバーでは表情がなくて虚ろな目をしたジャコがいて名前を読んだら抱き合ったと語っています。正直にでも言葉を選んだインタビューで、きっと素晴らしい女性であることをうかがわせる内容でした。


 この音源も聞いたことはあったんですが、ジャンルレスに聴く人を惹きつけるボーカルはいつまでも心を打ち新鮮な気持ちで聴くたびに新鮮な気持ちになれます。レビューしていきましょう。In France They Kiss on Main Street ジャコの音が、やけにでかいですが、しっかりとしたグルーブでボーカルの邪魔をしないところや盛り上げ方も良し、カントリー調にもこんなに相性が良いのかと最初から飛ばしてきます。Edith and the Kingpin イントロだけジャコがしゃしゃり出てきます。静と動の対比が素晴らしくジョニの透き通った歌声が素敵です。そして名曲ですな Coyote ジャカジャカのギターはジョニでメセニーのギターがキラキラとしてドン・エイリアスのコンガが効果的です。Goodbye Pork Pie Hat はミンガスとの楽曲でジャズ期の作品です。このメンバーだからこその演奏は、とても聴きやすいし、自由に音階を泳ぐように歌うボーカルもまた良し。ジャコのランニング・ベースからのおかずの入れ方も天才的です。Amelia も良い曲ですよねえ。ジョニの弾き語りでしょうか。ギターも上手し。続いて Pat's Solo でクセのあるギター・ソロです。個人技もお後よろしいようで楽しいコンサートです。そして待ってました Hejira です。ベース、Saxのソロ、も含めエレクトリックなジャズがバンド一体となって展開されます。ジョニは Weather Report をバックバンドにしたかったそうですが、同等の効果が実現されているようです。そしてDreamland は楽しいナンバーです。そして Band Introduction でのメンバー紹介。パットメセニーはパット・マルティーニか。Furry Sings the Blues で、熱くなった観客を少々冷やしながら聴かせます。Why Do Fools Fall in Love? はロックンロールでイントロで少し流れたヤツですね。素晴らしいハーモニーと選曲です。Shadows and Light ここでこのアルバムのタイトル曲です。大きな会場でこのハーモニーを聴くと観客は感激で震えたに違いありません。そして、また楽しいライブですからジャコが少し遊び心でサービスし、ジョニが貫録の歌で God Must Be a Boogie Man。そして最後は Woodstock です。最後は派手にかますことはせずに、歌を聴いてもらう曲にするのも泣けますね。名盤です。
 行きつけの「おでんバー」には、このアルバムのLPが置いてあり、CDと聞き比べたらLPのほうが臨場感が格段にあったので少し悔しい思いをしております🎶

vocals, electric guitar : Joni Mitchell
keyboards : Lyle Mays
lead guitar : Pat Metheny
electric bass : Jaco Pastorius
drums : Don Alias
sax : Michael Brecker
vocals : The Persuasions

Recorded & filmed live at the Santa Barbara Bowl, Santa Barbara, California, USA on September 9, 1979, using the remote facilities of Record Plant Mobile, Los Angeles.

1. Introduction
2. In France They Kiss on Main Street / Joni Mitchell
3. Edith and the Kingpin / Joni Mitchell
4. Coyote / Joni Mitchell
5. Goodbye Pork Pie Hat / Charles Mingus, Joni Mitchell
6. Dry Cleaner from des Moines / Charles Mingus, Joni Mitchell
7. Amelia / Joni Mitchell
8. Pat's Solo /  Pat Metheny
9. Hejira / Joni Mitchell
10. Dreamland / Joni Mitchell
11. Band Introduction 
12. Furry Sings the Blues / Joni Mitchell
13. Why Do Fools Fall in Love? / Frank Lymon, Morris Levy
14. Shadows and Light / Joni Mitchell
15. God Must Be a Boogie Man / Joni Mitchell
16. Woodstock / Joni Mitchell





  

2024年12月22日日曜日

Jaco Pastorius Big Band / Word Of Mouth Revisited

 

 1987年に他界した Jaco のトリビュートで、ゲスト・ベーシストを起用した Jacoのいない Jaco Pastorius Big Band (Word Of Mouth Big Band) の、2003年の3月、4月のライブを収録したアルバムです。ただ Wiggle Waggle の1曲だけは、ジャコの過去の演奏した録音テープにバンドが合わせて演奏した録音となっているのと、Punk Jazz Revisited を演奏する Marcus Miller は、ビッグバンドに参加せず自身で、いつものスラップを多用した自身の色を強く押し出している作品をレコーディングし、最後の曲として提供しています。またライブの演奏のほか、生前のジャコのボイスを散りばめているのもこの作品の特徴です。
 私の所有している、この盤は紙ジャケなのですが、参加ミュージシャンのコメントや、プロデューサーの Peter Graves とアレンジの Larry Warrilow の各曲のコメントが記載されたライナー・ノーツを読みながらアルバムを聴くのも楽しみです。(ただ手書きの文章の部分は英語圏でない私には読解に時間がかかり非常に読みづらい)

 

 さてレビューしていきます。Jaco Speaks は聞き取れないので割愛します。Havona ジャコ作曲で Weather Report の Heavy Weather に収録のベースラインを主体とした楽曲で、ベーシストは Jimmy Haslip で、かなりの再現度でもありジャコよりも正確な発音なのでは無いかとも思ってしまいます。ビッグバンドにも非常にマッチする曲です。Teen Town これも Weather Report の Heavy Weather の収録曲で、ジャコのライブ音源に高確率で演奏される名曲です。ベースは Victor Wooten で、ジャコに負けない自由度の高い演奏は気合十分です。Punk Jazz ベースは Richard Bona で絶妙なタイム感でのベースで、しっかりとビッグ・バンドがグルーブしていると思います。Barbary Coast ジャコの最初の Weather Report への参加アルバム Black Market の収録曲でエンターテイメント性あふれる演奏で、ベースは Gerald Veasley です。Killing Me Softly は Roberta Flack の1973年のヒット曲で、ジャコの若い時にアレンジした譜面を使っての録音のようで、ピりついた雰囲気の無い演奏で、ベースは Jeff Carswell。(Used To Be A) Cha Cha ジャコのファーストアルバム Jaco Pastorius での収録曲です。このアルバム制作のプロジェクトのテーマの一つとしてジャコが余り演奏していない曲を収録することがあり、それに合致する最適な曲として選ばれたとのこと。ベースは Victor Bailey です。 Wiggle Waggle この曲は Herbie Hancock / Fat Albert Rotunda の1曲目に収録されていた楽曲で、メキシコの Sanibel Island でのギグのジャコの演奏に合わせて、ビッグバンドが演奏しています。元曲のベースのリフはもっとジャズ・ファンクですが、ここではジャコの得意のベースのリフパターンにして、この曲にぴったりとマッチしています。Continuum ジャコのアレンジと書いてありますので存命時にアレンジして書いた譜面を使ったものと思われますが、ほぼ Jimmy Haslip の独自のインスピレーションでのソロで構成されています。Elegant People ジャコの愛した Wayne Shorter の楽曲です。Holiday For Pans でレコーディングしたとライナーノーツに書いてあり、アレンジはジャコ本人の表記ですので Holiday For Pans の時のアレンジを使っているとは思いますが、楽器の編成なども異なるため違うアレンジに聞こえます。ベースは Gerald Veasley です。Opus Pocus ジャコの作曲で息子の David Pastorius がベースを弾いっています。曲はいかにもジャコらしいフレーズのベースラインの楽曲です。Domingo これもジャコのアレンジとの表記がしてあります。スリリングなビッグバンドの演奏であり、ベースの Victor Bailey の正確な指さばきが更にグルーブを引き出しています。Forgotten Love ファーストアルバム Jaco Pastorius の収録曲で Herbie Hancock がピアノを弾いてストリングスが印象的でしたが、ここでは管楽器をバックに Christian McBride がフレットレスで、郷愁を誘うソロを展開します。Punk Jazz Revisited 最初に聴いた時には Marcus Miller が我を張った演奏の曲を提供しているとの印象しかなかったのですが、ジャコの肉声の録音があったり、様々な趣向が凝らされているこのアルバムを、完成させるスパイスになっていると今は思います。それにこの楽曲を入れるのは最後しかないですね。


 曲ごとにベーシストだけ変わるので、色々なアーチストが録音したものを集めたようなトリビュートとは違い、曲の良さを引き出し、ジャコの基本的なベースラインの魅力を各ベーシストが、それぞれに表現していることでアルバムとしての統一感があります。
 故ジャコが雑誌インタビューで、「ジャコパストリアスの肖像」では ベーシスト としてプレイに重点を置いて制作し、Word Of Mouth Big Band ではコンポーザーとして重点を置いているのでベース・プレイは基礎的な部分を弾くことだけで良いと語っています。そういった意味でも、この Word Of Mouth Big Band の録音は、故ジャコ が異なるベースプレイヤーをゲストとして呼んで録音したようなものとも思えます。
 基本的にはジャコのベース・ラインを各ベーシストが弾くので、技量の違いや解釈の違いも聴きどころであると思いますが、誰の演奏が良い悪いは、このアルバムではどうでも良いところ。ただ Wiggle Waggle のベースを聴いているとジャコのベースのグルーブは、やはり特別なものがあるんだなと納得させられるものもあり、このテイクを入れたのも絶妙であると感心してしまいます🎶

voice : Jaco Pastorius (1, 4, 6, 9, 12, 14, 17, 20), Peter Graves (17)

【Jaco Pastorius Big Band】
conductor : Peter Graves
alto soprano sax, flute, piccolo flute : Billy Ross
tenor alto sax, clarinet, flute : Gary Keller
tenor soprano sax, clarinet : Ed Calle
baritone sax, bass clarinet, flute : Mike Brignola
trumpet, flugelhorn : Jason Carder, Jeff Kievit, Ken Faulk
trombone : Dana Teboe
bass trombone : Craig Gosnell (5, 10, 18), John Kricker
piano, keyboards : Michael Levine
drums : Mark Griffith
guitar, koto (synth) : Randy Bernsen

recorded live March & April 2003
executive-producer : Dave Love
producer : Michael J. Hurzon, Peter Graves
producer, recorded by : Marcus Miller (21)

1. Jaco Speaks
2. Havona (Jaco Pastorius)
arranged by : Larry Warrilow
bass : Jimmy Haslip
3. Teen Town (Jaco Pastorius)
arranged by : Larry Warrilow
bass : Victor Wooten
4. Jaco Speaks
5. Punk Jazz (Jaco Pastorius)
arranged by : Jaco Pastorius
bass : Richard Bona
tenor sax : Mike Scaglione
6. Jaco Speaks
7. Barbary Coast (Jaco Pastorius)
arranged by : Larry Warrilow
bass : Gerald Veasley
8. Killing Me Softly (Charles Fox, Norman Gimbel)
arranged by : Jaco Pastorius
bass : Jeff Carswell
9. Jaco Speaks
10. (Used To Be A) Cha Cha (Jaco Pastorius)
arranged by : Dan Bonsanti
bass : Victor Bailey
11. Wiggle Waggle (Herbie Hancock)
arranged by : Stan Webb
bass : Jaco Pastorius
12. Jaco Speaks
13. Continuum (Jaco Pastorius)
arranged by : Jaco Pastorius
bass : Jimmy Haslip
14. Jaco Speaks
15. Elegant People (Wayne Shorter)
arranged by : Jaco Pastorius
bass : Gerald Veasley
drums (hand drums) : Bobby Thomas Jr.
16. Opus Pocus (Jaco Pastorius)
arranged by : Larry Warrilow
bass : David Pastorius
marimba : Gary Mayone
17. Peter & Jaco Speaks
18. Domingo (Jaco Pastorius)
arranged by : Jaco Pastorius
bass : Victor Bailey
19. Forgotten Love (Jaco Pastorius)
arranged by : Larry Warrilow
bass : Christian McBride
flute : Mike Scaglione
20. Jaco Speaks
21. Punk Jazz Revisited (Jaco Pastorius, Marcus Miller)
arranged by : Marcus Miller
bass, bass clarinet, drums, clavinet, soprano sax, scratches :– Marcus Miller
soprano sax : Roger Byman
trumpet : Michael "Patches" Stewart

Havona




  

2024年10月25日金曜日

Jaco Pastourius / Live In New York City Vol Three


 録音は1985年の Vol.One と同じメンバーによる第三弾で、おそらく11月か12月のセブンス・アベニューでの1週間ほどのギグのはずです。ちなみに Vol.Two は、Hiram Bullock,  Kenwood Dennard のトリオでの演奏となっています。ジャコの死後に発掘された音源で現在までにシリーズは調べてみたら7まで発売らしい(えええ)ジャケ写違いのダブりとか気にして後で確認して買い揃えなければ。
 さて、1982年にウェザー・リポートを脱退ごろから麻薬とアルコール依存が強まっていました。ですから1985年の頃のジャコはかなり荒れていて、ベースを持たずにギグに現れて15分間ピアノを弾くとか、ベースを最大音量にして10分間フィードバックさせたり、州の開催する学生たちのための音楽プログラムに酔っぱらって裸足で途登場し騒動を起こすなどの奇行があったようです。しかし同年9月にはフィラデルフィアの病院に入院し、リチウム系鎮痛剤で興奮を抑制する治療を行い、12月のギグを迎え、ここでのジャコは別人のように控えめであったそうです。


 それでは最近聴いていなかったので、再度聴きながらレビューしていきます。Bass & Percussion Intro. ひたすらベースのハーモニクスとパーカッションのセッション。パーカッションはトランペットの Jerry Gonzalez です。Continuum 様々なバージョンを聴いている曲です。フレットレス・ベースの音色を活かした曲です。ハイラムのギターと、Michael Gerber のピアノで幻想的な世界をサポートしています。専用機材での録音ではないので少し音的には残念です。N.Y.C. Groove, No.2 このセッションシリーズの裏テーマです。最後はソウル風セッションで、ライブハウスならではのノリですね。Teen Town ハイラムはこの曲を得意としているようです。少し遅めのリズムでの演奏です。少し重めの演奏ですが演奏内容としては、かなり充実しているかと思います。Alfie ベース・ハーモニクスから入るロマンティックな演奏で基本ピアノとのデュオがメイン、ボーカルは Michael Gerber 素敵な演奏ですが、音が遠いのがこれも残念ですが、ライブハウスらしくて、これも良い。Why I Sing The Blues ジャコの大好きなブルースですね。ボーカルは本人がとっています。これはボーカルが遠くて録音としては丁度良いかな。Promise Land これは、シンセの Delmar Brown がメインの演奏と思っていたらハイラムが割り込んできます。 Delmar Brown がソウルフルなボーカルを気持ちよさそうにとっています。和気あいあいのステージですね。If You Could See Me Now こんなジャズセッションも聴けるのは、このライブハウスのこのメンツならではでしょう。締めはコルトレーンで Naima ですね。ジャコの練習曲でもあったのでしょう。ベースソロでの演奏で、曲としての完成度は今一ですがファンとしては楽しい一曲です。
 実際ここでの演奏は落ち着いたテンポとタイム感、バンド・メンバーとの高揚した演奏ではあるものの、ジャコは終始、冷静なプレイをしていると思います。惜しくも録音の状態は良いとは言えなく、下馬評では精彩に欠くとは言われているものの、後期のジャコの演奏としては、かなりの良い状態での演奏であると言えると個人的に思います。ついでに言えば、私が大好きな常にハイなはずのお祭り男のハイラムも、珍しく控えめの演奏で適度です。彼も、また多くの記載は無いので誠かどうかはわからない薬物の噂がも言われていますが、リチウムでも飲んでいたのでしょうか? 
 そう思いながら聴き直していると良い演奏ではありますが、音は鳴っているのに崩壊の手前の不気味な静けさのような演奏であるとも思えてきます🎶


bass : Jaco Pastorius
piano : Michael Gerber
synthesizer : Delmar Brown
guitar : Hiram Bullock
drums : Kenwood Dennard
saxophone : Alex Foster, Butch Thomas
trumpet, congas : Jerry Gonzalez

producer : Neil Weiss
recorded in November 1985 in New York City

1. Bass & Percussion Intro.
2. Continuum (Jaco Pastorius)
3. N.Y.C. Groove, No.2
4. Teen Town (Jaco Pastorius)
5. Alfie  (Burt Bacharach)  / vocals : Michael Gerber
6. Why I Sing The Blues (B.B. King) / vocals : Jaco Pastorius
7. Promise Land / vocals : Delmar Brown
8. If You Could See Me Now  (Tadd Dameron)
9. Naima  (John Coltrane) 



▶ Alfie