2026年11月6日金曜日

Kiss / Alive!

 

 このアルバムの方が好きで若い頃にはラジオからカセットに録音してずっと聴いていたアルバム「地獄の狂獣 キッス・ライヴ」ALIVE! は1975年の作品。もともとは大人になってから懐かしいなと思って購入した Alive Ⅱ(1977) を聴くたびに「良いんだけど、これじゃないんだ」とフラストレーションがたまり、中古屋で ALIVE!  を探し出して購入したものです。
 初のライブ・アルバムで、プロデュースはジミ・ヘンドリックスやレッド・ツェッペリンを手掛けた Eddie Kramer。ライブは、定番の You Wanted the Best!? You Got the Best! The Hottest Band in the World, KISS!! で始まります。


 このアルバムが発売される1975年に入った時にはツアーにお金がかかりすぎて財政難に陥り、Dressed To Kill を発売するもセールスは最初それほど伸びなかったようですが、地元デトロイトでDJがシングル Rock And Roll All Nite をかけまくってデトロイトで爆発ヒットしてから火がついてアメリカのビルボード誌に初登場で9位、その後トップ200になんと110週ランク・インし続けたというマンモス・ヒットアルバムです。
 そうなんですよね。Rock And Roll All Nite のドラムのイントロを聴くだけで、未だにワクワク感が止まらないず聴いてスカッとします。


 こぼれ話しに戻ります。 ツアーにお金がかかりすぎて所属レーベルの Casablanca Records も資金面でかなり厳しかったのに スタジオアルバム Dressed To Kill がさっぱり売れない。それならライブ盤はスタジオ録音より低コストで済むうえ、バンドの本来の迫力を伝えられるという判断で、やっていたツアーの残りをキャンセルして、地元デトロイトで一番大きな会場であるCOBO HALL でのコンサートを敢行し結果チケット完売。そしてスタジオでのオーバーダブも施して完璧に仕上げて、地元DJの助けもあってアルバムも売れゆき絶好調の見事大逆転となったとのことだそうで、計算しつくされた商業ロックのマーケティングの成功例というよりは、必死の泥臭い興行の結果起きたアメリカンドリームってのがすごい世界で、このアルバムが無ければキッスは存続できなかったと考えるKISS も必至だろうけど Casablanca Records の社長の Neil Bogart も相当必死だったことは想像がつきます。

 
 ジャケット裏にはホールの大きさがわかりコンサートを楽しみ来ているファンの写真です。布に手書きのバンドのイラストのこの女の子二人には一生の記念のアルバムであることも間違いないです。 
 わたくしも、このアルバムを初めて聴いたころは、エレキ・ギターをいつか買うことを夢見ていたフォーク・ギターでロックを弾いていた少年。Cold Gin のリフはよくやってましたがギター・ソロはチョーキングフレーズが多すぎて、フォークではマネできなかったので悔しかった🎶

vocals, guitar : Paul Stanley
guitar, vocals : Ace Frehley
bass, vocals : Gene Simmons
drums : Peter Criss

producer, engineer, mixed by : Eddie Kramer

【Disc1】
1. Deuce
2. Strutter
3. Got To Choose
4. Hotter Than Hell
5. Firehouse
6. Nothin' To Lose
7. C'mon And Love Me
8. Parasite
9. She

【Disc2】
1. Watchin' You
2. 100,000 Years
3. Black Diamond
4. Rock Bottom
5. Cold Gin
6. Rock And Roll All Nite
7. Let Me Go Rock And Roll

▶ Deuce








▶ She







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2026年11月5日木曜日

Frank Gambale / The Great Explorers


 Frank Gambale は、私には全く無縁のギター奏法のスピードピッキングの発案者。この奏法がヘビメタ系ギタリストに普及してからスウィープ・ピッキングと呼ばれ、キラキラのフレーズを全世界に提供しています。Frank Gambale を知ったのは Chick Corea Elektric Band の Light Years (1987) ですが、このアルバムはポップ色が強いのでギャンバレのギターは控え目でした。
 しかしこの作品はソロの通算6作品目の1993年発売のスタジオアルバムで、ロック・リフやペンタトニックとスウィープ・ピッキングを駆使したロック・フュージョン・スタイルのギターでロック・ファンに十分通用する作品です。楽曲は全曲インストで難解なフレーズよりも耳に残るフレーズで非常にわかりやすい。


 ポップで軽めのフュージョンぽいタイトル曲 The Great Explorers、ロック丸出しの Frankly Speaking、伸びやかなギターを聴かせてくれる She Knows Me Well 、頭から弾きまくり具合でリフが気持ちいい Thunder Current、フュージョン・ファンにはアコースティック・ギターが美しい Dawn Over The Nullarbor なんてのもあります。
 当時聴いたときは、なんてロックしてて超絶技巧のギターなんだと驚嘆したのですが、現代のギタリストの スウィープ・ピッキング は、この1993年からは考えられないほど高速化していますので、当時感じていたスピード感ではなく中速程度に感じてしまいますが、考えられたような滑らかなフレーズ、時折見せるジャズ由来の展開などはさすがです。🎶🎸

written-by : Frank Gambale, Gary Hoey (3, 6)
producer, arranged by : Frank Gambale
recorded at Milagro Sound Recorders in Glendale, California; Silverlake Sound Studios in Los Angeles

1. Frankly Speaking
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
2. The Final Frontier
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
organ (hammond B3) : Tom Coster
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
3. The Jaguar
guitar : Frank Gambale
organ (hammond B3) : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
4. The Great Explorers
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
5. Duet Tuet
guitar : Frank Gambale
drums : Jonathan Mover
6. She Knows Me Well
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
7. Thunder Current
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
8. Pathfinder
guitar : Frank Gambale
keyboards : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover
9. Dawn Over The Nullarbor
acoustic guitar, drum programming : Frank Gambale
piano, keyboards : Freddie Ravel
fretless bass : Stuart Hamm
cymbal : Jonathan Mover
10. Cruising Altitude
sitar, keyboards (esquence keys), bass, drums : Frank Gambale
11. Naughty Business
guitar, synth, voice (adrk helmet) : Frank Gambale
organ (hammond B3) : Tom Coster
synth (solos) : Freddie Ravel
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover











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2026年11月4日水曜日

Joni Mitchell / Hejira

 

 1976年リリースのJaco Pastorius 参加で有名な作品で、私も大好きな作品です。他メジャーなミュージシャンでは、ギター Larry Carlton、ビブラホン Victor Feldman、ハーモニカ Neil Young、ホーン Tom Scott なども参加しています。
 タイトルの邦題は「逃避行」で、これは回教の史語で、マホメットのメッカからメディナまでの逃走を示し、イスラム歴はその年から始まることとなっています。その意味として敵対的な環境から逃げるための大きな集団による旅、と Cuerbo には書いてあり、ライナーノーツで、旧約聖書に出てくるエキソダスという言葉が大人数の出発、Hejira は一人一人の逃避であり Flight という意味を持った言葉であると 湯川れいこ氏 は解説しています。


 世の中には、このアルバムの演奏や少人数編成になったことによる今までと違ったサウンド変化への評論は数多く書かれてはいるのですが、Joni Mitchel のこのアルバムを作った意図についての解釈を説明するものが見つけられませんでした。

 そこで、ライナーノーツを読むとJoni Mitchel の意図というよりは、楽曲の構成とコンセプトの関係性についての説明が書いてありましたが、単純な説明ではなく非常に難解でした。

 タイトル曲で「Hejira」も入っていますが、まず「Flight」 というキーワードが出てきます。「Flight」の意で「Amelia」 が女流飛行士で太平洋上で消息を絶った人の歌となっています。そして「Black Crow」は何でも光るものをついばむカラスを自分に見立てて自分も何かを見つけて青い空に飛んでいると歌っています。「Hejira」は、色々な乗り物に乗って旅をして、珈琲ショップに座って、と 「Flight」 という単語は出てきませんが、フワッと浮いて物事を見つめているような浮遊感のある歌となっています。また旅の生活を歌った「Blue Motel Room」は 「Flight」 と 「Hejira」の意味が強くメッセージされています。ラストの「Refuge Of The Roads」では、まだまだ車に乗って旅を続けていくことが描かれて、このアルバムが終わっています。

 ということは、もともと「逃走」「逃避」の単語の意味ではあるものの、邦題は「逃避行」というよりは「心の旅」ということが、このアルバムのメッセージのような気もします。邦題は、直訳のようであり惜しい意訳と思われますが、このアルバムの発売は1976年。日本のフォークバンド、チューリップの大ヒット曲「心の旅」の発売は1973年。まあ「心の旅」の邦題をつけるのはセールス的には得策ではないか、などと以前聴いたときに、書いたことなどを整理して編集しながら再度このアルバムを聴いています。

 コンセプトのあるアルバム作りは素晴らしいことは頭の中で理解しましたが、何より Jaco を従える Joni のサウンドがたまらないし Jaco はバックボーカルのようにベースで歌っているし、決して作りこまれていないジャム的なサウンドにも大きな魅力を感じます。そして、なんといっても、このアルバムの Joni は凛々しくてカッコイイ🎶🎸


recorded at A&M Studios

1. Coyote
vocals, rhythm guitar : Mitchell
bass : Jaco Pastorius
lead guitar : Larry Carlton
percussion : Bobbye Hall
2. Amelia
vocals, rhythm guitar : Mitchell
lead guitar : Larry Carlton
vibraphone : Victor Feldman
3. Furry Sings The Blues
vocals, guitar : Mitchell
bass : Max Bennett
drums : John Guerin
harmonica : Neil Young
4. A Strange Boy
vocals, rhythm guitar : Mitchell
lead guitar : Larry Carlton
percussion : Bobbye Hall
5. Hejira
vocals, guitar : Mitchell
bass : Jaco Pastorius
clarinet : Abe Most
percussion : Bobbye Hall
6. Song For Sharon
vocals, guitar : Mitchell
bass : Max Bennett
drums : John Guerin
7. Black Crow
vocals, rhythm guitar : Mitchell
lead guitar : Larry Carlton
bass : Jaco Pastorius
8. Blue Motel Room
vocals, electric guitar : Mitchell
acoustic guitar : Larry Carlton
bass : Chuck Domanico
drums : John Guerin
9. Refuge Of The Roads
vocals, guitar : Mitchell
bass : Jaco Pastorius
drums : John Guerin
horns : Chuck Findley, Tom Scott

▶ Coyote

▶ Amelia



▶ Hejira




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2026年11月3日火曜日

Herbie Hancook / Speak Like A Child

 

 それまで聞かず嫌いだった Herbie Hancook を聴き始めるきっかけのアルバムです。なにしろジャケットが好印象、中身も素敵な Speak Like A Child は、Herbie Hancook が1968年に発表したアルバムです。1965年からベトナム戦争が本格化して1968年にはキング牧師の暗殺された年の録音で、アメリカ音楽を時代背景を考えながら聴くうえで重要な年代になります。
 このジャケ写は婚約中の Herbie Hancook とGigi  Meixner のシルエットで、いかにも平和なこのジャケットのアルバムは「innocence and naivete」がテーマで、Herbie は子供、少年、少年時代、そうしたものを題材に曲を書いています。書き下ろしではない作品としては Miles 作品で既に演奏されている The Sorcerer (魔法使い)がありますが、子供にっとって不思議な存在であることを考えればこれはコンセプトに沿った選曲。しかし Miles 作品で既に演奏されたことのある 1曲目の Riot(暴動)は、曲名からわかるように innocence の対極にあります。これは、録音された時代背景の、当時の現実社会の戦争、暴動、弱肉強食の金融界などへのアンチテーゼを、あえて裏テーマとして表しているような記事を見たことがありますしライナーノーツにも似たような解釈が書かれている記事を見たことがありました。以来 Herbie がそう語ったとは書かれていなかったもののそういった解釈をしていました。
 が、しかしです。今回の再聴にあたり、原盤のライナーノーツの細かい字を読んでいたら何やら、今までの認識と違うことが書いてある。

The first number, Riot, was recorded originally by Miles Davis. "When I listened to the record," Herbie said, "it sounded like a riot to me with regard to the emotions being expressed. This version, however, is less riotous. It does contain an element of turmoil, but it's there more as an undercurrent than on the surface. Incidentally, when I wrote this song, I wrote the melody first and then I added the harmonies I wanted underneath. I suppose I heard them vaguely in my head from the beginning. I just had to find them." 

つまりは、Miles の録音当時は、暴動(Riot)のように聞こえたが、今回のバージョンは、そこまで暴動的ではない。と本人が語っている。つまり、時代背景を踏まえたアンチテーゼは、リスナー側の誇大解釈で、作者本人にとっては純粋に「innocence and naivete」を表し、婚約者との幸せ絶頂の幸福感を詰め込んだアルバムであるということが今更に判明。

 
 最初にこのアルバムを聴く前の私の Herbie Hancook のイメージはゴリゴリのハード系の電子音楽だったので、このアルバムでイメージが一新されたことを覚えています。以降、Speak Like A Child以前の作品では Takin' Off (1962), Inventions & Dimensions (1963), My Point Of View (1963), Empyrean Isles (1964), Maiden Voyage (1965)  以降では、Fat Albert Rotunda (1969), Head Hunters (1973), Quartet (1981), Future Shock (1983), Herbie Hancock and Wayne Shorter / 1+1 (1996) など増え続けています。ただ Future Shock については、Herbie Hancook の聞かず嫌いの元凶だったので、中身はわかってはいたものの、怖いもの見たさに購入して記憶どおり以上の内容にそれ以降ほぼかけていません。

Riot スリリングな疾走感でピアノが突っ走りホーンが合いの手を入れる。「innocence and naivete」がテーマにしては曲名とイメージが合致しないのと思いますが、そうではないと作曲者本人が言っているのだからしょうがない。好きな曲ではあります。
Speak Like A Child  ボサノバのリズム、叙情的なピアノと控えめなホーンのアンサンブルは素晴らしい。清々しさの中に、独特のロマンを感じさせる演奏だと思う。
First Trip  Ron Carter の息子が初めて学校に通うことになった日の様を音楽で表現したスインギーな曲。比較的穏やかな表情をしてはいるのですが大胆なプレイで、ホーン部隊は参加しません。
Toys ブラス・アンサンブルがほわっとするテーマに、一転してファンキーなタッチも駆使しながら変幻自在なフレーズを積み重ねていくピアノソロが素晴らしい。
Goodbye To Childhood  これも幻想的なブラス・アンサンブルのテーマでホンワリさせて、更に幻想的なじんわりとピアノの響きが堪能できる曲で。Toys とつながっているかのような感じがします。
The Sorcerer  これはハービーがマイルスにつけたあだ名でもあるとのこと。Miles Davis / Sorcerer のタイトルでもありますが全く違う曲に聞こえます。もしかしてライナーノーツのインタビューでの Riot のことは、The Sorcerer のことと間違えて書いてしまったとか?ないでしょうか

アルバムの楽曲は基本ピアノ・トリオの演奏で、ソロは Herbie Hancook のみでブラスは曲の色付け程度に控えめで、全体的にしっとりと淡いく感じます。私の中のハービーのイメージが変わりました中々の作品ではないかと思います🎶🎹

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Mickey Roker
flugelhorn : Thad Jones
alto flute : Jerry Dodgion
bass trombone : Peter Phillips

producer : Duke Pearson
photography by (cover photo) : David Bythewood
recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on March 6 & 9, 1968

1. Riot / Herbie Hancock
2. Speak Like A Child / Herbie Hancock
3. First Trip / Ron Carter
4. Toys / Herbie Hancock
5. Goodbye To Childhood / Herbie Hancock
6. The Sorcerer / Herbie Hancock

▶ Riot




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2026年11月2日月曜日

George & Ira Gershwin / Oh Kay! (Orchestra Of St. Luke's)


 ジャズ作品を聴いていると、やたら出てくるGershwin ですが、あまり知らなかったので、勉強のためにと中古屋で購入してみた作品です。作品自体は、1926年ブロードウェイミュージカルの St Luke's Orchestra の演奏によるアルバムです。作曲は弟 George Gershwin で、作詞は兄 Ira Gershwin。ロシア・ユダヤ系移民の息子として、アメリカニューヨーク系で生まれ、弟がメキメキピアノが上手になりお株を奪ってしまい兄は沢山の作詞をし、弟が曲を書いたとのことで有名なお二人です。


 ただわたくし音楽好きではあるんですけど、ミュージカルとか演劇系は見に行っても、ほぼ寝てしまうタイプの男で、その音楽は別だろうとは思うのですが何故か興味がわかないのです。またオーケストラの演奏なども、かなり良い睡眠剤になってしまう人です。なので、このアルバムも勉強のために購入したのではありますが、ほぼ心に残っていないので購入してから聴くのは、確か3回目ぐらい。これを書いている今は4回目です。

 3回目は、いつもの行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」でした。昔聴いても、ほぼ感動しなかったアルバムの良さを店の音の良いオーディオで聴かせてもらって発見することが多いので、最近は、購入してから全く聴いていない存在をほぼ忘れているアルバムを持参していくことが多くなっています。
 フードコーディネーターと食育ソムリエの資格を取ろうと定年してから通っている調理学校の仲間と、学校の近くで帰りに飲んでからの「おでんバー」は、2軒目なので少々酔っ払い気味です。いつも到着時間が遅くなってしまったのですが、気分良く店のドアを開けると先客が何人かいらっしゃいますが、私は初めてお会いする(のはず)少し若めの男性二人組の横に座らせていただき、マスターが何か持ってきた?と言われたので、このアルバムをかけていただくことにします。前に聴いた時は全く興味がわかずに聴きながら吞みながら寝てしまったアルバムであることを話しながらワイワイしゃべっていると、隣の男性から「これ良いですねえ」との感想をいただきます。「踊っているところは、これを聴いていても見えてこないけど聴いていると・・・」わたくしも酔っていたので細かいところは思い出せないが「なかなかツワモノの洞察力と見解」に若いけど教養深いねえとそこから色んなことを話していたのですが、話しも知的で飲んでも分をわきまえている好青年、ダンサーであるマスターの奥様のことも知っている様子。そこで舞台関係者であることは、さすがに察知します。

 そして途中で現れた常連のカメラマン女子。彼らと飲んだことはあるらしい。しばらく皆でしゃべってから、彼らは先に席を立たれたので「またね若い衆、がんばれよ」みたいな感じで別れました。するとマスターから、あの人「世界の〇〇で、〇〇を〇〇〇」に出てた「森〇 〇〇」だよ。と告げられました。途中で舞台関係の仕事の方とは気づいたので売れない俳優でもやっているのかと思い、そこら辺を少し突っ込んで聞いたような気もします。そんなプロだとは思いもしなくて、何か素人がぶってしゃべっていたこともあったかと思います。いやいや何やら恥ずかしい気分。マスターは私が気づかずにしゃべっているなとニヤニヤしていたようで(ですが失礼にあたる発言は無かった模様)、カメラマン女子も、なごんだ雰囲気に、私が今日が初顔合わせしたとは気づかなかったようです。

 この店、通常はカウンターで音楽を聴きながら各人が仲良くなっていくシステムなので、優しいプロレスラー、やたらと品行方正で常識人なアダルト業界の方、文芸春秋の編集、占いサイトのコメンター、女子フリーカメラマン、中国人美人モデル、韓国人のボンボン大学院生、全国の競艇場をめぐりなら旅行をするのが趣味な金融マン などなど人との出会いも楽しいお店であります。


 正直、このアルバムの良さはわかりませんが、心に余裕のある時にポカポカした部屋で静かな気持ちで、本でも読みながらかけるのはアリです。そして音楽の中身よりも、これを店で聴いたときにこんなことがあったなあと思い出せるアルバムになったのは何より🎶

orchestra : St Luke's Orchestra
conductor : Eric Stern

Music By : George Gershwin
Lyrics By : Ira Gershwin

1. Overture
2. The Moon Is On The Sea
3. When Our Ship Comes Sailing In
4. Don't Ask
5. Someone To Watch Over Me
6. The Woman's Touch
7. Dear Little Girl
8. Maybe
9. Clap Yo' Hands
10. Do, Do, Do
11. Finale Act I
12. Entr'acte
13. Bride And Groom
14. Ain't It Romantic?
15. Fidgety Feet
16. Heaven On Earth
17. Finaletto Act II, Scene 1
18. Dance Specialty
19. Oh, Kay!
20. Finale Ultimo

包み込みような優しさが感じられる名園

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2026年11月1日日曜日

Tommy Flanagan / Let's

 

 このアルムを購入したころに、私が聴いていたTommy Flanagan の参加したアルバムは Kenny Burrell / Jazzmen Detroit (1956)、Kenny Burrell With Coleman Hawkins / Bluesy Burrell (1963)、Kenny Burrell& John Coltrane (1958) の Kenny Burrell 系、そしてJohn Coltrane の John Coltrane / Giant Steps (1959) 、Wes Montgomery の The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery (1960) でしたが、リーダーアルバムを持っていなかったので何か聞いてみようと購入したものです。今考えると地味なアルバムを購入した気がしますが、それ以来リーダーアルバムや参加アルバムは、かなりの増え増えています。その後のアルバムでエピソード含めて印象深かったのは、うまく弾けなかった Giant Steps へのリベンジ Tommy Flanagan / Giant Steps (In Memory Of John Coltrane) (1982) でしょうか。
 
 このアルバムは Tommy Flanagan の出身にまつわる作品です。1930年のデトロイト生まれで1945年に15歳でプロ・デビュー。その後デトロイトのジャズ・クラブの Blue Bird Inn では、Paul Chambers、Kenny Burrell、Thad Jones、Tommy Flanagan が入れ替わりでセッションをする地元の売れっ子たちになり、デトロイトを離れたのは1951年の徴兵で、その後1956年にニューヨークへ進出してきています。
 デトロイト組は仲が良いようで様々なアルバムをセッションしていますが、このアルバムは同じデトロイト出身の先輩であり、ブルーノートデビュー盤でもピアノで参加したたトランぺッター Thad Jones の作品集となっています。Tommy Flanagan はサドの事をトランペット奏者としてのみならず、作曲家としても天才と讃えており、サド作品を集めたアルバムを作るのが夢でもあったとのこと。


Let's 数多くTommy Flanagan はこの作品の録音を残している定番局ですが、テーマ部分でにジャパンフュージョン並みのキメが多い曲です。若干リズムがもたついてしまうように聞こえるところがありますが、そんなことはどうでもよいと弾きまくっています。爽快。
Mean What You Say 出だしはゆっくりと始まり、メロディは軽く流れるだけでなくはっきりした推進力を持って進み、段々と盛り上がり、上質さが漂います。
To You THAD MELビッグバンドの後期に書かれたバラードで、派手さより Flanagan の端正なタッチが曲の輪郭をきれいに見せてくれます。
Bird Song ただの気軽なブルースではなく Thad のメロディ感とブルース感が前に出る1956年の Mad Thad に録音された曲です。はっきりとした旋律の輪郭と整えられたスイング感が気持ち良い。
Scratch 軽快さと都会的なしゃれっ気がある曲です。1曲目から4曲目までで作ってきたトリオの空気を、少しだけ引き締めてくれていて、音を詰め込みすぎず、自然な流れが心地よい。
Thadrack モダンなスウィング感と、少しひねりのある曲で、ビッグバンドで聴いたらまた楽しいことが、このトリオからもわかります。
A Child Is Born Kenny Burrell でも取り上げられているナンバーで、おそらく Thad の作品の中でももっとも広く愛されているバラード寄りの代表曲で大好きな曲です。曲のテーマには、やわらかさや敬意のような空気があり、この曲の持つあたたかさを、派手に盛り上げるよりも静かに歌い上げてくれています。好演です。
Three in One THAD MELビッグバンドの初期に書かれた曲で、味わい深く、品のある演奏が主軸になってアルバム後半の呼吸を整えています。これもなかなかの演奏で後半上がってきます。
Quietude 静けさと落ち着きが中心にある、Thad しい抒情的な1曲で、静けさの中にある品のよさが出ています。
Zec 勢いのあるハードバップ寄りでカッコよい曲です。攻めた曲なのに、聴き味はすっきりしています。
Elusive Elusive は直訳すると「つかみどころがない」「とらえにくい」という意味合いがありますが、少々複雑であるテーマと構成ではありますが、割とスタンダードに楽しい。

1993年のなかなか頑固な感じの硬いタッチで弾きながらも上品であり、凛々しい作品だと感じます。なんというかバランス感覚に優れているピアノで頑固っぽい感じもするけど人情味もあってパンチの聴いたフレーズはとても心地よいです。


 発売は ENJA というドイツのレーベルで、ツアーでドイツを訪れた際に録音するアメリカ人やヨーロッパ在住のアメリカ人ミュージシャン、録音機会に恵まれないベテランミュージシャンなどの録音がほとんどだったのがトミーフラナガンの在籍で世界から注目されるようになったレーベルです。ミュージシャンのクレジットを見ていたら、プロデューサーに Diana Flanagan の文字があります。1989年以降から奥方がマネージャー兼プロデューサーとして勤められているとのこと。2020年4月6日、90歳で亡くなられています。旦那のライブでおしゃべりばかりしている人には鉄槌をくらわした人とのこと🎶🎹

piano : Tommy Flanagan
bass : Jesper Lundgaard
drums : Lewis Nash

all compositions by Thad Jones
producer : Diana Flanagan
multi-track digital recording by Hans Nilsen at Focus Studio, Denmark on April 4th, 1993.

1. Let's
2. Mean What You Say
3. To You
4. Bird Song
5. Scratch
6. Thadrack
7. A Child Is Born
8. Three in One
9. Quietude
10. Zec
11. Elusive

アルバムとは関係ありませんが
怖そうなおばさんのエラとのライブがカッコよくて・・

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2026年10月31日土曜日

Jim Hall / Jazz Guitar


 2013年12月10日に亡くなられてから10年上経ちましたが、そんなに前だったかな?って感じがします。アルバムは巨匠 Jim Hall の1957年録音の初リーダー作です。
 Jim Hall は1930年生まれでこの時 27歳。ですがジャケットの巨匠はだいぶ真面目そうな風貌で27歳よりは貫録がある感じがします。そして後ろで抽象的な Jim Hall のギターを弾く姿のペインティングは John Altoon とのクレジット。1950年代と1960年代のLAアートシーンで抽象画で著名なアーチスト。知的なアート作品である主張を感じます。


 ドラムなしのオールド・ファッションなトリオ編成とシンプルな演奏で何かとてもライトで、あったかい雰囲気が伝わってきます。このライトさの秘密はピアニストの Carl Perkins で、左手に障害を持っている方で、演奏は音数が両手のピアニストよりも少なくなるため、結果全体に風通しのいいライトなサウンドに貢献し、彼のドライブ感のある演奏と軽やかさ魅力をプラスしています。 

Stomping At The Savoy ニューヨークのダンス文化の中心だったハーレムにある有名なダンスホール「Savoy Ballroom」を題材にしたダンス向きの曲で、Savoy Ballroom は、ハーレムでダンス文化の中心だった場所で、ここでは、曲のにぎやかさをそのまま押し出すというより、3人のきれいに呼吸がそろった軽快さを感じます。
Things Ain't What They Used To Be なんでもないブルースですが、音を置く間合いがよく弾き過ぎていないというか、控えめなギター、聴きやすいピアノで派手さは全くないのが、かえって聴きやすい。youTube に Alternate Take があったので聴きましたが、そちらでは、ベースソロがあって、もう少しアグレッシブな感じです。採用テイクのほうはベースソロは無く重めに重心があるような気がします。
This Is Always Carl Perkins のピアノがわかりすく曲を誘導してくれるところに、なめらかなメロディをパキっとした音のギターでなめらかに流し、音数はこれも増やさずにフレーズのつながりで聴かせてくれています。
Thanks For The Memory 前の曲までは、もっさりとしたギターではありましたが、ここでは少しばかり細やかな音です。それに合わせて Carl Perkins のピアノも饒舌になります。Red Mitchell のベースソロはもう少し目立っていただくほうがバランスがとれたような。
Tangerine ここで更に表情が変わります。跳ねたリズムに合わせて Red Mitchell のベースの下支え良い感じになり全体が立体的に聴こえます。
Stella By Star light 映画のためのテーマの 物語っぽい流れ に華やかな表情を出した解釈で、この盤の中でも表情が出ている気がします。やすい曲です。コード感の移り変わりに対して、ホールがどう間を取るかが見どころです。
9:20 Special Count Basie楽団の流れで生まれた1941年のジャズ・スタンダード。テンポ感の良さが楽しい曲で、3人のやり取りが素直に伝わってきます。Jim Hallのギターもリズムを意識した弾き方になりドラムレスの演奏ですがテンポ感があります。
Deep In A Dream かなり歌心重視で、ギターの音の余韻を味わえます。途中までのギターソロで貫いていただいても良いぐらいですが、ピアノが入って伴奏部分が不要になってからのギターの対比も良いは良い。
Look For The Silver Lining 1920年のミュージカル『Sally』で広まったスタンダード。明るく穏やかに上がっていくメロディが良い曲です。派手に盛り上げるより、柔らかいフレージングと余白で曲の良さが出ています。
Seven Come Eleven 最後にしかけてきていたのを、これを再度聴くまで忘れていました。もともとは Charlie Christian と Benny Goodman 楽団 で知られるジャズ・スタンダードでスイング感を出すために、アタック強めなストロークのギターが印象的です。

 まだまだ現代ジャズ・ギターの巨匠ジム・ホールの記念すべき初リーダー作ですが気負いは感じられずリラックスした雰囲気で、難しいことはやらんので、楽しんで聞いてくれといったアルバムでした。
 Jim Hall  も嫌いなスタイルではないのですが特に大好きなわけではない。私の手持ちで、リーダーアルバムは Concierto (1975) しかありません。セッション参加では Bill Evans で Green Dolphin Street (1959)、Undercurrent (1962)  そして、Charlie Haden - Jim Hall (1990) それに忘れてはいけない Ella Fitzgerald  Ella In Berlin (1960) なんかがあります🎶🎸

guitar : Jim Hall
piano : Carl Perkins
bass : Red Mitchell

producer : Richard Bock
recorded in Los Angeles, January 10 & 24, 1957.
 
1. Stomping At The Savoy / Andy Razaf, Benny Goodman, Edgar Sampson, Chick Webb
2. Things Ain't What They Used To Be / Ted Persons, Mercer Ellington
3. This Is Always / Mack Gordon, Harry Warren
4. Thanks For The Memory / Leo Robin, Ralph Rainger
5. Tangerine / Johnny Mercer, Victor Schertzinger
6. Stella By Starlight / Ned Washington, Victor Young
7. 9:20 Special / Earl Warren
8. Deep In A Dream / Eddie De Lange/Jimmy Van Heusen
9. Look For The Silver Lining / B.G. DeSylva/Jerome Kern
10. Seven Come Eleven / Charlie Christian/Benny Goodman







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2026年10月30日金曜日

Soulive & Karl Denson / Spark!


 もともとはノリノリの ファンクサウンドの Souliveですが、硬派なこのタイプもたまらない魅力。ゆるく怪しく、ジャムってるジャズファンクでアシッドな雰囲気に酔えます。Karl Denson は Lenny Kravitz、Fred Wesley などののバンドに参加したりするジャンルを超えて活動するサックス/フルート奏者で、化学反応が起こってる感じです。リリースは2012年の名門ブルーノートから、ジャズとジャムの素晴らしいブレンドとなっています。


 そして、前回書いたこのレビューでわかったことですが、タイトルの Spark! は リリースの前年 2011年3月に64歳で亡くなった Melvin Sparks のこと。Jack McDuff、Dr. Lonnie Smith、 Charles Earland、Leon Spencer などのオルガン奏者との共演が多いソウル・ジャズ、ハード・バップ、ジャズ・ブルース系の ギタリストで、私もソロアルバムは持っていないものの、ジャズファンク系のオムニバスには度々登場する、こっちの世界では重鎮です。


Spark  なんとこのアルバムで唯一のオリジナル曲。フルートとギターのユニゾンがタイムスリップしたかのような、雰囲気たっぷりの怪しさを出しています。後半は、オルガンの推進力と、管楽器の抜け感のバランスが気持ちよい。
Povo  Freddie Hubbard のアルバム Sky Dive (1972)に収められていた曲。リズムの粘りと、ジャムにぴったりのフレーズの反復でじわじわ引き込むタイプ。ゴチャっとした延々と続くサックスソロが最高デス。
Nubian Lady  ピアニストの Kenny Barron の作曲で、その Kenny Barro も参加した Yusef Lateef / The Gentle Giant (1972)や、The Roy Meriwether Trio / 同名アルバム(1973) などでの演奏が有名。やはりアシッドで怪しくするにはフルートが手っ取り早い。シタール風の音色と音階のギターとオルガンがマッチして更に怪しさが増す。
Soul Sides  トランペッターの Art Farmer のアルバム Gentle Eyes (1972) からの楽曲で
、作曲者のクレジットが Art Farmer だが、正確にはオーストリア出身のトロンボーン奏者のエリック・チースターによるものとライナーノーツで解説。


ダラダラと聴きながらノリノリになるには、もってこいの作品です🎶

guitar : Eric Krasno
bass : Neal Evans
drums : Alan Evans
fluite, sax : Karl Denson

producer : Soulive

This album is dedicated to the great Melvin Sparks. Tracks 1-4 Recorded at The Library, Greenfield, MA. Tracks 5 & 6 Recorded live at The Independent, San Francisco, CA 11/10/2011. Alan Evans, Eric Krasno, Karl Denson, Neal Evans, Ryan Zoids, DeAngelo Nieves

1. Spark / Solive
2. Povo / Freddie Hubbard
3. Nubian Lady / Yusef Lateef
4. Soul Sides / Art Farmer
【BonusTracks】
5. SHAHEED (Live from the Independent in San Francisco 2011/11/10)/ Solive
6. LIQUID  (Live from the Independent in San Francisco 2011/11/10) / Solive 



▶ Spark



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。