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2025年2月11日火曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Soul To Soul


 1985年リリースの3作目で、ジャケ写ではストラトを持たずにセミアコ。腰にぶらさげているのは、おそらく日本のお守り。そうなると後ろの小屋はもしかして日本家屋に見えなくも無いが、テキサスの田舎の掘っ立て小屋か?と先に余計なところに目が行きます。
 さて本作は、とにかくどれもこれもパンチが効いていて、エネルギー満タンSRV作品の中でも、もっとも派手な仕上がりで気持ちが良い一枚という印象。サックスとキーボードまで加入して、サウンドを完成させていて、この時期ではギター・エフェクター・アンプなど多様に使いこなしていたようです。
 何より捨て曲が相変わらず無いのも、SRV作品のすごいとこで、ライブ映像ではあまり見られない曲もあったりするマイナー感も、このアルバムの良いとこでもあります。


 それではこのド派手なアルバムを再度聴きながらレビューします。Say What! インスト・ロックですが、テンポ緩めでワウワウを使用した粘るようなギター、キーボードソロなどもあり、バンド感が増しています。弾きまくってもいますが、フィードバックを使ったロングトーンでワウで変化させてくれるところが、また良い。Lookin' Out The Window
テキサス出身の Doyle Bramhall の作品です。本業はドラマーであり、SRVよりも5歳ほど年上でセッションもよくやっていたそうです。息子はギタリストでエリック・クラプトンの作品にも参加しています。曲はシャッフルでホーンを多重録音してバックに厚みを持たせていること、ジャズで言えば4ツを刻むようなギターも印象的です。Look At Little Sister
テンポは、ほぼ Lookin' Out The Window と同じのミドルテンポ。この曲ではピアノが強調されていてロックンロール・ピアノがこれまた効果的にブラスのバッキングとともにマッチ。Ain't Gone Give Up On Love スローなブルースロックで、キーボードがバッキングでギターはエフェクト少な目でオブリーガード。曲が進むにつれて歪みを入れてったり、チャッチャッと刻んで見たりと今聴いてみると細かいところに細工が施してあるのがわかります。Gone Home ジャズサックス奏者の Eddie Harris の楽曲で、SRVもジャズ・ブルースで演奏しています。こうした幅広い素養が他の曲にも実は活きているんでしょう。Change It 再度テキサス出身の Doyle Bramhall 作品で、いかにもテキサスが舞台で打ち合いで始まりそうハードボイルドな感じがカッコ良い。You'll Be Mine 1950年代のシカゴ・ブル―ズ黄金期の巨匠 Willie Dixon の作品で、明るく踊れる感じの跳ねる感じのハッピーな楽曲です。Empty Arms イントロはフランジャーを使っていて、アルバムの中では最も軽めのナンバーです。裏打ちがモロに意識されたバッキングが日本人ではないセンスですね。Come On (Part III)ニューオリンズの巨匠 Earl King の楽曲で、ジミヘンコードを多用したカバー。原曲はジミヘンぽくは無いファンク系ソウルですが、なるほど、これを現代アレンジすればこうなるのはそうですと納得。Life Without You スローなバラードナンバーでバンド演奏ではあるものの弾き語りのような、しみじみとさせてくれる楽曲です。ボーナストラックは Little Wing~Third Stone From The Sun ジミ・ヘンドリックスのインストカバーで、長くても楽しいです。続く Third Stone From The Sun も激しいアーミングとボリュームコントロールで、アーシーなギターがカッコ良すぎです。Slip Slidin' Slim まさにボーナスの短いインストナンバーで、スライド名手ではないけど、やっぱりカッコ良く弾けるんだと脱帽です。
 久しぶりのSRVでしたが、あと100年後も全てのギタリストのヒーローでいられる人なんだろうと思える演奏は、やっぱり楽しい🎶

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
keyboards : Reese Wynans
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
sax : Joe Sublett

executive-producer : John Hammond
producer (produced by) : Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan/Double Trouble
recorded at Dallas Sound Labs, Dallas, Texas and Riverside Sound, Austin, Texas

Tracks 1 to 10
rec: 1985

1. Say What! / S.R. Vaughan
2. Lookin' Out The Window / D. Bramhall
3. Look At Little Sister / H. Ballard
4. Ain't Gone 'n' Give Up On Love / S.R. Vaughan
5. Gone Home / E. Harris
6. Change It / D. Bramhall
7. You'll Be Mine / W. Dixon
8. Empty Arms /S.R. Vaughan
9. Come On (Part III) / E. King
10. Life Without You / S.R. Vaughan
【Bonus Tracks】
11. SRV Speaks
12. Little Wing/Third Stone From The Sun
13. Slip Slidin' Slim





  

2025年2月8日土曜日

Jeff Beck Eric Clapton / Giants Of Guitar


 これは最悪の録音状態でジェフベックとクラプトンのソロ音源のオムニバスです。発売元のレーベルは  CITADEL, MADE IN ISRAELとあり発売年は不明です。歴史のあるお二人ですから、このような音源は数知れずあるんでしょう。ライナー・ノーツなどは無しのペラペラのジャケットで情報的には、かなり不足しています。


 クラプトンはブルースセッションのライブ録音で、音は割れるしレベルがボコボコ変わるなど特に録音状態はかなり悪い。Burning Girl Releases, Release Date, Aug 04, 2014, 12 live tracks


 ジェフベックはスタジオ録音から選んであるので未だマシですが、音はペコペコです。 Faces and Places, Vol. 11, 10 tracks
 元音源自体が、おそらくBootlegのようなものを、趣味のように勝手に集めてアルバム化しただけなんでしょうがマニア受けはしそうです。
 クラプトンもベックも若い時からゴリゴリとドブルースを展開しています。ジェフはさすがにテクニカルですが、クラプトンはアマチュアっぽい演奏で、こんなギター弾いてたんだとアマチュア・ギタリストが勇気づけられるフーンの一枚です🎶

【Eric Clapton】
1. Big Boss Man
2. The First Time I Met The Blues
3. Louise
4. Five Long Years
5. They Call It Stormy Monday
6. Early In The Morning

【Jeff Beck】
7. Jeff's Blues
8. Shapes Of Things
9. I Ain't Got You
10. What Do You Want
11. Mister You're A Better Man Than I
12. New York City Blues
13. Someone To Love


Louise



  

2025年1月25日土曜日

The Beatles ‎/ Please Please Me



 ビートルズ初のイギリス盤公式オリジナル・アルバム。1963年3月22日にモノラル盤、4月26日にステレオ盤がそれぞれ発売されています。録音はスタジオ・ライヴ形式で1963年2月11日のノース・ロンドンのアビイ・ロード・スタジオ(EMIレコーディング・スタジオ)にて行なわれています。作業は、午前と午後の2回に加えて夕方のセッションの3回で10時間弱で録音され、シングルで既に発表されていた4曲を除く10曲を原則一発録りで録音し、たった1日でアルバムを完成させています。録音から発売まで約一か月ですから用意も万全だったと思いますが、相当なスピードでの発売です。10時間ですから一発録音でも、当然リハはありですね。収録曲14曲中6曲は、当時のビートルズが好んで演奏していたアメリカのR&B、ロックンロールなどのカバー曲となっています。当日録音の順番などは uDiscover Music というサイトで詳細な解説が掲載されています。

 

 私はストーンズは好きだったのですが、ビートルズは敢えて聴いてきませんでした。しかし、これだけ数多くのカバーもジャズ界でも出されていることだし趣向の違いはあれ悪いわけはない。と恥ずかしくも50歳を超えてからの購入を3枚しております。Please Please Me 1963、Yellow Submarine 1969Magical Mystery Tour 1967
 ほかの2枚はそれほど良くはなかったのですが、このアルバムは知っている曲も多いこともあってか比較的楽しんで聴くことができましたので、再度聴きながらレビューしてみます。I Saw Her Standing There 朝のレコーディングで吹き込まれたとのこと。これはあちこちで聴いてきたロックンロールで、カラッカラの音のギターですがペラペラでは無く、言葉がしっかりとちりばめられています。Misery これも、TVなど様々なメディアで使われてきた歌ですね。「悲惨」という題名ですが悲惨には全く感じない。Anna (Go To Him) オールドタイプのロック・バラードで、ソウルの Arthur Alexander が1962年にリリースし翌年にビートルズがカバーしてヒットです。良い曲を聴き分けてアレンジする才能はビートルズにあったことですね。Chains イントロのハーモニカがアメリカの田舎って感じがします。これもカバーです。Boys 得意とするロックンロールのカバーです。やはり天才ビートルズも先人の曲をしっかりとコピーしながら吸収していたということですな。Ask Me Why これはオリジナルで、ビートルズっぽい音の作り方です。ナンパですが良いですね。Please Please Me タイトル曲です。曲、アレンジ、コーラスと音的には新しくはないと思いますが、全てが印象的で凄い曲であることは認めます。Love Me Do ファンではないけど、これも良い曲で誰もが知っている名メロディーです。P.S. I Love You 知っていますが、こんな牧歌的だったっけと再認識。Baby It's You これもカバーですがオールディーズのカッコ良さが理解されたうえで少しポップなアレンジですね。Do You Want To Know A Secret 印象としては薄い曲ですが、このセッションの1ヶ月後にBilly J. Kramer With The Dakotaが同じアビイ・ロード・スタジオでカバーを録音して、シングルとしてリリースして英チャート1位をものにしています。ビートルズの神通力でしょうか。A Taste Of Honey レニー・ウェルチが1962年に発表したブロードウェイ・ミュージカルのためにボビー・スコットとリック・マーロウが共作したもので時代を感じる作風ですね。ザ・アメリカでカウボーイをイメージしてしまいます。There's A Place 朝のレコーディングで行われたとのことで、ビートルズっぽいポップ・ロック路線ですね。Twist And Shout アイズレー・ブラザーズのカバーですが、ジョン・レノンが風邪をひいていて枯れた声での絶唱もあいまって良い出来です。
 余談ですが、中古で購入したこのCDは日本版で東芝EMIからの発売のもの、ウォークマンに落としたところ、Rubber Soul として認識されてしまいました。よくよく見てみると曲名も Rubber Soul の曲名になっています。売主が中身を間違ったのかと思ってCDのプリントを見ても Please Please Me です。プレスで中身を間違ったのかとも思い曲を確認すると中身は Please Please Me です。どうやらデジタルの曲の署名が間違っているようです。同じ14曲入りなので担当者も気づかなかったと思われます。これもレア盤になるのかと思いながら量産型CDなら同じエラーは相当あるはず。yahoo知恵袋に同じことを考えてる人が質問してました。そんな馬鹿なとのやり取りもありつつ
完璧エラーCDですねー、アナログ盤だと結構値がつくかと思いますがCDだとあまり価値がないかも。でもビートルズ関連はマニアがいますので手離すのであれば画像多く添付してヤフオクでも出品すれば値がつくかもしれません。
レア盤認定は、やはりプレスの多いCDでは無理でしょうな。残念🎶

bass, vocals : Paul McCartney
drums, vocals : Ringo Starr (1 to 7, 10 to 14)
guitar, vocals : George Harrison, John Lennon

producer : George Martin

1. I Saw Her Standing There (McCartney/Lennon)
2. Misery (McCartney/Lennon)
piano : George Martin
3. Anna (Go To Him) (Alexander)
4. Chains (Goffin/King)
vocals : George Harrison
5. Boys (Dixon, Farrell)
vocals : Ringo Starr
6. Ask Me Why (McCartney/Lennon)
7. Please Please Me (McCartney/Lennon)
8. Love Me Do (McCartney/Lennon)
drums : Andy White
9. P.S. I Love You  (McCartney/Lennon)
drums : Andy White
10. Baby It's You (Williams, Bacharach, David)
celesta : George Martin
11. Do You Want To Know A Secret (McCartney/Lennon)
12. A Taste Of Honey (Scott, Marlow)
13. There's A Place (McCartney/Lennon)
14. Twist And Shout (Russell, Medley)





  

2025年1月19日日曜日

The Suicide Machines / Battle Hymns


 全曲3分以内、ほぼ2分以内の22曲収録の超ショートなマシンガン的なスタイル。1996年の1st Destruction By Definition に次ぐ2枚目のアルバムです。今聴いている音楽はジャズ系が多いのですが、若かりし頃は攻撃的なロックも聴いていましたし、実はスカ・パンクも大好きだったりして、少々それ系のアルバムも所有しています。Smash Mouth / Fush Yu MangKemuri / Little PlaymateKemuri / Alive the tracks from the last tour ”our PMA 1995-2007”Ska Ska Club / Twelve Ways To Go
 

 なんで、このようなショートになったのかは、英語版 Wiki に書いてありました。アルバムの制作費28万ドルで、残ったお金を自分たちの懐に入れるためだと。すごいですね。当時のレートで3,300マンの予算を全額渡して好きに使えよってやり方のようです。もう一つは大物アーチストとツアー入れ過ぎて、大急ぎで録音したとのことも要因であるようです。つまりは、曲のアイデアを楽曲として膨らませる余裕がなかったんでしょう。


 Hymns とは「賛美歌」のことですので、アルバム名は「戦いの賛歌」でしょうか。まさに戦いのような激しい楽曲で、1st Destruction By Definition よりも速くて重い楽曲になっているようでカッコよいです。ただし全部スカが入っているかと言えば、そうではないのが進化なのかどうなのか、これ以降のアルバムを聴いたときにスカ要素がなくなっててビックリしたことも記憶にあります。
 1曲づつのレビューは、これもコメントしにくいので割愛します
【スカ系】 Someone, Give, Black & White World, High Society, Confused, Step One, Face Another Day, What You Say, Empty Room, Sides, 
【速めパンク系】 Hating Hate, Hope, Numbers, Pins and Needles, DDT, In the End, Speak No Evil, Independence Parade, Sympathy, Strike, 
【効果音系】 Punck, Jah
【お気に入り】 Give, High Society, Face Another Day, Empty Room, Independence Parade, Strike
 スカ系と速めパンク系は、ほぼ交互に入れているようですが、やっぱりスカ系の方に多め軍配があがってしまいます🎶

vocals : Jason Navarro
guitar, backing vocals : Dan Lukacinsky
bass, backing vocals : Royce Nunley
drums : Derek Grant

producer : Julian Raymond

1. Someone
2. Hating Hate
3. Give
4. Hope
5. Black & White World
6. Numbers
7. High Society
8. Pins and Needles
9. Confused
10. DDT
11. Punck
12. Step One
13. In the End
14. Face Another Day
15. What You Say
16. Speak No Evil
17. Empty Room
18. Independence Parade
19. Sympathy
20. Strike
21. Sides
22. Jah
▶ Give




  

2025年1月17日金曜日

Three Dog Night / Best Hits


 1968年デビューし1976年の解散までに21枚のシングルを発売。そのうち20曲が全米トップ40入りというスーパーグループです。その後1981年に再結成し、2002年が最後のアルバム発売となりました。バンド名を知らない人も多いと思いますが、この音を耳にしている人は多いはずです。私が小学生の頃までの活動であったため、曲は知っていたんですが、どのようなバンドかは詳しくは知りませんでした。てっきり黒人グループだと思っていましたが、このアルバムで白人系のバンドであると知りました。(唱法はサザン・ソウル系に分類されるらしいです)バンド名は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいるそうです。
 バンドは3人の男性ボーカルと4人の演奏者という構成で、曲によってリード・ボーカルが変わり、ヒット曲はすべて有能なソングライターの隠れた名曲をリメイクする極めて特異な独特のスタイルでした。


 あまりに曲数が多いので、全曲レビューはやめときます。
 Joy to the World はあまりにも有名。彼ら最大のヒットで6週連続全米No. 1 に輝き750万枚ものビッグ・セールス。作者の Hoyt Axton は、Heart Break Hotel をプレスリーと共作した Mae Boren Axton の実息。熱唱の Chuck Negron が非常に熱く、オルガンの響きも心地よいソウル調のロックです。昔聴いた時から忘れない一発で耳に残る名録音。
 Old Fashioned Love Song これは、日本でバカ売れになった曲で、全米では第4位のミリオン・セラーなので、ラジオで聴いて知ってました。 Chuck Negron は、前曲とは違ってしっとりと歌い込んでいます。郷愁を帯びた味のある楽曲の作者は Paul Williams。自身でも71年12月に便乗リリースし、そこそこ売れたらしい。
 Black and White、昔ラジオで聴いて大好きになった曲。彼らにとって5枚目のミリオン・セラーで3曲目の全米No1ヒット。パブリック・スクールにおける人種差別を禁止するというアメリカ最高裁の決定を称えるべく、アール・ロビンスンが55年にディビッド・アーキンと共に書きおろした作品で、Sammy Davis Jr も取り上げたけれどヒットに結びつかず、レゲエにリメイクしてヒットしたものです。
  オムニバスですが、曲順は年代順ではなくプロデューサーが考えられての構成のようで、意図はわかりませんが、ただの羅列でないところに好感の持てるベストになっています。作曲者と発表年にビルボードの最高順位を記載しました🎶

vocals : Chuck Negron , Cory Wells , Danny Hutton , Floyd Sneed 
bass : Joe Schermie
drums : Floyd Sneed
guitar : Mike Allsup
keyboards : Jimmy Greenspoon

1. Joy to the World
 (Hoyt Axton) / 1971年 10thシングル (全米第1位)
2. Easy to Be Hard 
(Galt MacDermot, Gerome Ragni, James Rado) / 1969 4thシングル(全米第4位)
3. Family of Man 
(Jack Conrad, Paul Williams) / 1972 13thシングル(全米第12位)
4. Sure As I'm Sittin' Here 
(John Hiatt) / 1974 20thシングル(全米第16位)
5. Old Fashioned Love Song
 (Paul Williams) / 1971 12thシングル(全米第4位)
6. Mama Told Me (Not to Come)
 (Randy Newman) / 1970 7thシングル (全米第1位)
7. Try a Little Tenderness 
(Harry Woods, James Campbell, Reginald Connelly) / 1968 2ndシングル(全米第29位)
8. Shambala
 (Daniel Moore) / 1973 17thシングル(全米第3位)
9. Let Me Serenade You 
(John Finley) / 1973  18thシングル(全米第17位)
10. Never Been to Spain 
(Hoyt Axton) / 1971 13thシングル(全米第5位)
11. Black and White
 (David Arkin, Earl Robinson) / 1972 15thシングル (全米第1位)
12. Liar 
(Russ Ballard) / 1971年 11thシングル(全米第7位)
13. Out in the Country 
(Paul Williams, Roger Nichols) / 1970 8thシングル(全米第15位)
14. Show Must Go on 
(David Courtney, Leo Sayer) / 1971 19thシングル(全米第4位)
15. Eli's Coming
 (Laura Nyro) / 1969 5thシングル(全米第10位)
16. One Man Band 
(Billy Fox, January Tyme, Tommy Kay) / 1970 9thシングル(全米第19位)
17. One
 (Harry Nilsson) / 1969 3rdシングル(全米第3位)
18. Celebrate 
(Alan Gordon, Garry Bonner) / 1970 6thシングル(全米第15位)





  

2025年1月12日日曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Texas Flood

 

 このアルバムは1983年に Epic Records から発売された Stevie Ray Vaughan and Double Trouble のデビューアルバムです。タイトル曲の Texas Flood は、ブルース・マンの Larry Davis の1958年の曲のカバーとなっており、カバー曲は4曲、オリジナルは5曲が収録されています。デビューは1873年ですが、1975年前身となるバンド「トリプル・スレット・レヴュー」を結成し、Double Trouble として活動を始めたのは1978年なので、下積み8年の活動歴ですから実力は聴いての通りで、既に完成されたバンド形態となっています。
 このアルバムからのシングルカットは「Love Struck Baby」「Pride and Joy」の2枚で、「Love Struck Baby」のミュージック・ビデオは、MTV の1983年のレギュラーローテーションとなる人気でした。デビューのきっかけは、アルバム発売の前の年1982年に、Vaughan and Double Trouble は Montreux Jazz Festival で演奏したのがきっかけで、2日の録音でオーバーダブ無しでこのアルバムは録音されています。


 それでは久しぶりに聴いて懐かしみながらレビューしていきます。Pride And Joy こちらは、イメージそのままでSRVが右手を回しながらかき鳴らしているのが想像できます。ジャズでいえばスイング感に当たるものが非常によく出ています。Texas Flood 大好きなテキサス・フラッドはイントロ長めが最高なブルースです。ギターの音は硬質に設定してジャキジャキさせながらも粘っこい。Tell Me バッキングのリフの跳ね方が大袈裟でなのが、天才的です。Testify 機関銃のようなリフでジミヘンコード、曲芸のような低音から高音までなめるように弾かれる全編ソロのインスト・ブルース・ロックです。Rude Mood さらに煽るように軽めの音のギターでトレモロのようなブルース・ギターが途切れないこれもインスト。機関車のように、走り続けるのもSRVの特徴でしたね。Mary Had A Little Lamb ミドル・テンポに戻ると、すごくゆっくり感じます。アルバムの最後に持ってきても良い落ち着いた曲です。Dirty Pool ミドルから更にスローなブルースになります。スローでもマンドリンのような手法で常に音符の数が多く、ロングトーンでの泣きのギターは似合いません。I'm Cryin' 粘っこいギターに戻ってきました。古き良き古典ブルースのようですがSRVのオリジナル。Lenny ブルースだけではなく器用にギターを操る名手です。これもインストですがフュージョン・ギターのようです。
 とにかくグイグイと迫ってくる手クセがバリバリのギターが魅力の Stevie Ray Vaughan And Double Trouble のデビューアルバム、これも久しぶりに聴いてレビューしていきます。Love Struck Baby 久しぶりに聴いたらギターの音はイメージより軽めでした。ライブはもっと重め? Jhonny B Good を現代風のギターにした感じです。


guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton

executive-producer : John Hammond
producer : Double Trouble, Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan
recorded at: Down Town Studio, Los Angeles, CA; Riverside Sound, Austin, Texas.

1. Love Struck Baby (S. R. Vaughan)
2. Pride And Joy (S. R. Vaughan)
3. Texas Flood (J. W. Scott, L. C. Davis)
4. Tell Me (C. Burnett)
5. Testify (D. Taylor, G. Clinton)
6. Rude Mood (S. R. Vaughan)
7. Mary Had A Little Lamb (B. Guy)
8. Dirty Pool (D. Bramhall, S. R. Vaughan)
9. I'm Cryin' (S. R. Vaughan)
10. Lenny (S. R. Vaughan)



▶ Lenny


  

2025年1月6日月曜日

Crage Erickson / Roadhouse Stomp!


 Stevie Ray Vaughan系の、ビックリするほど鋭どくて素直にカッコ良いブルース・ロックです。多分 Stevie Ray Vaughan の音源を探していてレコード屋で出会ったのかと思います。音はものすごくカッコ良くて、多分レイボーンと比較されることも多い人かと思いますが驚くほどマイナーなアーチストで、ググってもあまり情報が出てこないのも、この人の特徴です。 このアルバムの他 Big Highway も良かったです。
 略歴についても資料不足だったのですが- Pop Music. Legend Music -さんに記述ありました。アイオワ州セダー・ラピッズ育ちのギタリストです。父はレコード店を経営していて、手伝いをしている時にギターを覚え、13歳になるとバンドを組んで地元で演奏していました。1990年の初期にブルーズ・ブリュー( Blues Bureau )と契約し、1992年に初アルバム「Roadhouse Stomp」を出し、翌1993年には「Retro Blues Express」を出しました。その他は2001年「Shine」などがあります。なるほど。
 発売は Shrapne Records で、アメリカのヘヴィメタルを中心に扱うインディーズ・レーベルから発売されています。このレーベル1982年には、17歳の Yngwie Malmsteen を発掘し当時所属の Steeler に加入させたが、イングウェイは直ぐに脱退して、以降はこのレーベルからのアルバム発売は無し(Steeler は懐かしいです。高校生の頃にカセットで聴いてました)1990年頃から、ヘビー・メタル・シーンそのものが廃れてきたとのこと。やはり、レーベル自体がインディーズであることと、時代により宣伝力が無かったことで世に広く認知されなかったのではないかと推測します。


 それでは、素晴らし過ぎるギタープレイが魅力のアルバムを聴きながらレビューです。Heartbreak Train 激しいブギー・ロックで、ZZ TOP を鋭くヘビーにした感じです。楽曲としてはオーソドックスですが、曲が進んだところでの転調で聴き手を飽きさせない仕掛けがしてあります。Blues Avenue まるで SRV じゃないかと言われればその通りのジミヘン・コードを使用したブルース・ロックです。Overtime シャカシャカとしたカッティングから始まるファンク気味ロックで、これもSRV 仕様ですね。注目のギターも素晴らしいですがベース、ドラムのコンビネーションも素晴らしくギターが遊べるのは、このリズム隊がしっかりしているから。 The Loneliest Hour しっとり系ブルースで、他の曲もそうですが常にギターがオブリガードしてて鳴りっぱなしで、これでもかって感じがしつこくて、これが好きな人にはたまらんですね。River Song ギターがワウワウしてるブルース・ロックで、曲としては少し中だるみ気味ですかね。Catch That Plane テンポ早めのロックですが、今までよりもブルースが強めでスライドでのソロも飛びだして勢いがあります。Midnight Highway こちらは ZZ TOP 寄りのブギです。これは私の好物かもしれません。The Storm コーラスのかかったギターリフで少し硬質な音に変えてきてます。基本的に似通ったつくりの曲が多いので良いのではないでしょうか。Tearin' It Up 高速ブギです。これは単純にかっこよい。Van Halen にアイデアのヒントあるような楽曲です。Starry Sea メロディアスなロックで曲の構成としては、このアルバムの収録曲の中ではつくりこんだ曲です。Tell Me The Truth はアルバムの最後らしくヘビーでキャッチーです。
 オーソドックスなフレーズではありますが、これでもかと繰り出されるギター・サウンドで丁寧に組み立てている感じがとても好印象です。デビュー作って、それまでに貯めてきたエッセンスが詰まった曲が多いのが良いですね🎶🎸

guitar, vocals : Craig Erickson
bass : John Onder
drums : Atma Anur
hammond B-3 organ : Mark Robertson

producer : Mike Varney
recorded at Prairie Sun Recording Studios
all songs written by Craig Erickson

1. Heartbreak Train
2. Blues Avenue
3. Overtime
4. The Loneliest Hour
5. River Song
6. Catch That Plane
7. Midnight Highway
8. The Storm
9. Tearin' It Up
10. Starry Sea
11. Tell Me The Truth





  

2024年12月21日土曜日

Blood, Sweat & Tears


 ベーシストのジャコの本「ジャコパストリアスの肖像」の第2章「オン・ザ・ロード」でのエピソードを読んで、昔、聴いたこともあるバンドなので、久しぶりに聞きたくなって購入しました。ちなみにタワレコの棚にはこれ1枚しかなかったのが、寂しかったです。
 そのエピソードですが、このバンドのドラマー Bobby Colomby が、ジャコの奥さんのトレイシーをナンパして、翌日にからかい半分でジャコの演奏を聞いたら驚き、レコード会社のエピックとの契約を取り付けて、その年の1975年10月に自身のスタジオでジャコのデビュー・アルバムが録音されたとのこと。その後の、このバンドのギグにジャコも参加しているとのことですが、残念ながらレコーディングは無しです。
 この録音は Bobby Colomby ジャコの奥さんをナンパする、はるか前の1969年の作品です。Blood, Sweat & Tears はアル・クーパーの呼びかけでジャズやクラシックの経験者で譜面の読めるミュージシャンたちで作ったバンドで、デビューは1968年。Randy Breckerもメンバーだった「Child Is Father To The Man」、ブラスロックというジャンルを確立したとも言われています。しかしワンマンのクーパーにメンバーが造反し、リーダーが追い出され、デビッド・クレイトン・トーマスを迎えてリリースしたのが本作で、グラミーで(年間最優秀アルバム)を受賞する世界的な大ヒットとなっています。

 

 昔、聞いたことがあったのは Spinning Wheel でアルバムのイメージはこの曲だったのですが再度聴いてみて違った印象ですので、再度レビューしてみます。Variations on a Theme by Erik Satie エリックサティの、あのテーマが主題です。フルートが2本で絡み合い幻想的な響きとなっています。一回以上聴いていたはずなのに忘れていました。それが終わると後半はブラスの主体としたクラシックっぽい感じに変わります。全体にフランジャーをかけてシャワシャワしますが、これもエリックサティ? Smiling Phases 導入曲とガラッと変えてソウル風の歌い方のブラス・ロックに変わります。アドリブ部分は8ビートのジャズ、ドアーズ風、4ビートと目まぐるしく変わりエリックサティ風になって終了かと思いきやブラス・ロックに戻って終了します。ブラス・ロックという言葉を定着させたバンドと言われていますが、プログレにも聞こえます。Sometimes in Winter ブラスとフルートが入ったソフト・ロックです。品が良い。More and More 荒々しいソウルで、Smiling Phases のようにプログレ路線には行かずに疾走します。途中の限界までオーバードライブさせた短いギター・ソロはそそられます。And When I Die オールドスタイルのポップも感じさせる変拍子を入れた曲です。このバンドの才能を感じさせる曲で、かなり印象的です。God Bless the Child 曲名だけ結構見ますので、おそらく、かなり流行った曲だと思いますが聞き覚えはありません。スロー・ブルースですが、演奏はジャズっぽいアレンジになっていてラテンや、4ビートジャズに変化したりブラス・ロックになったりと大曲です。Spinning Wheel 先にも書きましたが、この曲は知っています。インテリっぽくて普通のロックではない様相のこのアルバムで最もキャッチーな曲です。やはり途中からジャズ・アレンジが入り、曲の最後は、The More We Get Together というアメリカの童謡のメロディーを入れて終了します。アイデアが斬新です。You've Made Me So Very Happy 本格的なソウルナンバーですが、ここまで聴いてきましたから、ひとひねりあるだろうと思って聴いていると普通に終わってしまい拍子抜けです。これも作戦でしょうか。Blues, Pt. 2 ブルースには全く聞こえないオルガンの独奏が長く続き、スローブルース?になりかけますがブルースではないジャズに最終的に突入し、Sunshine Of Your Love が出てきて、最後でブルースに突入し激しいソウルになって終わります。Variations on a Theme by Erik Satie 最後はエリックサティに戻ります。
 とにかくアルバムの展開と曲の展開がインテリすぎて楽しいアルバムです。普通では、このタイプのアルバムは万人受けしないのかと思いますが、ひたすら振り切っているのが受け入れられたのでしょうか。凄いことです。ヘビロテ入り決定します🎶


 そして古臭い感じのするジャケットデザインを、よく見ると古い写真の顔部分をメンバーにすげ替えたものになっています。ライナーノツの中にも広げた新聞にメンバーの顔写真が何かの犯人のように散りばめられていて、雑な貼り付けかたにシュールで芸術的なものを感じます。全てにこだわりを感じます🎶

lead vocals : David Clayton-Thomas
bass : Jim Fielder
drums, percussion, vocals : Bobby Colomby
guitar, harmonica : Steve Katz
organ, piano, electric piano, harpsichord, celesta, trombone, flute, horn, vocals, alto Flute : Dick Halligan
piano, electric piano, vocals, alto sax : Fred Lipsius
trombone, recorder, bass trombone : Jerry Hyman
trumpet, flugelhorn : Chuck Winfield
trumpet, flugelhorn, piccolo trumpet : Lew Soloff

producer : James William Guercio
cover (cover art) : Timothy Quay
design : John Berg

1. Variations on a Theme by Erik Satie (First and Second Movements) (Erik Satie)
2. Smiling Phases (C. Wood, J. Capaldi, S. Winwood)
3. Sometimes in Winter (S. Katz)
4. More and More (D. Juan, P. Vee)
5. And When I Die ( L. Nyro)
6. God Bless the Child (A. Herzog, Jr., B. Holiday)
7. Spinning Wheel (D. C. Thomas)
8. You've Made Me So Very Happy ( B. Gordy, Jr., B. Holloway, F. Wilson, P. Holloway)
9. Blues, Pt. 2 (Blood, Sweat And Tears)
10. Variations on a Theme by Erik Satie (First Movement)
11. More and More  (previously unreleased, bonus track)
12. Smiling Phases  (previously unreleased, bonus track)