わたくしにとって、ジャズ・フュージョンの教科書のようなアルバムです。高校時代には、ロック小僧だった私が、やたらギターがうまい人が弾いていた新人歓迎ライブを見て、腕を磨きたいとジャズ研に入ったは良いのですが、別にジャズが好きなわけでもない、フュージョンが好きなわけでもないので、その手の音楽は、ほぼ聞いたことがない状態での入部。
最初に組んだ新人だけのコンボでは、当時はやりのナベサダの曲を題材にして、まずはコピーから入るものの課題曲にギターは録音されていなかったし、なによりロック小僧にとっては退屈な音楽でロックコードなんて使っても曲にはそぐわない。リーダーのテナーサックスの女性に、「ちゃんと練習してきてね」なんて注意されるが課題曲にギターは収録されていないのでコピーして練習することもできないので、こちらも不満がつのるばかり。
ジャズ研の内部では、気の合うメンツがいれば、いくつでもコンボを作れるし、離れたところにあるボロボロの昔の木造校舎の中にあった練習場所は、空調はないもの練習はし放題なので、5個の位のコンボを掛け持ちしてビッグバンドにも参加している先輩もチラホラいらっしゃいます。そうだ、オレも何か面白そうなバンドを探してコンボを作ったら良いじゃんいと思って良い題材を探していました。あるときドラマーの家に行って、いつものように飲んでいるとこれが置いてあって、ジャズっぽくソウルやブルースが強く感じられる演奏です。
そこで、これだ!と思って自分も購入したのがこのアルバム。でも Gadd Gang の楽曲コンボを作ることは出来ずに学生生活は終了しましたが、フュージョンへの入口となり、そこからのジャズへの入門となったことは間違いありません。
数多くのセッションで正確無比な緻密なプレイの Steve Gadd、個性派キーボードのRichard Tee、さりげなく、なでるような、いぶし銀のギターの Cornell Dupree。そして、数多くのガチ系ジャズの Eddie Gomez が加わって結成されたスーパーがつくフュージョン・バンドです。Staff ではベースは Gordon Edwards に変わります。
Watching The River Flow ボブ・ディランのカバー。直球ブルースの4ビート。リラックスした感じだが一糸乱れぬ統率感があるのは Steve Gadd のきっちりドラムに起因するんだろうと思いながら、Cornell Dupree のギターはやっぱりいぶし銀が似合うとか思いながら、改めて聴き始める。
Strength 静かに始まってつまらん系バラードかと思えば、ポップ、ファンクに表情を次々に変える編曲の妙が印象的な曲です。
Way Back Home クルセイダーズのカバー。で大好きなヤツ。わたくしの好きな Richard Tee のオクターブで低音からコードをスライドさせる奏法が、これでもかと入ってます。
Morning Love ガチジャズの Eddie Gomez の作曲が、とてもフュージョンとマッチして、アコースティック・ベースをメロディー楽器にして、しなやかなソロが奏でられながらもフュージョン色が強めのナンバー。Richard Tee のアレンジで一味違った空気感も良い。
Duke's Lullaby 4分間のドラム・ソロで正確なリズムとバカテクです。この Gadd Gang を教えてくれたドラマーは、このソロ曲をコピーしようとしてましたが、このクオリティは無理と破綻してましたっけ。
Everything You Do 久しぶりに聴いたら、ボーカルが入ってるって忘れてたなと思い出しました。フュージョンアルバムにある歌ものはやめて欲しいと思うけど、このたどたどしい Tee の ボーカルは、まああアット・ホームな感じで箸休めにはなるか。
Honky Tonk / I Can't Stop Loving You ザ・ブルースのメドレーに形式で最後にふさわしくゴージャスにってヤツです。よく見たら David Matthews が、ピアノ弾かずにアレンジを担当してるのに今更気づきました。
いやいや相変わらず懐かしくて良いですね。心して聴くというより、昔のカセットデッキでテープをガシャっと入れて聴いてる感じ、となりのオジサンのバンドを聴いてるぐらいの気軽さがあるような気がします🎶
drums : Steve Gadd
guitar : Cornell Dupree
bass : Eddie Gomez
keyboads : Richard Tee
bariton sax : Ronnie Cuber (1, 3, 7)
trumpet : Jon Faddis (7), Lew Soloff
trombone : Barry Rogers (7), David Taylor (7)
tenor sax : Michael Brecker, George Young (7)
producer : Kiyoshi Itoh
recorded at : Record Plant, N.Y.C.
recorded and mixed in June and August, 1986 by using SONY 3324 Digital Recorder.
1. Watching The River Flow / Bob Dylan
2. Strength / R. McDonald, S. Gadd, W. Salter
3. Way Back Home / Wilton Felder
4. Morning Love / Eddie Gomez
arranged by : Richard Tee
5. Duke's Lullaby / Steve Gadd
6. Everything You Do / Richard Tee
vocals : Richard Tee
7. Honky Tonk / I Can't Stop Loving You / B. Doggett, B. Butler, C. Scott, D. Gibson, E. Grover, S. Shepard
arranged by horns : David Matthews
tenor sax : George Young, Michael Brecker
trombone : Barry Rogers, David Taylor
trumpet : Jon Faddis, Lew Soloff










