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2025年2月16日日曜日

A Tribute To Curtis Mayfield / People Get Ready


 カーティスが亡くなる6年前の1993年リリースのトリビュート・アルバムで、発売時カーティスは未だご存命でした。なんでこのアルバムが作られたかと言えば、1990年にコンサート会場で、照明機器の落下事故で首を骨折し半身不随となったため、その激励のためのアルバムです。


 カーティスは、1942年にシカゴで生まれました。その町で幼いころからゴスペルに親しみ10代半ばから教会で歌っていたと言われています。その時期にインプレッションズのメンバーと出会い、1957年にグループ結成。最初の頃は For Your Precious Love でヒットを飛ばしたが、その後3年間もヒット曲に恵まれず、ABC-パラマウントと1961年に契約し、11. Gypsy Woman を発売し久しぶりのヒット。そして1963年に 6. It`s All Right がヒットし、1964年に黒人の誇りの応援歌 Keep On Pushing がヒット。1965年、4. People Get Ready がヒットは連発されています。これらは当時の黒人差別への批判であり、社会的・政治的な意識を当時の社会に変革を求める歌となっていることも大きな特徴であるかと思われます。1. Um, Um, Um, Um, Um, Um はカーティスが作り1963年に Major Lance が歌ってヒットさせた曲であり、2. He Will Break Your Heart は、1960年の Jerry Butler & The Impressions のヒット曲、3. Choice Of Colours は、1969年の Impressions でのヒット。5. Got A Right To Cry は、調べたけれどわかりませんでした。7. We People Who Are Darker Than Blue は、1970年のカーティスのソロ。8. I Gotta Keep On Moving は、1964年の Impressions、9. You Must Believe Me も同様の1964年、10. I'm So Proud は、1963年の Impression でした。
 他でも書いたことがありますが、私の幼少期の母が歌ってくれる子守歌は Impressions でした。意味も解らず聴いていましたが、歌詞が音として頭の中に残っていて大人になってから聴いて、これかだったのかと懐かしさもあります🎶

1. Um, Um, Um, Um, Um, Um
Don Covay & Angela Strehli
2. He Will Break Your Heart
Delbert McClinton 
3. Choice Of Colours
Jerry Butler
4. People Get Ready
David Sanborn & Jonathan Sanborn
5. Got A Right To Cry
Angela Strehli
6. It`s All Right
Huey Lewis & The News
7. We People Who Are Darker Than Blue
Michael Hill & Vernon Reid
8. I Gotta Keep On Moving
Bunny Wailer
9. You Must Believe Me
Don Covay
10. I'm So Proud
Steve Cropper & Lani Groves
11. Gypsy Woman
Kim Wilson




  

2025年2月13日木曜日

Boston Horns / Funkafized


 この手のファンク・バンドを買い続けてもキリがないぐらいアメリカのファンク・バンドの層は分厚いと感じます。その名の通り、ボストンを拠点に活動する重量級ファンクバンドです。このバンドは購入して気に入ったので、Givin' up Food for Drink (2008) も後に購入のハズレがまずないだろうと言うことが想定される安心・安全な演奏力の高いバンドです。
 T.O.P.よりも重量を感じるホーン・アンサンブルで、タイトなリズム隊。キャッチーで陽気なファンク・グルーブを備えています。


 ボストン・ホーンズは、ヘビー・メタル・バンド“エクストリーム“のサポートなどで活躍していたユニット、”ヘヴィ・メタル・ホーンズ”のメンバーだったギャレット・サヴルク(tp)とヘンリー・ダグラス・Jr(sax)の二人が中心となり、1999年に結成された。とのこと。結構な実力派であり、メジャー・シーンにも出演しているのに、宣材の写真などには余りお金をかけていないし、メンバーの服装も極めて一般的なカジュアルなものであり、サウンドとのギャップはかなり感じます。アルバムジャケットは凝ったデザインではありますが、、。T.O.P. も、そうですが大所帯のブラス・ファンク・バンドは維持費が大変なようです。


 それではレビューしていきます。Funkafized タイトル曲が先頭にくるタイプのアルバム。気合が最初から入ります。キャッチーなT.O.P. タイプのインスト・ファンクで、ライブとかでも頭に持ってくるタイプですね。Garret Savluk のペットがカッコ良いです。Sing a Simple song は、モロに Sly & the Family Stone のカバーで、Nephrokl がリードボーカルですかね。太い声は Kit Holliday でこの声だけ参加です。モロコピですがギターソロだけ現代風です。PFWB 今までは煽りでしたが、ここで落ち着いた大人のジャズ・ファンク。Dipper Mouth ブラス・バンド風なドラム・ソロと思ったらホーン・アンサンブルも結構それで、ニューオリンズ風ブラスバンドによくあるやつです。実に様々な一面を見せてくれてゴリゴリのテクニックだけでないところがこのバンドの魅力でもあります。Remember who you are もスライ・ナンバーのカバーで、Back On The Right Track に収録されていた曲で一時引退状態にあったスライの復帰作です。Nasty Riders ここでまたアーバン・ソウルとジャズ・ファンクが融合したようなインストに戻ります。Big Alice ジャズ・ベーシストの、チャールズ・ミンガスの1973年のアルバム「ミンガス・ムーヴス」のレコーディング・セッションで録音されながらも、当時は発表されず、1993年にCD化されたときにボーナス・トラックとして収録されたというレアなナンバーですが、ファンクチューンされています。最後は Dipper Mouth (reprise) で先の曲はブラス・バンドでしたが、これは完全にブラス・バンドで、ドラム・ベース抜きのブラスと陽気な生コーラス。
 本編はここで終了で、ボーナストラックは Ain't Nothing to it ソウライブやレタスでホーンの賛歌をしていた Sam Kininger が参加しています。続いて Blues For Ben、Dyno-Mite の2曲が収録。
 そして別の CD が付いていて1曲だけ収録されています。CDのデータには曲名は Holy Of Holies 演奏者は Jennifer Crawford とあります。曲はゆるーい南国的な調子のファンクで、熱いところはあまりないワンコード。ジャケット、ライナーノーツにも記載はないプレゼントみたいなもんでしょうか。得した・・のかな・・🎶

lead vocal : Nephrokl
keyboad : Jeremy Parker
guitar : Jeff Buckridge
bass : Dave Walker
drums : Peter Mact Lean
sax : Henley Douglas
sax : Dan Abreu
trumpet : Garret Savluk
trombone : Squantch

alto sax : Sam Kininger (9)
background vocals : Kit Holliday (2)
tuba : Joseph Wright (8)
percussion : Amado Rodriguez

1. Funkafized / Garret Savluk
2. Sing a Simple song / S.Stewart
3. PFWB / Garret Savluk
4. Dipper Mouth / Herbie Mann
5. Remember who you are / S.Stewart, H.Banks
6. Nasty Riders / Garret Savluk
7. Big Alice / Don Pullen
8. Dipper Mouth (reprise) / Herbie Mann

【Bonus Tracks】
9. Ain't Nothing to it feat.Sam Kininger / H.Douglas jr.,  G.Savluk, M.Rush
10. Blues For Ben / Luca Frederickson
11. Dyno-Mite (Instlumental Version) / Garret Savluk





  

2025年2月12日水曜日

New Jersey Kings / Party To The Bus Stop


 マイルスの On The Corner をオマージュしたジャケットで、ブラス・バンドっぽいノリでもあると思いますが、マイルス風エレクトリック・ファンクジャズ作品でもなく、ブオンブオンとホーン部隊だけで編成されている訳でもなく、UKアシッド・ジャズ作品です。リーダーは James Taylor のプロジェクトによる New Jersey Kings の1992年リリースのファースト・アルバムで、The James Taylor Quartet の変名バンドとのこと。James Taylor と言っても、あのシンガーソングライターの方ではなく、こちらはイギリスのハモンド・オルガンのミュージシャンですので、そこら辺を間違えてはいけませんので紛らわしいだらけの作品で、たまにしか聴かないのに、かなりの優秀作ですので棚は移動しときます。


 それでは優秀作を再度聴きながらレビューしていきます。The Monkey Drop ワウの効いたギターとブットいベースがファンクして、オルガンサウンドが効いてます。Get Organized は、Baker Brothers でありそうなリフで、メチャクチャ好みです。フルート・ソロからオルガン・ソロ、サビのギターの、チョーキングしながらカッティングするギターなども美味しい。Solid こちらも、Baker Brothers、Soulive系です。チャクチャクと刻むワウのギター、オルガンで、今度はサックスがソロのメインです。サビの盛り上げかたもワンパターンな気がしますが様式美の範疇です。Sweet Cakes 跳ねるジャズ・ファンク・サウンドです。相変わらず一辺倒なサウンドですが、ここの曲で何となく録音がホールのようなところで録られているようなリバーブがありますが録音場所などの記載は見当たりません。 Sweet Shirley 安定のジャズファンク・サウンド。ここまで来ると、どのリフが好みか?程度の類似性が感じられます。The Latin One 曲名にもあるように、聴いているとラテン系のリズムを使っています。日本語版のライナーノーツに何か情報がないか読んでいると、原盤にもなんも書いてなくて、「ニュージャージー州のレコード会社に埋もれていた過去のバンドの発掘音源」などと冗談で書かれていたようですが「冗談である」とは書いていないようで、嘘か誠かはマニアにしか判別できない紛らわしいヤツのようです。All Wrapped Up は聴いたことあるヤツです。 Melvin Sparks のジャズファンク・チューンをカバーでノーザン・ソウル風に解釈です。Charlie's Groove おそらくライブとかでもラストに使われそうな曲です。

ライナーノーツには何も書いてありませんが、New Jersey Kings のメンバーは下記です(ドラムはどちらでしょう?)

keyboad : James Taylor
guitar : David Taylor
bass : Gary Crockett
drum : Andrew McGuinness
drum : Neil Robinson
sax, flute :  John Willmott

producer : The New Jersey Kings
illustration : Matt Deighton ←発売の AcidJazz レーベルの所属ギタリスト

 オールドジャズファンクの名盤、復刻と帯に冗談を書かれていたら私は信じてしまいます🎶

1. The Monkey Drop
2. Get Organized
3. Solid
4. Sweet Cakes
5. Sweet Shirley
6. The Latin One
7. All Wrapped Up (Melvin Sparks)
8. Charlie's Groove





  

2025年2月6日木曜日

incognito / Souvenir for Japan


 Souvenir(すーべにーる)ってのは、「お土産」って意味だそうです。なんで、こんな名前のアルバムになったかって、日本限定発売だからだそうです。
 と言っても、完全に日本の為に曲を書き下ろした訳では無く、新曲も収録されているものの旧来の曲のリミックス・バージョンが散りばめられています。私は、このバンドの Pieces Of A Dream の数々のリミックスに過去投資をしてきましたが、またブルーイの金儲け戦略にハマってしまう訳です。今のデジタルな録音では各パートがキッチリと録音されて独立して残っているのですから、これに様々なエフェクトかけたり切り貼りは可能な訳で、リズムパートだけ別につくって合成すれば、腕の良いエンジニアに任せれば、無限大に様々なバージョンが創れるわけですから、うまみのある産業構造になっていますね。
 ジャケットで買う私のようなタイプは良いカモで、こうやって、曲を頭の中に刷り込まれてファンになっちまう訳です。恐るべき音楽ビジネスの洗脳ですが、聞いていて気持ち良いんで、はめられているのも良いかなとは思ってます。
 全世界に incognito 中毒者を発生させている親玉は Jean-Paul 'Bluey' Maunick


 2013年 Bluey は初ソロ Leap of Face を発売し日本で公演もあり、グループとして世界各地をライヴの1 年行った〆が日本なので、日本のファンへの「ギフト」=日本独自企画盤となったとのこと。また、同年急逝した Donald Byrd(ドナルド・バード)のトリビュート公演も行い、Bluey でもあり、バードの 1980年代前半作の Love Has Come Around をインコグニートとしてもニュー・レコーディングしています。これは、ますます騙されてもしょうがないでしょう。

 蛇足ですが、incognito とは「身分を隠す」という意味だそうで、色々とググってたら「Incognitoモード」って単語にぶち当たりました。これはプライベートブラウジングとも呼ばれ閲覧履歴やCookieを保存せずにネットサーフィンをすることができる機能のことのようです。

アイコンがこちら

なんとなく、Bluey を感じますね。お後がよろしいようで・・・🎶

1. Love Has Come Around / William Duckett
vocals : Valerie Etienne
keyboards : Matt Cooper
lead guitar : Jim Mullen
guitar, producer : Bluey
bass : Francis Hylton
drums : Francesco Mendolia
percussion : João Caetano
sax : Jamie Anderson
trumpet : Sid Gauld
trumpet, arranged by : Dominic Glover

2. Lowdown (Ski Oakenfull Remix) / W. Scaggs, D. Paich, 
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

3. 1975 (Ski Oakenfull Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Joy Rose
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

4. Put A Little Lovin' In Your Heart (Bluey Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

5. Life Ain't Nothing But A Good Thing (Bluey's Jazz Funk Raw Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer, remix : Jean-Paul Maunick

6. Ain't It Time (Club Surreal Mix) / A. Manning, P.J. Wyatt
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

7. The Less You Know (Bluey's Extended Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

8 Take A Chance On Me (Single Edit) / Jean-Paul Maunick, Richard Bull, Richard Bull
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

9. Smile / Ed Motta, Rob Gallagher
electric piano (Rhodes), clavinet (Honer D6), percussion, vocals : Ed Motta
guitar : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
bass : Robinho Tavares
drums : Sergio Melo
alto sax : Ze Canuto
tenor sax : Marcelo Martins
trombone : Aldivas Ayres
trumpet, flugelhorn : Jesse Sadoc

10. All The Way w/ Wouter Hamel (Bluey's & Ski Incognito Remix) / James Van Heusen, Sammy Cahn
Remix, Producer, Arranged By – Bluey (3), Ski Oakenfull






  

2025年2月4日火曜日

Doug Carn / Infant Eyes

 

 西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz から発売の キーボード奏者のDoug Carn ボーカルの Jean Carn の夫妻によって録音されたものです。レーベルは1969年にカリフォルニア(オークランド)に設立された西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz。スピリチュアル・ジャズという新ジャンルで勝負をかけていた変わり種のレーベルです。正統派ジャズファンからは、ほぼ無視されていたので安価でDJが手に入れたことによりサンプリング・ソースを探すヒップホップDJや、レア・グルーブ好きの間での人気が高まっていったようです。3年前に聴いた頃は、闇が深く重く思想性を感じるアルバムづくりがお腹いっぱいな感じでしたが、久しぶりに聴くと私の耳や頭が経年変化しているので、何かを感じるようになっていて不思議な感覚です。


 Doug Carn はこのレーベルに最も多くの作品を残した鍵盤奏者で、本作を含めて4枚のアルバムを残しています。このレーベル以外では Savoy でトリオ作 Doug Carn Torio の1枚のみ。アルバム制作も活動も1969年~1974年までの短い期間です。暗めの独特のキーボードが印象的、奥様の Jean Carn もジャズ・ボーカルではありますが、讃美歌っぽいクセのある歌い方がヤバい雰囲気のある気になる人で、その後はソウル界で活躍されているとのことです。ちなみにEWFデビュー作、2作目 には役割は不明だが名前はクレジットされていて何らかの形で参加されているとのこともライナーノーツには書いてありました。
 さてレビューです。コルトレーンに影響を受けている Doug Carn は、このアルバムでも多くの曲をカバーしています。1分14秒で始まる曲だが、Jean Carn の声が象徴的で怖い。
続く Little B's Poem は、Bobby Hutcherson の曲でJean Carnのスキャットから始まるアシッド的な感じでフルートが恐怖感を、テナーが力強く曲を盛り上げてくれる。が、出番は短かくフェイドアウトなのでもっと聴きたい所だが、ここは奥様メインなので仕方ないか。Moon Child は、Doug Carnの曲でストレートにジャズしてるのに、今までの余波で怖いものを見ているような感覚になるのが不思議。ボーカル無しのモーダルな演奏です。Infant Eyes はショーターの楽曲です。揺れるエレピの出だしに奥様の歌声が加わると、とてもスピリチュアルです。が、3年前に聴いた違和感はありません。そして Passion Dance は、マッコイ・タイナーです。オルガンに変わると一挙にアシッド感が高まります。しかし Doug Carn のオルガンは、ジミー・スミス等のように泥臭さは無く、こういった演奏も意外と楽しめるかもしれません。うん・・ジャズだ。スピリットは無いです。そして Acknowledgement は、コルトレーンですが思いっきりスピリチュアルです。奥方のボーカルの個性が強いうえに、この選曲は反則級に印象が強いです。最後の Peace は、Horace Silver のカバーですが、怖い感じだと思っていましたが今更聴くと普通にジャズしてます。でも根底に流れているものは、独特の芸術性です。
 アルバムの持つイメージと、改めて聴いた感覚が、かなりバグったままで何か余韻が残るアルバムです。気持ちが良くなっているわけではありませんのでモヤモヤ感あり🎶

piano, electric piano, organ : Doug Carn
vocals : Jean Carn
bass : Henry Franklin
drums : Michael Carvin
flugelhorn, trumpet : Bob Frazier
flute, tenor sax : George Harper
trombone, valve Trombone : Al Hall Jr.

producer : Gene Russell

1. Welcome / John Coltrane
2. Little B's Poem / Bobby Hutcherson
3. Moon Child / Doug Carn
4. Infant Eyes / Wayne Shorter
5. Passion Dance / McCoy Tyner
6. Acknowledgement / John Coltrane
7. Peace / Horace Silver




  

2025年1月30日木曜日

Tower Of Power / Back On The Street

 

 1979年の10作目でサウンドは、16ビートのファンクからポップな方向にかなりの方向転換をしています。思えば、この時代は空前のディスコブーム(今ではクラブと呼ばれる)で、第1次ディスコブーム (1975~76)、第2次は (1977~1979)となっており、John Travolta(ジョン・トラボルタ)主演、Bee Geez のディスコ・サウンドによる Saturday Night Fever(サタデー・ナイト・フィーバー)が流行り、Kool & the Gang(クール&ギャング)、KC and the Sunshine Band(KC&サンシャイン・バンド)などが、一世を風靡し、1977年にAWFの「Fantasy」「Jupiter」79年は「「After the Love Has Gone「Boogie Wonderland」などが大ヒットしていた時代です。頑なにタイトなファンク、R&Bを演奏していた Tower Of Power にも、こういった影響があることが、かなり感じられます。


 ロッコの、プクプク・ベースは聴けずチョッパーはけしからんとか、TOPらしくないとか、過渡期とか、巷では言われていますが、別に私も悪いと思っている訳ではありません。これもTOPの一つの側面と理解してます。
 しかし、サウンドの変化はプロデュースの仕方で変わったものであることは明白です。本作では Michael McKinney, Richard Evans, Emilio Castillo がプロデューサーに名を連ねており、前作の Steve Cropperように外部からプロデューサーを招きつつ、南部から北部へ音作りを変えて都会さを狙ったものと思われます。
 ホントいろいろとネガティブな書いてしまいましたが、本意ではありません。気を取り直して1曲目から聞いていきます。Rock Baby 確かにTOPっぽくないファンクサウンドです。悪くはないけどTOPファンから求められているサウンドでは無いかも。Our Love これはモータウン的なソウルですね。ノスタルジックなメローディーも良い。TOPらしくは無いですがこれもあり。Heaven Must Have Made You  これも少し毛色が違いますが楽曲的にはTOPにあるやつではあります。でもアレンジが丸い感じですね。いつものTOPなら、もっと尖ってるところがあります。And You Know It ここでいつものTOPになります。3曲目までとは、別のバンドみたいです。Nowhere to Run JBっぽいヤツですがスラップ・ベースが気になっちゃいますね。Something Calls Me あー昔のディスコですね。悪くはないですが短調ですかねえ。It Takes Two これも昔のディスコではありますが、チョッパーも気にはありますが、、曲は好いです。好みです。In Due Time どこかで聞いたことあるイントロです。フュージョン系のどっかのバンドですね。本編に入るとありがちなソウルナンバーになります。Just Make A Move TOP のサウンドになります。そうこの細かいヤツがいいんですよね。
 レーベル側の意向か、またはエミリオのアイディアかは分からないですが、いつものサウンドへの期待感を持って購入すると・・やられたって感じ・・は、やはり否めない。あ!ネガティブだ🎶

lead and backing vocals : Michael Jeffries
organ, synthesizer, acoustic piano, backing vocals, clavinet, Moog synthesizer, Fender Rhodes, Minimoog : Chester Thompson  
synthesizer, alto soprano tenor sax, backing vocals : Lenny Pickett 
guitar : Danny Hoefer
bass, backing vocals : Vito San Filippo 
synthesizer, drum, Syndrum : David Garibaldi
tenor saxophone, backing vocals : Emilio Castillo
baritone saxophone, backing vocals : Stephen "Doc" Kupka
trumpet, flugelhorn, backing vocals : Greg Adams
trombone, trumpet, flugelhorn, piccolo, bass trombone, backing vocals, piccolo 
trumpet : Mic Gillette

producer : Emilio Castillo, McKinley Jackson (1 to 3, 5), Richard Evans (4, 6 to 8), Tower Of Power

1.Rock Baby (Crockett, Michael Jeffries) 
2 Our Love (Clifford Coulter, McGee)
3. Heaven Must Have Made You  (Geoffrey Leib)
4. And You Know It (Emilio Castillo, Kupka)
5. Nowhere to Run (Lamont Dozier, Eddie Holland, Brian Holland)
5. Something Calls Me (Lenny Pickett)
6. It Takes Two (To Make It Happen) (Emilio Castillo, David Garibaldi, Michael Jeffries, Thompson)
7. In Due Time (Crockett, Jeffries)
8. Just Make A Move (And Be Yourself)  (Thompson) 





  

2025年1月29日水曜日

Great Voice of Harlem



 タワレコで Gregory Porter の棚を見ていたら、見慣れぬ白いジャケのCDがありましたので、中身のチェックはせずに購入しました。
 アルバムの出だしは、作曲は Gregory Porter の Moaning から始まりますが、違う人の声が?よく見てみたら、ボーカリスト三人の名義のセッション・アルバムでした。Gregory Porter(一番右)、Mansur Scott(左から3番目)、Donald Smith(左から2番目) の三人のボーカリストの競演です。


 中身はジャズ&ソウルで、Gregory Porter は主としてジャズ系スタンダード、他の二人はソウル、ファンク色の強いジャズで、Gil Scott-Heron 風のポエトリー・リーディング的な曲もあったりします。三人名義ですが、そこは Gregory Porter が歌うことで、このアルバムはグッと引き締まっていることを感じました。
 それでは、レビューしていきましょう。Moaning ボーカルは Gregory Porter で、メッセンジャーズの Moaning で、ボーカル物で聴くのは、これが初だと思いますが結構良いです。ズシッっとした重量級のボーカルと演奏でスイングしてます。Intro~Peace 短いイントロから続く Peace は Mansur Scott(上の写真では右から2番目) が、最初のボーカルをとります。マイクが近くて感情がやたらこもって興奮している感じで宗教的な感じもしますが、続くGregory Porter(右から一番目) で安定感を取戻します。?? Donald Smith はどこだ?Expansions こんどこそ Donald Smith(左から2番目)がボーカルです。細面の割に太い声で、ローズのピアノもこの人でソウルフルな楽曲で良い感じです。Somewhere Over The Rainbow 怪しげなイントロからはじまる Over The Rainbow で Gregory Porter がボーカルで安定の表現力です。Doing Hard Time は、Gregory Porter によくあるアレンジのイントロから始まりますが Mansur Scott のボーカルで、Peace の怪しい感じより興奮してしゃべりまくるオジサンになっています。語気が強いなあ。Stella By Starlight そしてスタンダードは、またもや Mansur Scott のボーカルですが、やっぱり怖いですね。感情はり過ぎのボーカルで、この曲を包み込むのは面白い試みではあります。Watermelon Man は、なかなかアバンギャルドで素敵です。お気に入りの曲に追加しときました。My One And Only Love 絶対、普通ではないだろうと予測しましたが、やはりドロドロのアレンジで来ています。Donald Smith は、やはりブットい声で朗々と歌い上げています。こんな感じで愛をささやかれると怖いですが・・。Days Of Wine And Roses は期待を込めて聴きます。Mansur Scott の上ずった声もこれには合ってます。なかなか良かった。Mona Lisa これは Gregory Porter の定番ですね。悪かろうはずがない。Song For My Father は、ホレス・シルバーの曲ですね。カッコ良いアレンジです。Mansur Scott のボーカルです。段々中毒的に、この上ずった歌い方になれてきました。
  演奏をしているバンドは「Paul Zauner's Blue Brass」という聞きなれないバンドですが、適度にジャジーで、かっちりし過ぎていないくて、ジャム的なサウンドに魅力があります🎶

vocal : Gregory Porter , Mansur Scott , Donald Smith (fender rhodes)
Paul Zauner's Blue Brass
trombone : Paul Zauner
trumpet, flugel horn : Barney Girlinger
alto sax, bass clarinet : Klaus Dickbauer
tenor sax, alto flue : Klemans Pliem
piano : Martin Reiter
bass : Wolffram Derschmidt
drums : Howard Curtis

producer : Paul Zauner

recorded July 2012 and August 2012
recorded at Acustic Art Studios Stockerau, Sounddesign

1. Moaning / Gregory Porter
2. Intro Peace / Mansur Scott
3. Peace / Mansur Scott, Gregory Porter, Donald Smith
4. Expansions / Donald Smith
5. Somewhere Over The Rainbow / Gregory Porter
6. Doing Hard Time / Mansur Scott 
7. Stella By Starlight / Mansur Scott
8. Watermelon Man / Donald Smith Intro Mansur Scott
9. My One And Only Love / Donald Smith 
10. Days Of Wine And Roses / Mansur Scott
11. Mona Lisa / Gregory Porter
12. Song For My Father / Mansur Scott





  

2025年1月22日水曜日

Funkadelic / One Nation Under A Groove


 1978年のファンカデリック名義の通算10作目。キーボードの Walter 'Junie' Morrison の曲が主体となり、後期ファンカデリックの始まりとなったアルバム。ギターがメインのブラック・ロック的要素から、かなりファンクの要素が強くなってきています。


 このアルバムでは Eddie Hazel は参加していません。と言うのもエディは1974年にスチュワーデスに対する暴行および薬物不法所持にて1年間の懲役を受け、その間に Funkadelic はギタリストとして Garry Shider, Michael Hampton を迎えおり、1975年のアルバム Let's Take It to the Stage に彼のリードギタリストの座は無く、本アルバムからエディーの名前はファンカデリックから消えることになるのです。


 そして、今回のアルバムでは全編に渡り Michael "Kidd Funkadelic" Hampton が長尺の超絶ギターを炸裂させています。とは言ってもソング・ライティングの主導は先にも書いたキーボードの Walter 'Junie' Morrison となっていますので、アルバム・タイトル曲の One Nation Under A Groove の骨格はシンセで組み立てられることとなっており、従来のファンカデリックとは少し異なった毛色となっているのです。そしてファンクの旗のもとに結束を誓う、ゆったりとした曲調から後半ベース、ギター、キーボードの応酬の Groovallegiance。Who Says A Funk Band Can't Play Rock?! では、ロックだってもともとは黒人が生み出したもんだぜ!とばかりにマイカルのロック魂が主張しています。Promentalshitbackwashpsychosis Enema Squad (The Doo Doo Chasers) は何が言いたいんだかさっぱりわからないが、クスリでもやっているかのような幻想的な曲調が、いかにもファンカデリックらしい。Into You は低音のRay Davis(レイ)がリード・ボーカルをとり変態加減が絶妙。Cholly (Funk Getting Ready To Roll!) は、ブーツィーのベースととバーニーのキーボードが素晴らしい働きをしている。Lunchmeataphobia (Think! It Ain't Illegal Yet!) は、激しいディストーションのかかったギターが攻めてくるロックで昼飯を食べながらこんな音楽は聴いていられないと思います。そして、またファンカデリック的幻想曲の P.E. Squad / Doo Doo Chasers が入り、ここら辺の曲の並べ方なんかはいい加減なようで結構計算されていると感心します。そして最後はお馴染みの Maggot Brain のライブ盤です。
 「One Nation Under A Groove」訳せば、「グルーヴ体制の元、国は一つ」全米R&Bアルバム・チャートNo.1も貫録の、こんなアルバムは流行ってはいかんと思いつつ、こんなアルバムが大好きです🎵

vocals : Cordell Mosson, Dawn Silva, Debbie Wright, Garry Shider, George Clinton, Greg Thomas , Jeanette Washington, Junie Morrison, Lynn Mabry, Mallia Franklin, Ray Davis, Ron Ford
keyboards, synthesizer : Bernie Worrell, Junie Morrison
guitar : Garry Shider, Michael Hampton
banjo : Bobby Lewis
bass : Bootsy Collins, Cordell Mosson, Rodney Curtis
drums, percussion : Bootsy Collins, Jerome Brailey, Larry Fratangelo, Tyrone Lampkin

producer vocals : George Clinton

1. One Nation Under A Groove
2. Groovallegiance
3. Who Says A Funk Band Can't Play Rock?! (Hampton)
4. Promentalshitbackwashpsychosis Enema Squad (The Doo Doo Chasers) (Brown)
5. Into You (Worrell, Collins)
6. Cholly (Funk Getting Ready To Roll!) (Collins)
7. Lunchmeataphobia (Think! It Ain't Illegal Yet!) ()
8. P.E. Squad / Doo Doo Chasers
9. Maggot Brain (Hazel)