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2025年3月14日金曜日

James Cotton / Mighty Long Time


 ジャケット写真だけで、持っているかどうかの判断をしていると、新しく仕入れたつもりでもジャケ写違いを購入してしまっていることが度々あります。当然その話をするからには、このアルバムも、そのうちの一つです。どっちの写真が好きかと言えば、下の方が好みです。マニアの方にはジャケットの違いも含めて好きなアーチストのアルバムは、全て揃えたい方が世の中にはいらっしゃるようですが、私は安くて音源を収集できる方が良いので2枚あると、しまったと後悔しています。

Mighty Long Time (Vinyl, LP, Album) アルバムカバー

 James Cotton のソロ・デビューは1965年でアルバム名は Chris Barber Presents Jimmy Cotton, and と書いてありますので、どうやら最初は James ではなく Jimmy だったようです。その後は、Vanguard、Verve、Capitol、Buddah、Alligator、Blind Pig、Antone's、Telarc International などからアルバムを数多く録音していますが、このアルバムは、Antone's からの2枚目です。もう一枚は Live At Antone's Nightclub(1988) です。ナイト・クラブが出演するアーチストを売り出しているインディーズ・レーベルかと思っていましたが、今回のレコーディングはスタジオだったので調べて見ると、所属アーチストも結構多いレーベルでした。


 と言うことで、これは Antone's の2枚目、最後の1991年のアルバムで、録音状態は良くスタジオ一発録りの感じがします。ジャケットはライブっぽいですが・・
 それでは、レビューしていきましょう。Straighten Up Baby は、James Cotton のオリジナルで、ギタリストは Stevie Ray Vaughan の兄、Jimmie Vaughan とテキサスを中心に活動していた Derek O'Brien の白人ギタリスト2名です。オープニングは James Cotton は歌に専念でハープ無し。ギターの Derek O'Brien は Antone's 所属のギタリストです。ピアノも Mike Kindred も白人ですが、Stevie Ray Vaughan で有名な Cold Shot のサブ・ライターです。キッチリとした演奏ですが、白っぽくないサウンドです。Everything Gonna Be Alright では、メンバーがいつものギター Matt Murphy, Luther Tucker ピアノは Live At Antone's Nightclub(1988) でも登場の Pinetop Perkins で安定のサウンドです。次の Black Nights も2曲目とメンバーは同じ、曲調も同じで日本の演歌も似たような曲が多いのと、ブルースは同じなんだなと、こういった曲の連続で感じます。Blow Wind Blow は、Muddy Waters のジャンプブルース系ではない有名なブルース・スタンダードで、James Cotton のライブ・アルバムでは、いつも収録されている十八番です。 Live At Antone's Nightclub(1988) の収録も良かったけど、Live At Electric Lady(1974) が、ズシズシきて一番好きです。ベースが Calvin Jones に変わってます。Sugar Sweet は、明るく軽いノリのブルース。ギターとピアノがメンバー交代していて、泥臭くない系になっていないので、James Cotton もボーカルは軽め。ですがハープは、かなり細かく技を入れてきて、いつもより長く演奏しています。終わりがないハープ・ソロのようで残念ながらフェイドアウト。Moanin' At Midnight は、古臭いワン・コードのブルースです。James Cotton のアルバムでは珍しいパターンで、きっと下積み時代はこんな曲が多かったんだろうかと想像できます。Baby Please 余裕の感じられる演奏で、楽曲は Percy Mayffeid の曲です。メンバーは Mall Murphy. Luther Tucker のギター、Pinetop Perkins のピアノに戻り重さと安定感があります。Baby Please 作曲者の Percy Mayfeild 1950年代が絶頂期のブルース・マン。Baby Please come back to me と嘆くのは、この歌の主人公の囚人。あまりに典型的な歌詞と典型的なブルースで、これがブルース。Hold Me In Your Arms これは James Cotton 得意のジャンプ・ブルース。Jimmie Vaughan のスライドがギュンギュンと唸るのも楽しい。硬質な Mel Brown のピアノも、この曲に合ってます。そして、ブルースマンの基本 Call It Stormy Monday は、シンプルで装飾少なくしっとりで、ハープ無しです。James Cotton が珍しくしっとり歌ってます。次は Willie Dixon の楽しいブルースです。どこかできたことあるヤツです。Three Hundred Pounds of Joy ブットい声の James Cotton が下は限界の低音で歌っているのが迫力あり、この曲も歌に専念。Northside Cadillac は、ファンにとってはボーナスの歌無しインスト・ブルース。Matt Murphy のパキパキのギターがJames Cotton をドンドン煽ります。最後は多分 James Cotton の心の師匠の Sonny Boy Williamson の 1952年のヒット曲 Mighty Long Time。しっとりと、心を込めたハープと歌で締めくくります。
 基本的に、James Cotton はライブ・アルバムが好きなんですが、これは結構つくりんこんでいる感があって聴きごたえありました🎶

producer Clillord Antone
recorded at Ailyn Studio. Studio D and lone star Sound 

1. Straighten Up Baby / James Cotton
vocals : James Cotton
piano : Mike Kindred
guitars : Jimmie Vaughan, Derek O'Brien
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains-Drums
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
2. Everything Gonna Be Alright / Wallet Jacobs
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
3. Black Nights / F. Washington 
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
4. Blow Wind Blow / McKinley Morganfield
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith 
5. Sugar Sweet / Mol London 
vocals, harmonica : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jone
drums: Willie Smith 
piano : Mika Kindred
6. Moanin' At Midnight / Chester Burnett
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Donny Freeman
guitar : Hubert Sumlln
bass : Larry Eisenberg
7. Baby Please / Percy Mayfeild
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy. Luther Tucker
piano : Pinetop Perkins
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
8. Hold Me In Your Arms / James Conon
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Mel Brown
guitars : Jimmie Vaughan
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains
9 Call It Stormy Monday / T.Bone Walker 
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Wayne Bennett
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
10. Three Hundred Pounds of Joy / Willie Dixon
vocals : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jones
drums: Willie Smith
piano : Reese Wynans
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
11. Northside Cadillac / James Cotton
harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy
bass : Calvin Jones-Bass
drums : Willie Smith
12. Mighty Long Time / Sonny Boy Williamson 
same as "Moanin' At Midnight". 





  

2025年3月11日火曜日

KEB'MO'


 ブルースって「女」「酒」「金」がらみの曲が多くて「俺のはでかいぜ」「金がねえ」みたいなのが多いイメージですが、この人は、その路線とは一線を画している品格があるブルース・マンです。特にこのアルバムでは、静かに湧き上がるものを感じ、何か知的なものを感じます。
 Keb' Mo' は、1951年10月3日 生まれのブルース・マンで、オリジナルも数多く書かれるシンガー・ソングライター。本名は Kevin Roosevelt Moore(ケヴィン・ルーズベルト・ムーア)なので、ケビンが KEB、ムーアが MO になっているかと思われますが、名前の謂れに関する記述はありそうで見つかりません。リーダーアルバムでは Kevin Moore 名義のRainmaker (1980) が最初で、本アルバムが Keb' Mo' 名義での1994年リリースの最初のアルバムとなります。


 そんな泥臭くはないブルースは、この人ならでは。本アルバムですが、批評など見ていると、ロバート・ジョンソン・スタイルのフォーク・ブルースと書かれているものが多いです。フォークブルースではあるけどロバート・ジョンソン・スタイルなのかな、と首を傾げつつレビューしていきます。
  Every Morning トップのこの曲が、このアルバムで一番好きです。朝の静けさの中に曲が浮き出るような感じがする、ギター持っての弾き語り、素敵なフォーク・ブルースです。Tell Everybody I Know カントリー・ブルースで、バンジョーも入ってポップな感じもするアレンジです。以上2曲は、KEB'MO' のオリジナル。3曲目の Love Blues 1908年生まれで1930年代ごろに活動していた Eugene Powell と言うカントリー・ブルースのギタリストの曲ですが、曲は」、ロバート・ジョンソン・スタイルで、歌詞は昔の曲で有りながら、正統派ラブ・ソングで、酒とかドロドロしたものは入ってません。Victims Of Comfort 今度は、1曲目の Every Morning と同系統の弾き語りですが所謂ブルースには分類されないフォークソングのような感じです。作曲者は Tim Kimber で現役のミュージシャンの書下ろしの曲のようです。浸みますね。Angelina 今度も現役ミュージシャン Georgina Graper にによる カントリーブルース、ライトなドラムとギターの軽めな感じです。Anybody Seen My Girl 6曲目で Keb' Mo' 自身の曲に戻ります。今度も聴かせるタイプの曲で、ブルースタイプではありません。彼女が家に帰ってこない寂しさを朗々と歌うラブソングで、寂しさの中に小さな幸せも見えます。 She Just Wants To Dance 2曲目の Georgina Graper の楽曲です。カラッと明るい、カントリー・ブルースで軽い感じがとても心地よいタイプ。Am I Wrong 今度は Keb' Mo' の曲で、スライド・ギターでの技が光る弾き語りで、これはコピーでもして覚えたいタイプのシンプルで良い曲です。Come On In My Kitchen カバーで Robert Johnson の曲です。原曲はド・ブルースでが、KEB'MO' は、かなり違った形で変則&ファンキーなアレンジをしています。Dirty Low Down And Bad で、王道の形式のブルースタイプで、Keb' Mo' 自信の曲です。あっさリ目の3分8秒。Don't Try To Explain バラードタイプの Keb' Mo' のオリジナルです。こんな曲がライブで聴いたらとても浸みてきそうです。Kindhearted Woman Blues このアルバムで、2曲目の Robert Johnson です。これは王道のロバート・ジョンソン・スタイルの弾き語りで、じっくりと歌いこんでいてとても良いです。ただこのタイプの曲はこのアルバムではメインではなく味付けに過ぎないと思いますので、このアルバムを「ロバート・ジョンソン・スタイルのフォーク・ブルース」と書かれるのは少し違うだろうって感じがします。そして最後は、KEB'MO' 節が炸裂の City Boy です。単なるブルースマンでは無いですね。
 古いブルースをリスペクトしながら 自信の色が濃く出せている KEB'MO' の作品の中でも名作の一枚かと思います🎶

vocals, guitar, harmonica, banjo : Keb' Mo'
bass : James "Hutch" Hutchinson
drums : Laval Belle
keyboards : Tommy Eyre

producer : John Porter

1. Every Morning / Keb' Mo'
2. Tell Everybody I Know / Keb' Mo' 
3. Love Blues / Eugene Powell
4. Victims Of Comfort / Tim Kimber
5. Angelina / Georgina Graper
drums : Quentin Dennard
6. Anybody Seen My Girl / Keb' Mo'
7. She Just Wants To Dance / Georgina Graper
8. Am I Wrong / Keb' Mo'
9. Come On In My Kitchen / Robert Johnson
percussion : Tony Draunagel
10. Dirty Low Down And Bad /Keb' Mo'
11. Don't Try To Explain /Keb' Mo'
12. Kindhearted Woman Blues / Robert Johnson
13. City Boy /Keb' Mo'





  

2025年3月3日月曜日

Super Blues / Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter


 当時のブルース界のスーパースター達 Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter の録音で同年リリース。こんな企画を出来たのは、1952年に設立された米国のブルース、R&B系のレコード・レーベル「Chess Records」
 ポーランドからの移民だったチェス兄弟(レナードとフィル)がシカゴで設立したレーベルで、最後はレナード・チェスは1969年に経営権をGRTレコードへ売却しています。そして1975年、GRTはチェスをオール・プラチナム・レコードへ売却し、現在チェスのマスターテープの権利はMCAが取得しています。つまりは録音の時期の1967年は、レーベルに斜陽の兆しがあった頃で、起死回生の一発としてのレジェンドを集めての録音のようです。このあと2匹目のドジョウを狙い後に Little Walter の代わりに、Howlin' Wolf が加わって、The Super Super Blues Band がリリースされていますが、この音源は持っていません。


 アルバムのメインは、ボーカルの Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter だが、ピアノは Otis Spann、ギターは Buddy Guy 強力で、こちらは Muddy Waters 系列。そして、見慣れないタンバリンとボーカルで参加の Cookie Vee は女性の参加で、Bo Diddley の系列のようです。ちなみに Bo Diddley は傘下のレーベル「Checker」からの参加とのこと。また今まで注目はしてこなかったのですが、よく聞いていると全曲にタンバリンが入り、女性の声も入っています。ただのコーラスかと思えば I'm a Man で、2分過ぎあたりから、思いっきり叫び声をあげているのは彼女のようです。誰かに襲われているかのような、歌詞無しの叫びですが、これが強烈。I Just Want To Make Love To You のスローでワンコードの繰り返しの曲では、このタンバリンをずっと同じ拍子で叩き続けているのも、はっきりと録音されています。どんな太ったオバちゃんなのかと検索すれば、アフロの似合う可愛らしい女性でした。


 I'm A Man は、Bo Diddley の 作曲か? この曲 Mannish Boy ? と思い調べたら、今更ながらわかったのが、「I'm a manがオリジナルで、それを改作したのがManish boy」「Bo Diddley が Muddy Waters の Hoochie Coochie Man をベースに I'm A Man を作曲。で、Muddy Waters がこの曲に若干変更をして録音したのが Mannish Boy 」なるほどジャズとかでも時々見る、同じ曲だけど名前が著作権もよくわかんないヤツですね。そんな曲がこのアルバムでは本人たちの、力いっぱいのセッションで聴けるのが、とにかく凄い。
 それから My Babe いつも思うのは Rolling Stones のSatisfaction は、おそらくここら辺の曲がオマージュされているように聴こえます。
 とにかく、このアルバム聴いていると色々なことを思い、帝王たちの気合が入っていてノリの良さと勢いに感動し、ブルースの持つパワーを感じます🎶

vocals, guitar : Bo Diddley (Ellas McDaniel)
vocals, guitar : Muddy Waters (McKinley Morganfield) 
vocals, harmonica : Little Walter (Walter Jacobs)
piano : Otis Spann
guitar : Buddy Guy
bass guitar : Sonny Wimberley
drums : Frank Kirkland
tambourine, vocals : Cookie Vee

Producer [Album Production] – Ralph Bass
recorded in Chicago, January 4, 1967


1. Long Distance Call / McKinley Morganfield
2. Who Do You Love / Ellas McDaniel
3. I'm A Man / Ellas McDaniel
4. Bo Diddley / Ellas McDaniel
5. You Can't Judge A Book By The Cover / Willie Dixon
6. I Just Want To Make Love To You / Willie Dixon
7. My Babe / Willie Dixon
8. You Don't Love Me / Ellas McDaniel
9. Studio Chatter / Ellas McDaniel
10. Sad Hours / Walter Jacobs
11. Juke / Walter Jacobs


▶ My Babe



  

2025年2月21日金曜日

James Cotton / High Compression


 1984年 Alligator Records に入ったコットンが録音した唯一の作品です。と思っていたら、その後2010年 Giant 2013年 Cotton Mouth Man というアルバムが Alligator Records から発売されていることを、これを書いて発見したので、James Cotton マニアとしては、どこかで入手せねばなりません。Giant をチラッと見たらコットンは歌っておらず、ハーモニカのみの録音なので古い録音の焼き直しではなさそうです。
 気を取り直して、ウォークマンに入れていた音源も見返しながらデータ化した音源を整理していると、何故かデータ名が全く違うアルバム名になっていたり、違う曲の名前が登録されていたりしています。おそらく2、3年前にデータのバック・アップをした時に保管場所を間違えてデータ交換した時のバグだなと思いつつ整理していたら、3. 23 Hours Too Long の曲名が 24 Hours になっています。??と思って原盤のCDをチェックすると、なんと原盤のCDの登録データ自体が 24 Hours です。たまに発見すると、おそらくエラー・コインを発見した時と同じような気分が味わえますが、確かCDのデータ・エラーは価値がなかったので、一人で楽しんでおきます。でかいエラーは確か Beatles で、アルバムまるごと違うアルバムの曲名になっていたなんてこともありました。が、これは入力ミスか? 23 Hours Too Long 「23時間は長すぎる」だね。そうだ、だったら曲名を「24時間」にしたらどう思います?って感じのバイト・テロのような気もします。長くなりましたが誰にも自慢できないネタが一つ増えました。


 バンドはオーソドックスなシカゴ・スタイル、ファンク・ブルース・スタイルの両方がアルバムの中でミックスされている感じで、適度に荒々しく、田舎っぽいけどサウンドは芋くさくはありません。The James Cotton Chicago Blues All-Stars、The James Cotton Band と二つのバンドでの録音がミックスされていて、前者の方がオーソドックスなシカゴ・ブルース。後者はブラスも入っているのもありファンク・ブルースタイプに大別されるかと思えます。
 百回くらいは聞き返しているかと思いますが、細かく注意しながら聴いてはいないので、新鮮な気持ちで再度聴きながらレビューです。Diggin' My Potatoes 定番ブルースで、3 Harp Boogie では、アコースティック・ギターのシンプルな演奏でしたが、ノリ良しの迫力あるバージョンに進化しています。Ying Yang 若干、跳ねすぎている感じはしますが良い演奏であることは確か。笑い声も交えてオジサンはご機嫌な演奏です。23 Hours Too Long ザ・ド・ブルースなタメがたっぷり入ってます。前談ではエラーのことを書いてしまいましたが、実は深刻な歌で「赤ちゃん」と「お母さん」を虐待したら出て行ってしまって23時間は長すぎるって内容で、100万ドル持ってたら払うなんてことも言ってますが、かなりやばいアル中かなんかの匂いがプンプンするブルース。No More Doggin' 暗くなったところで陽気なブルースに戻ります。もうあなたと浮気しないわって歌なんですけどね。No Cuttin' Loose タイトな演奏でブラスも入っていて刺激的です。ベース・ラインがファンキーです。 Ain't Doin' Too Bad 都会的なバックの演奏にオジサンのだみ声が最高です。Michael Coleman のギターは、賢こそうなフレーズで、ダメな人も多いかと思いますが、私これが結構いけます。Sunny Road 今度のギターは Magic Slim のイントロからです。正統派のブルースギターで、外れたことは余りやりませんし、しつこいですが、これがこの人の魅力でこれも良い。Superharp コットンおじさんが、かなり楽しそうで頑張ってます。ハープの長いフレーズの後の、息継ぎ音も臨場感たっぷりです。Superharpって自分のことですよね。Easy Loving ハッピーな感じのブルースですね。おそらく歌詞の中身は軽そうなオヤジの戯言のような気がします。High Compression アルバム・タイトル曲が最後の気合を入れてるパターンです。ボーカル無しのハープがたっぷり堪能できてブギーなギターも良いです。
 曲調がバラバラでまとまりがないなんて気もしますが、やっぱり何回聴いても良いアルバムで構成なんかどうでも良いです。曲が良いんですよね。愛すべきブルースマンは2017年3月16日に肺炎のため入院先の病院で亡くなりました。御年81歳。ありがとうございました🎶

The James Cotton Chicago Blues All-Stars (1, 3, 4, 7,10)
harmonica, vocals : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Magic Slim
Bass : Aron Burton
drums : Robert Covington

The James Cotton Band (2, 5, 6, 8, 9)
harmonica, vocals : James Cotton
keyboards : Eddie Harsch
guitar : Michael Coleman
Bass : Noel Neal
drums : Ray Allison
tenor sax : Douglas Fagen
trombone : Johnny Cotton
trumpet : Danny Fields

producer : Bruce Iglauer, James Cotton

1. Diggin' My Potatoes / Robert Brown
2. Ying Yang / Steve Miller
3. 23 Hours Too Long / Eddie Boyd
4. No More Doggin' / Rosco Gordon
5. No Cuttin' Loose / Jack Daniels, Johnny Moore, Renee Marks 
6. Ain't Doin' Too Bad / Deadric Malone
7. Sunny Road / Roosevelt Sykes
8. Superharp / James Cotton, Larry Williams 
9. Easy Loving / Jesse Stone
10. High Compression / James Cotton

▶ Diggin' My Potatoes




  

2025年2月18日火曜日

Lazy Lester / Harp & Soul


 レイジー・レスターはルイジアナ生まれのブルース・ハーピストで、このアルバムはユルい雰囲気のロッキン・ブルースやカントリー・ブルース。ルイジアナあたりのこの地方のブルースには独特な味があり、この手のブルースは「スワンプ・ブルース」と呼ばれてます。
 本作は長い間ブランクのあった彼の復帰作です。1933年生まれで本名は Leslie Johnson。1950年代の半ば頃から、地元ルイジアナのブルース・ファンの間で注目を集めるようになった。ある日ライトニン・スリムとのセッションでレギュラーのハーピストの代理を務めたことがきっかけとなりソロ作をレコーディング。その際プロデューサーのジェイ・ミラーは彼のリラックスした演奏スタイルから、彼のステージ・ネームを「Lazy Lester」と名付けてプロのキャリアはスタートします。彼はセッション・プレイヤーとして、スリム・ハーポやジョニー・ウィンターといったアーティストたちの作品にも引っ張りだこで、ジョニー・ウィンターの1961年の初期のセッションにその名を刻んでいます。
 しかし彼は1960年代以降は、人種分離や差別に挫折、また作曲によるロイヤリティをジェイ・ミラーに搾取され、音楽業界に懐疑的になり20年間ほどは肉体労働などに従事して過ごしていました。そういった訳で一度現場から離れるも、後年になってからザ・キンクスによる「I’m A Lover, Not A Fighter」のカバーやファビュラス・サンダーバーズなどのバンドが彼の楽曲をカヴァーしたことで、キング・スネイクやアリゲーターといったレーベルが再び注目され、再び活動を再開し1988年に本アルバム「Harp & Soul」を発表となりました。


 演奏スタイルとしては、お気楽で舌っ足らずな発音の歌い方で、コブシを効かせた歌い方はせずにお気楽な感じです。ハープも当然上手いんですが決して技巧派ではなく、長い間ブルースをやってきた年輪を感じさせる音が好感です。ギター・ソロも、かなりカッコ良いタイプです。
 それではレビューしていきます。I Done Gone Over It シャカシャカと軽快なリズムのドラムのロック・ブルースです。ライトで気負わないリラックスした演奏は、このバンドの円熟味を感じます。Take Me In Your Arms 2曲目はバラードで、ゆったりとしたラブソングのようです。レスターのブルース・ハープも、ほのぼのとしていて草原の中でオジサンが気持ちよく歌っているかのよう。I'm Your Man ブルースマンが良くやる名曲です。ズシズシくるリズムですが、マディ・ウォーターズとかより、やはり軽量。重いヤツが好きな人には物足りないかも。でも演奏はうまい。Patrol Wagon Blues 伝統的なパターンのブルースですね。patrol wagon とは囚人を運ぶ護送車。なるほどそういう歌なので、のんきな感じは少な目です。Dark End Of The Street フォーク・ブルースっていうんですかね。ほのぼのっぽい曲調です。Raining In My Heart 続く曲も前曲と似たような曲調です。田舎っぽくて古き良きアメリカって感じが良い。ギターの音色がキュンときます。Bye Bye Baby 大好きなブギーです。ノリ良しですが他のブルースレジェンドより迫力は少な目の軽量級は否めない。Bloodstains On The Wall ほのぼのブルースですが、少し悪ぶって歌ってますね。良いですよ。Alligator Shuffle 曲名通りのシャッフル・ブギー。インストで、かなりカッコ良い。Five Long Years ゆっくり目のゆったりブルース。本来はこの人向きではないような気もしますが、良い出来で気に入りました。
 ホンワカ系のノスタルジックな曲の方が、この人の持ち味は出るような気がします。バンドの演奏とのバランスは非常に良いですが、個人的にはガシガシしたブルースの方が好きかも🎶

harmonica, vocals : Lazy Lester
piano : Lucky Peterson, Teo Leyasmeyer
bass : Bob Greenlee
guitar : Ernie Lancaster, Kenny Neal, Pete Carr, Robert "Town Crier" Thomas
Kenny Neal
drums : Denny Best, , Floyd Miles
Washboard : Fred Reif

producer : Bob Greenlee

1. I Done Gone Over It / Jones, Blackwood
2. Take Me In Your Arms / Johnson
3. I'm Your Man / Mc Daniel
4. Patrol Wagon Blues / Miller
5. Dark End Of The Street / Penn & Moman
6. Raining In My Heart / Moore & West
7. Bye Bye Baby / Johnson & West
8. Bloodstains On The Wall / Patt
9. Alligator Shuffle /  Johnson
10. Five Long Years / Boyd





  

2025年2月15日土曜日

Ragtime Crazy / The Best Of Ragtime Blues Guitar


 ラグタイム・ブルース・ギターがわんさかです。全22曲の充実のクレイジーな1枚です。超有名どころは、ブラインド・ボーイフラー、ブラインド・ブレイク、チャーリー・パットンなど含め、チキンウイルスン&スキーターヒントン、ベイレスローズ、ウイリーウォーカー、ブラインドウイリーマクテル、カーリーヴィーヴァー、シルベスターウィーバー、カーヴァーボーイズ、などなど知らない人もいっぱい居ます。
 ラグタイムは、もともとピアノ中心の音楽であり、ベース音の流れとメロディーをギター一台で表現するのは大変です。それを同時に弾く曲芸のような演奏を6弦しかないギターで発展させたのがラグタイム・ギターなのです。
 もともと私もラグタイムを聴いていたわけではありません。趣味のギターでアコースティック・ブルースでもやろうかと、日本人フィンガーピッカーのバイブルと思われる内田十紀夫の教則本で練習していたら、先人の話と練習曲がわんさかでてきます。しかし原曲はちっとも聴いていないと、たまに戦前ブルースやラグタイムのアルバムを勉強用に購入しています。ただ惹きつけられるものが、どれほどあるかと言えば原曲よりは現代人のギタリストが youtube 等で演奏されている動画の方に感動を覚える方が多いです。

Country Blues Guitar 打田十紀夫
 
 
Ragtime Guitar 打田十紀夫

 改めて、この時代のギターを聴くと、結構ストローク気味に弾きながら当てる弦を変えながらラフに弾いていると思われるものも多いように感じます。現代に近い細かい芸を披露してくれるのは、Bayless Rose、Curley Weaver、William Moore あたり。Blind Blake は歌も含め、現代に近く録音もきちっとしてます。Blind Boy Fuller はエンターテイメント性も高い。さすが名手です。
 慣れてくれば即興でもできるようになると、教則本やプロは書いていますが、私にはまだまだ即興は遠い世界であります🎶

1. Rag,Mama,Rag - Blind Boy Fuller
2. Piccolo Rag - Blind Boy Fuller
3. Jitterbug Rag - Blind Boy Fuller
4. D.C.Rag - Chicken Wilson & Skeeter Hinton
5. Jamestown Exhibition - Bayless Rose
6. Black Dog Blues - Bayless Rose
7. South Carolina Rag - Willie Walker
8. Mama,Let Me Scoop For You - Blind Willie McTell
9. Georgia Rag - Blind Willie McTell
10. Tricks Ain't Walking No More - Curley Weaver
11. I'm Busy And You Can't Come In - Sylvester Weaver
12. Guiter Rag - Sylvester Weaver
13. Wang Wang Harmonica Blues - Carver Boys(feat.Joshua White)
14. Shake It And Break It (But Don't Let It Fall Mama) - Charley Patton
15. Barbershop Rag - William Moore
16. One Way Gal - William Moore
17. Ragtime Crazy - William Moore
18. Ragtime Millionaire - William Moore
19. Blind Arthur's Breakdown - Blind Blake
20. Diddie Wa Diddie - Blind Blake
21. Dry Bone Shuffle - Blind Blake
22. Shake It Baby - Blind Boy Fuller





  

2025年2月11日火曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Soul To Soul


 1985年リリースの3作目で、ジャケ写ではストラトを持たずにセミアコ。腰にぶらさげているのは、おそらく日本のお守り。そうなると後ろの小屋はもしかして日本家屋に見えなくも無いが、テキサスの田舎の掘っ立て小屋か?と先に余計なところに目が行きます。
 さて本作は、とにかくどれもこれもパンチが効いていて、エネルギー満タンSRV作品の中でも、もっとも派手な仕上がりで気持ちが良い一枚という印象。サックスとキーボードまで加入して、サウンドを完成させていて、この時期ではギター・エフェクター・アンプなど多様に使いこなしていたようです。
 何より捨て曲が相変わらず無いのも、SRV作品のすごいとこで、ライブ映像ではあまり見られない曲もあったりするマイナー感も、このアルバムの良いとこでもあります。


 それではこのド派手なアルバムを再度聴きながらレビューします。Say What! インスト・ロックですが、テンポ緩めでワウワウを使用した粘るようなギター、キーボードソロなどもあり、バンド感が増しています。弾きまくってもいますが、フィードバックを使ったロングトーンでワウで変化させてくれるところが、また良い。Lookin' Out The Window
テキサス出身の Doyle Bramhall の作品です。本業はドラマーであり、SRVよりも5歳ほど年上でセッションもよくやっていたそうです。息子はギタリストでエリック・クラプトンの作品にも参加しています。曲はシャッフルでホーンを多重録音してバックに厚みを持たせていること、ジャズで言えば4ツを刻むようなギターも印象的です。Look At Little Sister
テンポは、ほぼ Lookin' Out The Window と同じのミドルテンポ。この曲ではピアノが強調されていてロックンロール・ピアノがこれまた効果的にブラスのバッキングとともにマッチ。Ain't Gone Give Up On Love スローなブルースロックで、キーボードがバッキングでギターはエフェクト少な目でオブリーガード。曲が進むにつれて歪みを入れてったり、チャッチャッと刻んで見たりと今聴いてみると細かいところに細工が施してあるのがわかります。Gone Home ジャズサックス奏者の Eddie Harris の楽曲で、SRVもジャズ・ブルースで演奏しています。こうした幅広い素養が他の曲にも実は活きているんでしょう。Change It 再度テキサス出身の Doyle Bramhall 作品で、いかにもテキサスが舞台で打ち合いで始まりそうハードボイルドな感じがカッコ良い。You'll Be Mine 1950年代のシカゴ・ブル―ズ黄金期の巨匠 Willie Dixon の作品で、明るく踊れる感じの跳ねる感じのハッピーな楽曲です。Empty Arms イントロはフランジャーを使っていて、アルバムの中では最も軽めのナンバーです。裏打ちがモロに意識されたバッキングが日本人ではないセンスですね。Come On (Part III)ニューオリンズの巨匠 Earl King の楽曲で、ジミヘンコードを多用したカバー。原曲はジミヘンぽくは無いファンク系ソウルですが、なるほど、これを現代アレンジすればこうなるのはそうですと納得。Life Without You スローなバラードナンバーでバンド演奏ではあるものの弾き語りのような、しみじみとさせてくれる楽曲です。ボーナストラックは Little Wing~Third Stone From The Sun ジミ・ヘンドリックスのインストカバーで、長くても楽しいです。続く Third Stone From The Sun も激しいアーミングとボリュームコントロールで、アーシーなギターがカッコ良すぎです。Slip Slidin' Slim まさにボーナスの短いインストナンバーで、スライド名手ではないけど、やっぱりカッコ良く弾けるんだと脱帽です。
 久しぶりのSRVでしたが、あと100年後も全てのギタリストのヒーローでいられる人なんだろうと思える演奏は、やっぱり楽しい🎶

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
keyboards : Reese Wynans
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
sax : Joe Sublett

executive-producer : John Hammond
producer (produced by) : Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan/Double Trouble
recorded at Dallas Sound Labs, Dallas, Texas and Riverside Sound, Austin, Texas

Tracks 1 to 10
rec: 1985

1. Say What! / S.R. Vaughan
2. Lookin' Out The Window / D. Bramhall
3. Look At Little Sister / H. Ballard
4. Ain't Gone 'n' Give Up On Love / S.R. Vaughan
5. Gone Home / E. Harris
6. Change It / D. Bramhall
7. You'll Be Mine / W. Dixon
8. Empty Arms /S.R. Vaughan
9. Come On (Part III) / E. King
10. Life Without You / S.R. Vaughan
【Bonus Tracks】
11. SRV Speaks
12. Little Wing/Third Stone From The Sun
13. Slip Slidin' Slim





  

2025年2月7日金曜日

Big Bill Broonzy ‎/ The Anthology

The Anthology (CD, Compilation, Remastered) アルバムカバー

 あの有名な Key to the Highway は Big Bill Broonzy(ビッグ・ビル・ブルーンジー)の曲でした。ミシシッピ州生まれで、本人は1893年と主張していますが、1898年、1903年生まれ説などもあります。この時代は黒人男性が働くのには、実際の年齢に上乗せすることは普通であったことであるため、年齢を高めに申告していたのは事実のようです。生地についてもアーカンソー州レイク・ディックとする説もあるとのことで出身地も舐められないために偽ることも多かったものと想像されます。

 ブルースマンについて、色々見てたら意外だったのが、戦前ブルースの有名人たちの年齢で、下記に、生まれた年を列記すると
チャーリー・パットン          1891年
ビッグ・ビル・ブルーンジー 1893年
サン・ハウス        1902年
スキップ・ジェイムス    1902年
ハウリン・ウルフ      1910年
ロバート・ジョンソン    1911年
エルモア・ジェイムス    1918年
 Robert Johnson(ロバート・ジョンソン)の方が元祖だと思ってたら全くの後輩で、そんな元祖なのに動画なんかも、しっかり残っているのは驚きです。ロバート・ジョンソンなんか音源だけですからね。でも音源を聴いていると Big Bill Broonzy の方がずっと都会的で難解な ロバート・ジョンソンの方が難解な節回しとリズムですから、それはそうだとも理解できます。
 歌の独特の節回しがブルースを感じるとともに演歌っぽいとも感じます。また彼は生涯で300曲以上を作曲したと言われていますが、本アルバムの曲名を見ていると酒、女 がテーマの曲は少ないように感じます。「シカゴブルース界の吟遊詩人」「シカゴブルースの風」とも呼ばれ、若干カントリーの源流の匂いも感じます
 昔のラジオを聴いているようでノスタルジックな気分になれますが、2枚組50曲は疲れるかもしれません🎶

【DISC1】
1. Where the Blues Began
2. Key to the Highway
3. John Henry
4. Big Bill Blues
5. Martha Blues
6. Saturday Evening Blues
7. Glory of Love
8. Backwater Blues
9. Little City Woman
10. You Changed
11. How You Want It Done
12. By Myself
13. Jacqueline - (featuring Washboard Sam)
14. Hollerin' Blues
15. Willie Mae Blues
16. C.C. Rider
17. South Bound Train
18. Mopper's Blues
19. Lonesome
20. Mississippi River Blues
21. Mindin' My Own Business - (featuring Washboard Sam)
22. Never Never
23. Bill Bailey
24. Get Back
25. Careless Love

【DISC2】
1. Whiskey and the Good Time Blues
2. Midnight Special
3. I Know She Will
4. Five Feet Seven
5. Stump Blues
6. Preachin' the Blues
7. Water Coast Blues
8. Lonesome Road Blues - (featuring Washboard Sam)
9. Hey Hey
10. Crawdad
11. Walkin' the Lonesome Road
12. I'm Gonna Move to the Outskirts
13. Shine On, Shine On
14. San Antonio Blues
15. I Don't Want No Woman
16. Diggin' My Potatoes - (featuring Washboard Sam)
17. Tell Me Who
18. Tomorrow
19. Sweet Honey Bee
20. Wee Wee Hours
21. Romance Without Finance - (featuring Washboard Sam)
22. Old Man Blues
23. Make My Get Away
24. I Feel Like Crying
25. Sad Letter Blues