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2025年1月17日金曜日

Three Dog Night / Best Hits


 1968年デビューし1976年の解散までに21枚のシングルを発売。そのうち20曲が全米トップ40入りというスーパーグループです。その後1981年に再結成し、2002年が最後のアルバム発売となりました。バンド名を知らない人も多いと思いますが、この音を耳にしている人は多いはずです。私が小学生の頃までの活動であったため、曲は知っていたんですが、どのようなバンドかは詳しくは知りませんでした。てっきり黒人グループだと思っていましたが、このアルバムで白人系のバンドであると知りました。(唱法はサザン・ソウル系に分類されるらしいです)バンド名は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいるそうです。
 バンドは3人の男性ボーカルと4人の演奏者という構成で、曲によってリード・ボーカルが変わり、ヒット曲はすべて有能なソングライターの隠れた名曲をリメイクする極めて特異な独特のスタイルでした。


 あまりに曲数が多いので、全曲レビューはやめときます。
 Joy to the World はあまりにも有名。彼ら最大のヒットで6週連続全米No. 1 に輝き750万枚ものビッグ・セールス。作者の Hoyt Axton は、Heart Break Hotel をプレスリーと共作した Mae Boren Axton の実息。熱唱の Chuck Negron が非常に熱く、オルガンの響きも心地よいソウル調のロックです。昔聴いた時から忘れない一発で耳に残る名録音。
 Old Fashioned Love Song これは、日本でバカ売れになった曲で、全米では第4位のミリオン・セラーなので、ラジオで聴いて知ってました。 Chuck Negron は、前曲とは違ってしっとりと歌い込んでいます。郷愁を帯びた味のある楽曲の作者は Paul Williams。自身でも71年12月に便乗リリースし、そこそこ売れたらしい。
 Black and White、昔ラジオで聴いて大好きになった曲。彼らにとって5枚目のミリオン・セラーで3曲目の全米No1ヒット。パブリック・スクールにおける人種差別を禁止するというアメリカ最高裁の決定を称えるべく、アール・ロビンスンが55年にディビッド・アーキンと共に書きおろした作品で、Sammy Davis Jr も取り上げたけれどヒットに結びつかず、レゲエにリメイクしてヒットしたものです。
  オムニバスですが、曲順は年代順ではなくプロデューサーが考えられての構成のようで、意図はわかりませんが、ただの羅列でないところに好感の持てるベストになっています。作曲者と発表年にビルボードの最高順位を記載しました🎶

vocals : Chuck Negron , Cory Wells , Danny Hutton , Floyd Sneed 
bass : Joe Schermie
drums : Floyd Sneed
guitar : Mike Allsup
keyboards : Jimmy Greenspoon

1. Joy to the World
 (Hoyt Axton) / 1971年 10thシングル (全米第1位)
2. Easy to Be Hard 
(Galt MacDermot, Gerome Ragni, James Rado) / 1969 4thシングル(全米第4位)
3. Family of Man 
(Jack Conrad, Paul Williams) / 1972 13thシングル(全米第12位)
4. Sure As I'm Sittin' Here 
(John Hiatt) / 1974 20thシングル(全米第16位)
5. Old Fashioned Love Song
 (Paul Williams) / 1971 12thシングル(全米第4位)
6. Mama Told Me (Not to Come)
 (Randy Newman) / 1970 7thシングル (全米第1位)
7. Try a Little Tenderness 
(Harry Woods, James Campbell, Reginald Connelly) / 1968 2ndシングル(全米第29位)
8. Shambala
 (Daniel Moore) / 1973 17thシングル(全米第3位)
9. Let Me Serenade You 
(John Finley) / 1973  18thシングル(全米第17位)
10. Never Been to Spain 
(Hoyt Axton) / 1971 13thシングル(全米第5位)
11. Black and White
 (David Arkin, Earl Robinson) / 1972 15thシングル (全米第1位)
12. Liar 
(Russ Ballard) / 1971年 11thシングル(全米第7位)
13. Out in the Country 
(Paul Williams, Roger Nichols) / 1970 8thシングル(全米第15位)
14. Show Must Go on 
(David Courtney, Leo Sayer) / 1971 19thシングル(全米第4位)
15. Eli's Coming
 (Laura Nyro) / 1969 5thシングル(全米第10位)
16. One Man Band 
(Billy Fox, January Tyme, Tommy Kay) / 1970 9thシングル(全米第19位)
17. One
 (Harry Nilsson) / 1969 3rdシングル(全米第3位)
18. Celebrate 
(Alan Gordon, Garry Bonner) / 1970 6thシングル(全米第15位)





  

2025年1月12日日曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Texas Flood

 

 このアルバムは1983年に Epic Records から発売された Stevie Ray Vaughan and Double Trouble のデビューアルバムです。タイトル曲の Texas Flood は、ブルース・マンの Larry Davis の1958年の曲のカバーとなっており、カバー曲は4曲、オリジナルは5曲が収録されています。デビューは1873年ですが、1975年前身となるバンド「トリプル・スレット・レヴュー」を結成し、Double Trouble として活動を始めたのは1978年なので、下積み8年の活動歴ですから実力は聴いての通りで、既に完成されたバンド形態となっています。
 このアルバムからのシングルカットは「Love Struck Baby」「Pride and Joy」の2枚で、「Love Struck Baby」のミュージック・ビデオは、MTV の1983年のレギュラーローテーションとなる人気でした。デビューのきっかけは、アルバム発売の前の年1982年に、Vaughan and Double Trouble は Montreux Jazz Festival で演奏したのがきっかけで、2日の録音でオーバーダブ無しでこのアルバムは録音されています。


 それでは久しぶりに聴いて懐かしみながらレビューしていきます。Pride And Joy こちらは、イメージそのままでSRVが右手を回しながらかき鳴らしているのが想像できます。ジャズでいえばスイング感に当たるものが非常によく出ています。Texas Flood 大好きなテキサス・フラッドはイントロ長めが最高なブルースです。ギターの音は硬質に設定してジャキジャキさせながらも粘っこい。Tell Me バッキングのリフの跳ね方が大袈裟でなのが、天才的です。Testify 機関銃のようなリフでジミヘンコード、曲芸のような低音から高音までなめるように弾かれる全編ソロのインスト・ブルース・ロックです。Rude Mood さらに煽るように軽めの音のギターでトレモロのようなブルース・ギターが途切れないこれもインスト。機関車のように、走り続けるのもSRVの特徴でしたね。Mary Had A Little Lamb ミドル・テンポに戻ると、すごくゆっくり感じます。アルバムの最後に持ってきても良い落ち着いた曲です。Dirty Pool ミドルから更にスローなブルースになります。スローでもマンドリンのような手法で常に音符の数が多く、ロングトーンでの泣きのギターは似合いません。I'm Cryin' 粘っこいギターに戻ってきました。古き良き古典ブルースのようですがSRVのオリジナル。Lenny ブルースだけではなく器用にギターを操る名手です。これもインストですがフュージョン・ギターのようです。
 とにかくグイグイと迫ってくる手クセがバリバリのギターが魅力の Stevie Ray Vaughan And Double Trouble のデビューアルバム、これも久しぶりに聴いてレビューしていきます。Love Struck Baby 久しぶりに聴いたらギターの音はイメージより軽めでした。ライブはもっと重め? Jhonny B Good を現代風のギターにした感じです。


guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton

executive-producer : John Hammond
producer : Double Trouble, Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan
recorded at: Down Town Studio, Los Angeles, CA; Riverside Sound, Austin, Texas.

1. Love Struck Baby (S. R. Vaughan)
2. Pride And Joy (S. R. Vaughan)
3. Texas Flood (J. W. Scott, L. C. Davis)
4. Tell Me (C. Burnett)
5. Testify (D. Taylor, G. Clinton)
6. Rude Mood (S. R. Vaughan)
7. Mary Had A Little Lamb (B. Guy)
8. Dirty Pool (D. Bramhall, S. R. Vaughan)
9. I'm Cryin' (S. R. Vaughan)
10. Lenny (S. R. Vaughan)



▶ Lenny


  

2025年1月6日月曜日

Crage Erickson / Roadhouse Stomp!


 Stevie Ray Vaughan系の、ビックリするほど鋭どくて素直にカッコ良いブルース・ロックです。多分 Stevie Ray Vaughan の音源を探していてレコード屋で出会ったのかと思います。音はものすごくカッコ良くて、多分レイボーンと比較されることも多い人かと思いますが驚くほどマイナーなアーチストで、ググってもあまり情報が出てこないのも、この人の特徴です。 このアルバムの他 Big Highway も良かったです。
 略歴についても資料不足だったのですが- Pop Music. Legend Music -さんに記述ありました。アイオワ州セダー・ラピッズ育ちのギタリストです。父はレコード店を経営していて、手伝いをしている時にギターを覚え、13歳になるとバンドを組んで地元で演奏していました。1990年の初期にブルーズ・ブリュー( Blues Bureau )と契約し、1992年に初アルバム「Roadhouse Stomp」を出し、翌1993年には「Retro Blues Express」を出しました。その他は2001年「Shine」などがあります。なるほど。
 発売は Shrapne Records で、アメリカのヘヴィメタルを中心に扱うインディーズ・レーベルから発売されています。このレーベル1982年には、17歳の Yngwie Malmsteen を発掘し当時所属の Steeler に加入させたが、イングウェイは直ぐに脱退して、以降はこのレーベルからのアルバム発売は無し(Steeler は懐かしいです。高校生の頃にカセットで聴いてました)1990年頃から、ヘビー・メタル・シーンそのものが廃れてきたとのこと。やはり、レーベル自体がインディーズであることと、時代により宣伝力が無かったことで世に広く認知されなかったのではないかと推測します。


 それでは、素晴らし過ぎるギタープレイが魅力のアルバムを聴きながらレビューです。Heartbreak Train 激しいブギー・ロックで、ZZ TOP を鋭くヘビーにした感じです。楽曲としてはオーソドックスですが、曲が進んだところでの転調で聴き手を飽きさせない仕掛けがしてあります。Blues Avenue まるで SRV じゃないかと言われればその通りのジミヘン・コードを使用したブルース・ロックです。Overtime シャカシャカとしたカッティングから始まるファンク気味ロックで、これもSRV 仕様ですね。注目のギターも素晴らしいですがベース、ドラムのコンビネーションも素晴らしくギターが遊べるのは、このリズム隊がしっかりしているから。 The Loneliest Hour しっとり系ブルースで、他の曲もそうですが常にギターがオブリガードしてて鳴りっぱなしで、これでもかって感じがしつこくて、これが好きな人にはたまらんですね。River Song ギターがワウワウしてるブルース・ロックで、曲としては少し中だるみ気味ですかね。Catch That Plane テンポ早めのロックですが、今までよりもブルースが強めでスライドでのソロも飛びだして勢いがあります。Midnight Highway こちらは ZZ TOP 寄りのブギです。これは私の好物かもしれません。The Storm コーラスのかかったギターリフで少し硬質な音に変えてきてます。基本的に似通ったつくりの曲が多いので良いのではないでしょうか。Tearin' It Up 高速ブギです。これは単純にかっこよい。Van Halen にアイデアのヒントあるような楽曲です。Starry Sea メロディアスなロックで曲の構成としては、このアルバムの収録曲の中ではつくりこんだ曲です。Tell Me The Truth はアルバムの最後らしくヘビーでキャッチーです。
 オーソドックスなフレーズではありますが、これでもかと繰り出されるギター・サウンドで丁寧に組み立てている感じがとても好印象です。デビュー作って、それまでに貯めてきたエッセンスが詰まった曲が多いのが良いですね🎶🎸

guitar, vocals : Craig Erickson
bass : John Onder
drums : Atma Anur
hammond B-3 organ : Mark Robertson

producer : Mike Varney
recorded at Prairie Sun Recording Studios
all songs written by Craig Erickson

1. Heartbreak Train
2. Blues Avenue
3. Overtime
4. The Loneliest Hour
5. River Song
6. Catch That Plane
7. Midnight Highway
8. The Storm
9. Tearin' It Up
10. Starry Sea
11. Tell Me The Truth





  

2024年12月21日土曜日

Blood, Sweat & Tears


 ベーシストのジャコの本「ジャコパストリアスの肖像」の第2章「オン・ザ・ロード」でのエピソードを読んで、昔、聴いたこともあるバンドなので、久しぶりに聞きたくなって購入しました。ちなみにタワレコの棚にはこれ1枚しかなかったのが、寂しかったです。
 そのエピソードですが、このバンドのドラマー Bobby Colomby が、ジャコの奥さんのトレイシーをナンパして、翌日にからかい半分でジャコの演奏を聞いたら驚き、レコード会社のエピックとの契約を取り付けて、その年の1975年10月に自身のスタジオでジャコのデビュー・アルバムが録音されたとのこと。その後の、このバンドのギグにジャコも参加しているとのことですが、残念ながらレコーディングは無しです。
 この録音は Bobby Colomby ジャコの奥さんをナンパする、はるか前の1969年の作品です。Blood, Sweat & Tears はアル・クーパーの呼びかけでジャズやクラシックの経験者で譜面の読めるミュージシャンたちで作ったバンドで、デビューは1968年。Randy Breckerもメンバーだった「Child Is Father To The Man」、ブラスロックというジャンルを確立したとも言われています。しかしワンマンのクーパーにメンバーが造反し、リーダーが追い出され、デビッド・クレイトン・トーマスを迎えてリリースしたのが本作で、グラミーで(年間最優秀アルバム)を受賞する世界的な大ヒットとなっています。

 

 昔、聞いたことがあったのは Spinning Wheel でアルバムのイメージはこの曲だったのですが再度聴いてみて違った印象ですので、再度レビューしてみます。Variations on a Theme by Erik Satie エリックサティの、あのテーマが主題です。フルートが2本で絡み合い幻想的な響きとなっています。一回以上聴いていたはずなのに忘れていました。それが終わると後半はブラスの主体としたクラシックっぽい感じに変わります。全体にフランジャーをかけてシャワシャワしますが、これもエリックサティ? Smiling Phases 導入曲とガラッと変えてソウル風の歌い方のブラス・ロックに変わります。アドリブ部分は8ビートのジャズ、ドアーズ風、4ビートと目まぐるしく変わりエリックサティ風になって終了かと思いきやブラス・ロックに戻って終了します。ブラス・ロックという言葉を定着させたバンドと言われていますが、プログレにも聞こえます。Sometimes in Winter ブラスとフルートが入ったソフト・ロックです。品が良い。More and More 荒々しいソウルで、Smiling Phases のようにプログレ路線には行かずに疾走します。途中の限界までオーバードライブさせた短いギター・ソロはそそられます。And When I Die オールドスタイルのポップも感じさせる変拍子を入れた曲です。このバンドの才能を感じさせる曲で、かなり印象的です。God Bless the Child 曲名だけ結構見ますので、おそらく、かなり流行った曲だと思いますが聞き覚えはありません。スロー・ブルースですが、演奏はジャズっぽいアレンジになっていてラテンや、4ビートジャズに変化したりブラス・ロックになったりと大曲です。Spinning Wheel 先にも書きましたが、この曲は知っています。インテリっぽくて普通のロックではない様相のこのアルバムで最もキャッチーな曲です。やはり途中からジャズ・アレンジが入り、曲の最後は、The More We Get Together というアメリカの童謡のメロディーを入れて終了します。アイデアが斬新です。You've Made Me So Very Happy 本格的なソウルナンバーですが、ここまで聴いてきましたから、ひとひねりあるだろうと思って聴いていると普通に終わってしまい拍子抜けです。これも作戦でしょうか。Blues, Pt. 2 ブルースには全く聞こえないオルガンの独奏が長く続き、スローブルース?になりかけますがブルースではないジャズに最終的に突入し、Sunshine Of Your Love が出てきて、最後でブルースに突入し激しいソウルになって終わります。Variations on a Theme by Erik Satie 最後はエリックサティに戻ります。
 とにかくアルバムの展開と曲の展開がインテリすぎて楽しいアルバムです。普通では、このタイプのアルバムは万人受けしないのかと思いますが、ひたすら振り切っているのが受け入れられたのでしょうか。凄いことです。ヘビロテ入り決定します🎶


 そして古臭い感じのするジャケットデザインを、よく見ると古い写真の顔部分をメンバーにすげ替えたものになっています。ライナーノツの中にも広げた新聞にメンバーの顔写真が何かの犯人のように散りばめられていて、雑な貼り付けかたにシュールで芸術的なものを感じます。全てにこだわりを感じます🎶

lead vocals : David Clayton-Thomas
bass : Jim Fielder
drums, percussion, vocals : Bobby Colomby
guitar, harmonica : Steve Katz
organ, piano, electric piano, harpsichord, celesta, trombone, flute, horn, vocals, alto Flute : Dick Halligan
piano, electric piano, vocals, alto sax : Fred Lipsius
trombone, recorder, bass trombone : Jerry Hyman
trumpet, flugelhorn : Chuck Winfield
trumpet, flugelhorn, piccolo trumpet : Lew Soloff

producer : James William Guercio
cover (cover art) : Timothy Quay
design : John Berg

1. Variations on a Theme by Erik Satie (First and Second Movements) (Erik Satie)
2. Smiling Phases (C. Wood, J. Capaldi, S. Winwood)
3. Sometimes in Winter (S. Katz)
4. More and More (D. Juan, P. Vee)
5. And When I Die ( L. Nyro)
6. God Bless the Child (A. Herzog, Jr., B. Holiday)
7. Spinning Wheel (D. C. Thomas)
8. You've Made Me So Very Happy ( B. Gordy, Jr., B. Holloway, F. Wilson, P. Holloway)
9. Blues, Pt. 2 (Blood, Sweat And Tears)
10. Variations on a Theme by Erik Satie (First Movement)
11. More and More  (previously unreleased, bonus track)
12. Smiling Phases  (previously unreleased, bonus track)





  

2024年11月22日金曜日

Larkin Poe / Peach

 

 私がこのバンドを知ったのは youTube の動画が最初で、2020年のはじめの頃でした。特に気にいたのは Preachin' Blues で、繰り返し聴いていたところ、12月に新宿タワレコを訪れたところ、なんと Larkin Poe のコーナーが出来ていたので購入となりました。
 この二人は、ジョージア州アトランタ出身で、現在はナッシュビルを活動拠点とする姉妹のブルース・ロック・バンドで、姉妹の名前は
 【Rebecca Lovell】lead vocals, electric guitar, acoustic guitar, mandolin, banjo, violin, piano; drum programming, bass and arrangements

 【Megan Lovell】 harmony vocals, lap steel, Dobro

 いとこの祖父である Edgar Allan Poe に、ちなんでの Larkin Poe のバンド名で、アルバム名の Peach は出身がジョージアの名産のピーチであることからで、アトランタは古くはStanding Peach Tree と呼ばれネイティブ・アメリカンの村もあったそうです。この姉妹の活動履歴は長く、2005年にはブルーグラス系バンド The Lovell Sisters を3姉妹で結成し、いったん解散し、2010年に Larkin Poe として活動再開し、その後5枚のEPと2枚の共同制作盤を出し2013年に RH Music と契約し、初アルバム「KIN」を発表。そして2016年Reskinned、2017年で、この Peach の発売となった訳で、堂々たる演奏からも既にベテランの域を感じます。


 購入したのは日曜で、その帰りには行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」で直ぐに聴きました。ファンの前で酷評はしにくいと思われますが、それなりに評判は良かったハズです。それでは Larkin Poe / Peach を再度聴きながらのレビューです。Come On In My Kitchen トラディショナル・ブルースで作者不明なヤツですね。メーガンのスチールギターが最高ですし、レベッカの迫力ボーカルは最初から心わしづかみにされます。Freedom オリジナル・ナンバーで、アレンジは少しデジタルな部分を入れてます。映画とかで使われそうなドラマチックな曲です。Black Betty そしてトラディショナル・ブルースに戻ります。このリズムは大好きなヤツです。いかつくて惚れてしまカッコ良さ以外に何もありません。Look Away スローでダークなブルース・ロックです。オリジナルでこれも少しデジタルなアレンジで、ここら辺はブルースマンでありながら現代のポップスも聴きながら育った世代なんだなあと思います。Preachin' Blues そして惚れ込んだサン・ハウスのブルースです。ブルース好きのオジサンにも十分響くカッコ良さで、ライブハウスで聴いたらどうにかなっちゃいそうです。Cast 'Em Out ブルーグラスもやってたので、ここら辺のルーツ・ミュージックのような楽曲もすんなりです。録音とミキシングでボーカルの近さが感じられるのも良いですね。Pink & Red これもオリジナルで、現代的なロックのアレンジになっています。なるほどトラディショナルとオリジナルで意識的にアレンジを変えているのですね。今更わかりました。John The Revelator ジョンは預言者というトラディショナルです。ドロドロした呪術的なイメージが沸く曲ですね。Wanted Woman / AC/DC やはりオリジナルでデジタルなアレンジも入れてます。パンクっぽくもありますね。Tom Devil やはり最後はトラディショナル・ブルースでアルバムは締めくくりです。
 新世代のブルースを感じて、ワクワクと心が躍ります。きっと私のようなひと昔世代のことも理解しつつ、感性に合う曲を彼女たちの表現があり僅かな差でありながら同じようなルーツ・ミュージックのバンドを引き離している感があります。youTube で自分たちをセルフプロモしながらの活動も現代的ですね。オジサンの心も動かされました🎶🎸

Rebecca Lovell
vocals, electric guitar, acoustic guitar, baritone guitar, banjo, keyboards, drums : 
Megan Lovell
vocals, lap steel guitar, slide guitar, keyboards

producer : Megan Lovell, Rebecca Lovell

1. Come On In My Kitchen (Traditional)
2. Freedom (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
3. Black Betty (Traditional)
4. Look Away (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
5. Preachin' Blues (Son House)
6. Cast 'Em Out (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
7. Pink & Red (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
8. John The Revelator  (Traditional)
9. Wanted Woman AC/DC (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
10. Tom Devil  (Traditional)





  

2024年11月9日土曜日

The Band



 The Band とシンプルな名前。アメリカ合衆国を拠点に活動したカナダのバンドで、オリジナル・メンバーは、カナダ人4人「Jaime Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)、Richard Manuel(リチャード・マニュエル)、Garth Hadson(ガース・ハドソン)、Rick Danko(リック・ダンコ))とアメリカ人1人 Levon Helm(リヴォン・ヘルム)。1967~1976年まで活動し、いったん解散するも1983年にロバートソン以外のメンバーが再結成し1999年でバンドは解散となっています。Robbie Robertson 以外はメンバー全員がマルチ・ミュージシャンであることもこのバンドの特徴です。バンド名は、ボブディランバックバンドをやっていたときに名前を覚えてもらえず、ご近所の人が「あのバンド」って呼んでたんで、悔しさでこれにしたとのこと。
  通称「ブラウン・アルバム」として知られているThe Band の1996年の2作目で、ファンの間では真っ先に名前が挙がるアルバムとのこと。アメリカ南部のルーツミュージックを追い求め、温もりのある音で、適度にラフでルーズでアルバム全体からは音そのものの暖かささを感じます。またボブ・ディランとビッグ・ピンクで録音した曲に近いものにしたいと考え、録音はカリフォルニア州のハリウッド・ヒルズにあるかつて Judy Garland, Wally Cox、Sammy Davis Jr. などが所有していた物件だった、プール付きの邸宅を借りて録音しています。

 


 Eric Clapton も憧れていたバンドと何かで読んだことのあるバンドで、その記事を見てから知ったバンドですが、聴け聴くほど素晴らしいアルバムですので久しぶりに聴いてレビューします。Across The Great Divide ほのぼの系に感じるビートルズも意識した楽曲に感じ、カナダ人主体のバンドながら、アメリカを感じます。ブラスが効果的に入っているのでブラス・ロックとも言えるのかな。Rag Mama Rag ボーカルの歌い方はストーンズを意識でしょうか。チューバがベースラインてのが新鮮で、バイオリンがとても良い。ラグ+ブルーグラスですかね。The Night They Drove Old Dixie Down 後に Joan Baez がヒットさせている曲でもあります。フォーク的な語り口で南北戦争が題材です。When You Awake カントリー的な曲で、このアルバムでは目立ちませんが良い曲です。ボーカルの歌い方は、Josh Dion に引き継がれているなあと感じます。Up On Cripple Creek 暗めの出だしですが軽めのロックです。これも Josh Dion に引き継がれていると感じます。クラビを使っていますがファンクでは無いのも非凡です。Whispering Pines バラードで痛ましさも感じる美しいメロディーラインです。感情入り過ぎのボーカルも臨場感あります。間奏のコードチェンジも凝ってます。Jemima Surrender クラプトンあたりに引き継がれるアレンジのロックですが、ソウルも感じますし、ここでもブラス部隊が効果的に入ってますが所謂ホーンセクションではないので味わいが違います。Rockin' Chair カントリーロックですね。コーラス・アンサンブルもそっち系です。フラットマンドリンとアコ-ディオンが牧歌的です。Look Out Cleveland アップテンポで、クラプトンに後に引き継がれるサウンドです。ノスタルジックなメロディーになるかと思えば、ドーンとサビがきますので聴く方も忙しいですが。曲も良しアレンジも良し。Jawbone 「いつか王子様が」が繰り返し使われる変則な曲ですが、聴いているとクセになります。才能ある人は違います。The Unfaithful Servant 南北戦争後の奴隷制に終わりを告げる歌でしょうか。働いていた召使が家を出ていくのですが、ここも悪くはなっただろう。思い出もあるだろう。みたいな歌詞ですね。重いです。King Harvest (Has Surely Come)  力強い歌です。農民がトウモロコシに向かって話しかけていますが、これはこれから収穫期を迎える若者たちへの応援歌であることは間違いないでしょう。
 偉大なバンドであり、多くのミュージシャンに影響を与えたアルバムであることは間違いないでしょう。様々なタイプの曲が収納されていますがアルバムとして散漫にならずにまとまりがあるのも凄いです🎶

guitar, engineer : Jaime Robbie Robertson
organ, clavinet piano, accordion, sax, soprano sax, baritone sax, trumpet (slide trumpet) : Garth Hudson
tuba, electric piano, horns (high school and peck horns), engineer : John Simon
vocals, bass, violin, trombone : Rick Danko
vocals, drums, mandolin, guitar : Levon Helm
vocals, piano, drums, baritone sax, harmonica (mouth harp) : Richard Manuel

producer : The Band

1. Across The Great Divide (J.R. Robertson)
2. Rag Mama Rag (J.R. Robertson)
3. The Night They Drove Old Dixie Down (J.R. Robertson)
4. When You Awake (R. Manuel, J.R. Robertson)
5. Up On Cripple Creek (J.R. Robertson)
6. Whispering Pines (R. Manuel, J.R. Robertson)
7. Jemima Surrender (L. Helm, J.R. Robertson)
8. Rockin' Chair (J.R. Robertson)
9. Look Out Cleveland (J.R. Robertson)
10. Jawbone (R. Manuel, J.R. Robertson)
11. The Unfaithful Servant (J.R. Robertson)
12. King Harvest (Has Surely Come)  (J.R. Robertson)
【Bonus Tracks】
13. Get Up Jake (Outtake - Stereo Mix)
14. Rag Mama Rag (Alternate Vocal Take - Rough Mix)
15. The Night They Drove Old Dixie Down (Alternate Mix)
16. Up On Cripple Creek (Alternate Take) 
17. Whispering Pines (Alternate Take)
18. Jemima Surrender (Alternate Take)
19. King Harvest (Has Surely Come) (Alternate Performance)

Across The Great Divide

Up On Cripple Creek

Rag Mama Rag

The Night They Drove Old Dixie Down


  

2024年11月2日土曜日

Hiram Bullock / World Of Collision


 フュージョン系やジャズも好きだけど、ロックも大好き。しんみりとしたギターを聴かせることもできるけど、派手にカマして目立つ方が好きかもしれない。ジャズ・フュージョンはビジネスですが、本当に好きな趣味は、こちらの方面なのでしょう。ロック・スターにも憧れていたんでしょうね。
 そんなハイラムの衝動に、いつも Will Lee は付きあっちゃうんですね。親交のある Charley Drayton も断りづらいのでしょう。Sugar Blue も一流ミュージシャン同士の付き合いですから参加してますし、Lew Soloff も Tom Malone とともにが参加、これはサンボーン繋がりからでしょうか。好きですね。


 私はハイラム自体が、大好きなのでソロも何枚か持っていますが、ソロアルバムは、総じて、どうにも評価しづらいとしか記憶がありません。かなり久しぶりに聴いてレビューしてみます。Sooner Or Later 楽しそうな演奏ではありますが、Born To Be Wild のリフです。このタイプのロックに管は不要じゃないのかな。と思ったりもします。One Size Fits All 結構良い曲ですね。前に聞いたときに、こんな曲があったけ?と思いました。やっぱりメンバーが、それなりのメンツなので演奏に一捻りあります。コーラスは微笑ましい。Mustang Sally は、Bonny Rice のブルース・ロックですがファンク・ロック風。これをやるために Sugar Blue が呼ばれているのは適材ですねグッと主役を喰ってますのでバランスが良い。Change おっ本気っぽいですね。楽曲としては意外と良い。Gonna Walk イントロでジミヘンかと思いましたが、そうではありませんでした。聴けないことは無いです。ギターソロが良い。Devil May Care ちょとテクニカルです。不思議なメロディーも悪くないですが、途中のハードロック調の箇所はダサいので要らないかと思います。Son Of Creeper フュージョン界で鍛えた魂が表れています。ジャコっぽいと言えばそんな感じ。こんな曲が、もっとあれば良いのですが。Spanish Castle Magic やっぱりヒーローはジミヘンなんですね。悪いことは書けません。Gimp 彼のギターの音色と曲調が非常にマッチしています。アルバムの中で一押し。World Of Collision ブルース・セッションっぽい感じですがタイトル曲で、Collisionの意は衝突です。この曲にはボスニア紛争がテーマにあるようでお遊びだけではないようです。Leeza クラプトンぽいですが、これも良い曲です。
 アルバムを意識してなかったので気づきませんでしたが、実はウォークマンに入れて、Gimp、Leeza は比較的よく聴いている曲です。このアルバムでしたか。改めてアルバムとしての、まとまりには欠けるとは思いますが良い曲は入ってます。以前に聴いた記憶より遥かに印象が良かったです🎶


guitar, vocals, keyboard : Hiram Bullock
bass, vocals : Will Lee
drums, vocals, pedal steel guitar  : Charley Drayton

harp : Sugar Blue (3)
trumpet : Lew Soloff
trumpet, tenor & barriton sax, trombone : Tom Malone 

producer : Charley Drayton, Hiram Bullock, Will Lee
recordet at Power Station, N.Y.C. Sept. 1993 and Right Track Studios, N.Y.C. Feb. 1994

1. Sooner Or Later (Hiram Bullock, Will Lee)
2. One Size Fits All (Hiram Bullock)
3. Mustang Sally (Bonny Rice)
4. Change (Hiram Bullock)
5. Gonna Walk (Hiram Bullock)
6. Devil May Care (Hiram Bullock)
7. Son Of Creeper (Hiram Bullock)
8. Spanish Castle Magic (Jimi Hendrix)
9. Gimp (Hiram Bullock)
10. World Of Collision (Hiram Bullock)
11. Leeza (Hiram Bullock)


▶ Gimp

▶ Leeza


  

2024年10月19日土曜日

Jimmy Page Robert Plant / No Quarter


 スタジオ制作ではなく、MTVアンプラグドの番組 Unledded ので行われた演奏を収録されたライブアルバムです。録音は1994年8月25日、26日のロンドンに、マラケシュやウェールズで録音された楽曲も加えられています。当時タワレコで新譜を見かけて試聴してみたところ、特殊な音楽形態であることはわかっていたので。かなり迷った挙句に、元 Led Zepp のブランドに負けて購入を決めたアルバムです。
 

 Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)は1980年に解散、その後 1985年、1988年、1995年、2007年に再結成として散発的に活動を行っていました。このライブもロバート・プラントとジミーペイジの活動のひとつの形ですね。ツェッペリン時代の曲に新曲も交えながらの構成で、新曲 Yallah、City Don't Cry、Wonderful One、Wah Wahが収録されています。ブルース、フォークロック、民族音楽的なものなども、コマーシャルなロックではないツェッペリンでもあった側面が色濃く出ています。
 もはやレコードセールスなんて関係なく、好きな音楽をやってやるぜと言う余裕のお二人。アルバムの聴きどころは、昔から、聴きなれているラストの Kashmir。オーケストラのバックが曲調に合っていて良い感じです。
 晩年のジミーペイジのセッション動画などでは、ほぼギターが弾けてなくなっていて、見てられないものもありますが、この頃は鋭いギターが聴けて健在の頃で何より🎶


acoustic guitar, electric guitar, mandolin : Jimmy Page
vocals : Robert Plant
vocals : Najma Akhtar
organ : Ed Shearmur
banjo, guitar : Porl Thompson
bass, percussion : Charlie Jones
drums, percussion : Michael Lee
percussion (duf - egyptian ensemble), bendir (egyptian ensemble) : Ali Abdel Salam, Farouk El Safi
percussion (reque - egyptian ensemble), bendir (egyptian ensemble) : Farid Khashab
bendir (egyptian ensemble), percussion (merwas - egyptian ensemble), finger cymbals (egyptian ensemble) : Ibrahim Abdel Khaliq
ney (nay - egyptian ensemble) : Bashir Abdel Al
oud (egyptian ensemble) : Abdel Salam Kheir
hurdy gurdy : Nigel Eaton
mandolin, vocals, percussion : Jim Sutherland
soloist, strings (egyptian ensemble) : Wael Abu Bakr
strings (egyptian ensemble) : Amin Abdel Azim, Bahig Mikhaeel, Hanafi Soliman

orchestra : London Metropolitan Orchestra
violin : Anne Morlee, Cathy Thompson, Clare Thompson, David Juritz, David Ogden, Ed Coxon, Elizabeth Layton, Harriet Davies, Ian Humphries, Jeremy Williams, Jessica O'Leary, Mark Berrow, Pauline Lowbury, Perry Montague-Mason, Peter Hanson, Rita Manning, Rosemary Furniss
cello : Ben Chappell, Caroline Dale, Cathy Giles, Jonathan Tunnel, Stephen Milne
viola : Andrew Brown, Andrew Parker, Bill Hawkes, Jane Atkins, John Jezard, Nichalas Pendlebery, Rusen Gunes

producer : Jimmy Page, Robert Plant
recorded on location at Marrakech, Maroc; Snowdonia, Wales; London, Albion

1. Nobody's Fault But Mine
2. Thank You
3. No Quarter
4. Friends
5. Yallah
6. City Don't Cry
7. Since I've Been Loving You
8. The Battle Of Evermore
9. Wonderful One
10. Wah Wah
11. That's The Way
12. Gallows Pole
13. Four Sticks
14. Kashmir


▶ Yallah

▶ Kashmir