1984年 Alligator Records に入ったコットンが録音した唯一の作品です。と思っていたら、その後2010年 Giant 2013年 Cotton Mouth Man というアルバムが Alligator Records から発売されていることを、これを書いて発見したので、James Cotton マニアとしては、どこかで入手せねばなりません。Giant をチラッと見たらコットンは歌っておらず、ハーモニカのみの録音なので古い録音の焼き直しではなさそうです。
気を取り直して、ウォークマンに入れていた音源も見返しながらデータ化した音源を整理していると、何故かデータ名が全く違うアルバム名になっていたり、違う曲の名前が登録されていたりしています。おそらく2、3年前にデータのバック・アップをした時に保管場所を間違えてデータ交換した時のバグだなと思いつつ整理していたら、3. 23 Hours Too Long の曲名が 24 Hours になっています。??と思って原盤のCDをチェックすると、なんと原盤のCDの登録データ自体が 24 Hours です。たまに発見すると、おそらくエラー・コインを発見した時と同じような気分が味わえますが、確かCDのデータ・エラーは価値がなかったので、一人で楽しんでおきます。でかいエラーは確か Beatles で、アルバムまるごと違うアルバムの曲名になっていたなんてこともありました。が、これは入力ミスか? 23 Hours Too Long 「23時間は長すぎる」だね。そうだ、だったら曲名を「24時間」にしたらどう思います?って感じのバイト・テロのような気もします。長くなりましたが誰にも自慢できないネタが一つ増えました。
バンドはオーソドックスなシカゴ・スタイル、ファンク・ブルース・スタイルの両方がアルバムの中でミックスされている感じで、適度に荒々しく、田舎っぽいけどサウンドは芋くさくはありません。The James Cotton Chicago Blues All-Stars、The James Cotton Band と二つのバンドでの録音がミックスされていて、前者の方がオーソドックスなシカゴ・ブルース。後者はブラスも入っているのもありファンク・ブルースタイプに大別されるかと思えます。
百回くらいは聞き返しているかと思いますが、細かく注意しながら聴いてはいないので、新鮮な気持ちで再度聴きながらレビューです。Diggin' My Potatoes 定番ブルースで、3 Harp Boogie では、アコースティック・ギターのシンプルな演奏でしたが、ノリ良しの迫力あるバージョンに進化しています。Ying Yang 若干、跳ねすぎている感じはしますが良い演奏であることは確か。笑い声も交えてオジサンはご機嫌な演奏です。23 Hours Too Long ザ・ド・ブルースなタメがたっぷり入ってます。前談ではエラーのことを書いてしまいましたが、実は深刻な歌で「赤ちゃん」と「お母さん」を虐待したら出て行ってしまって23時間は長すぎるって内容で、100万ドル持ってたら払うなんてことも言ってますが、かなりやばいアル中かなんかの匂いがプンプンするブルース。No More Doggin' 暗くなったところで陽気なブルースに戻ります。もうあなたと浮気しないわって歌なんですけどね。No Cuttin' Loose タイトな演奏でブラスも入っていて刺激的です。ベース・ラインがファンキーです。 Ain't Doin' Too Bad 都会的なバックの演奏にオジサンのだみ声が最高です。Michael Coleman のギターは、賢こそうなフレーズで、ダメな人も多いかと思いますが、私これが結構いけます。Sunny Road 今度のギターは Magic Slim のイントロからです。正統派のブルースギターで、外れたことは余りやりませんし、しつこいですが、これがこの人の魅力でこれも良い。Superharp コットンおじさんが、かなり楽しそうで頑張ってます。ハープの長いフレーズの後の、息継ぎ音も臨場感たっぷりです。Superharpって自分のことですよね。Easy Loving ハッピーな感じのブルースですね。おそらく歌詞の中身は軽そうなオヤジの戯言のような気がします。High Compression アルバム・タイトル曲が最後の気合を入れてるパターンです。ボーカル無しのハープがたっぷり堪能できてブギーなギターも良いです。
曲調がバラバラでまとまりがないなんて気もしますが、やっぱり何回聴いても良いアルバムで構成なんかどうでも良いです。曲が良いんですよね。愛すべきブルースマンは2017年3月16日に肺炎のため入院先の病院で亡くなりました。御年81歳。ありがとうございました🎶
The James Cotton Chicago Blues All-Stars (1, 3, 4, 7,10)
harmonica, vocals : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Magic Slim
Bass : Aron Burton
drums : Robert Covington
The James Cotton Band (2, 5, 6, 8, 9)
harmonica, vocals : James Cotton
keyboards : Eddie Harsch
guitar : Michael Coleman
Bass : Noel Neal
drums : Ray Allison
tenor sax : Douglas Fagen
trombone : Johnny Cotton
trumpet : Danny Fields
producer : Bruce Iglauer, James Cotton
1. Diggin' My Potatoes / Robert Brown
2. Ying Yang / Steve Miller
3. 23 Hours Too Long / Eddie Boyd
4. No More Doggin' / Rosco Gordon
5. No Cuttin' Loose / Jack Daniels, Johnny Moore, Renee Marks
6. Ain't Doin' Too Bad / Deadric Malone
7. Sunny Road / Roosevelt Sykes
8. Superharp / James Cotton, Larry Williams
9. Easy Loving / Jesse Stone
10. High Compression / James Cotton