Faces フェイセズの4作目で最後のスタジオアルバム。ロッドがソロ活動で成功してバンドがロッドのバックバンド化したことで、メンバーとロッドの溝が深まって空中分解するようなゴタゴタとなり、最後のアルバムとなりましたが作品としては名作と思います。ロッドはレコーディングの最初の約2週間不在であったため、ロニー・レーンが主導してアルバムの原型が仕上げられたとのことで、ここら辺も確執の原因なんでしょう。さらにロッドは雑誌インタビューでこの作品を「最悪の作品だ」とけなしたため、更に関係は悪化しロニーはこのアルバムの発売後1か月で脱退しています。
一方、特徴的なジャケットは1920年代のイタリア人コメディアン、Ettore Petrolini の演じたキャラクター「ガストーネ」の写真で、目の部分に切り込みが入っていて上部を押すと写真の表情が変化するつくりになっていたようです(私の音源はCDなので残念ながら固定です)
そんな最悪の状態で作ったアルバムとは知らずに、ずっと聴いてきたアルバムを再度聴きながらレビューです。Silicone Grown フェイセズらしいブギーなロックです。最初の曲はやはり攻めてきます。Cindy Incidentally キーボードから入るロックンロールで、懐かしい感じのするメロディーで大好きな曲です。 Flags And Banners カントリー・ロックで作曲者にはロニーレインの名前があります。ここら辺が他のアルバムと違うところですかね。My Fault いつものロックンロール調です。ギターのロン作曲は大体この路線でしょうか。Borstal Boys 緊急ブザーの音とともに始まる。早めの煽り系ロックンロール。これもカッコ良い。ボースタルとは日本で言うところの少年院みたいなところのことです。Fly In The Ointment インスト・ロックでイアン・マクらガンのオルガンが印象的。If I'm On The Late Side フォーク・ロックですね。ロッドが作曲者にも名前が入ってますが、ここら辺がロッドが好まなかったあたりですかね。Glad And Sorry ビートルズ的な素朴なフォーク・ソングでロニーレーンの作曲です。Just Another Honky これもロニー・レーン作曲の素朴なロック。元々フォーク・ソングのような曲だったのをブギーな感じにしたっぽいと思います。Ooh La La 最後にタイトル曲です。カントリー・ロックで、ロン・ウッドのソロ・ボーカルであるところが特徴です。
爆発的なサウンドが持ち味の フェイセズ に、メンバーの個人の音楽性を盛り込んだ楽曲に溢れていて素晴らしい作品ですが、最後になってしまったのもナルホド🎶
vocal : Rod Stewart
guitar : Ron wood
bass : Ronnie Lane
piano : Ian Maclagan
drums : Kenny Jones
producer : Glyn Johns
recorded at Olympic Studios
1. Silicone Grown (Rod Stewart, Ron Wood)
2. Cindy Incidentally (Ron Wood, Rod Stewart, Ian Maclagan)
3. Flags And Banners (Ronnie Lane, Rod Stewart)
4. My Fault (Ron Wood, Rod Stewart, Ian Maclagan)
5. Borstal Boys (Ian Maclagan, Rod Stewart)
6. Fly In The Ointment (Kenny Jones、Ian Maclagan, Ron Wood, Ronnie Lane)
7. If I'm On The Late Side (Ronnie Lane, Rod Stewart)
8. Glad And Sorry (Ronnie Lane)
9. Just Another Honky (Ronnie Lane)
10. Ooh La La (Ron Wood, Ronnie Lane)
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