クリーム解散後、ブラインド・フェイスを経て結成したデレク・アンド・ドミノスの唯一のスタジオ録音アルバム1970年の「Layla」+ライブ録音。エリック・クラプトンの最高傑作とも言われ、ロック小僧に限らず世界中のギタリストが最も持っているあるいは聞いたことがあるアルバムの一枚ですね。ビルボードのポップアルバム・チャートで最高16位を記録し、RIAAのゴールドアルバムを獲得し、1972年と1977年にはBillboard 200でチャートインした。2011年にはイギリスのアルバムチャートで68位を記録、2000年はグラミー栄誉の殿堂入りしています。本作のスーパーデラックス・エディションは2011年に発売され翌年にはグラミー賞最優秀サラウンドサウンド・アルバム獲得の超ロングセラーです。
クラプトン使用ギターは、前作のソロ・アルバム Eric Clapton(エリック・クラプトン・ソロ)から使用された1956年製フェンダー・ストラトキャスター、通称ブラウニーです。
改めて久しぶりに聞いてみても難解聴いても飽きない素晴らしい内容で売れ続ける理由がわかります。買った当時から数十年聞いてない人も多いでしょうから、たまにもう一回聞いてみると良いのではないでしょうか。本作には、オリジナルではないセッションやライブなどが多数収録されているので、また新たに購入されても十分楽しめる内容となっています。
さてアルバムの内容です。I Looked Away Eric クラプトンとウィットロックの共作でライトなサザン・ロック。地味な曲ですがアルバムの冒頭にこの地味な曲をもってくるってことは本当は、これがやりたい音楽の一つの形だからわかってくれというような強い自己主張を感じます。Bell Bottom Blues クラプトンによる作曲で、単純なブルースの進行ではなくメロディックなコードな流れがクラプトンらしい曲で売れ筋の要素満載の曲で、やはり良いです。Keep On Growing これもクラプトンとウィットロックの共作で、私的にはこのバンドのイメージをよく体現している曲と思います。Nobody Knows You When You're Down And Out ジミー・コックのカバーで、後のアルバムのMTVアンプラグドのバージョンの方がわかりやすいアレンジで印象にある人ものではないでしょうか。こっちの方が泣きのブルースって感じですね。I Am Yours はニザーミの詩にクラプトンが曲をつけたもので静かな曲ですが耳に残ります。Anyday は再びクラプトンとウィットロックの共作で方向性は Keep On Growing と同じタイプ。ギターソロに入る流れがとても好みです。 Key To The Highway はチャールズ・シーガー、ウィリー・ブルーンジーのブルースの古典曲です。スタジオ・ジャムを録音していたのを出来が良かったから入れたような体裁です。従ってクラプトンとオールマンのギターソロもわかりやすく自己主張のフレーズ満載でクラプトン・ファンのギター小僧は絶対好きなパターンで、中盤のグシャグシャ感もサービスの演奏です。Tell The Truth もクラプトンとウィットロックの共作。フェイセス当たりのブギー的なロック・サウンドな感じ。ライブとかで演ったら受けそうでコマーシャルな感じとボーカルの気合の入り方も好きです。Why Does Love Got To Be So Sad 中盤はクラプトンとウィットロックの共作が続きます。激しめの曲ですが、この作風はシカゴとかの流れかな。どっちが元祖だろう?Have You Ever Loved A Woman は、ビリーマイルスの古典ブルース。オールマン・ブラザースのバージョンにも名演ありますよね。悪かろう訳もなくここら辺の古典的名曲をアルバムに入れてくるのもやはりクラプトン流。Little Wing このアルバムにジミヘンが入っていたことは忘れてましたが再度聴き直して、そうそうこれこれと思い出しました。リバーブ深めの録音もジミヘンのサイケなイメージを出そうとしているのだなと再認識。It's Too Late はチャック・ウィリスのドゥーワップ・バラードをテンポ・アップさせたもので、やはりクラプトンのリメイクはうまい。そしてテーマ曲の Layla です。多くのギタリストに愛されコピーされ続ける名曲ですが私はリフぐらいしか弾けません。クラプトンだけの作曲と思っていたら、ピアノコーダ部分はジム・ゴードンとのことでした。全く違う曲を合体させたような、この流れも確かにこの曲を印象付ける重大な要素で改めて聴きながらこのアイデアも天才的と思います。Thorn Tree In The Garden は、ウィット・ロックの曲で、ウィットロック、クラプトン、オールマン、レイドル、ゴードンはスタジオで輪になって座り、マイクがその中央に置かれて録音が行われたとのこと。これも地味ですがバンドとしてのチームワークを表現しているようで、冒頭とラストにこのような曲の配置もアルバムとしてメッセージ性があるアルバムなのだと再認識しました。
このアルバムはデラックス・エディションなので、2枚目のディスクはオリジナルには無いライブ音源などが収録されています。印象的なのは、サイケな雰囲気と凝ったアレンジですがビートルズっぽいとも感じる Roll It Over。 はじっけプリが楽しい Tell The Truth。ギター小僧としては、クラプトンのギターがたっぷり堪能できる Snake Lake Blues。単純にとがっていてカッコ良い Evil。曲のアレンジ力が見せつけられる Got To Get Better In A Little While Jam のバージョン違いの収録。
おそらく多くの人が所有はしているが、ずっと聴いていない名アルバム。聴き直す価値あり。持っていなくて新規購入を考える人には、やはりこのデラックスの方がお勧めです。
guitar, vocals : Eric Clapton
bass, ercussion : Carl Radle
drums, percussion : Jim Gordon
organ, vocals : Bobby Whitlock (exept 1)
guitar : Duane Allman(except 1,2,3)
piano : Albhy Galuten(4)
【Disc1】
1. I Looked Away
2. Bell Bottom Blues
3 Keep On Growing
4. Nobody Knows You When You're Down And Out
5. I Am Yours
6. Anyday
7. Key To The Highway
8. Tell The Truth
9. Why Does Love Got To Be So Sad
10. Have You Ever Loved A Woman
11. Little Wing
12. It's Too Late
13. Layla
14. Thorn Tree In The Garden
【Disc2】
1. Mean Old World
(Layla Session Out-Take)
2. Roll It Over
(Phil Spector Produced Single B-Side)
3. Tell The Truth
(Phil Spector Produced Single A-Side)
4.It’s Too Late
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
5. Got To Get Better In A Little While
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
6. Matchbox
(With Johnny Cash & Carl Perkins)
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
7. Blues Power
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November,1970)
8. Snake Lake Blues
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
9. Evil
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
10. Mean Old Frisco
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
11. One More Chance
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
12. Got To Get Better In A Little While Jam
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
13. Got To Get Better In A Little While
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
▶ Layla
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