私の所有音源で似たような系列では、やはりUSの Souliveですが、UKでは、The New Mastersounds、Speedometer など。 Baker Brothers との出会いは、ライブ・アルバムの In With The Out-Crowd(2005) を聴いたのが最初で、さすがにジャケ買いはないと思うので、多分タワレコでの試聴だったんだと思います。とにかくジャズ・ファンクってなんだろうと思いながら色々と試し聞きをしながら購い漁っていました。そのライブの素のスタジオバージョンが多数収録されているのが、この Ten Paces で、ライブ盤のお祭り騒ぎを期待していた私にはこのスタジオ盤の落ち着きっぷりには戸惑いました。が、音の迫力はライブ盤には負けるものの、ライブ盤では聞けなかった曲もなかなかの中身の濃い12曲入りの楽しいデビュー・アルバム。
皆さんマルチな楽器奏者ですが、キーボード、オルガン、ギターの Dan Baker、ドラム、パーカッションの Richard Baker の Baker兄弟と、イギリス・キャンフォード生まれ。初期はドイツのジェームス・ラストのトリビュートバンドの一員として活動ベース、ギター、キーボード、トランペットの Chris Pedley のスリーピースの構成メンバーでのインスト・ファンク。2010年には、Dan が脱退、2011年には、Richard が脱退、現在は Chris Pedley のみ初期メンバー在籍の、兄弟はいないけど「The Baker Brothers」で 活動していましたが、2017年で活動は休止しているようです。
ライブばかり聴いてきたのでスタジオ盤は久しぶりに聴いてのレビューです。Ready...Aim... 出だしのファイア~の掛け声はライブと一緒。あえてやっていると思われる角張ってスカスカのドラム、ベースにはファズ、ひたすらリフを繰り返すブラスなども入れないメンバーだけの演奏はライブを先に聴いてしまっただけに違和感ですが、何回も聴けばそれも面白い。Givson こちらも、ずっと聴いてきてます。ロックが強めでファンクも少し入れてきています。ライブの勢いが好きですが、この曲はこのスタジオでの録音のドシャドシャ感も良いです。Green Goddess こちらからホーン部隊が参加。アフロ系のビートの心地よさと、ワザと潰れた感じの和音にしたホーン・アンサンブルにオルガンの音が重なると斬新です。 Theme From Laundrettas こちらはライブには収録無しのオールディーズを取り入れた曲です。少し遊んでみましたってことでしょう。Who Killed The Southbarrow Peacock?こちらは完全にファンク曲ですが、ライブ盤の方が圧倒的にカッコよいしセンスも良いかなあ。Paste こちらもファンクナンバー。スタンリークラーク風のベースが特徴的でエキゾチックな響きもある。もう少しB級でダサ目のアレンジにしてくれれば好きかも。ボブマーリーの I Shot The Sheriff の一部が入ってる気もします。Little Suns 私がパソコンで作った曲に同じようなリフで同じようなアレンジのものがあります。そんな感じで作ったんだろうか。Ziggifried ボサノバ系ビートのジャズファンクです。ベースはオルガンのペダルでしょうか。ノペっとした感じが妙に気持ち良い。Barrington's Groove アフロ系リズムを取り入れたファンクです。途中からブラス部隊が入ってきますが、一般的なファンク、ソウルとは違う少々ひねりの効いたアレンジが気持ち悪くてそこが良いです。Chester's Tongue オルガン・ジャズですがサイケな雰囲気を出しているのが、この兄弟のマニア的な音楽趣味なんだろうなと思いました。Maid Of Mars やっとライブでもやっているお馴染み曲に帰ってきました。こちらの曲は今までの曲よりも、ちゃんと現代的な音作りで一般のバンドにもあるようなグルーブになっています。今までは、ワザとヘタウマなグルーブですか? Breathing In うーん今っぽい。ファンクではない。エレクトリック系のスペーシーなジャズ・ファンクですね。
デビュー・アルバムは、バンドのアイデアを曲と言う形にしてみた感じで、この後のライブ・アルバムを聴く限り、ここからライブを重ねてアレンジなども進化していったことが良くわかります🎶
electric piano, electric organ, guitar, violin : Dan Baker
bass, guitar, electric piano, trumpet : Chris Pedley
drums, percussion : Richard Baker
baritone sax : Diston Dryburgh
tenor sax : Dugald Clark
tenor sax, alto sax : Mark Abel
trumpet : David Price
cello : Michael Mace
flute : Ben Lamb
1. Ready...Aim...
2. Givson
3. Green Goddess
4. Theme From Laundrettas
5. Who Killed The Southbarrow Peacock?
6. Paste
7. Little Suns
8. Ziggifried
9. Barrington's Groove
10. Chester's Tongue
11. Maid Of Mars
12. Breathing In