2026年4月19日日曜日

Jaco Pastorius


 大学のジャズ研時代にジャコを知って最初に購入した思い出の詰まったアルバムです。ソロデビューアルバムで、邦題は「ジャコパストリアスの肖像」。音楽史に永遠に残ると思われるジャコですが、本人の意思によって制作されたスタジオ・アルバムは Word Of Mouth とこの2作品のみしかありません。ベーシストのみならず世界中のミュージシャンに影響を与えているのに、たった2枚しか制作していないのは、ジャコを知れば知るほど、彼の素行によるものが原因であると推測できますがビックリです。
 さて、このアルバムは1976年の発売で、ジャコは Weather Report に参加し、同年発売の Black Market に参加しています。 Blood,Sweat & Tearsのアルバム紹介でもとり上げてiいますが、このデビューアルバムの録音にあたっては、このアルバムのプロデューサーにも名を連ねている Blood,Sweat & Tears のドラマー Bobby Colomby が、ジャコの奥さんのトレイシーをナンパして翌日にからかい半分でジャコの演奏を聞いたら驚いたところから始まっています。ジャコの奥さんのナンパがきっかけとはいえ、大きなプロジェクトに発展させていて Come On, Come Over のボーカルにサム&デイブ、ホーンセクションにサンボーンとブレッカー・ブラザーズの顔ぶれと、かなり精力的にレコーディングメンバーも集めています。 さらにはハービー・ハンコックも全面的に参加でジャコを絶賛していたとのこと。


「Donna Lee」ジャズを嗜む人であれば必ずや通る Charlie Parker の名曲で、この長くて難解なテーマを普通はサックスとかのメロディー楽器で演奏するのが常ですが、フレットレス・ベースのみのソロでテーマのみを弾ききって、世界中にインパクトを与えてしまった名演です。私自身も、この演奏を聴かなければこの曲のテーマを弾くことはしていなかったと思います。ジャコとは関係ありませんが、Donna Lee最速選手権「ギター類の部 という動画はギタリストの方は、かなり楽しめます。
「Come On, Come Over」これはボーカルに Sam & Dave、ホーン部隊に Brecker 兄弟、サックスに David Sanborn、コンガに Don Alias という夢のような人選で録音されています。高校を卒業後に Cochran's Circuit Riders でソウル・バンドのベースマンとして活動していた素地からソウル曲のレパートリーは、彼のベースがジャズだけではなくソウル系の強力なグルーブからも発展していることがよくわかります。そんなことを思いながら聞き返していますが、インパクト抜群で、ソウル曲として最高に楽しめる内容で4分弱の録音では物足りなくて、もっと聞いていたい。
 「Continuum」ジャコ鉄板の曲で様々な録音が色々なアルバムで聴けますが、元祖はこの録音かと、再度ありがたく聴かせていただいております。神秘的な響きが塊りで、あちらこちらにボヤっと浮かびあがる曲想で、抽象的なのに、これだけインパクトと人の記憶に残る曲も珍しいのではないでしょうか。わたくしは、この曲を楽器で弾くことはできませんが、ほぼベースラインを口ずさめるほど愛聴しています。
「 Kuru / Speak Like A Child」聴き直して、さらにこのレビューを書くことになって気づきましたが、Herbie Hancock の Speak Like A Child に、ジャコが新たに「Kuru」という部分を付け足しています。原曲を感じさせないので新曲のようなものになっています。冒頭から炸裂するベースのリフはジャコの参加する様々な曲にも使用される発明品で、どんな曲もグルーブさせる魔力を持ち、驚異のスピードで叩きだされる単純に聴こえる難関フレーズです。ストリングのアレンジもジャコが行っているとのことで新人のソロデビューでは、やはり異質でしょ
「Portrait Of Tracy」フレットレス・ベースでハーモニックスを使用している一人ソロ作品で、ベースで全てのピッチでハーモニックスを使用してしかもリズムを崩さないのは激ムズのようです。Tracy はジャコの最初の奥様です。
オーバーダブしているのかをAIに聞いてみたら、ジャコ・パストリアスの「Portrait of Tracy」は、オーバーダブを使わずに演奏されています。ジャコ自身が明言しており、多くの人がエフェクトや電子機器を使っていると思いがちですが、実際にはすべて手だけで演奏されています。特に「Continuum」という曲については、曲全体を2回弾き、2人の人が歌っているような音にしたと語っていますが、録音の際に片方のトラックは聞いておらず、全てを記憶して演奏したという驚異的なエピソードがあります。これは、ジャコ・パストリアスの超絶技巧と音楽性を象徴するものです。と言う自信満々の回答が返ってきましたのでファクトチェックはしません。ハーモニクスの難しさだけではない超難問曲のようです。
「Opus Pocus」ジャコの愛する楽器 steel drums が花形に据えられた楽曲ですが、サックスの Wayne Shorter も良い味だしてます。でもメインはジャコのベースです。改めて聴くと録音のバランスも良いことに気づきます。
「Okonkolé Y Trompa」ピコピコと機械のループのようなベース音で、トレーニングが曲になったのかなと昔思っていましたが、聴けばアフリカンなワールド・ミュージックでスピリチュアルな楽曲。タイトルはアフリカ系の言葉かと思いましたが、スペイン語で「オコンコレとホルン」という意味だそうで意味は無い造語とのこと。
「 (Used To Be A) Cha-Cha」曲名からはチャチャチャでも取り入れたラテンかなと想像する人が多いかと思いますが、格闘技のような猛者たちの技が連発する躍動感あふれる楽曲です。ジャコのベースラインは Kuru / Speak Like A Child でも、登場するものと似ているフレーズで、これもジャコの様々なセッションで色々な曲に流用されるパターンです。ギターでやってみて、単純に聴こえますが高速で弾いて特に指弾きではリズムを支えるのが難しい。
「Forgotten Love」ピアノをジャコが弾いて、ベースは Homer Mensch, Richard Davis の二人が弾いているシンフォニックな曲です。この曲にも大勢のストリングスが入っていますが、アレンジは Michael Gibbs でジャコではありません。短い曲ですが、人が多ければ製作費もかかるものですから、このアルバムが売れると判断してのレコード会社とプロデューサーの意気込みも伺えます。


 アルバム全体もR&B、ジャズ、レゲエ、ラテン、シンフォニックと様々な曲でジャコを見せながらもまとまりのあるアルバムとしています。何百回もこのアルバムを聴いていますが、改めて最後の Forgotten Love など、プレイヤーとしてだけでなく、コンポーザーとして素晴らしい人であると再認識です。追伸 この時のジャコは酒もドラッグもやらない人でした🎶

released : Late April 1976
recorded : October 1975
studio : Camp Colomby Studios, Columbia Recording Studios C&B, New York City
producer : Bobby Colomby

1. Donna Lee / Charlie Parker
 bass : Jaco Pastorius
 congas : Don Alias
2. Come On, Come Over / Bob Herzog
 bass : Jaco Pastorius
 vocals : Sam & Dave
 keyboards : Herbie Hancock
 drums : Narada Michael Walden
 congas : Don Alias
 alto sax, soloist : David Sanborn
 tenor sax : Michael Brecker
 baritone sax : Howard Johnson
 trumpet : Randy Brecker, Ron Tooley
 bass trombone : Peter Graves
3. Continuum / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 electric piano : Alex Darqui, Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 bells : Don Alias
4. Kuru, Speak Like A Child / Herbie Hancock
 bass : Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 drums : Bobby Economou
 congas, bongos : Don Alias
 conductor : Michael Gibbs
 violin : Harold Kohon, Harry Cykman, Harry Lookofsky, Joe Malin, Paul Gershman
 violin, Concertmaster : David Nadien
 viola : Manny Vardi, Julian Barber, Selwart Clarke
 cello : Beverly Lauridsen, Charles McCracken, Kermit Moore
5. Portrait Of Tracy / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
6. Opus Pocus / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 electric piano : Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 percussion : Don Alias
 soprano sax : Wayne Shorter
 steel drums (alto) : Othello Molineaux
 steel drums (tenor) : Leroy Williams
7. Okonkolé Y Trompa / Don Alias
 bass : Jaco Pastorius
 congas, percussion (Okonkolo, Iya, Afuche) : Don Alias
 french horn : Peter Gordon
8. (Used To Be A) Cha-Cha / Jaco Pastorius
 bass : Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 drums : Lenny White
 congas : Don Alias
 piccolo flute : Hubert Laws
9. Forgotten Love / Jaco Pastorius
 piano : Herbie Hancock
 double bass : Homer Mensch, Richard Davis
 arranged by, conductor : Michael Gibbs
 violin : Arnold Black, Harold Kohon, Harry Cykman, Harry Lookofsky, Joe Malin,  Matthew Raimondi, Max Pollikoff, Paul Gershman
 violin, concertmaster : David Nadien
 cello : Alan Shulman, Beverly Lauridsen, Charles McCracken, Kermit Moore
 viola : Al Brown, Manny Vardi, Julian Barber, Selwart Clarke

▶  Donna Lee



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月18日土曜日

United Future Organization

United Future Organizationアルバムカバー

 転勤で名古屋に住んでいた時に、アシッド・ジャズ、クラブ・ジャズという単語も知らない時に、タワレコの試聴で気に入って購入したアルバムです。ラップとかDJによる音源とか理解していなかったし、クラブにも興味は無かったのですが、自宅でPCにループ音源と生楽器を使って多重録音することを始めたこともあってか、この世界に引きづりこまれ、ひとつ新たな音楽趣向を加えることとなった一枚です。繰り返し聴いているうちに、気持ち良さに気づきアシッド系にもはまることになった一枚です。
 視聴から入ったので、United Future Organization が、どんな人たちなのか知らずに聴いていましたが、日本発のアルバムだと知ったのは多分購入から10年は経過していたかと思います。いずれにしてもJAZZを感じることのできる Hip-hop/Rap、あるいはRare Groove/DJ の形態は当時、新鮮で斬新でした。
 どんな方たちなのかと言えば、1990年に矢部直、フランス出身の Raphael Sebbag、松浦俊夫の三人で創設された日本の Acid Jazz のプロジェクトが United Future Organization = U.F.O.です。2002年に松浦俊夫が脱退していますが、このアルバムの1993年は、未だ在籍中です。


「The Sixth Sense」 あまりよくわかっていないので間違っていたらすいませんが、おそらく Galliano の曲をサンプリングしてキーボードや他の生楽器を加えて創っているのでしょう    か、それでボーカルが Galliano になっているのかと思うんですが。 Galliano では What Color Our Flag というアルバムを持っているのですが普段は好んで聴かないラップもの。なんで買ったんだろうと今まで不思議に思っていたんですが、ここで Galliano が参加してたんで購入したのかもしれないと何か納得。
「On Est Ensemble Sans Se Parler-L.O.V.E. 」これは、かなり印象的でした。ラップと言うよりは フランス語?のポエトリーリーディングとサンプリングで新しい。わたくし自身は、楽器をやっているので、演奏性のある曲が好きなんですが、これは楽曲全体のまとまりとかが良いんでしょうね。大好きです。最後のハーモニカでの締めくくりも良しですね。
「Vinyl Junkie」これは 生楽器主体でやっているノリ良し系の Acid Jazz で、私がPCでループ音源とギター等を重ねて作る時にかなり影響を受けた曲です。ジャズ的でありながらヒップホップ系のリズムが楽しめます。
「Upa Neguinho」生ギターが登場するアフリカン、ジャズ、クラブジャズ系の融合体。ストリングはサンプリングでしょうか?とにかくセンスが良い。
「I'll Bet You Thought I'd Never Find You」次いでインド系ワールドミュージックが入ってからの、ヒップホップ系になり、フルートが出てきたと思ったらボサノバ系ボーカル。多分ボーカルの名前がクレジットされていないので Jon Hendricks のサンプリングだと思います。最後のスキャットの作り込みもやってくれてます。渋すぎる。
「Poetry And All That Jazz」 ポエトリーリーディングとヒップホップの融合パーカッションが効果的にリズムトラックに入ってフルートが怪しくフィルインの怪しさが漂います。
「Be Here Now」歪んだファズトーンはトランペット?、そして無機的なドラム、エロさを感じるテナーのサンプリングの組み合わせで、怪しく淡々と音が流れる。これも嫌いではない。
「My Foolish Dream」これは元ネタが検索で出てきました。  Archie Shepp の Song For Mozambique でスピリチュアルなヤツです。歌部分は Monday 満ちる で原曲と声質も似ていました。とても粋な曲です
「Off Road」スパイ映画の音楽っぽい曲で、大野雄二のルパン三世っぽくもあると思っていたら、最後にルパンの声で「メイド・イン・ジャパンか」 なるほど。ビブラホンもサンプリングかと思っていたら、これは生音でした。洒落ています。


 きちんと細部まで注目しながら聴くと、購入当時では知らなかった音楽知識も交えて聴くことが出来ました。技術の進歩と卓越したセンスの結晶、改めて素晴らしいアルバムです🎶

co-producer, keyboards, programmed by : Ayumi Obinata
percussion : Genta Egawa
producer, arranged by : United Future Organization

1. The Sixth Sense / Constantine Weir, Rob Gallagher
vocals : Galliano
alto sax : Sanshiro
2. On Est Ensemble Sans Se Parler-L.O.V.E. / Ariel Wizman
3. Vinyl Junkie
drums : Tatsuyuki Aoki
guitar : Hajime Tachibana
trumpet : Kimiyoshi Nagoya
4. Upa Neguinho / Edu Lobo, Gianfrancesco Guarnieri
drums : Genta
guitar : Hiroyuki Komagata
trumpet : Kimiyoshi Nagoya
5. I'll Bet You Thought I'd Never Find You / Les McCann
flute : Sanshiro
guitar : Hiroyuki Komagata
violin : Alex Gray
6. Poetry And All That Jazz / Jack Kerouac
flute : Sanshiro
violin : Banchi
7. Be Here Now
accordion : Patrick Nugier
8. My Foolish Dream
vocals, Written-By : Monday Michiru
9. Off Road
vibraphone : Takashi Ohi




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月17日金曜日

Michael Monroe ‎/ Not Fakin' It


 Hanoi Rocks は、神戸の三宮の高架下を徘徊してた時に、安物ワゴンセールかなんかで購入したと思われる All Those Wasted Years は、記憶していたのですが、私のコレクションに、このアルバムがあることはすっかり忘れてました。Hanoi Rocks のファンでは無いので、 All Those Wasted Years と同時購入では無いとは思うんですが、これは記憶にない発見です。
 前後しましたが Michael Monroe は は1981~1985年に流行したロックンロール・バンド Hanoi Rocks のボーカリストです。Hanoi Rocks のサウンドは粗目で、リズム乱れ勝ち、ギターはノリ重視のグシャグシャ系のイメージで、ギター馬鹿の私が Hanoi Rocks のギタリストの名前を憶えていないので、かなり ボーカルの Michael Monroe に人気が偏っていたと思います。 と書いたところでググってみると、このソロ・アルバムには、Hanoi Rocks から Nasty Suicide がギターで参加していました。


 さて忘れ去っていたアルバムですが、改めて聴いてみるとサウンドはロックンロール系ですが Hanoi Rocks よりはすっきりしているイメージで、1曲目の Dead, Jail Or Rock 'N' Roll だけは、耳が覚えていました。またボーカルは、なんとなくRolling Stones の Mick Jagger の歌い方、声質が似ているような気がします。コーラスの入れ方もストーンズに似てるような・・好みまではいかないけど嫌いではないです。
 アルバムの中で気に入ったのは、ロックンロール系を感じる Dead, Jail Or Rock 'N' Roll, パンク系を感じる Not Fakin' It の2曲。が、聴く前に想像していたより、意外とちゃんとカッコいい曲でした🎶

vocals, harmonica : Michael Monroe
backing vocals : Gennaro , Holly Vincent, Kim Lesley, Little Steven,  Nicole Hart , The Monroettes
keyboards : Ed Roynesdal 
piano : Ed Roynesdal , Ian Hunter
guitar : Jimmy Ripp , Phil Grande , Nasty Suicide
bass : John Regan , Kenny Aaronson 
drums : Anton Fig , Thommy Price 
sax : Mark Rivera 
shaker : Michael Monroe 
tambourine : Sue Hadjopoulos

producer, art direction : Michael Monroe

1. Dead, Jail Or Rock 'N' Roll / Little Steven, Michael Monroe, Nasty Suicide
2. While You Were Looking At Me / Little Steven
3. She's No Angel / Gary Holton lyrics by : Michael Monroe, Stiv Bators
4. All Night With The Lights On / Danny Lewis, Michael Monroe, Phil Grande
5. Not Fakin' It / Dan McCafferty, Darrell Sweet, Manny Charlton, Pete Agnew
6. Shakedown / Michael Monroe, Phil Grande
7. Man With No Eyes / Michael Monroe, Phil Grande
8. Love Is Thicker Than Blood / Martin Briley, Michael Monroe
9. Smoke Screen / Little Steven, Michael Monroe, Nasty Suicide
10. Thrill Me / Michael Monroe, Phil Grande




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月16日木曜日

Bill Evans Trio / On a Friday Evening

 

 1975年6月20日のカナダ・バンクーバーでの完全未発表ライヴ音源で2021年の6月18日に日本先行リリースされたものです。日本は Bill Evans 信者が多いとか、日本人はダウンロードではなくCD購入派が多いとか聞きます。当然、日本人である私は見かけた瞬間にCDで購入しました。
 ライブの会場は、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーの Oil Can Harry's という1968年に設立されたクラブ。このクラブでのライブをラジオで放送された音源で、オリジナル音源が所有者が2回変わってのリリースとのこと。録音状態は良いのに、ステージから比較的少し離れた席で聴いているようなマイク位置で、音量をあげないと臨場感に乏しいところが少し惜しいところでしょうか。そこがライブ盤の良いところかもしれないし、未発表音源なんだから、古びたラジオのような状態の録音のものでもファンやコレクターに響く十分なレベルです。


 ライブの7か月前のヨーロッパ・カナダのツアー中にドラマーの Marty Morell が脱退していて、その後のツアーは Eddie Gomez とのデュエットで後半を乗り切り、1975年1月 に Village Vanguard の録音が Bill Evans Trio での初録音となり以降のツアーに参加しています。そして Bill Evans は、1974年に Milestone から Fantasy に移籍し、1975年に入ってからは歌手Tony Bennett との共作など企画色の強い録音が多くなり、1977年以降 Crosscurrents, I Will Say Goodbye, You Must Believe in Spring など Marty Morell の在籍していたころの緻密な演奏とは違った、空間のある演奏の録音を残しています。



「Sareen Jurer」この曲の Bill Evans の最初の録音は1974年でレパートリーに入って1年ほど。作曲者は Earl Zindars で彼が結婚した時に Bill Evans が付添人を務めるほどの知り合いです。クラシック的な響きのイントロで始まり、テーマはゆったりと幻想的でコードもユラユラと揺れるように上下する。その上をBill Evans が彷徨うようにソロをとり Eddie Gomez もリズミカルに緻密にソロと Bill Evans らしい演奏で良い。
「Sugar Plum」前曲の流れを引き継ぐような曲想で3分ほどのピアノでの独奏が続いてからリズム隊が加わり、べースが主役になります。いい流れです。
「The Two Lonely People」甘いメロディだが物悲しい響きもあるこの曲は Carol Hall からの歌詞を見て作曲されたもので、当時の彼の実生活の心境に近いものとの見方があるようです。曲とは関係は無いのですが、当時 Bill Evans は恋人 Ellaine との不幸で冷え切った関係にあったらしく、作曲し初レコーディングした1971年の翌年に Bill Evans は新しい恋人と付き合い Ellaine は地下鉄に身を投げることになる。そんな話があると知ってこの曲を聴くと題名に付けられた意味なども含めて響きが変わります。
「T.T.T. (Twelve Tone Tune)」Esta Tarde vi Llover 「今日の午後雨が降るのを見た」メキシコが生んだ巨匠、Armando Manzanero アルマンド・マンサネロ氏の1967年作品で、失恋して雨が降るのをボーっと見ているという歌詞の曲です。Morning Glory にも収録されていましたが、こちらの方が激しめでしょうか。雨をボーっと見ているより激しく雨に打たれている感じがします。この曲もベースがカッコ良い。
「Quiet Now」これも Bill Evans が亡くなるまでレパートリーに残り続けたスタンダードで、典型的なイメージ曲です。重層的で美しい曲ですが、感情をこめつつ熱くならならず感傷に流されない演奏です。
「Up With The Lark」晩年のお気に入りだった曲で、1946年に発表されたが、1972年にエヴァンスが発見するまで余り世に知られていなかったようです。音の塊りが躍るようにつながっていくテーマのメロディが印象的で、速めのテンポのワルツしながらスイングしながら軽やかなピアノは聴きやすい。
「How Deep Is The Ocean」ジャズの定番としての長く親しまれている Irving Berlin のスタンダード。イントロから主題に入ってくるとグッとノリが良くなるリズミカルな曲である意味Bill Evans らしくはないけどスリリングさが感じられて楽しい演奏です。
「Blue Serge」トランぺッター Mercer Ellington の曲で、元曲を聴いてみると全く違う明るめの印象の曲で、かなり Bill Evans 流の静かなるリリシズムを加えた曲に変換されています。
「 Nardis」Miles Davis 作曲ですね。Bill Evans は数々のアルバムでこの曲を収録しています。お気に入りの曲なのでイントロのピアノ独奏は長め、Eddie Gomez のアルコのベース・ソロはぶっ飛んで行ってしまっているのが良いです。その後に入ってくるピアノ・ソロはノリが良く熱い感情が見え隠れするのでオッと思えます。


 Bill Evans はリハしない人なので、新しいドラマーの Zigmundは、大きな会場ではビビりながら演奏したとの記述を見ましたが、ここでは、とてもリラックスしたい演奏と思って聴いております。
 ちなみに Eddie Gomez は Bill Evans との演奏歴が長いので実にメリハリのある素晴らしい演奏で、Bill Evans が自分の世界に入ったソロを続けていると、Eddie Gomez も負けじとベースで違う世界に持って行くのも素晴らしい🎶🎹

piano : Bill Evans
acoustic bass : Eddie Gomez
drums : Eliot Zigmund

recorded live at Oil Can Harry's, Vancouver, Jun.20, 1975

1. Sareen Jurer / Earl Zindars
2. Sugar Plum / Bill Evans
3. The Two Lonely People / Bill Evans, Carol Hall
4. T.T.T. (Twelve Tone Tune) / Bill Evans
5. Quiet Now / Denny Zeitlin
6. Up With The Lark / Jerome Kern, Leo Robin
7. How Deep Is The Ocean / Irving Berlin
8. Blue Serge / Mercer Ellington
9. Nardis / Miles Davis



▶ Nardis

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月15日水曜日

Thelonious Monk / Palo Alto

 


 未発表音源の発売と言えば「Resonance」が最近の定番でしたが、これは1968年の録音が2020年に創立60周年を迎えたジャズの名門「Impuls!」からの発売です。正式な録音でないのですが海賊盤よりもはるかに音は良くて十分聞けますし、ラフな録音がかえって臨場感を増しているような気がします。内容的にもモンクを既に知っている人にも、知らない方にも聴いていただきたい実に楽しい演奏です。

 

 録音された場所はシリコンバレーのはずれにあるカルフォルニア州パロアルトの高校。キング牧師の暗殺は1968年4月4日。米国は国内で多くの都市で怒りに包まれたアフリカ系アメリカ人による暴動が巻き起こったり人種差別に揺れていました。そんな中ジャズを通して人々の結束を願う一人の男子高校生の思いに応えてモンクは高校の学内コンサートに出演のオファーを受けたそうです。熱いオファーを送ったのは少年は当時16歳のジャズをこよなく愛していたダニー・シャー氏、そして録音は高校の用務員のおじさん。1968年の10月27日にライブは行われ、音源はこのライヴの発案者のダニー・シャーの自宅屋根裏で保管されていて、その保管されていた音源が52年後の2020年に発売となったわけです。
 当時の時代背景とかオファーからライブの状況までは、ライナーノーツに英語で、びっちり書かれていました。字が細かすぎて読む気になれなかったのですが、スキャンした画像を、AI(Gemini)にテキスト化するプロンプトを入れるだけ。今まではスキャンした画像をネット上にある無料のオンラインOCRでテキスト化して、無数にある誤字脱字、空白のテキストを手作業で埋めていく膨大な作業でやる気が起きなかったのですが、AIで手間が大幅に省けるようになったので、無料で利用できる AI の賢さと便利さに喜んでおります。

 

「Ruby, My Dear」会場から沸き起こる拍手。メンバーの音出し。これからライブが始まるドキドキ感がいったん静まって曲が始まる。Charlie Rouse のサックスが淡々とテーマを吹き、Monk は、しっかり力を込めたコードを叩きこむ。Ben Riley がブラシワークでドンドンリズムを曲に吹き込んでいくと出だしは上々です。Ruby は Monk の最初の恋人の名前で、この曲は Monk のライブでの鉄板のナンバーだったとのことです。
「Well, You Needn’t」1940年代に作曲された Monk のスタンダード曲。1曲目も良かったですが、ここでバンドはテンポ早めで調子を上げてきます。テーマが終わると Charlie Rouse のサックス・ソロになりますが、1曲目よりも独創性のあるソロを Monk の伴奏に合わせて展開し、ベース・ドラムのリズムセクションも Rouse を煽り Monk のピアノソロにつなげ、Monk もリズミカルな熱いソロ、そしてこの曲の聴きどころと思われる Larry Gales のにアルコ(弓弾き)ソロは、アップテンポな曲に合わせてのリズミカルなソロ。アルコのソロはノペっとしてつまらないものが多いのでこのダイナミックさは聴いていて嬉しい。メンバーはノッてきているので Ben Riley も曲調を変えずにリズミカルで激しいドラム・ソロと「熱い」です。
「Don’t Blame Me」1963年以来定期的に演奏されていた古典スタンダード。Monk の独奏で、リズムが跳ねていながらも、いつもの独特のストライド・ピアノ・スタイルで聴いていて楽しくなる演奏です。ピアノの椅子のきしむ音も録音されていて Monk が鬼の形相で体を揺さぶりながら演奏していたのだろうと想像できます。ライナーノーツでは「きしむ音で演奏が損なわれている」ような解説が書かれていますが、私はリアルでかえって良かったなと思います。
「Blue Monk」単純明快だが Monk らしさの塊りの曲でセッションなどでも、よく演奏され世に愛される名曲です。イントロは、ピアノのみで軽くグルーブをつくり、ベースとドラムが参加してバンド演奏としての一体感を出しサックスのソロ。単純な曲なのに慣れすぎているのか、いまいち振り切れていない感あり。リーダー Monk のソロは、録音の音が少し小さいのが気になりますがマイペースで突っ走り、ダブル・ストップを繰り返し連発するリズム&ブルース感あるソロ、カリンバ的な音の羅列など自由なソロで、さすがリーダー。続いてベースソロ、ドラムソロの個人技の時間ですが、他の楽器は鳴っていなくても曲が進行しているのが理解できるわかりやすいソロなのが、かえって好印象です。
「Epistrophy」1941年に、ドラマーの Kenny Clarke と ハーレムのミントンズ・プレイハウスのハウスバンドで働いていた時に共作した曲で、Monk のライブのセットの締めくくりは、この曲が多かったようで、抽象的な音階のテーマは不思議な魅力。今回は非常にエネルギッシュな演奏でグイグイと聴いている観客を引っ張っていく躍動感、Monk の暴れるような感情のこもった演奏とバンドの力のこもったエンディングは聴いていて爽快。
「I Love You Sweetheart of All My Dreams」総立ちになってヤンヤの喝采の聴衆に最後おまけプレゼントをピアノ独奏お届けしています。静かにピアノを弾き始めると客はうっとり。1分ほどで直ぐに殴りつけるようにコードを叩いて演奏は終わりますが、この短さでも満足度高し。没入すれば音を聴きながら見ているような感覚になれます。

 モンクの代表曲ばかりで安心して楽しめるところと、このカルテットの良さがと充実ぶりが非常によく伝わる名演。これはいつもの「おでんバー」のマスターも気に入ったので、お店のハードディスクに格納されたのもうれしいところ。この音源が録音された1968年の時代背景を先に書きましたが、この録音が発売された2020年は未だ人種差別問題がくすぶっていました。しかし2026年の現在、キング牧師が亡くなった1968年から、58年が経過し人種差別をめぐる不幸な報道が、やっと最近は少なくなってきたように思います。意識改革が進むのには長い年月がかかることと改めて思います🎶🎹

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charlie Rouse
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley

producer : Grand Mixer DXT, Danny Sher, Douglas Holloway, TS Monk
recorded at Palo Alto High School on October 27, 1968.
analog tape restoration by Kevin Przybylowski at Sonicraft A2DX Lab, Red Bank, NJ.

1. Ruby, My Dear / Thelonious Monk
2. Well, You Needn’t / Thelonious Monk
3. Don’t Blame Me / Dorothy Fields, Jimmy McHugh
4. Blue Monk / Thelonious Monk
5. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
6. I Love You Sweetheart of All My Dreams / Art Fitch, Bert Lowe, Kay Fitch

▶ Palo Alto (Mini Documentary)

▶ Thelonious Monk Quartet in Poland April 1966

.

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月14日火曜日

Donald Byrd / Byrd In Flight

 

 もっとジャズ・トランぺッターを聴いてみようと思って、開拓の意味も込めて聴き始めたのDonald Byrd が増殖し続け、多分これで20枚目になります。いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」の常連達も、定期的に Donald Byrd を持ち込んで聴かせ続けていたら、最初は無反応だったのに、これは面白いとか、あっちの方が良かったとか反応が返ってくるようになっているのが嬉しい今日この頃です。私自身はジャズ・ファンク期の方が最初は好きだったのですが、最近はハード・バップの時期の方を好んで聴いているような気がします。


 デビューアルバムの Byrd Jazz が1956年 発売、Byrd In Flight が1960年。ブルーノートからはリリースは3枚目で、デビューから5年の間に、なんと15枚のアルバムの多作タイプでデビュー作含めて未購入がマダマダありますので、今後もじっくりと楽しんでいきたいです。
 さて、1、4曲目が 1960年1月25日、3曲目が1月17日に録音で、トランペット Donald Bryd、ピアノ Duke Pearson、ドラム Lex Humphries の固定メンツに、ベース Doug Watkins、テナーサックス Hank Mobley での演奏。そして2、5,6曲目が1960年7月10日の録音で、固定メンツに、ベース Reginald Workman、アルトサックス Jackie McLean でのいずれもカルテットでの演奏となります。


「Ghana」Bryd 自身の作曲で、イントロとテーマはリズミカルで泥臭いコテコテのラテン。ソロからはハードバップなジャズとなる名演でアルバムで一番キャッチーな仕上がりかも知れません。Bryd が伸びやかに優雅に Duke Pearson が知的でクールに、Hank Mobley が落ち着い端正なテナーでのソロ、Lex Humphries が、やや興奮気味の情熱的なドラムソロで2回目のテーマにつなげる、エンディングはフェードアウトでいつまでも続く演奏の演出です。
「Little Boy Blue」は、リーダーの Bryd が主演のバラードで、抑揚のつけ方が素晴らしいほれぼれの演奏。Bryd は近くで演奏してくれていて Duke Pearson は、少しは離れた場所でピアノを演奏しているような録音の仕方も心落ち着きます。
「Gate City」は、Duke Pearson 持ちこみ?作品で、他アルバムでは Gate City Blues と Blues が曲名に。まあブルースなんで、あのブルースをちょっとセッションしてみようぜ的な軽い演奏。
「Lex」は Bryd の自作曲、流れるようなテンポで、ややファンキーなハード・バップで、カッコ良い系です。緊張感無くこむずかしいところなく自然体で、適度に聴いていて楽しいのが一番です。Hank Mobley、 Duke Pearsonのソロもクール過ぎず熱すぎずで適温。良いけど、どこかでぶっ壊れてくれた箇所があっても楽しんですがそれは無し。
「Bo」は、スローテンポの Duke Pearson のバップ作品。これもぶっ壊す適なところは一切なく理知的な演奏で、1曲目の Ghana が恋しくなってきた。
「My Girl Shirl」の最後も Duke Pearson 作品です。このアルバム6曲のうち半分の3作品提供ですから頼れる兄貴です(本当に兄貴分かはわかりませんが、この録音時で Byrd 28歳、Pearson 28歳の誕生日で3か月差の若干だけ Pearson アニキでした)最後は少しにぎやかな感じではありますが優等生的でスリリングさは無しです。
 良質で平均点以上のアルバムですが、盛り上がりはしません。 Byrd は総じてそのような傾向な感じもします。ファンク作品の方が熱いですが、最近はこっち系の方が好きかも🎶

trumpet : Donald Byrd
piano : Duke Pearson
bass : Doug Watkins (1, 3, 4), Reginald Workman (2, 5, 6)
drums : Lex Humphries
alto sax : Jackie McLean ( 2, 5, 6)
tenor sax : Hank Mobley (1, 3, 4)

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
recorded on January 17 (3), 25 (1, 4) & July 10 (2, 5, 6), 1960.

1. Ghana / Donald Byrd
2. Little Boy Blue / Lorenz Hart, Richard Rodgers
3. Gate City / Duke Pearson
4. Lex / Donald Byrd
5. "Bo" / Duke Pearson
6. My Girl Shirl / Duke Pearson

▶ Ghana


▶ Lex

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月13日月曜日

The Baker Brothers / Hear No Evil Hear


 UK発のジャズ・ファンク・バンドで、結成は 兄 Dan Baker(ダン)と弟 Richard Baker(リチャード)の Baker 兄弟、Chris Pedleys のトリオ編成としてスタートし、サブ・メンバーとして、サックスの Paul Young がサポートしていました。2010年にダンは脱退し、新ギタリストにGeoff Lai、2011年にはリチャードも脱退。バンド結成時のオリジナルメンバーは Chris Pedley のみとなってしまって「ベイカー兄弟」がいない「The Baker Brothers」になったのは Time To Testify (2011) からで、このアルバムは2014年の新メンバーでの録音の2枚目のアルバムとなります。 バンド通算としては9枚目のこの作品は、いつもにも増してファンクな歌物が中心、ホーン部隊もビシッとテンションを上げてくれて、爽やかなボーカルでゴリゴリな側面は少なくなりキャッチーな作風の作品が多いアルバムです。

「 Intercontinental Flower Power」オープニングは、ギターの Geoff Lai、テナー・サックスの Paul Young のロジカルに感じるテーマのメロディーをユニゾンで決めるインスト・ファンク。軽めのサウンドですが、今までの Baker Brothers も感じさせてくれます。
「New Way Of Thinking」リフ、ボーカルのメロディーに関しては Baker Brothers のそれですが、これも2曲続けての軽めの音作りでなので、これが今回のアルバムのコンセプトなんだと理解。悪くは無いんだが、何かシンプルさばかり気になります。
「Cherry Wine」これも軽めのボーカルものではありますが、ノリはいつもの Baker Brothers の、いつもの Baker Brothers を期待している部分もある私、少し安心してきました。
「Kiss Of Life」親分になった Chris Pedley とギターの Geoff Lai の共同作品。最初のボーカル部分を作ったのは Geoff Lai で、おそらく途中から Chris Pedley の持ちネタを合体させているような感じがします。後半は Chris Pedley パターンで盛り上がっていきます。ドラムソロのあたりの往年のパターンのところが気持ちあがります。
「Push」この曲もKiss Of Life と同様に、いつも雰囲気と違うので、ギターの Geoff Lai の色が強く出ているのではないかと思われ、らしくは無いですが良い風がバンドに入ってきたと思います。イントロのギターのバッキングが、カッコ良くて曲中でも使われているのですが、ボーカル曲なので曲中で埋もれてしまうような音編集なのが、ギター弾きのヤジオとして惜しいところ。
「Just Try Now」1分59秒のスローなボーカル入りファンク・ロック曲です。ライブとかで同じような尺で使って次の曲とのつなぎ的に使える楽曲と見た。
「Breathe Fire」オールドなファンク・ロックな感じがするが、曲のアレンジは王道ではありますが古くはない。きっとライブではテンポ・アップさせてノリノリになるんだろうと想像でき大変良いと思いました。
「3 Hill Climb」テクニカルに聴こえるベースとギターの単音ユニゾンのイントロのバッキングが好きです。全体的には垢ぬけたサウンドを狙いつつも、そこまでいかないもどかしさが良い。
「 Love’s Atonement」古臭いボーカル・メロディーで、シャンソン風のニュアンスが香ります。うーん新しいかもしれません。
「Ring True」スライ風とモータウンサンドが混じっている好物であり、キメの部分はしっかり Baker Brothers 得意技のパターン。いや BS&T あたりの技を取り入れているのか。やばいこのパターン大好物だ。
「Sow And Reap」どこかで聞いたことがあるリフ・パターンは、確かファンカデリックの子供の声がサンプリングして入れてあるラップだったはず。曲名までが出てこないですがあの曲も好き、これも良い。段々このアルバムが面白くなってきた。
「Dancing With My Mates Till Dawn (Bonus Track)」元気印なジャムソング的 Baker Brothers お得意の伝統的パターン。ボーナストラックだし、ここら辺は従来のファンへのサービス曲のような感じですね。
「Big Guns」イントロで古いアメリカ映画の曲でも始めたのかと思ったら、残念ファンクになってしまいました。いや途中のサビでも繰り返しきました。エンターテイメント性溢れる、」メンバーが楽しんでアレンジしたのがわかります。力の入った暴力的なボーカル、最後のオクターバーで低音を強調したギターは、女性がドラムのギターとの二人のバンドのあれです。あれ・・・思い出せない。
 最初に聞いた時には、変化に戸惑いて Baker Brothers らしくなさに「つまらん」と思っていましたが、聴き直せば楽しみどころもいっぱいあるアルバムでした🎶

bass, Mellotron, lead vocals : Chris Pedley
guitar, vocals : Geoff Lai
drums, Backing vocals : Ted Carrasco
tenor sax, electric piano , vocals : Paul Young
trumpet, flugelhorn, electric piano , keyboards : Scott Baylis

producer : Chris Pedley (13), Keiron Bailey (13), The Baker Brothers (1 to 12)

1. Intercontinental Flower Power / Chris Pedley
2. New Way Of Thinking / Chris Pedley
3. Cherry Wine / Chris Pedley, Ted Carrasco
4. Kiss Of Life / Chris Pedley, Geoff Lai
5. Push / Chris Pedley, Geoff Lai
6. Just Try Now / Paul Young
7. Breathe Fire / Chris Pedley, Geoff Lai
8. Hill Climb / Chris Pedley
9. Love’s Atonement / Chris Pedley, Geoff Lai, Paul Young, Ted Carrasco
10. Ring True / Chris Pedley
11. Sow And Reap / Chris Pedley
12. Dancing With My Mates Till Dawn (Bonus Track) / Chris Pedley, Paul Young
13. Big Guns / Chris Pedley, Geoff Lai, Kieron Bailey

▶ Push



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。