ラベル CD FUNK の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル CD FUNK の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年3月29日土曜日

Chris Daniels & The Kings / is My Love Enough


 ブルースに凝って買い漁っていた時期にタワーレコードかなんかで購入で中古では無い気がします。中身は、いかにもアメリカンな、ひたすら明るいファンク色の強いジャンプ・ブルースを基調のブルース・ロック。楽し気な雰囲気はジャケのイラスト通り。この人については相変わらず情報は乏しいです。
 Chris Danielsはコロラド初のジャムバンドと呼ばれたキングスのバンドリーダーで「コロラド音楽のアイコン」と言われる人とあります。バンドは14枚のアルバムをリリースし、米国でのツアーや21か国ののヨーロッパツアーをやっていたり、バンド名義でのブルースフェスなどの出演経歴から見れば、日本人の私がマイナーと思っていても、アメリカのブルース界では、結構なメジャー級なかたかと思われます。若い頃に組んでいたバンドのメンバーでは New York Dolls のボーカルの David Johansen もいたとのことで、こちらは超メジャー級。(David Johansen は、2015年2月14日ニュースで75歳になっており、ステージ4の癌とのこと)


 経歴を読んでいくと中々のインテリで、音楽活動をやっていたもののバークリー音楽大学とマカレスター大学に通ったとあり、1995年から2000年までスワローヒル音楽協会の事務局長を務め2002年にアラパホ・コミュニティカレッジの非常勤教授となり、コロラド大学デンバー校の学部に加わり、音楽ビジネスプログラムのエリアヘッドを務めているとあります。やっている音楽もきっちりしていますが、セールス的な成功ではなく音楽を職業とすることでも成功をつかんだ人であることが伺えます。


 アルバム全曲レビューはいいかなって感じです。改めて聴いて、ジャンプ・ブルースって感じではなく、ZZ Top っぽいギターにブラスを取り入れたブルースロックで、Kenny Loggin っぽい歌い方の曲なんかもあります。また Sing Sing Sing をやっているのは少しインテリっぽいくて、いかにもアメリカ。私のブルース収集時の冒険購入は、もっとマイナーなド・ブルースが多いので、これは違った方向での冒険してましたね🎶

electric acoustic guitar, synth, slide guitar, vocal : Chris Daniels
drums, vocals : S.Watson Soell
string(4,5), bass, vocals, piano, synth, acoustic guitar, 7strings guitar : Kevin Lege
baritone sax, tenor sax, bass sax, bass clarinet : Philip Mcclard
alto sax, flute : Carlos Chaves
flugle horn, mute trumpet, pocket trumpet : Forrest Means

1. Jackhammer
2. Is My Love Enough
3. Addin' Up
4. Hip & Thigh
5. Congo Square
6. Stealin' Candy
7. Three Straight Days Of Rain
8. Somebody's Messin'
9. Not Dead Yet
10. That's Why They Call It A Party
11. Sing Sing Sing
12. The Heart Of Saturday Night





  

2025年3月22日土曜日

Curtis Maifield / Curtis Live!


 1971年1月、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのクラブ Paul Colby's Bitter End で行われた公演が収録されている名盤と言われているヤツです。録音されたクラブは1961年のオープンから1974年までは、Paul Colby氏 がオーナーで現在は The Bitter End Cafe として現存していました。キャパは230人と書いてありましたので、そこそこの大きさですが大きな会場ではありません。本アルバムでも客との近い距離感がわかります。


 1958年に The Impressions で活動を開始した Curtis Maifield は1970年からアルバム Curtis (1970) を皮切りにソロ活動を開始します。そして翌年に発売されたのがこの Curtis/Live! (1971), Roots (1971) となります。The Impressions の活動でも Further Impressions(1996) で聴いていて、1967年あたりから大きく作風が変わってきたのを感じましたが、数年前までは古いタイプのソウルを歌っていた Curtis Maifield が更にこのソロ活動で大きなサウンドで進化していることで当時のファンは歓喜したに違いなく、そこからもこのアルバムは名盤と言われているものと思います。


 Billboard 200で21位、R&Bアルバム・チャートでは3位。ギター・ベース・ドラム・パーカッションのシンプルな編成、再び聴きながらの全曲レビューしていきます。1曲目は Mighty Mighty (Spade And Whitey) は、Donny Hathaway / Live(1972) に通ずる雰囲気です。まばらに聴こえる観客の手拍子が、そこそこ小さな会場かと思ったりしましたが曲が終わった後の拍手では手拍子で感じるよりも人数が多い。軽快でノリの良い曲だが、We're killing off our leaders, It don't matter none black or white, And we all know it's wrong, And we're gonna fight to make it right の歌詞でもわかるように人種差別と暴力への痛烈なプロテスト・ソングです。Rap~I Plan To Stay A Believer イントロで Curtis がしゃべっているところで 音が途切れてしまうと思っていたら、ここが Rap で、そこから次の曲が始まる編集転でした。そして I Plan To Stay A Believer これも Donny Hathaway / Live(1972) の雰囲気と似た演奏のソウル、何故か最後にリコーダーの音がしてぶっつり。購入当時に聴いた時には、この盤は bootleg なのかと思ってしまいましたが、今聴くと臨場感あふれる録音とも解釈できます。We're A Winner ここら辺から Curtis 節になってきますが、タイトな演奏がカッコ良いです。そして、また Rap で語りブツっと切れてからの、We've Only Just Begun ゆったりとしたソウル、突然のテンポアップと二つの曲を何も考えずにつなげて演奏しているかのような斬新な曲です。愛のプレリュードとして Carpenters がヒットは1970年ですから、これは流行歌を意識しての録音のようです。Curtis のペラペラなテレキャスの音が良いですね。気になります。People Get Ready 名曲は Impressions 時代からの Curtis 作曲です。語りかけるような歌は切なくて聴きながら現代の様々なミュージシャンにも愛される様々な演奏も思い出しながら聴けます。そして Rap です。rap の意味を改めて見てみたら、叩く、おしゃべり、非難する、逮捕する、ラップで歌うと色んなシーで使われる単語のようです。Stare And Stear 作風としては今までにない感じのストレンジな楽曲で、ワウのかかったギターのフレーズも印象的。Check Out Your Mind タイトなソウルのイントロで、テーマに入ると雰囲気が変わります。全体的には Curtis 節の16ですが、ベースだけ JB のノリが面白い。Gypsy Woman やっぱりライブなどでも外せない名曲です。ドラムもベースも原曲の流れの中で外さない程度の小技を入れたフェイクのよう なリズムを入れてきて、やたらハイレベルです。The Makings Of You そしてバラードタイプの曲の投入です。Curtis のファルセットが効果的な曲です。そしてまた Rap で、メンバー紹介からのWe The People Who Are Darker Than Blue やたら長い曲名でサイケな雰囲気なベースが曲全体をイメージづけます。このフレーズはB級マイナー・ジャズ・ファンクでよく使われるやつですね。曲の途中で、また I Plan To Stay A Believer のようなリコーダー音が鳴ります。つまりはリコーダーでは無いですね。マイクのハウリングでしょうか。余計なことが気になります。そして(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Gonna Go は曲名も長いが、録音も長い9分25秒です。基本的には一つのリフを延々と繰り返すタイプで、ここら辺がキチンとABメロ、サビのような様式での Impressions 時代と大きく異なる演奏形態で、Curtis の発明と言うことではないでしょうが、以降のファンクなどの曲作りの中に取り入れられていのかと改めて思いました。Stone Junkie だるいリズムに繰り返されるStone Junkie のメロディは中毒性があります。
 改めて聴いて思っていた以上に、サウンドが Donny Hathaway / Live(1972)  と似ていると思いました。このアルバムは1971年、ほぼ活動が同期しているので、誰が最初かはあわりませんが、Impressions時代を加味すると先駆者は Curtis なのかとも思えてきます。そんなことも聴きながら楽しめる名盤🎶

producer, vocals, Guitar : Curtis Mayfield
Guitar : Craig McMullen
Bass : Joseph "Lucky" Scott
Drums : Tyrone McCullen
Congas, Bongos, Percussion : Henry Gibson

writtenby : C. Mayfield (1 to 5, 7 to 16)
recorded live at Paul Colby's Bitter End, New York City.

1. Mighty Mighty (Spade And Whitey)
2. Rap
3. I Plan To Stay A Believer
4. We're A Winner
5. Rap
6. We've Only Just Begun / Paul Williams, Roger Nichols
7. People Get Ready
8. Rap
9. Stare And Stare
10. Check Out Your Mind
11. Gypsy Woman
12. The Makings Of You
13. Rap
14. We The People Who Are Darker Than Blue
15. (Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Gonna Go
16. Stone Junkie





  





2025年3月19日水曜日

The Impressions / Further Impressions


 このアルバムは1996年の発売のコンピで、曲は全てCurtis Mayfield(カーティス・メイ・フィールド)作曲の1962年~1967年にリリースの、クラシック・ソウルの名曲ばかりで、CD用に reissue されてはいますが、聴いていると懐かしのアルバムを入れた高速のドライブインで売ってた昔のカセットみたいな、ノスタルジックな雰囲気が漂います。
 私がよく買う中古のヒット曲を集めたコンピは、海賊版、あるいはそれに近い安物が多いのでライナー・ノーツが無けりゃ、誰が選曲したかわからないものが多いのですが、このアルバムは、メジャーの MCA から発売されたものなので、しっかりと記録されているライナー・ノーツがついていて、元曲の録音された年、収録アルバム名なども記載されています。ライナーノーツには、選曲の支店なども掲載されていて、The Impressions のヒット曲、見過ごされがちな裏面、アルバムの主要曲を集めたものとされており、MCA の発売したヒット曲のコンピとしては The Anthology 1961-1977 に続く2枚目とのこと。なるほど、ということは、裏ベストみたいなもんですね。
 The Impressions は、1961年に ABC-Paramount Records, Inc(ABCパラマウント)と契約し、全盛期は ABC に在籍していた 1961 年~1968 年までと言われています。Curtis Mayfield は、1970年に独立して、グループは、その遺産を歌いながらメンバーチェンジしながら1981年までアルバムを発売している長寿のバンドでもあり、2018年の日本公演を最後に解散しています。


 それでは、裏ベストのようなアルバムなので、超メジャー級の曲はありませんがレビューしてまいります。Can't Work No Longer オリジナルは People Get Ready からで、このアルバム5曲が、芸術的にも商業的にも成功したと言われる名盤 People Get Ready からのエントリーです。おそらく手法的には Doo-wop をとり入れた楽曲で、アレンジがそれっぽいですが、メロディーにカーティスっぽさが出ていて、なるほど一連の名曲はこのような曲の伏線もあるのかと納得。Girl You Don't Know Me これは初耳の時も、おそらく知っていたので若干有名な曲かと思います。I Made More Mistake これから流行っていくであろうソウルのお手本のような曲で、続くミュージシャンたちに、こういった曲は大きな影響を与えたんだろうなあ。I Made More Mistake 今風のソウルでは出せない味があるバラード調。歌詞は検索せずとも曲名から失恋ソングと容易に想像できます。We're In Love これもカーティス節が随所に入っています。明るい曲調のソウルです。ブラス・アレンジとかに耳を傾けると割とシンプル。Just Another Dance これは、People Get Ready 収録のシングルカットです。カーティス節の曲作りは少し控えた現代風のアレンジも取り入れています。トランペットがここ一発気合の短いソロが気持ち良かったです。Since I Lost The One Love これはノスタルジックなメロディーのラブ・ソング、オーケストラもバックに入ってしっとりとした楽曲で、昔のダンスホールなら、これでチークタイムです。Get Up And Move これは、このベストの中で最もメジャーな曲ですね。Whenever you've got a little problem, And misery's payin' it's dues, You can't get ahead layin' in bed, Get up and put on your shoes, baby, Get up and move, Get up and move, Get up and move 'fore sundown ・・なんか幸せなナンバー。Never Could You Be きっちりと基本カーティス節で似たり寄ったりでも飽きないです。Just One Kiss From You 厳かにソロソロと始まりワン・センテンスごとに丁寧に歌われている流行りではなく古臭いけどこれも名曲ですね。Since I Lost The One Love これもシングルカットですね。知っていたのでメジャー級かと思います。Too Slow 曲名の割にスローじゃない。スローは女性に対して急いでと催促しているようです。最後 Too Slow と呼び続けるさまが面白い、3拍子で転調したり色々とひねりが楽しめる作品です。You Always Hurt Me 16ビートのモータウン調で、1967年の録音です。一挙に10年ぐらい時代が進んだかのようなサウンドの変化がビックリ。I Can't Stay Away From You これも1967年録音でスローなソウルで、コーラス部分で古き良きを感じますが、やはりアレンジや録音が進化して現代的になっています。なるほど。You Got Me Running 最後はモータウン風から進化させて現代のソウル・ファンクにつながる刺激的な楽曲です。 
 実は漫然と通して聴いていると、懐メロだねえとノホホンと聞き流していたアルバムなので、最後3曲の進化ぶりには、今回ジックリ聴いての発見でした。アルバムの印象がグッと変わりました。好感🎶

all songs written by Curtis Mayfield
all songs arranged & conducted by Johnny Pate, except "Can't Work No Longer" 
all songs recorded in Chicago except as noted
reissue produced by Andy McKale 
executive producer: Bruce Resnikoff

1. Can't Work No Longer
recorded New York, March 22, 1962 
originally on ABC LP 505, "People Get Ready" 
2. Girl You Don't Know Me
recorded November 1, 1963 
originally on ABC LP 468
3. I Made More Mistake
recorded March 10, 1964 
originally ABC single10544/also on ABC LP 493,“Keep On Pushing”
4. We're In Love
recorded March 10, 1964
originally on ABC LP 505, 'People Get Ready"
5. Just Another Dance
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10670/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
6. I've Found That I Lost
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10670/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
7. Get Up And Move
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10674/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
8. Never Could You Be
recorded January 5, 1965 
originally ABC single 10710 
9. Just One Kiss From You
recorded June 11, 1965 
originally ABC single 10725
10. Since I Lost The One Love
recorded October 1, 1965 
originally ABC single 10761
11. Too Slow
recorded January 5, 1965
originally ABC single 10780
12. You Always Hurt Me
recorded January 19, 1967 
originally ABC single 10900
13. I Can't Stay Away From You
recorded April 5, 1967 
originally ABC single 10964 
14. You Got Me Running
Recorded January 19, 1967 
Originally ABC single 10932 





  

2025年3月17日月曜日

Funkadelic / Hardcore Jollies


 サイケなイラストで、派手な見た目のジャケット。収録されている音も、サイケでハード、ファンク・サウンドにぐちゃぐちゃのギターサウンドでやりたい放題の大好きなアルバムです。アメリカではあまり受けなかったそうですが、私には、いかれたこのサウンドは、かなり響いてきます。アルバムによっては打ち込みでデジタルになってしまったりしてますが、このアナログで廃退的なつくりは格別です。
 看板ギタリストのEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)、次のギター・ヒーローとなるMichael Hampton(ハンプトン)、「おむつ」ギタリストの Gary 'Dowop' Shider(ゲイリー・シャイダー)がサウンドの要となっています。また Bernie Worrell(バーニー・ウォーレル)のうねるキーボードもこのパンチあるサウンドに広がりを持たせカラフルなスパイスを効かせてます。また、この形態にはホーン隊がいないくて、パーラメントとは違ったファンク・スタイルでハード・ロックに通じる激しいエレキギターが特徴だが根底に流れるものはロックではなくやはりファンクであるところがノリに乗っているファンカの魅力が満点のアルバムです。


 Funkadelic、P-FUNKの違いについては、河地依子著の P-FUNK に詳しい解説がありますので、これをを読みながらアルバムを聴くことあります。今回も見ていたら、3曲目の If You Got Funk, You Got Style には、正式加入前の Dennis Chambers(デニス・チェンバース)が叩いているとのことですが、デニスは未だ17歳の高校生でクレジットはないとのこと。(正式加入は卒業後の78年です)そう思って聴くと、確かに細かな小技のある、ドラミングのような気がします。また、このアルバムの Cosmic Slop はライブとなっていて Mothership Connection のライブのはずですが、観客の声は入っていません。なぜかと言えばリハーサル音源だからとのこと。なるほど・・私の所有の音源は紙ジャケCDの Made in UK の輸入盤の中古です。ライナー・ノーツはついてるんですが、Funkadelic の歴史がダラダラと書かれており、この盤についての説明は、ほぼ書かれていない代物です。河地依子氏の根性の情報収集の集大成の 河地依子著の P-FUNK も併せてお勧めです。
 いつも Funkadelic、P-FUNK を聴くと変態的な音楽だなあと思いますが、このアルバムはロックっぽいファンクを楽しめて、Funkadelics 初心者にも、楽しめるものかと思います🎶

vocal :George Clinton, Ray Davis, Fuzzy Haskins, Grady Thomas, Calvin Simon, Garry Shider, Glenn Goins, Gary “Mudbone” Cooper
keyboads : Bernie Worrell
lead guitar : Michael Hampton, Eddie Hazel
guitar : Eddie Hazel, Gary 'Dowop' Shider, Glen 'Gone Gouster' Goins
bass : Boogie Mosson, Bootsy Collins, Jimi Calhoun on "Comin' Round the Mountain"
drums : Jerome Brailey, Buddy Miles on "Comin' Round the Mountain"

producer : George Clinton

1. Comin' Round The Mountain / George Clinton, Grace Cook
2. Smokey / George Clinton, Garry Shider
3. If You Got Funk, You Got Style / George Clinton, Bootsy Collins, Bernie Worrell
4. Hardcore Jollies / George Clinton, Bernie Worrell
5. Terribitus Phase Two / George Clinton, Grace Cook
6. Cosmic Slop (Live) / George Clinton, Bernie Worrell
7. You Scared The Lovin' Outta Me / George Clinton, Glenn Goins
8. Adolescent Funk / George Clinton, Michael Hampton, Bernie Worrell





  

2025年3月8日土曜日

Parliament Live / P Funk Earth Tour


 以前レビューしたこのアルバムの印象は「盛りがって皆が楽しんでいる」「P.FUNKというドラッグに酔っている」「新興宗教の集会のようだ」「是非、洗脳&扇動されてください」でした。いやまったくその通り、Pファンク関係のアルバムの中でも最高傑作と言われるブツで、中毒性があります。
 とにかく、Pファンクのメンバーが盛り上がっていた1977年のツアーの録音で、ライブ・コンセプトはスペース・オペラSFで、リーダー、ジョージ・クリントンがスペースシップから1曲目で登場、途中で観客総動員でマザーシップを召還。こちらはそんなライブを見ることもできなくて聴くしかないのですが、聴くたびに観客の熱狂が伝わってきて会場で死人でも出ているのではないか?失神者は何人だ?と思わせるほど大いに盛り上がる状況にワクワクします。こんなに興奮してたら、お〇っこ、ちびってる女の子も確実にいるはずです。
 ただ、このアルバムの演奏者にいる Eddie Hazel、Bootsy Collins は実際にはライブに参加していなくてオーバーダブとスタジオ収録での参加であるらしい・・とのこと。噂ばかりで、どれがどうなっているのかは実際は不明です。



 さて収録曲ですが、ハイライトは「Mothership Connection」でマザーシップを呼び込む大合唱、そして「Swing Down,Sweet Chariot」ではグレンがゴスペル丸出しで会場を教会に変える。バック・ヴォーカルもグレンを盛り立てる。曲の最後にマザーシップの轟音は着陸です。Dr. Funkensteinではクリントンがマザーシップのステップを降りてきて観客はまたも盛り上がる。後半は熱いソロ合戦で Gamin' On Ya! のドラムは手数が多すぎて字余りになってしまったり演奏者も大興奮。ラストの Night Of The Thumpasorus People でマザーシップを見送る「ガガクガっ」のバックコーラスと掛け声で最高潮になり、録音レベルは振り切れています。


 ジョージ・クリントンは、まるで偉大な教祖のように、この音楽集団を操り、聴く人を惹きつけます。やはり中毒性が高いんで要注意です🎶

vocals :  Calvin Simon, Debbie Wright, Fuzzy Haskins, Garry Shider, George Clinton, Glen Goins, Grady Thomas, Jeanette Washington, Ray Davis
backing vocals : Dawn Silva, Gary Mudbone Cooper, Lynn Mabry
bass : Bootsy Collins, Cordell Mosson
drums, percussion : Jerome Brailey
guitar : Eddie Hazel, Garry Shider, Glen Goins, Michael Hampton
horns : Fred Wesley, Maceo Parker, Richard Griffith, Rick Gardner
keyboards, synthesizer : Bernie Worrell

producer : George Clinton
recorded live at the Los Angeles Forum, January 19 1977 & The Oakland Coliseum, January 21 1977 except 4, 9 recorded at Hollywood Sound (Los Angeles) & United Sound (Detroit) studios.

1. P-Funk (Wants To Get Funked Up)
2. Dr. Funkentstein's Supergroovalisticprosifunkstication Medley
3. Do That Stuff
4. The Landing (Of The Holy Mothership)
5. The Undisco Kid (This Girl Is Bad!)
6. Children Of Production
7. Mothership Connection (Star Child)
8. Swing Down, Sweet Chariot
9. This Is The Way We Funk With You
10. Dr. Funkenstein
11. Gamin' On Ya!
12. Tear The Roof Off The Sucker Medley
13. Night Of The Thumpasorus People





  

2025年3月2日日曜日

Acid Jazz Meets Free Soul


    一見やる気がないような地味なジャケットですが、中身はかなり濃い。Acid Jazz レーベル発、ポニーキャニオンがプレスのアシッド・ジャズ、フリーソウルを集めたコンピレーション・アルバムです。目についた中古なので集めるような熱意をもって購入ではなく1作しか持っていませんが、2作目の発売もされているようです。ちなみにやる気がないようなジャケットと書いてしまいましたが、Bounce のエディターである栗原聴氏のアートワークとのことで、やる気はかなりあるようで私の審美眼の方がどうかしているようです。
 このコンピは、ポニーキャニオンのディレクターから、編集者/選曲家/DJ/プロデューサーである、橋本徹氏への依頼により実現したコンピで、氏は『Free Soul』『Mellow Beats』『Cafe Apres-midi』『Jazz Supreme』『音楽のある風景』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは340枚を越え世界一であるとのこと。(今回このレビューを書くまでまったく気にしていませんでした)
 

 ということで、アルバムの選曲と配列は、橋本徹氏によるダンス系フリー・ソウルが色濃いコンピレーションで、The Brand New Heavies、The James Taylor Quartet、The Apostles、Pure Wildness、Snowboy、Blacknuss Allstars、K-Collective、Mother Earth、Night Trains、The Quiet Boys、Esperanto の楽曲が選出されています。ちなみにかなり昔からこのアルバム聴き続けているのですが、私が名前まで認知しているのは3バンドだけでこのジャンルも好きではありますが、それほど掘っているわけではないことを改めて認識です。
 大概のコンピは穴埋め的にB級、C級なものも収録されているものですが、これに関していれば捨て曲は無しの、ガチ売れ線を集めています。ので今更全曲レビューも面倒なので改めて聴いての印象に残るとこだけ書き留めておきます。The Brand New Heavies は、今やメインストリームのバンドなので、キラーコンテンツは当然、初期バージョンで3曲も入ってます。The James Taylor Quartet は、フォークの方では無い方なのは、ここら辺を聴く方ならだれでもご存じの、UKのアシッド・ジャズ・シーンには欠かせないオルガン奏者。名前は知らなかったけど Snowboy の Girl Overboard が山下達郎の昔の楽曲にアレンジ含めて、そっくりなヤツがあった記憶があり気になります。ボーカルは Anna Ross で上手すぎないのが好感あります。このバンドでは、もう一曲 Lucky Fellow という曲がありますが、これは男性ボーカルで リロイ・ハトソンのカバー。最初は地味目でじわじわと力を入れてくるところが好きです。全部良いんですが、最後の Esperanto の Sweet Feelings は、メローで、紳士的な歌い方のボーカルがとても気持ち良い。
 2作目も欲しくなってきました。色違いのジャケットなので、どこかでめぐり合えば、運命で即購入します🎶

compiled by : Toru Hashimoto

1. Dream Come True : The Brand New Heavies
2. Love Will Keep Us Together : The James Taylor Quartet
3. Super Strut : The Apostles
4. Ain't No Use : Pure Wildness
5. Girl Overboard : Snowboy
6. Never Stop : The Brand New Heavies
7. Rising To The Top : Blacknuss Allstars
8. Keep It Coming : K-Collective
9. Lucky Fellow : Snowboy
10. Jesse : Mother Earth
11. Lovesick : Night Trains
12. Stepping Into My Life : The James Taylor Quartet
13. Stay This Way : The Brand New Heavies
14. Make Me Say It Again Girl (12" Mix) : The Quiet Boys
15. Sweet Feelings : Esperanto





  

2025年2月26日水曜日

Calvin Keys / Electric Keys


 全く知らなかったギタリストですが、タワレコでギターを弾く渋いお姿のジャケットを見かけての購入でした。調べて見ると、Calvin Keys は1942年生まれ、2024の4月にカリフォルニアの Berkeley と言うところで82歳で亡くなっています。ジャズギタリストで1971年から202年までリーダー・アルバムを16枚出しています。そのうち、スピリチュアル・ジャズ・レーベル Black Jazz Records からの発売がデビューから2枚、インディーズの Ovation 1枚、Olive Branch 2枚、Lifeforce Jazz 4枚、Silverado, 2枚、今回の Wide Hive からは 4枚 のアルバムを発売しています。Black Jazz Records からの作品が有名なようです。共演したミュージシャンは Ray Charles, Ahmad Jamal, Jimmy Smith, John Handy, Bobby Hutcherson, Eddie Marshall, Sonny Stitt, Pharoah Sanders, Joe Henderson and Leon Williams などの有名どころ。ただ私知ってはいるけど、音源はそれほど所持していない方々ばかりでした。もしや認識していないけど知らず知らずのうちに聴いていた場合があるので、改めて検索してみましたが、そんなことはありませんでした。



 ジャズ・ファンク、ジャズロック系のギタリストですが、お若い頃のジャケ写はかなり尖っています。今になって気になって youtube で聴いてみたら、見た目の激しさや怪しさは無く普通にジャズしてましたのが、何か残念。
 購入当初に聴いた時には、ジャズ・ファンクっぽいけど印象に薄かったので、再度聴き直せばどう変わるのか楽しみにレビューしてみます。You Know The Game グラント・グリーン系のファンクっぽい8ビートで、軽く歪ませたギターに、ブラスが加わったサウンド。何か緩ーく流れる感じです。Love and Innocence これは1曲目より、もっとジャズっぽい感じですが相変わらず緩いです。ギターを引き立てるようにしているんでしょうかブラスのアレンジがかなり丸いです。後半のに入るとギターソロが少し熱いフレーズになりますが、メリハリは少な目。Backyard 少し重めの8ビートのドラムがイントロで、少しばかりパンチが効いてて、なかなか良い感じです。Electric Keys またもやドラムがイントロで早めのビートです。歪み強めのロックっっぽい。御大御年の割に頑張って Baker Brothers 系ですね。これも良い。Rhubarb Jam 変拍子っぽく聞こえますが4拍子でした。ルバーブ・ジャム?なるほど食べ物のジャムと掛けているのですね。演奏は曲名の通りJamって見ましたって感じです。Senior Moment 少しアングラっぽくアシッド系の感じの曲で、お若い頃はこんなセッションも多かったのでありましょう。大人な変則ファンクナンバーです。Telegram Blues お気楽ブルースセッションでブラス部隊登場無しの泥臭いヤツです。Shawneeq やっと純ジャズにきました。こんな曲があったのは全く印象に残っていませんでした。The Hernia そして、またやってきましたド・ブルースです。時々変則的なスケールを混ぜているのがジャズギタリストの主張ですね。Touch 静かにギターソロで締めくくりです。
 以前に聴いた時の散漫な感じの印象は少なくなり、音楽的にも年齢的に円熟した渋みを感じ少し評価が上がりました🎶

electric guitar : Calvin Keys
bass, piano, keyboards, songwrite : Matt Montgomery
drums : Josh Jones, Thomas McCree
sax : Doug Rowan
trombone : Mike Rinta

producer, songwriter : Gregory Howe

1. You Know The Game
2. Love and Innocence
3. Backyard
4. Electric Keys
5. Rhubarb Jam
6. Senior Moment
7. Telegram Blues
8. Shawneeq
9. The Hernia
10. Touch





  

2025年2月24日月曜日

Family Underground / Once In A Lifetime


 1970年代は James Brown, Jackson 5, Earth Wind & The Fire, Ohio Players, Stevie Wonder, Tower Of Powers, The Isley Brothers, Sly & The Family Stone あたりの有名バンドが数多く存在するが、その他にも相当数の無名バンドが存在し、実力あり、曲良しでも、なかなかアルバムリリースまでこぎつけない。アルバムを作ってもコマーシャルがなく売れないなどの、不遇のバンドが数多く存在します。
 1968年ニューオリンズの マイナーファンクバンド Fabulous Fantoms。アルバムリリースにたどり着けなかったが、シングルをまとめた音源が話題になり、その編集盤再発により一躍、脚光を浴びています。その Fabulous Fantoms が分裂して、1974年に結成されたバンドが Family Underground となりますが、やはりアルバムを残すことなく消えています。このバンドの音源を発掘したシングル2曲の他75年と79年に録音され未発表のままだった楽曲を纏めたのが、この Once In A Lifetime。経歴的には、かなり面倒でマニアな話しです。
 商売に欠ける執念なのか、マニアの執念なのか、どちらか力が強いかはわかりませんが、発売当初はレコードで、世のB級ファンク・マニアに受けまくったアルバムとのこと。で、更にCDで再発したというマニアな音楽ファン目当ての安上がりな究極の商売のようですが、聴いてみたら、適度なチープさで懐かしく泥臭いファンク・ソウル・サウンド。B級過ぎないところが、新しさも感じてしまう優良盤でしたので、私も発売当時の試聴で即購入を決めているようです。

Fabulous Fantoms

 Once In A Lifetime ジャケ違い

 アルバムは、1975年の録音と、故Willie Teeプロデュース 78年の録音(7,8)と1978年の録音、1979年の3回の録音から構成されています。1978年で一回解散となり、ボーカルの Roland Treaudo, キーボードの Manuel Herrera Jr. がメジャーとの契約を目指して他のミュージシャンを雇っての録音とのことだが、発売するレーベル、広告宣伝、アルバムの出来不出来や実力だけで売れるわけでもないのは、音楽業界に限ったことではないでしょう。
 そのようにして埋もれた名盤をレア・グルーブとして発掘される本CDは、私のようなリスナーの大好物であるわけで、再度大好物を聴いたレビューをしておきます。We Are Somebody キャッチーなメロディーだがアンダーグラウンドな雰囲気のテーマ、サビではコマーシャルなどこかで聴いたようなメロー・ソウルなノリで、曲としては最も印象に残るファンクナンバーで初期の1975年録音。I Don't Know Why 1曲目とサウンドは大きく変化し、ベースの音色、リズムアレンジ、全体的にもこの演奏はどう聴いても完全なアース・サウンドのアレンジです。なるほど。1979年の解散後のミュージシャンを雇っての録音は、売れないと今後は無い。こここから1979年録音が6曲目まで続きます。Dr Music ファンクサウンドのメロー・ソウルを取り入れた楽曲でシンプル。For The Love Of Disco これはディスコ狙いのアース系で、この手の曲はこの時代、量産されていたはず。王道で悪かろう訳はないがオリジナリティは少な目、しかし演奏と曲は好い。複雑。All We Need Is Love またもやミラーボールが似合う商業アース系ファンクナンバーで、ここまで徹底すると気持ち良い。バンドのの演奏力はホント高いと思います。There Must Be An Answer このアルバムでの1979年録音のラストはバラードです。直ぐにわかる Lionel Richie に触発されての楽曲。Hello の出だしにそっくりのAメロに別のBメロつけてます。わかりやす過ぎて、これは逆に印象抜群。All We Have Is A Song さて1975年録音に戻ります。アース的なアレンジではありますがオリジナリティある良い曲です。Nowhere To Run やはり1975年録音の方が好みですね。2管のホーンもファンクですがブラス・ロックっぽいのが好感。Our Love's Gone By フォーク調のスロー・ソウルで素朴に良い感じです。ファズを効かせたギターソロも唐突だがレトロっぽいし未成熟なサウンドが更に好感。 There Must Be An Answer (75 1st Mix)  イントロからシンプルにかっこよいです。6曲目より Lionel Richie っぽさが少なくて私的にはこちらの方が好みです。アレンジ次第で、もっと変わるんだろうと思います。I Don't Know Why (75 1st Mix) これも2曲目のファースト・ミックスとのこと。アース臭さはかなり消えていますので、これもこっちの方がジャキジャキしている感じが良い。と思えば、1979年の方が解散後に売れてやろうとした結果が、当時流行っていた音を取り入れての策が良くない方に転んだのではなかろうか。Superstitous これは誰もが知っている Stevie Wonder の名曲です。これはスタンダードだから誰がやってもカッコ良いヤツです。〇です。Make A Change 私の好きなスライ系。似たような曲は当然世の中にいっぱいあるだろうけど、このパターンのファンクはかなり好物です。ただこのアルバムでは、このバンドでは異色な曲になってます。
 改めて聴き直してでは、頭の中で少し美化してたかもしれない感じで、お気に入りの棚には入らずですね。こんな珍しいもの持ってるけどと自慢できる一枚ではあります🎶

【1,9-12,(7,8)】
lead vocals, congas : Roland Treaudo
keyboards, backing vocals : Manuel Herrera Jr.
lead guitar, rhythm guitar, backing vocals : Arthur V. Bell 
bass guitar, lead vocals, backing vocals : Parker Shy 
drums, backing vocals : Winston Shy
sax, backing vocals : Milton Lewis
trumpet : Thomas Mitchell

【2-6】
lead vocals, congas : Roland Treaudo
backing vocals : Earl Smith Jr. 
keyboards, backing vocals : Manuel Herrera Jr.
lead guitar, rhythm guitar : Roy Joseph
bass guitar, backing vocals : Nick Daniels
trumpet : Thomas Mitchell
drums, percussion : Willie Green

recorded by Chuck Shehe, New Orleans 1975 (1,9,10,11,12)
recorded 1978 (7,8)
recorded at Ultrasonic Studios, New Orleans LA 1979 (2,3,4,5,6)

1. We Are Somebody / Manuel Herrera Jr.
2. I Don't Know Why / Roland Treaudo
3. Dr Music / Arthur V. Bell, Manuel Herrera Jr., Roland Treaudo
4. For The Love Of Disco / Roland Treaudo
5. All We Need Is Love / Manuel Herrera Jr.
6. There Must Be An Answer / Manuel Herrera Jr., Milton Lewis
7. All We Have Is A Song / Arthur V. Bell, Milton Lewis
8. Nowhere To Run / Joseph Arther James
9. Our Love's Gone By / Roland Treaudo
10. There Must Be An Answer (75 1st Mix) / Manuel Herrera Jr., Milton Lewis
11. I Don't Know Why (75 1st Mix) / Roland Treaudo
12. Superstitous / Stevie Wonder
13. Make A Change / Roland Treaudo, Manuel Herrera Jr.