Prestige から Riverside へ移籍して Thelonious Monk Plays Duke Ellington に次ぐ2作目。Prestige でのレコードは売上不振だったのですが、 Ellington 作品のトリビュート、今回のスタンダードの録音で Riverside に移籍後のセールスは順調になります。Monk に馴染みのある曲のカバーを録音させることで、消費者の関心を広げようとする Riverside 側の戦略は当たったわけで、今後付き合いが深くなるプロデューサーの Orrin Keepnews 氏が優秀なビジネスマンであったことが伺い知れます。
深堀りしていくと面白い記述も見つかりました。このアルバムのジャケットは切手風で特徴がありジャズファンには「切手のモンク」と呼ばれていますが、Riverside はこのデザインの切手を実際に印刷して販売したのですが「偽切手」が出回って、アメリカ郵便公社が使用禁止令を出す事態となったとのこと、話題づくりとしては成功で、さすが Orrin Keepnews 氏。
「 Liza (All the Clouds'll Roll Away)」1929年発表のガーシュインナンバー。Monk では繰り返し演奏されるお気に入り曲なのでしょう。わたくし手持ちのMonk アルバムでは、曲の解釈が、この盤とほぼ同じような演奏で Monk(1964) にも録音されています。テーマの最初の部分が強調して繰り返され、そのメロディーにソロ中も何回も帰ってくるのですが、この盤では帰り方を何回も色々な方法で試しながら演奏している感じで、そうやっているうちに Art Blakey が、ソロをとり、Monk は最後に満足そうなエンディングをつけています。3分14秒と短いけど良いです。
「Memories of You」1930年 Eubie Blake 作曲のバラード。このアルバムではソロで演奏されています。こちらは、手持ちのアルバムでは It's Monk's Time (1964) に同様にソロピアノで収録されています。原曲のテーマを崩さずに、ひたすら繰り返す形態でタイミングやコードのデフォルメは極少で、この曲のテーマ自体を、気に入ってとても大切にしている感じが伝わります。
「Honeysuckle Rose」1929年の Fats Waller 作曲のスタンダード。手持ちのアルバムでは、Monk's Mood (1999) に入ってたと思ったらベスト盤でしたので同じ録音でした。この曲も、やはりテーマの繰り返し多めですが、前の2曲に比べて創作領域を多めにとっていて、タイミング、アクセントでのデフォルメは、やはり極少。ただコード、和音での Monk 流の調理はかなりされていて、曲を細部まで習熟理解しているんだなと思いました。
「Darn That Dream」1939年 James Van Heusen 作曲のスタンダード。Solo Monk (1965) にも収録されています。優雅に朗々と語る様な弾きっぷりで創作領域多めです。
「Tea for Two」滑り台を遊んで降りてきては、また登って降りてみたいな遊び心のある Tea for Two です。やはりテーマが基本にあって大事に繰り返すんですけど、この曲に限って言えば印象的なテーマより、滑り台を遊んで降りてくるようなコードに重きを置いて演奏しているようです。楽しいです。
「You Are Too Beautiful 」1933年の Richard Rodgers 作曲のスタンダード。テンポは一定なんですが、和音にテンションを入れてリズムにうねりを創り出していて、テンションの入れ方は少しづつ計算して変えているように感じます。
「Just You, Just Me」1929年発表のジャズ・スタンダードで、Monkの名曲「Evidence」は、このコード進行をもとに作られたそうです。他の曲に比べて右手のタイミングを複雑に入れてる気がします。他の曲はテーマを大切に繰り返しているけど、この曲は直ぐにアドリブに入っていくのも少し違います。LIve At The It Club (1964) Monk(1964) に収録されていますが、テンポやテーマの解釈方法などは似た感じで演奏されています。
自作曲の収録が信条の Monk のイメージがあったので、Orrin Keepnews 氏の戦略があったので1951年にキャバレーカードを没収されライブで稼ぐことが出来なかったため、基本オリジナル曲が信条の Monk ですから背に腹は替えられない部分が多分にあったのかとも思って聴き始めたのですが、そんなことは全くないであろう Monk の「この曲が大好き感」が感じられる演奏ばかりでした🎶
piano : Thelonious Monk
bass : Oscar Pettiford
drums : Art Blakey
producer : Bill Grauer, Orrin Keepnews
recorded at : Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey ; March 17 and April 3, 1956
record company : Bill Grauer Productions
1. Liza (All the Clouds'll Roll Away) / George & Ira Gershwin, Gus Kahn
2. Memories of You / Eubie Blake, Andy Razaf
3. Honeysuckle Rose / Fats Waller, Andy Razaf
4. Darn That Dream / James Van Heusen, Eddie DeLange
5. Tea for Two / Vincent Youmans, Irving Caesar
6. You Are Too Beautiful / Richard Rodgers, Lorenz Hart
7. Just You, Just Me / Jesse Greer, Raymond Klages
▶ Liza
















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