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2024年11月8日金曜日

David Sanborn / Upfront


 2024年5月12日に亡くなってしまい78歳とのことですが、長い間演奏を楽しませていただき、ありがとうございました。
 さて前作 Another Hand では、ジャズ方面へ行ってしまい、個人的には残念と思っていましたが、いったんR&Bベースの方向へ戻ってきたのが嬉しかったアルバムです。本来のスタンスは R&B と思いたいのですが、この後プロデューサーを変えながら様々な方向性の音楽を追求していかれるので、そこらへんをファンとしては楽しんでいきたいと思っております。
 アルバムのジャケットは Stephen Byram のデザインによるアートワークで、アートディレクター、イラストレーターとして抽象的なイラストを音楽アルバムのジャケットに多く採用されているようです。サンボーンや楽器の写真はLynn Goldsmith, Robert Lewis の作品かと思います。具材が新聞紙のフランスパンのサンドイッチが紐で縛られているのは、どなたの作品なのでしょうか。なかなか凡人には理解しかねる感じがします。

 

 インターネット・ラジオなどでも数多くの追悼特集が流され、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」で元々は人気がなかったサンボーンも結構いいじゃないと皆さん面白がって聴いて、亡くなってから良さがわかった人も多いようです。私も聴き直して更にほれ込みたいと思います。Snakes マーカスの持ち込み曲です。いかにもマーカスらしい楽曲で、聴きなれたサンボーン節とよく合うミドル・テンポのフュージョンナンバーです。Benny もマーカスのスローテンポの持ち込み曲で、これもサンボーン用の曲って感じで、さすが付き合いが長いだけあります。ベースは途中から参加ですが音量が大き過ぎるような気もします。 Crossfire はサンボーンとマーカスの共作でアップ・テンポのフュージョンに戻ります。おそらく鋭い方の音にギターは Chris Bruce と思われます。ハイラムはリズムギターに回っているようです。更に、マーカスのベースはピック弾きでしょうか、いつもと違います。Full House これもサンボーンとマーカスの共作のミドル・テンポのフュージョンです。リズムにはラテンっぽいリズムもと入れているのですが、何回か聴いていると、JBのサウンドにも似ているところがあるような気がしてきます。クラプトンがギターで、後半でソロを弾いていますがクラプトンっぽくは無いかもしれません。Soul Serenade キング・カーティスとルーサー・ディクソンのインスト・ソウルです。Richard Tee、Cornell Dupree の黄金コンビが参加でなでるように柔らかなタッチのソウルになっています。選曲はサンボーンなのか。それとも、このコンビを呼ぶにあたって本人たちにリクエストを聴いたのか。プロデューサー、マーカスのセンスなのか。気になります。 サンボーンのサックスが良く歌っていて気落ち好い曲です。Hey カラッとした曲調で軽いノリのファンク・フュージョンです。このノリは A Change Of Heart のあたりに回帰しますね。嬉しいです。Bang Bang この曲はインターネット・ラジオの追悼特集でどなたかが流してました。メチャクチャ、ハッピーな演奏で何か聴いてて目頭が熱くなりました。Alcazar ラス前でムーディーな曲になります。ここまで聴いてきてアルト・サックスの表現者としては、やはりサンボーンは群を抜いているのがわかります。Ramblin' 最後に持ってくるのが Ornette Coleman ですが、限りなくファンク一発バージョンになってまして最高にスリリングでカッコ良い演奏です。
 ジャケットが難解なのを除けば、単純にかっこよい、わかりやすいアルバムですね🎶

alto sax : David Sanborn, Stan Harrison (7)
sopranino sax : David Sanborn (1, 8)
piano : Ricky Peterson (7)
keyboards : Marcus Miller (1 to 4, 6, 8)
organ (hammond B-3) : Richard Tee (5), Ricky Peterson (1 to 4, 6, 8, 9)
guitar : Chris Bruce (3, 4), Cornell Dupree (5), Eric Clapton (4), Hiram Bullock (3), Marcus Miller (1, 8), William "Spaceman" Patterson (1, 3, 4, 6 to 9)
bass guitar : Marcus Miller
drums : Steve Jordan (1 to 6, 8, 9)
percussion : Don Alias (1, 3, 4, 6 to 8), Nana Vasconcelos (8)

saxello : John Purcell (1, 8)
tenor sax : Arno Hecht (5), John Purcell (3, 4, 6), Lenny Pickett (7)
baritone sax : Crispin Cioe (5)
alto flute : John Purcell (2)
trumpet : Earl Gardner (7), Herb Robertson (9), Laurie Frink (7), Hollywood Paul Litteral (5), Randy Brecker (3, 4)
trombone : Art Baron (7), Bob Funk (5), Dave Bargeron (2, 4, 6, 7)
bass clarinet : Marcus Miller (1, 3, 4, 6, 8)
tuba : Dave Bargeron (2)

arranged by  Marcus Miller (9)
arranged by (horns) : Lenny Pickett (3), Marcus Miller (2 to 4, 6), Uptown Horns (5)

artwork, design : Stephen Byram
photography by : Lynn Goldsmith, Robert Lewis

producer : Marcus Miller
recorded at Power Station, Electric Lady Studios, Camel Island

1. Snakes (Marcus Miller)
2. Benny (Marcus Miller)
3. Crossfire (David Sanborn, Marcus Miller)
4. Full House (David Sanborn, Marcus Miller)
5. Soul Serenade (Curtis Ousley, Luther Dixon)
6. Hey (David Sanborn, Marcus Miller, Ricky Peterson, Steve Jordan, William S. Patterson)
7. Bang Bang (Jaime Sabater, Joe Cuba)
8. Alcazar (David Sanborn, Marcus Miller)
9. Ramblin' (Ornette Coleman)

▶ Benny




  

2024年5月26日日曜日

Stone Free / A Tribute To Jimi Hendrix


 1993年リリースで、ジミヘンのプロデューサー・エンジニアだった Eddie Kramer の発案から製作されたジミヘンのトリビュート・アルバムです。Eddie Kramer は南アフリカ生まれですが、19歳の時にロックが流行り出した60年代初期のイギリスに移住。レコーディング・プロデューサー/エンジニアとして、ビートルズ、デヴィッド・ボウイ、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、キンクス、KISS、レッド・ツェッペリン、ストーンズ、サンタナ、ピーター・フランプトン、ホワイトスネイクなど、かなりの大物のコラボレーターを務めておられる凄い人です。


 ジミヘンは音楽のジャンルを問わずに、様々な影響を与えたミュージシャンです。このトリビュートにも様々なジャンルの人が参加しています。だからジミヘンの曲をやってもジャンルを超えた個性がでるもので、演奏者によってこのジミ・ヘンの曲が全く別物に生まれ変わっています。ロックやブルースのミュージシャンは直接的に音やコード遣いが影響を受けるのは容易に想像を受けますが、パット・メセニーもやっぱり聴いてたんだと言うこともわかり、メセニーらしからぬロック的ギターにビックリしたりニヤリとします。そういった意味でも中々の濃い内容のトリビュートであると思います。


 ジミヘンはみんな好き・・でも時代は変わるし音楽も変化していきます。これは名盤ではないが演奏している人が楽しんでいるし、聞いている私たちもニヤっと楽しめるヤツです。既に廃盤みたいですが、中古盤店などでたまにお手ごろ価格で見かけます。是非聞いてみてニヤッとしていただきたい🎵

1. Purple Haze / The Cure
vocals : Robert Smith
guitar : Perry Bamonte, Robert Smith
keyboards : Perry Bamonte
bass : Simon Gallup
drums : Boris Williams

2. Stone Free / Eric Clapton
vocals : Eric Clapton
backing vocals : UNV
guitar : Eric Clapton, Nile Rodgers
keyboards : Richard Hilton
bass : Bernard Edwards
drums : Tony Thompson

3. Spanish Castle Magic / Spin Doctors
vocals : Chris Barron
guitar : Eric Schenkman
bass : Mark White (2)
drums : Aaron Comess

4. Red House / Buddy Guy
guitar, vocals : Buddy Guy
piano : Johnnie Johnson
bass : Billy Cox
drums : Ray Allison

5. Hey Joe / Body Count
Bass : Mooseman
Drums : Beatmaster "V"
Guitar : D-Roc (3), Ernie C
Lead Vocals : Ice-T
Mixed By : Michael White (4)
Producer : Ernie C

6. Manic Depression / Seal & Jeff Beck
vocals : Seal
guitar : Jeff Beck
bass : Pino Paladino
drums : Jimmy Copley

7. Fire / Nigel Kennedy
acoustic guitar, guitar (Bottleneck) : Sagat Guirey
guitar : John Etheridge
bass : Rory McFarlane
drums : Rupert Brown
cello : Caroline Dale
viola (acoustic), violin (phased), violin (kerrang), piano (doctored) : Nigel Kennedy

8. Bold As Love / Pretenders
mixed by : Bob Clearmountain

9. You Got Me Floatin' / P.M. Dawn
guitar : Herbie Tribino

10. I Don't Live Today / Slash & Paul Rodgers With The Band Of Gypsys
vocals : Paul Rodgers
guitar : Slash
bass : Billy Cox
drums : Buddy Miles

11. Are You Experienced? / Belly
Vocals : Gail Greenwood, Tanya Donelly
Bass : Gail Greenwood
Drums, Percussion : Chris Gorman
Guitar : Tanya Donelly, Thomas Gorman
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12. Crosstown Traffic / Living Colour
lead vocals : Corey Glover
vocals : Doug Wimbish, Will Calhoun
guitar : Vernon Reid
bass : Doug Wimbish
drums, piano, whistle (Kazoo) : Will Calhoun

13. Third Stone From The Sun / Pat Metheny
guitar, bass, keyboards, programmed by, synthesizer (Synclavier) : Pat Metheny
bass : Jaco Pastorius, Matthew Garrison
drums (additional) : Jack DeJohnette

14. Hey Baby (Land Of The New Rising Sun)/ M.A.C.C
vocals : Chris Cornell
guitar : Mike McCready
bass : Jeff Ament
drums : Matt Cameron





  

2024年5月18日土曜日

Eric Clapton / Clapton


 想像ですが「レコード会社と契約もあるし、どうせつくるなら自分が好きな音楽をやりたくって、いつものメンツに声かけたら皆が参加したいってことになったぜ」って感じでしょうか。流行りのロックよりブルース色を押し出し、Clapton の趣味を強く感じる作品となっています。全15曲のうち Clapton の作曲は Run Back to Your Side のみで他は全てカバーとなっています。私も知っている大物は、Sheryl Crow、Derek Trucks、J. J. Cale、Allen Toussaint、Wynton Marsalis などですがレコーディング・メンバーの多さにはビックリです。予定の調整も大変だろうしギャラだけでも物凄い金額となったことと思われますので、売れるのが確定のロックスターでありポップスターの地位を確立したアーチストでなければ出来ないプロジェクトですね。


 それでは、レビューしていきましょう。Travelin' Alone 1952年の Lil' Son Jackson のワンコードのブルースですがロック調にして最初は重いのを持ってきてます。Rocking Chair 1956年の Hoagy Carmichael のカバーで、ゆったりとしたカントリー・ブルースです。ここら辺は Clapton の得意技ですね。この手のブルースはどれも似たような曲と思う人も多いかと思いますが、丁寧に作ると違いが明確に出てきます。River Runs Deep は、生きてるミュージシャンの中で Clapton が最も多くカバーしたと思われるタルサ・サウンドでスタイルは laid back と呼ばれている J.J. Cale の楽曲です。この録音の2010年は存命ですが、2013年に心臓発作で他界され追悼アルバム The Breeze An Appreciation Of JJ Cale  を Clapton は録音しています。ちなみにタルサはオクラホマ州の地方の名前。Judgement Day これも1956年の Snooky Pryor のブルース。最後の審判などと物騒な曲名ですが最後の審判が下る日は皆で騒いじゃおう的な明るいロックンロール・タイプのブルース。How Deep Is the Ocean 1932年の Irving Berlin のポップスのカバーです。この作曲家の作品はジャズでも見ますね。この曲はバックにストリングスが入ってます。The London Session Orchestra ってなってますが、録音はアメリカですから呼び寄せたのか?オケだけはイギリスなのか?どうでも良いですが、ふと気になりました。My Very Good Friend the Milkman は、1934年の Harold Spina 作品。My very good friend the milkman says That I've been losing too much sleep He doesn't like the hours I keep He suggests that you should marry me Ah, turn it loose! と曲調と同様に、牛飼いの少年の物語の歌で、最後はハッピーエンドになっているのが演奏だけでわかりました。Can't Hold Out Much Longer は、硬派なブルース作曲者の Walter Jacobs=Little Walter ですから。That's No Way to Get Along 1930年の Robert Wilkins 戦前ブルースですがデレク&ドミノス風のアレンジが新し曲になっています。Clapton のスライドがワンポイントだけですがカッコ良いんですね。さすがツボを押さえてます。Everything Will Be Alright そして J.J. Cale の曲ですがアーバンな感じのブルースにしています。ですが曲は  J.J. Cale 節があります。Diamonds Made from Rain は、この曲の為の書下ろしですね。Doyle Bramhall II, Nikka Costa, Justin Stanley の切ない曲です。When Somebody Thinks You're Wonderful は、またもや1936年に逆戻り Harry M. Woods のカバーです。それにしても Clapton は、こういった昔の楽曲の焼き直しが上手い。ブルースを残しつつ、ある程度現代手法のポップに味付け。Hard Times Blues 1935年のシカゴブルース Lane Hardin のカバーです。このブルースは当時のブルースでよくあるリフ・パターンを、そのまま使っているのがこだわりでしょうか。古いブルースを聴いてたり、やってみようとすると、なんだこれは?ってヤツです。 Run Back to Your Side ここでオリジナルになりますが、セッション用のブルースですね。そして最後は Autumn Leaves で、昔のロック雑誌に「これがクラプトンの枯葉だ」的に書かれたスコアが掲載されていましたが、私には場末の酒場のカラオケに聞こえてしまいます。ポップス歌手としても通用するところを見せたかったと言うよりはホントにやってみたかったんだと思われますがボーカル無しにするとかでも良かったんでは無いかと思う次第です。
 軽く聴いてきたのですが、じっくり聴き直すと中々の重量感があるアルバムで、楽しかったです🎵

Eric Clapton : vocals, guitar, mandolin (12)
Doyle Bramhall II : guitar (1, 4, 7, 10, 12, 13, 15), vocal arrangement (4), hi-hat (7), guitar solo (8, 12), percussion (8), vocals (10)
Derek Trucks : slide guitar (2), guitar (3)
J. J. Cale : guitar (3, 8), vocals (3, 8, 9)
Greg Leisz : pedal steel guitar (3)
Walt Richmond : Hammond organ (1), acoustic piano (2, 4-15), Wurlitzer electric piano (3), keyboards (14)
James Poyser : Hammond organ (3, 8)
Allen Toussaint : acoustic piano (6, 11)
Steve Riley : accordion (8)
Paul Carrack : Hammond organ (9)
Sereca Henderson : organ (10)
Willie Weeks : bass guitar (1, 4, 8, 9, 10, 13), double bass (2, 3, 5, 7, 12, 14, 15)
Chris Severan : double bass (6, 11)
Jim Keltner : drums (1, 4, 5, 7, 8, 10, 12, 13), percussion (1, 8, 12, 13)
Abe Laboriel Jr. : drums (2, 14)
Jeremy Stacey : drums (3, 10)
Justin Stanley : drums (3), additional percussion (8), horn arrangements (10)
Herman Labeaux : drums (6, 11)
Cayetano "Tanio" Hingle : bass drum (6, 11), cymbal (6, 11), clarinet (8)
Jason Moeller : drums (15)
David Guy : horn arrangements (3)
Neal Sugarman : tenor saxophone (3)
Leon Michaels : trumpet (3)
Thomas Brenneck : horns (3)
Kim Wilson : harmonica (4, 7, 15)
Wynton Marsalis : trumpet (5, 6, 11)
Troy Andrews : trombone (6, 11), trumpet (6, 11), bass drum (8)
Matt Pyreem : tuba (6, 11)
Michael White : clarinet (6, 11)
Clarenee Slaughter : baritone saxophone (8)
Bruce Brackman : sousaphone (8)
Edward Lee : tenor saxophone (8)
Tim Callagan : trombone (8), trumpet (8)
Dan Ostreicher : horns (8)
Sherrell Chenier Mouton : washboard (8)
Tim Izo Orindgreff : saxophone (9, 10)
Elizabeth Lea : trombone (9, 10)
Printz Board : trumpet (9, 10)
Nick Ingman : string arrangements (1-9, 11-14), conductor
Patrick Warren : string arrangements (10)
The London Session Orchestra : strings (3, 5, 9, 10, 14)
Perry Montague-Mason : concertmaster
Nikka Costa : backing vocals (2, 10, 13)
Terry Evans : backing vocals (4, 8)
Willie Green, Jr. : backing vocals (4, 8)
Arnold McCuller : backing vocals (4, 8)
Lynn Mabry : backing vocals (10, 13)
Debra Parsons : backing vocals (10, 13)
Sheryl Crow : vocals (10)
Arnold Kłymkiw : vocals (15)

producers : Eric Clapton, Doyle Bramhall II , Justin Stanley (10).

Los Angeles Sessions recorded at Ocean Way Recording, Hollywood
New Orleans Sessions recorded at Piety Street Studios, New Orleans

1. Travelin' Alone (Lil' Son Jackson)
2. Rocking Chair (Hoagy Carmichael) 
3. River Runs Deep (J.J. Cale)
4. Judgement Day (Snooky Pryor) 
5. How Deep Is the Ocean (Irving Berlin) 
6. My Very Good Friend the Milkman (Lyrics: Johnny Burke, Music: Harold Spina) 
7. Can't Hold Out Much Longer (Walter Jacobs) 
8. That's No Way to Get Along (Robert Wilkins) 
9. Everything Will Be Alright (J.J. Cale) 
10. Diamonds Made from Rain (Doyle Bramhall II, Nikka Costa, Justin Stanley) 
11. When Somebody Thinks You're Wonderful (Harry M. Woods) 
12. Hard Times Blues (Lane Hardin) 
13. Run Back to Your Side (Bramhall, Eric Clapton)
14. Autumn Leaves (Joseph Kosma, Johnny Mercer, Jacques Prévert) 





  

2024年3月30日土曜日

David Sanborn / Here & Gone


 ギラギラしたフュージョンではなくムーディなサウンド、ジャズというよりはブルース系4ビートやビッグ・バンド風のサウンドを基調としたアルバムです。注目は、参加ミュージシャンで、ギターは Russell Malone、Derek Trucks、ボーカル、ギターで Eric Clapton、ドラムは全面 Steve Gadd の人気アーチストが華を添えています。そっちに注目しがちですが、もちろんサンボーン節のサックスは健在で、フュージョン時代のように尖らず、わかりやすい R&B 色が強いので、とても聴きやすいアルバムとなっています。
 プロデュースは30年ぶりの David Sanborn(メロウ・サンボーン 巨匠 Phil Ramone で、1959年、レコーディング・スタジオ「A&Rレコーディング」を立ち上げ、革新的な技術を積極的に用いるレコーディング・エンジニア、音楽プロデューサー。4トラックレコーダー、映画の光学式サラウンド音声、デジタル録音技術などがあり、A&Rスタジオでは初の一般販売用コンパクトディスク(CD)が製作されたそうです。
 

 それでは、ご機嫌なアルバムを再試聴しながらレビューをしていきます。St. Louis Blues は、W C Handy による名曲で、ムーディにググっと渋い演奏です。リラックスしたビッグバンドの演奏をバックに、自然体のいつものサンボーン節がたっぷりで素晴らしい。次はBrother Ray で、ギターの Derek Trucks が前面に押し出された作品で、もう既にギターと言う楽器の音を飛び越えた演奏で控えめではあるのに注目して聴いてしまいます。ある音域ではサックスの音色と寄り添うかのように、むせび泣くギターは極上です。次いではクラプトンの登場で I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town。ジャジーなブルース演奏にボーカルは聴きなれた、あの声です。ギターはプリンとしながらギラっとしたノーマルなストラトの音でオブリガード主体でボソボソ弾いているのがまた渋い。バックの演奏でギターでひたすら4ツを刻んでいるのが Russell Malone かと思うとこれはまたゴージャス。Basin Street Blues ここからはサンボーンが主役となります。前の2曲はどうしてもギターとボーカルに注目してしまいますので、ナチュラルにサックスの音が楽しめるのですがバックの演奏も途中で拍をずらして前にのせたビートにしたり聴き飽きない仕掛けがにくい。Stoney Lonesome も、普通にビッグバンドなのですがソリスト・サンボーンが、するっと吹いている感じが凄く自然です。Russell Malone のギターソロも短いですが、いぶし銀です。 I Believe It To My Soul は、Ray Charles の楽曲で Joss Stone のボーカルが迫力あります。どんな貫録のある黒人のオバちゃんかと思って検索してみたら白人の綺麗な女性でしたので若干驚き。What Will I Tell My Heart は Irving Gordon, Jack Lawrence, Peter Tinturin によるスタンダード。R&B が濃くなってきたのでジャズ方向に修正です。Ella Fitzgerald が歌ってたバージョンも好きです。Please Send Me Someone To Love は Percy Mayfield のブルースナンバーです。ここらへんはサンボーンのサックスとしっくりときますね。しかしなんてことない曲でもサックスを聴いてこの人とわかるサンボーン節は凄い。I've Got News For You はボーカルに Sam Moore で大団円の楽曲。
 いや、ゴージャスでエンターテイメント性に優れるアルバムで楽しいアルバムです。たまに聴くよりは、もう少しヘビロテにしたいと改めて思い、保管は良く聴く棚に移動します🎵

alto sax : David Sanborn
electric piano , organ : Gil Goldstein (1 to 4, 6, 8)
organ : Ricky Peterson (2, 6, 8, 9)
guitar : Russell Malone、Derek Trucks(2), Eric Clapton(3)
bass : Christian McBride
drums : Steve Gadd
baritone sax : Howard Johnson (3)
tenor sax : Lou Marini
trombone : Mike Davis
trumpet : Keyon Harrold, Lew Soloff (1, 4, 6, 9), Wallace Roney (1)
bass clarinet : Charles Pillow (1 to 4, 6, 9), John Moses (5, 7, 8)
pro-tools programming : Dean Sharenow
vocals : Eric Clapton(3), Joss Stone(6), Sam Moore(8)

producer : Phil Ramone

recorded at Legacy Recording Studios and Hiatus Studios (New York City, New York); Studio 835 (Los Angeles, California)

1. St. Louis Blues
2. Brother Ray featuring : Derek Trucks
3. I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town featuring : Eric Clapton
4. Basin Street Blues
5. Stoney Lonesome
6. I Believe It To My Soul  featuring : Joss Stone
7. What Will I Tell My Heart
8. Please Send Me Someone To Love
9. I've Got News For You featuring : Sam Moore





  

2023年12月30日土曜日

Eric Clapton / Backless


 地味ではありますが実はこのアルバムは愛聴盤の人も多いのではないでしょうか。前作の「スローハンド」の成功でプロデュースは、再びグリン・ジョンズで当然「スローハンド」路線を踏襲した内容です。1978年発表の、このアルバムでのヒット曲は Tulsa Time、Promises。肩ひじ張らないライトでポップスよりの音作りです。以前のレビューでは「ひたすら地味なアルバム」と書いていましたが、少し失礼かと思いますので今回の再レビューでは撤回いたします。しかしながら、これでも一発儲けようとする気はまるでないようなアルバムであることは事実で、この盤でのクラプトンは我が道を突き進んでいます。


 今作ではヒットは狙わずによりクラプトンが好きな曲が中心にセレクトされているようです。クラプトンは他のアルバムもカバーは多いのですが、本アルバムでは Bob Dylan から2曲で、Walk Out In The Rain、If I Don't Be There By Morning 元曲よりはビートを効かせて聴きやすくしていますが売れ線ではありません。またクラプトンが敬愛している J. J. Cale の楽曲もあります。 I'll Make Love To You Anytime は、独特のカントリーと融合したスタイルのブルース・ロックになっています。オリジナルの Roll It は、ABなしサビ無しの一発もののブルース・セッションをそのまま3分半で、ゆたっりしたスライドギターで遊んでいます(ここらへんは初心者の若者バンドがリフが単純だからとマネをしてライブで披露するとケガするパターン)Early in the Morning はクラシック・ブルースで、枯れたクラプトンの歌声とギターのオブリガードが自然です。こういった何でもない普通の曲をサラリとやって聴かせてくれるのが魅力の一つですね。Tell Me That You Love Me はビートを効かせたクラプトンの売れ線サウンドが嬉しい。そしてカントリーのスタンダード Promises なんて楽曲が出てくるのもクラプトンっぽい、原題は You らしい。クラプトンのオリジナルは Watch Out For Lucy、Roll It、Golden Ring の3曲。ちなみにこのアルバムで売れ線の曲は、このWatch Out For Lucy ですね。
 クラプトンのファンには十分楽しめますが入門者には誤解されかねないアルバムと書いて結ぼうと思っていましたが、お勧め3曲をセレクトしていたら、意外と初心者でも結構楽しめるかもしれないと思います🎵

guitar vocals : Eric Clapton
keyboads : Dick Sims
vocals : Marcy Levy
guitar : George Terry
bass vo :Carl Radle
drums percussion vo : Jamie Oldaker

producer : Glyn Johns

1. Walk Out in the Rain
2. Watch Out for Lucy
3. I'll Make Love to You Anytime
4. Roll It
5. Tell Me That You Love Me
6. If I Don't Be There by Morning
7. Early in the Morning
8. Promises
9. Golden Ring
10. Tulsa Time

2023年2月10日金曜日

Derek And Dominos / Layla And Other Assorted Love Songs


 クリーム解散後、ブラインド・フェイスを経て結成したデレク・アンド・ドミノスの唯一のスタジオ録音アルバム1970年の「Layla」+ライブ録音。エリック・クラプトンの最高傑作とも言われ、ロック小僧に限らず世界中のギタリストが最も持っているあるいは聞いたことがあるアルバムの一枚ですね。ビルボードのポップアルバム・チャートで最高16位を記録し、RIAAのゴールドアルバムを獲得し、1972年と1977年にはBillboard 200でチャートインした。2011年にはイギリスのアルバムチャートで68位を記録、2000年はグラミー栄誉の殿堂入りしています。本作のスーパーデラックス・エディションは2011年に発売され翌年にはグラミー賞最優秀サラウンドサウンド・アルバム獲得の超ロングセラーです。
 クラプトン使用ギターは、前作のソロ・アルバム Eric Clapton(エリック・クラプトン・ソロ)から使用された1956年製フェンダー・ストラトキャスター、通称ブラウニーです。



 改めて久しぶりに聞いてみても難解聴いても飽きない素晴らしい内容で売れ続ける理由がわかります。買った当時から数十年聞いてない人も多いでしょうから、たまにもう一回聞いてみると良いのではないでしょうか。本作には、オリジナルではないセッションやライブなどが多数収録されているので、また新たに購入されても十分楽しめる内容となっています。
 さてアルバムの内容です。I Looked Away Eric クラプトンとウィットロックの共作でライトなサザン・ロック。地味な曲ですがアルバムの冒頭にこの地味な曲をもってくるってことは本当は、これがやりたい音楽の一つの形だからわかってくれというような強い自己主張を感じます。Bell Bottom Blues クラプトンによる作曲で、単純なブルースの進行ではなくメロディックなコードな流れがクラプトンらしい曲で売れ筋の要素満載の曲で、やはり良いです。Keep On Growing これもクラプトンとウィットロックの共作で、私的にはこのバンドのイメージをよく体現している曲と思います。Nobody Knows You When You're Down And Out ジミー・コックのカバーで、後のアルバムのMTVアンプラグドのバージョンの方がわかりやすいアレンジで印象にある人ものではないでしょうか。こっちの方が泣きのブルースって感じですね。I Am Yours はニザーミの詩にクラプトンが曲をつけたもので静かな曲ですが耳に残ります。Anyday は再びクラプトンとウィットロックの共作で方向性は Keep On Growing と同じタイプ。ギターソロに入る流れがとても好みです。 Key To The Highway はチャールズ・シーガー、ウィリー・ブルーンジーのブルースの古典曲です。スタジオ・ジャムを録音していたのを出来が良かったから入れたような体裁です。従ってクラプトンとオールマンのギターソロもわかりやすく自己主張のフレーズ満載でクラプトン・ファンのギター小僧は絶対好きなパターンで、中盤のグシャグシャ感もサービスの演奏です。Tell The Truth もクラプトンとウィットロックの共作。フェイセス当たりのブギー的なロック・サウンドな感じ。ライブとかで演ったら受けそうでコマーシャルな感じとボーカルの気合の入り方も好きです。Why Does Love Got To Be So Sad 中盤はクラプトンとウィットロックの共作が続きます。激しめの曲ですが、この作風はシカゴとかの流れかな。どっちが元祖だろう?Have You Ever Loved A Woman は、ビリーマイルスの古典ブルース。オールマン・ブラザースのバージョンにも名演ありますよね。悪かろう訳もなくここら辺の古典的名曲をアルバムに入れてくるのもやはりクラプトン流。Little Wing このアルバムにジミヘンが入っていたことは忘れてましたが再度聴き直して、そうそうこれこれと思い出しました。リバーブ深めの録音もジミヘンのサイケなイメージを出そうとしているのだなと再認識。It's Too Late はチャック・ウィリスのドゥーワップ・バラードをテンポ・アップさせたもので、やはりクラプトンのリメイクはうまい。そしてテーマ曲の Layla です。多くのギタリストに愛されコピーされ続ける名曲ですが私はリフぐらいしか弾けません。クラプトンだけの作曲と思っていたら、ピアノコーダ部分はジム・ゴードンとのことでした。全く違う曲を合体させたような、この流れも確かにこの曲を印象付ける重大な要素で改めて聴きながらこのアイデアも天才的と思います。Thorn Tree In The Garden は、ウィット・ロックの曲で、ウィットロック、クラプトン、オールマン、レイドル、ゴードンはスタジオで輪になって座り、マイクがその中央に置かれて録音が行われたとのこと。これも地味ですがバンドとしてのチームワークを表現しているようで、冒頭とラストにこのような曲の配置もアルバムとしてメッセージ性があるアルバムなのだと再認識しました。
 このアルバムはデラックス・エディションなので、2枚目のディスクはオリジナルには無いライブ音源などが収録されています。印象的なのは、サイケな雰囲気と凝ったアレンジですがビートルズっぽいとも感じる Roll It Over。 はじっけプリが楽しい Tell The Truth。ギター小僧としては、クラプトンのギターがたっぷり堪能できる Snake Lake Blues。単純にとがっていてカッコ良い Evil。曲のアレンジ力が見せつけられる Got To Get Better In A Little While Jam のバージョン違いの収録。
 おそらく多くの人が所有はしているが、ずっと聴いていない名アルバム。聴き直す価値あり。持っていなくて新規購入を考える人には、やはりこのデラックスの方がお勧めです。

guitar, vocals : Eric Clapton
bass, ercussion : Carl Radle
drums, percussion : Jim Gordon
organ, vocals : Bobby Whitlock (exept 1)
guitar : Duane Allman(except 1,2,3)
piano : Albhy Galuten(4)

【Disc1】
1. I Looked Away
2. Bell Bottom Blues
3 Keep On Growing
4. Nobody Knows You When You're Down And Out
5. I Am Yours
6. Anyday
7. Key To The Highway
8. Tell The Truth
9. Why Does Love Got To Be So Sad
10. Have You Ever Loved A Woman
11. Little Wing
12. It's Too Late
13. Layla
14. Thorn Tree In The Garden

【Disc2】
1. Mean Old World 
(Layla Session Out-Take)
2. Roll It Over 
(Phil Spector Produced Single B-Side)
3. Tell The Truth 
(Phil Spector Produced Single A-Side)
4.It’s Too Late 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
5. Got To Get Better In A Little While 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
6. Matchbox 
(With Johnny Cash & Carl Perkins) 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
7. Blues Power 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November,1970)
8. Snake Lake Blues 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
9. Evil 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
10. Mean Old Frisco 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
11. One More Chance 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
12. Got To Get Better In A Little While Jam 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
13. Got To Get Better In A Little While 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)



▶ Layla


  

2022年4月3日日曜日

Eric Clapton / Best Selection VC-3038


 ベスト盤よりアルバムを買いたいと思いつつ、ついつい昔から手を出してしまいます。特に Eric Clapton(エリック・クラプトン)なんかは、なんやかんやでベスト購入以降もアルバムを結局買っているのに必要性には自分も疑問?です。と思いつつクラプトンのアルバムは、聴きたい曲が1~2曲というのも多いのでこのベストはありかもしれない。
 

 Derek & The Dominos の Layla他、Cream時代の売れ筋4曲とソロになってからの
代表曲がずらりと全17曲だけど、どれも印象に残っているだけに改めてギターだけでなくボーカル、作曲の能力の高さ、カバー曲のリメイクのセンスには驚くばかりであります。
 私ギター弾きではありますが、若い頃クラプトンは聴くけどコピーはしてきませんでした。しかし札幌勤務時代に、いつも飲みに行っていたバーのマスターが同い年でギター弾きであることがわかり、そのマスターが Cream のコピーバンドを周りの飲み仲間と組んで間もない頃だったので、そのバンドに参加させていただいたことを思い出します。楽器は皆やっていたもののバンド活動は、ほぼ未経験者の、ボーカル、ドラム60代、ギター50代、ベース40代のバンドでした。最初はグチャグチャでしたが、何とか形になってきてから、札幌のライブハウスでのセッションに参加したり、マスターと私は生ギターでアンプラグドのコピーをして、常連さんとの年末忘年会は二人のミニ・ライブを開いたり楽しかった思い出ですね。クラプトンの良さは初心者でも皆が真似したくなってしまうロック初心者への親しみやすさでもあります。幅広い年齢層に世界中でこれほど愛されているギタリストも中々いないですよね。🎵

1. Layla  : Derek & The Dominos
2. Crossroads : Cream
3. White Room : Cream
4. Badge : Cream
5. Sunshine Of Your Love : Cream
6. Strange Brew : Eric Clapton
7. Motherless Children : Eric Clapton
8. Let It Grow : Eric Clapton
9. I Shot The Sheriff : Eric Clapton
10. Knockin' On Heaven's Door : Eric Clapton
11. Swing Low Sweet Chariot : Eric Clapton
12. Please Be With Me : Eric Clapton
13. Peaches And Diesel : Eric Clapton
14. Lay Down Sally : Eric Clapton
15. Wonderful Tonight : Eric Clapton
16. Sign Language : Eric Clapton
17. Cocaine : Eric Clapton





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2022年3月28日月曜日

The Yardbirds / Gold


 The Yardbirds のバンド名は、チャーリーパーカーのあだ名が由来となっていて、Yardbirds という単語自体は「囚人」「雑務を割り当てられる軍隊入隊者」という意味を持っています。
 バンド自体の創設は1962年で、当初のメンバーは、ボーカル・ハープの Keith Relf、ドラムの Jim McCarty、ベースの Paul Samwell、リズムギターのChris Dreja、リードギターのTony 'Top' Topham で結成されています。アルバム・デビューは Five Live Yardbirds(1964年)でした。


 メンバーの入れ替わりは激しくギタリストは、Eric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageと入れ替わりながらヒットを飛ばすこととなります。

【1962-1963年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Tony 'Top' Topham

【1963-1965年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Eric Clapton

【1965-1966年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Jeff Beck

【1966年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Chris Dreja
guitar bass : Jeff Beck
guitar : Jimmy Page

【1966-1968年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Chris Dreja
guitar : Jimmy Page

1. For Your Love
2. Heartful Of Soul
3. Shapes Of Things
4. Still I'm Sad
5. Evil Hearted You
6. Good Morning Little Schoolgirl
7. A Certain Girl
8. Got To Hurry
9. Ain't Got You
10. Jeff's Blues
11. I Wish You Would
12. I'm A Man
13. Stroll On
14. Train Kept A Rolling





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