2026年3月25日水曜日

Groove Grass ‎/ Groove Grass101


  10年以上このアルバム聴いてませんでした。どんなアルバムだっけか?と記憶をたどるもさっぱり思い出せませんので聴きながら調べてみました。
 アルバム名 GrooveGrass は GrooveGrass® 101 Featuring The GrooveGrass Boyz™ 
 一般常識から再確認すると、🄬は登録商標、™は “Trademark” の略で、商標登録を済ませていない段階でも使用できるマークです。 登録商標とは異なり、法的な独占権は持ちません。 出願中や未出願の段階で使われるケースが多く見られます、とのこと。
 なるほど、音楽業界は結構アーチスト名とかも商標登録しててレコード会社が変わると名前が使えないとか聞きますよね(Princeとか、P-Funk とか)。でも商標登録マークを印刷物にまで入れるのは、たまに見ますがそれほどポピュラーでもないような気がします。つまり、かなり商標登録とかに神経使ってるアーチストのようです。
 と書いてきましたが実は察しがついています。アルバムの名前から察するにブルーグラスに関連する音楽とは想像がついていましたが、聴き始めると打ち込み系のファンク・ロックのリズムにスチール系のギターの音です。参加アーチストを眺めていたら、3曲目 Walkin’ After Midnight などに、Bootsy Collins の名前があります。プロデューサーではありませんが、サウンド的に、このアルバムに深く関与していることは間違いない。つまり以前に P-Funk、Funkadelic、Parliaments などが名前が何で違うのかと思ったらレーベル変えると以前の名前が使えなかったりすることからと理解したことを思い出しました。つまり Bootsy も音楽の登録問題には関わってきたことなので、しっかりとここら辺を明記しているのかと推測しました。ちなみに、このバンドはアルバムが2枚しか出ていなくて、あまり深いこと掘ってる情報にめぐり合わなかったので、AIに聞いてみました。
 The GrooveGrass Boyzは、ブルーグラス、ファンク、フリースタイルミュージックを融合させた音楽グループです。レコードプロデューサーでセッションミュージシャンのスコット・ラウスが、自身のブルーグラスやカントリーソングのダンスミックス実験から、1987年にサイドプロジェクトとして結成しました。ラウスは、この音楽ジャンルを「グルーブグラス」と名付けました。
 ファクトチェックはしていませんが、ほぼ嘘はつかれていないと思われます。ここで気づきましたが、プロデューサーの Scott Rouse がこの音楽ジャンルを GrooveGrass® としたので、Bootsy は関係ないようです。勝手な想像でした。
 参加ミュージシャンですがドブロの Jerry Douglas の名前に覚えはあるのですが所有音源の検索では見つかりませんでした。おそらくスライドギターにハマっていた時に Acoustic Guitar Magazine で特集が組まれていたので youTube とかでは見ていたので知っている感じ。 ギターの Doc Watson は、James Cotton / Baby, Don't You Tear My Clothes のゲストで参加してたぐらいです。Bootsy Collins に関しては数限りなく音源ありますので書けません。Scott Rouse も、おそらくこれ以外に音源無いかと思いますが誰かのバックで打ち込み作成していたら聴いているものはあるかもしれません。


 おそらく、このアルバムは P-funk 関連を買い漁っていた時に変わり種で見つけたんで購入したものかと思いますが、特殊な世界なので面白がって購入したものの忘れ去ってしまったアルバムなのかと思います。
 企画ものなので、ブルーグラス好きならリピートしていたかと思いますが、私は愛聴まではたどり着きませんでした。・・が今聴いて悪くはないです。聴いていると小学校の時に、運動会でフォークダンスの時にかかっていたような曲もあったりします。かなりダンサブルですが、P-funk 系のようにふざけてはいませんので、現代の小学校なら使えるかもしれないとも思いまます。これは、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」でオジサンたちに聴かせて反応を見てみたいです。意外と受けたりするような気もします。


 ブルーグラス=カウボーイ=牛ですか。なるほどアメリカですね。曲のレビューはしなくても良いかなって感じです🎶

executive producer : Thud Rippington
producer, engineer : Scott Rouse

1. Cypress Groove
vocals : Doc Watson, Scott Rouse
dobro : Jerry Douglas
guitar : Doc Watson
instruments : Scott Rouse
2. Howdy
vocals : Minnie Pearl
banjo, fiddle, mandolin : Eric Silver
instruments : Scott Rouse
3. Walkin’ After Midnight
vocals : Bootsy Collins, Scott Rouse
bass , drums : Bootsy Collins
instruments : Scott Rouse
4. Let It Rain
vocals : Bootsy Collins, Doc Watson, Scott Rouse
instruments : Scott Rouse
5. Deep River Blues
vocals : Scott Rouse, 
vocals (sample) : Doc Watson
instruments : Scott Rouse
6. Little Cabin On The Hill
vocals : Bootsy Collins, Scott Rouse
soloist  : Steve Kaufman
steel guitar : Robbie Turner
bass , drums : Bootsy Collins
mandolin, fiddle : Randy Howard
instruments : Scott Rouse
7. Stuck Like Glue
bass, drums, vocals : Bootsy Collins
instruments : Scott Rouse
8. Salty Dog Blues
vocals : Mac Wiseman, Scott Rouse
backing vocals : Gene Wooten, Jason Carter, Mike Bubb, Scott Rouse
guitar : Scott Rouse, Steve Kaufman
banjo : Rob McCoury
dobro : Gene Wooten
fiddle : Jason Carter 
mandolin : Ronnie McCoury
instruments : Scott Rouse
9. Wabash Cannonball
vocals : Bootsy Collins, Doc Watson, Scott Rouse
guitar : Scott Rouse, Steve Kaufman
bass : Bootsy Collins
banjo : Bernie Leadon
mandolin : Randy Howard
steel guitar : Robbie Turner
instruments : Scott Rouse
10. Blue Moon Of Kentucky
vocals : Doc Watson, Scott Rouse
guitar : Scott Rouse, Steve Kaufman
bass , drums  : Bootsy Collins
banjo : Bernie Leadon
fiddle, mandolin : Randy Howard
instruments : Scott Rouse
11. Stand By Me
vocals : Scott Rouse
instruments : Scott Rouse

▶ Howdy



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年3月22日日曜日

定年退職するので・・・

 定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


直ぐにやめたら、すいません。

2026年3月20日金曜日

George Benson & Count Basie Orchestra ‎/ Big Boss Band


 Count Basie は既に存命ではありませんが、その遺志を引き継ぐ Count Basie Orchestra とBenson の共演の1990年作品で、スタンダードやベイシー・バンドの定番を収録しています。Benson の魅力を引き立てるアレンジは Frank Foster が担当しています。Benson はゴージャスなビッグバンドの演奏が楽しくてしょうがないように歌いギターを弾き、スキャットしています。ここまでテンションをあげてくれれば聴いているほうも高揚してくるもの。
 一流は何をやっても一流です。1980年代のポップ寄りブラコン系フュージョンも素晴らしいですが、スイングするサウンドをバックに演奏する Beson も痛快で、再びジャズ路線に回帰した天才ギタリストのアルバムとして注目を浴び、そのキャリアの中でも異色の一枚となっているようです。


 いったんブラコン路線に走っていた Benson が何故このアルバムを制作したのか?といえば、Benson が存命だったBasie とアルバムを創る約束を交わしていたが、そのプランがベイシーの存命中に果たされることが出来ずなかったので、その遺志を引き継ぐ「Count Basie Orchestra」との共演という形で、その7年後に実現したとのことです。


 それでは全曲聴きながらのレビューです。
 「Without A Song」1929年のミュージカル Great Day. T が初演のスタンダード。さすが本家の美ビッグバンドで、音圧と格式が違います。Benson のボーカルも決まっていて、あれほど好きではなかった歌声が好きになってしまいます。後半のテンポアップしたところからも痛快。「Ready Now That You Are」チカラ余りガラガラの声での迫力のスキャットはインパクト抜群です。ギターソロもノリにノッテいてハイテンションぷりに圧倒されます。「How Do You Keep The Music」1983~1991年まで Count Basie Orchestra 在籍の女性ボーカル Carmen Bradford との共演です。この録音は1990年ですから、在籍中のお抱えシンガーということですね。素晴らしい歌声なので念のため検索してみたら、やっぱり華奢な美人である訳もなく、でっかい黒人のオバさんでした(失礼)「On Green Dolphin Street」定番ですがイントロからアレンジが凝っています。テーマ部分のインパクトをメロディーではなくアクセントに持って行くとこが天才的なアイデアです。Frank Foster も並ではない方です。「Baby Workout」?シンセベースですか? と思たら Richard Tee でした。これはオーケストラが Benson に寄せているにくい演出で、最初は8ビートのR&Bで演奏してからビッグバンドのスイングに変わる演出でした。なるほど。「 I Only Have Eyes For You」いかにも Basie な曲の王道路線。こういったアルバムは飛び道具ばかりだと陳腐になりますので基本路線に忠実にといった感じですね。「Portrait Of Jennie」1939年に発行された Robert Nathan の小説を原作とする1948年のアメリカ映画の主題歌ですね。映画のストーリーは「ある日、貧しい画家イーベン・アダムスはニューヨークのセントラル・パークで昔の人のような服装をした不思議な少女ジェニーと出会う。彼女をモデルに描いた絵が認められ、アダムスは画家として芽が出かける。再びジェニーに出会ったアダムスは彼女が美しい女性に成長していることに驚く」なるほどそんな感じの優しい曲調です。良いです。「Walkin' My Baby Back Home」軽快で楽しい楽曲は  Fred E. Ahlert  の1930年のポピュラーソングでこれをもとに映画も作られたのだとか。芸術性を求めた作品も良いですがこういった娯楽性を感じる楽曲も大好きです。聴き進めているうちに Benson の歌声も違和感なくこのバンドにハマって自然に聞こえます。「Skylark」Skylark は「ひばり」で、飲食業界ではファミレスが有名ですが、ジャズ界では1941年の発表されたスタンダードが有名です。歌詞はこんな感じですSkylark, Have you anything to say to me, Won't you tell me where my love can be, Is there a meadow in the mist, Where someone's waiting to be kissed 乙女なラブソングですね 。メロディーラインの流れも素敵な曲です。Benson のゆったりとしたオクターブ奏法のソロもピッタリハマってます。モンクありません。「Basie's Bag」Count Basie Orchestra ですから、最後の〆は楽しく締めくくります。寄り道ですが、聴きながらジャズでよく曲名で使われる Bag って何だろうと思って調べてたら明快な答えは無かったんですが、おそらく発端は Bags Groove の Bag ではないかと思われ、この Bags は作曲者の Milt Jackson のあだ名が Bags で「目の下のクマ」のことにらしいです。単純明快なテーマで楽しくソロを持ち回りできるジャズの名曲で似たような構造の楽曲を、Bags Groove に敬意を表して、なんとかBag って名前を付けのがジャズ界では定番化したのかなって勝手にたどり着きました。
 Benson が一流であったとはいえ、持ち味をこれだけ引き出せたのも楽団も素晴らしいです。どの曲が良いかと言えば正直全部良いのですが、On Green Dolphin Street なんかを歌っている気持ちよさそうな歌とギターとのスキャットとかは良いですし、異色の作品としては、エレクトリックなソウル調の16ビートから始まりスイングするビッグバンドにつながる Baby Workout なんかはアレンジの上手さが光ります。ベースパートはキーボードで代用していて私の大好きな Richard Tee が弾いているのは今回聴き直しての発見でした。
 お買い得セット Original Alubum Series のこのセレクトはまさに王道で中々のセレクションまさにお買い得なんですが、ライナーノーツが無いのがちょっと寂しいかな🎶


producer, vocals, guitar : George Benson
bass : Cleveland Eaton
drums : Duffy Jackson
guitar : Charlton Johnson
piano : Carl Carter
sax : Danny Turner, David Glasser, Doug Miller, Frank Foster, John Williams , Kenneth Hing, Tim Williams
trombone : Bill Hughes, Clarence Banks, Mel Wanzo
trumpet : Bob Ojeda, Byron Stripling, Mike Williams , Sonny Cohn

arranged by Frank Foster

1. Without A Song
2. Ready Now That You Are / featuring : The Robert Farnon Orchestra
3. How Do You Keep The Music Playing / vocals : Carmen Bradford, piano, keyboards : Barry Eastmond, bass : Ron Carter
4. On Green Dolphin Street
5. Baby Workout
brass : Earl Gardner, James Pugh, Jon Faddis, Keith O'Quinn, Larry Farrell, Lewis Soloff, Paul Faulise, Randy Brecker
keyboards : David Witham, Terry Burrus
keyboards (bass) : Richard Tee
percussion : Bashiri Johnson, Ralph MacDonald
6. I Only Have Eyes For You
7. Portrait Of Jennie
8. Walkin' My Baby Back Home
9. Skylark
10. Basie's Bag



▶ Skylark


  

2026年3月15日日曜日

George Benson / Tenderly


 1989年に発表したスタジオ・アルバムで、McCoy Tyner 、Ron Carter、Louis Hays 、Al Foster等の最高のメンバーでスタンダードをコンテンポラリーなジャズに仕上げている作品です。プロデューサーは Tommy LiPuma。アルバムとしては、オーケストラの入ったボーカル曲あり、スタンダードなコンボスタイル、ソロギターもなんかもあり多彩な Benson を楽しむことができます。ただ私的にはベンソンのボーカルはそれほど好きではない。
  ギタリストとしてもメチャクチャ好きってことは無いですがギター弾きではあるので、Ibanez や Fender から出ている Signature Model も欲しいとは思ったことはあります。あとFender からでているアンプは価格の割に良いかと思ったので相当迷いましたが、結局これも購入せずでした。

 

 それでは、これも有名なアルバム Tenderly を再度聴きながらレビューしていきます。
 「You Don't Know What Love Is」映画 Keep 'Em Flying (1941) に書き下ろされたスタンダード。ストリングを入れて、映画音楽らしく優雅な曲にしています。Benson のボーカルは大袈裟でもなく丁度良いぐらい。ボーカルメインです。「Stella By Starlight」正調なバップにしています。飛び道具のオクターブ・スキャットは入れずにひたすらピッキングしているのが珍しい。ギターの音もブットいし McCoy Tyner のピアノソロも素晴らしい。「Stardust」こう言ったメンツとのスタンダードであれば Benson の歌物も良いです。発音も聴きやすいしギターソロも気合が入ってます。「At The Mambo Inn」元曲は Bobby Woodlen's Harlem Mambos (1953) で、コンガが印象的なマンボでホーンも素敵な曲で、それを上品なアレンジにしています。テーマのスライド部分で弾くところがリズミカルでトリッキーでセンスあり。やっぱりギター上手いです。すごく良い。「Here, There And Everywhere」ビートルズのアルバム「Revolver (1966)」に収録された曲です。レノンが寝込んでいた際、マッカートニーは庭のプールサイドに座ってギターを弾きながら作曲を始め、レノンが起きた頃には曲のほとんどが出来上がっていたそうです。有名なスターの流行り曲をレコードセールスのために入れたパターンではなく確かに良い曲です。さすが Benson です。ボーカルもかなり良い出来です。このアルバム好きかも「This Is All I Ask」Nat King Cole が The Very Thought of You (1958) に収録したのが最初で作曲は Gordon Jenkins。古き良き感覚が満載で暖かい。ここでも McCoy Tyner のピアノが素晴らしいサポートと控えめながら効果的なソロで、ボーカルとピアノが主役みたいな感じです。「Tenderly」色々な人が演奏していますが、Kenny Burrell の弾くヤツが好きでした。しかしこの演奏も改めて聴くとかなりアレンジ・音色・テクニックとも凄くて甲乙つけがたい。私の Walkman の再生リスト★★★★★ に入れときました。さすがタイトル曲。「I Could Write A Book」 Rodgers and Hart のミュージカル Pal Joey (1940) への書下ろしのスタンダード。コンサートの終わり感を演出する選曲とアレンジでエンディングもフェイドアウトにするところが、いつまでも続く感じの演出でおしゃれです。
ので、タイトル曲のケニー・バレル風の Tenderly はやはり一番の推し。Stella By Starlight はお手本として数々の教則本に採譜されている通りの名演。最後の I Could Write A Book なんかも、コンパクトにまとまったコンボの王道スタイルが素敵だと感じます。
 このアルバムは、5枚組のお買い得パッケージのうちの一枚ですが、改めて聴き直して、今回の Tenderly が一番のお気に入りになりました🎶


guitar : George Benson (1 to 5, 7, 8)
vocals : George Benson (1, 3 to 6, 8)
bass : Ron Carter (1 to 6, 8)
drums : Al Foster (6), Herlin Riley (2-5) , Louis Hays (1,6)
percussion : Lenny Castro (4, 5)
piano : McCoy Tyner (1 to 6, 8)

producer : Tommy LiPuma

1. You Don't Know What Love Is / Don Raye, Gene DePaul
2. Stella By Starlight / Ned Washington, Victor Young
3. Stardust / Hoagy Carmichael, Mitchell Parish
4. At The Mambo Inn / Bobby Woodlen, Grace Sampson, Mario Bauza / Frederick Lincoln-Guirty
5. Here, There And Everywhere / John Lennon/Paul McCartney
6. This Is All I Ask / Gordon Jenkins
7. Tenderly / Jack Lawrence, Walter Gross
8. I Could Write A Book / Richard Rodgers / Lorenz Hart





  

2026年3月10日火曜日

George Benson / Give Me The Night


 大御所 Quincy Jones (クインシー・ジョーンズ) が全面プロデュースした1980年リリースの世紀の傑作アルバムと言われる50万枚以上を売り上げ、グラミー賞で3部門を受賞する大ヒット作。楽曲、構成、録音、録音メンバーとも、全てにおいて素晴らしい完成度でジャンルにとらわれない音楽が魅力の作品です。
 このアルバムは単体で購入ではなく、ギタースタイルとして勉強しとかなければ思い立ち購入した5枚組のお買い得盤のうちの一枚で、ライナーノーツとかは入っていないので、音源のみの情報収集には安価なシリーズです。


  発売当時、この分野は全く興味が無い分野であったのですが、ラジオなどでずっと流れていましたので Benson はもともとはジャズ系の大御所であるとは薄々思っていた程度でした。そんな勘違いをさせてくれたのは、やはりクインシーという人のプロデュースが大きいことは間違いないようです。この当時の Quincy Jones プロデュースで、作品提供が Rod Temperton という布陣は、このアルバムの前年に発表された Michael Jackson  (Off The Wall)  と全く同じ。Quincy は成功の方程式をこの布陣で築き上げていたようで、昔っぽさはあるものの現代のポップ、ブラコンに通ずる音作りが凄い。またこのアルバム Herbie Hancock、Lee Ritenour、Louis Johnson、Richard Tee などのお馴染みの大御所が参加しているのもゴージャスで捨て曲も無し。


 さて手放しに誉めぱなしであった Give Me The Night 再度聴いてレビューしていきます。
 「 Love X Love」作曲アレンジとも Rod Temperton のハイセンスなブラコンで Benson のボーカルもイヤミが無くて聴きやすい。「Off Broadway」これも作曲アレンジとも Rod Temperton です。元々のトラックがしっかりしているので歌物でなくとも、しっかりとブラコン基調の素晴らしい演奏。Lee Ritenour がギターで参加していますがどれだろう。おそらく装飾音が砂目なのでテーマと最初のギターソロでしょうか。Benson は、スキャット部分だけで暴れていると思います。うーんカッコ良い。「Moody's Mood」ボーカルは Patti Austin で、さすが余裕のある歌いっぷり、Benson も負けじと歌うボーカルメインの楽曲です。昔のジャズみたいで良い雰囲気ですが音が全く新しくクリアです。「Give Me The Night」ここでタイトル曲の登場です。当時は熱狂的にあちらこちらで曲がかかってました。当時のディスコでもかっかていたと思うのでこれで踊ったオジサンは多いのではないでしょうか。Quincy プロデュースで、Rod Temperton 作品提供の最高傑作のひとつで、売れる要素が凝縮されています。そしてヒットの裏には Herbie Hancock がいて、シンセベースに Richard Tee もいたりしたのが今回の発見です。「 What's On Your Minds」私のスキではない Benson のボーカルパターンが見え隠れしていますが、Quincy の力でねじ伏せられているようです。アーチストの希望も叶えながら、リスナーにも聴きやすいようにしてくれる心遣いを感じます。「Dinorah,Dinorah」EW&F の曲をジャズよりにしたようなアレンジと曲調です。バッキングボーカルに Patti Austin が少し味付けに参加していたり、シンセが Herbie Hancock だったりしますが皆さん姿を表に出さずに裏方に徹しているプロ根性を感じます。印象に薄い曲ではありますが、作っている時は楽しいかもしれません。「Love Dance」 アコースティック・ギターが Lee Ritenour でBnson はボーカルのみでの参加で品が良い。こうゆうのは有りです。「Star Of A Story(X) 」曲名がSFっぽくて曲調も少し変わってます。あまり好みでは無いかも「 Midnight Love Affair」 キーボードに George Duke も出てきました。Herbie、Richard Tee もいて録音メンバーはかなり豪華ですが、曲的には Christopher Cross の Arthur's Theme(ニューヨークシティセレナーデ)と日本の歌謡曲を足したような感じが少し古めかしい。「Turn Out The Lamplight」 Benson が歌い方を変えて別人のようです。これが良いとは思いませんが、好きではない Benson ではないので聴けます。スイート系ボーカルものです。
 聴き始める前の昔の印象では、もっとイケイケのヒットパレードのようなアルバムの印象だったのですが、それほど派手では無かったですがアルバムとしては特に前半で盛り上がって全体にも良かった感じです🎶

produce : Quincy Jones
recording and mixing assisted at Kendun Recorders, Burbank, CA, and Cherokee Recording Studio, Hollywood, CA
strings recorded at Cherokee Recording Studios, Hollywood, CA

1. Love X Love / Rod Temperton
guitar, lead vocals : George Benson
backing vocals : Diva Gray, Jim Gilstrap, Jocelyn Allen, Patti Austin, Tom Bahler
keyboards : Greg Phillinganes
bass : Abraham Laboriel, Louis Johnson
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
sax, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
trumpet : Jerry Heby
2. Off Broadway / Rod Temperton
guitar : George Benson, Lee Ritenour
keyboards, synthesizer : Greg Phillinganes
bass : Louis Johnson
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
saxophone, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
trumpet : Jerry Hey
3. Moody's Mood / Eddie Jefferson, James Moody
solo vocal : Patti Austin
guitar, vocals : George Benson
keyboards, synthesizer : Greg Phillinganes
bass : Abraham Laboriel
drums : John Robinson
4. Give Me The Night / Rod Temperton
guitar, Lead Vocals : George Benson
guitar : Lee Ritenour
backing vocals : Diva Gray, Jim Gilstrap, Jocelyn Allen, Patti Austin, Tom Bahler
electric piano : Herbie Hancock
synthesizer : Michael Boddicker
synth Bass : Richard Tee
bass : Abraham Laboriel
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
sax, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
trumpet : Jerry Hey
5. What's On Your Minds / Glen Ballard, Kerry Chater
guitar, lead vocals : George Benson
guitar : Lee Ritenour
electric piano : Richard Tee
synthesizer : Michael Boddicker
bass : Abraham Laboriel
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
sax, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
trumpet : Jerry Hey
6. Dinorah,Dinorah / Ivan Lins, Vitor Martins
lead guitar, scat : George Benson
backing vocals : Patti Austin
synthesizer, programmed by : Herbie Hancock
electric organ [Yamaha YC-30], piano [acoustic], electric piano [Fender Rhodes Electric Piano] : Claire Fischer
electric piano [Fender Rhodes Electric Piano] : Greg Phillinganes
bass : Louis Johnson
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
sax, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
trumpet : Jerry Hey
7. Love Dance / Ivgan Lins, Paul Williams, Vitor Martins
lead vocals : George Benson
electric piano [Fender Rhodes], synthesizer : Herbie Hancock
acoustic guitar : Lee Ritenour
bass : Abraham Laboriel
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho da Costa
8. Star Of A Story(X) / Rod Temperton
guitar, lead vocals : George Benson
guitar : Lee Ritenour
backing vocals : Diva Gray, Jim Gilstrap, Jocelyn Allen, Patti Austin, Tom Bahler
electric piano [Fender Rhodes Electric Piano], synthesizer, programmed by : Herbie Hancock
synthesizer : Michael Boddicker, Richard Tee
bass : Abraham Laborielg
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa
9. Midnight Love Affair / David "Hawk" Wolinski
vocals : Patti Austin
guitar, lead Vocals : George Benson
guitar : Lee Ritenour
keyboards : George Duke
synthesizer : Richard Tee
synthesizer, srogrammed by : Herbie Hancock
trumpet : Jerry Hey
sax, flute : Kim Hutchcroft, Larry Williams
drums : Carlos Vega
10. Turn Out The Lamplight / Rod Temperton
guitar, lead Vocals : George Benson
backing vocals : Patti Austin, Tom Bahler
guitar : Lee Ritenour
keyboards : Greg Phillinganes
synthesizer : Richard Tee
bass : Louis Johnson
drums : John Robinson
percussion : Paulinho da Costa





  

2026年3月1日日曜日

George Benson / Weekend In LA.


 1976年に Warner Bros に移籍してからの1年後の1977年録音、1978年発売のL.A.ロキシー・シアターでのライブで、レコード盤では2枚組のライブアルバム。フュージョン系に転じてセールスも順調で脂がのっている時期です。
 ただこのアルバムは単体で購入ではなく、ギタースタイルとして勉強しとかなければ思い立ち購入した5枚組のお買い得盤のうちの一枚で、ライナーノーツとかは入っていないので、音源のみの情報収集には安価なシリーズです。


  当時のベンソンがブラコンに転向した時に「メロー」というキーワードで売っていたからなんでしょう。本アルバムのタイトル「Weekend In LA.」には「メローなロスの週末」という邦題がついてが、あまりセンスは無いような気がします。Breezin’ が頭の中の記憶よりもチャラかったので、その翌年のライブもそんなもんかと思って再度聴きましたが、アルバムとしてかなり完成されていて、ベンソンのギターの上手さとブラコンでも適合してしまうギターのトーンの美しさと発音も堪能できます。余り好みでない歌手としての George Benson ですが、ブラコン歌手としての盛り上げ方もライブでは良かったです。ヒットは当然の作品といった感想です。コマーシャルではありますが、Breezin’ よりもチャラさは感じませんでした。 


 それでは既に聴き直していますが、さらに注意深く聴き直していきましょう。
 「Weekend In L.A.」ベンソンの作曲でタイトル曲です。都会的なアーバン・フュージョンでテーマメロディーもキャッチー、軽快なリズムで Jorge Dalto の軽いエレピ・ソロも聴きやすい。George Benson も王道のギターソロで、トリッキーではなく気持ちよい。「On Broadway」この2曲目が素晴らしい。原曲は1963年発売のソウルで、ユニット Leiber and Stoller のカバーらしい。作曲は Barry Mann, Cynthia Weil のコラボレーション。ボーカルは Donny Hathaway を感じながら、名物のボーカルとギターのスキャットがこれでもかと出てきて、いやなとこは微塵もありません。いや素晴らしい。「Down Here On The Ground」On Broadway が楽し過ぎたので、次の曲をベンソンが楽しそうに歌うのは我慢しましょう。気持ち良さそうですが、ここが私の趣味ではないとこです。「California P.M. 」この時代で流行っていた曲想の、ブラコン的な感じはないフュージョン曲です。かなりテクニカルな演奏ではあるのですが、何かチャラさが出てしまうのは Benson が余裕過ぎるからでしょう。「The Greatest Love Of All 」ホイットニーの1986年のカバーで有名な Greatest Love of All ですが、ベンソンがやるとこうなります。ベンソンもシングル・カットしていて、R&B chart top-ten に入っていたようです。「It's All In The Game」 1911年作曲の Melody in A Major に、1958年に歌詞をつけて Tommy Edwards がリリースした曲で、Nat King Cole が歌ったのが一番なところでメジャーな録音でしょうか。本録音では、もはや歌の上手い金持ちオジサン的なところばかり感じてしまいます。「Windsong」タイトなインストもので、歌心を感じるギターとソウル魂を感じる後半のリズム隊のしまった演奏が魅力的です。ウェス系のギターというより Grant Green 系のピキピキした発音と音色です。やはりきちっとギタリストとしてアルバムを完成させてくれれば、もっと好きになっていたかもしれないです。「Ode To A Kudu」丁寧で柔らかなギター独演で始まり、静かにピアノとベースが入ってきてドラムはブラッシングのみ、ひたすらベンソンの弾くギターを引き立てます。軟体動物のように指盤の上を動くベンソンの指が想像できます。これはまた凄い演奏でした。覚えてませんでしたが名演で観客もヤンヤの大興奮。「Lady Blue」ライブですから、ショーですからファンの為に歌も歌わなければなりません。メローソウルですね。Breezin’ で This Masquerade の大ヒットを放った Leon Russell の楽曲です。ここら辺は許せます。「We All Remember Wes」ウェスにちなんだ Stevie Wonder の楽曲です。ひたすらオクターブ奏法で、Stevie Wonder をモロに感じるソウルサウンドの曲は楽しいです。バラエティ色豊か過ぎですよね。ストリングスは後から入れたんでしょうか。「 We As Love」最後は バンドのキーボードの Ronnie Foster のインストバラードです。コードとメロディが美しく音を散りばめるようなベンソンのギターも素晴らしい。
 ベンソンはギターも歌も一流ですが、歌に限って言えば私はジャズを歌うベンソンは好みではやはり好みでないことは再確認できましたが、ブラコン・ソウルタイプのベンソンはかなり好みのものもあります。成功してからはベンソンは純粋に自分が好きな音楽を録音するようになるのですが、そういったものはマニア過ぎて正直聴きづらい部分もあったりします。それも含めてこうやって色々な音楽を背景も含めて聴きながら書いていると一流ミュージシャンが、商業的センスのあるプロデューサーと出会うとこうなるというところは面白い🎶

lead guitar, vocals : George Benson
acoustic piano, keyboards : Jorge Dalto
synthesizers : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch
bass : Stanley Banks
drums : Harvey Mason
percussion : Ralph MacDonald
additional string ensemble arrangements : Nick DeCaro

producer : Tommy LiPuma
recorded live at The Roxy Theatre in West Hollywood, California, Sept. 30th, Oct. 1st & 2nd, 1977.

1. Weekend In L.A. / George Benson
2. On Broadway / Barry Mann, Cynthia Weil, Jerry Leiber, Mike Stoller
3. Down Here On The Ground / Gale Garnett, Lalo Schifrin
4. California P.M. / George Benson
5. The Greatest Love Of All / Linda Creed, Michael Masser
6. It's All In The Game / Carl Sigman, Charles Dawes
7. Windsong / Neil Larsen
8. Ode To A Kudu / George Benson
9. Lady Blue / Leon Russell
10. We All Remember Wes / Stevie Wonder
11. We As Love / Ronnie Foster





  

2026年2月25日水曜日

George Benson / Breezin’


 George Benson は1943年生まれ、20歳の1963年にソウルジャズのオルガニスト Jack McDuff のバンドに加入していました。イメージは、正確無比かつ高速フルピッキングと流れるようなフレージング、オクターヴ奏法とオクターヴ+五度奏法のフュージョン・サウンドなイメージですが、この頃は泥臭い演奏であったようです。リーダーとしてのキャリアの皮切りは The New Boss Guitar of George Benson (1964) の21歳、Prestigeから発売されています。その後は Verve、A&M、CTI でアルバムを発表し続け、このアルバムは1976年に Warner Bros に移籍した最初のアルバムになります。


 しかし、私 George Benson に思い入れがあるわけでもなく、ギタースタイルとして勉強しとかなければ思い立ち購入した5枚組のお買い得盤のうちの一枚で、ライナーノーツとかは入っていないので、音源のみの情報収集には安価なシリーズです。


 という訳で、昔から聴きこんできたわけでもなく思い入れがあるわけでもないのですが、久しぶりに聴いてレビューしていきます。
 タイトル曲の「Breezin'」が初っ端から入ってます。作曲は Bobby Womack、リズムギターは Donny Hathaway の Live にも参加していた Phil Upchurch。映画音楽のように軽快でポップな響きもありチャラい印象を受けますが、相当流行ったはずで当時 George Benson を聴いていなかった私にも耳覚えがあります。「This Masquerade」タイトル曲とこの曲がシングルカットされて、当時のポップチャートにもランクインしてた曲です。1972年の作曲者 Leon Russell 本人よりも、このバージョンが売れすぎて世の人のこの曲の印象はほぼこれでしょう。こんなに渋い楽曲がヒットチャートにランクインするなんてアメリカって凄い国だなって思いますが、George Benson の恍惚とした歌いっぷりが当時の私には心地よくなかった曲でもあります。でもスキャットカッコ良いですね。「Six to four」またもやチャラい曲の登場です。作曲は Phil Upchurch なので、歌物系ソウルよりはしょうがない。あと George Benson がやっているからチャラいと思ってしまうのも多分にあると思います。おそらく Gad Gang なら私も納得でしょう。「Affirmation」これぞフュージョンがクロスオーバーと呼ばれていた時代の テイストです。作曲 José Feliciano で、元はクラシック・ギターを中心とするインストゥルメンタル曲とのことです。今改めて聴くとリズムのテンポとかノリは Stuff ですかね。「So This is Love?」ここで George Benson の曲になります。ここまで個性の強い曲が多かったので ジャズギタリストの作ったフュージョン曲が正統派すぎて退屈気味になってしまうのはしょうがない。「Lady 」ストリングスがイントロで、ささやくようなギターで始まります。リズム・アンサンブルが入ってきても軽いです。でもこの最後の曲は今聴くと、とても印象に残る良い曲です。でも曲が進むと、リズムのテンポとかノリは Stuff なんですね。ここらへんはプロデューサーのさじ加減でしょうか。
 当時はこのようなジャンルを横断したタイプの音楽は クロスオーバー と呼ばれていて、まさにベンソンのギターはジャンルをクロスオーバー(交差)したサウンドでしたがノリがひたすら思っていた以上に軽いですね。なるほど🎶

guitar, vocals:George Benson
piano, clavinet : Jorge Dalto
electric piano, Moog synthesizer : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch
percussion : Ralph MacDonald
bass : Stanley Banks
drum: : Harvey Mason

producer : Tommy Lipuma
recorded by, mixed by – Al Schmitt

1. Breezin' / Bobby Womack
2. This Masquerade / Leon Russell
3. Six to four / Phil Upchurch
4. Affirmation / José Feliciano
5. So This is Love? / George Benson
6. Lady / Ronnie Foster



▶ Lady


  

2026年2月20日金曜日

Weather Report / Best Of Vol.1


 ほぼ Weather Report のアルバムは持ってますので、私が若い頃に聴き始めた頃に購入したアルバムです。最初に Weather Report を知ったのは、このアルバムの冒頭曲の Birdland が最初で当時ラジオかなんかでかかっていたのを聴いたのだと思います。なんてキャッチーでカッコ良い曲だと思ってカセットに入れて聴いていたら、ある時コーラスのみで構成されているThe Manhattan Transfer バージョンを耳にした時は、Weather Report を完コピかと感動し、以来どちらも愛聴しております。
 久しぶりに聴こうと、これを引っ張り出しましたが 改めて見るとドイツの輸入盤でした。ググってみるとヨーロッパ、ドイツ、オーストラリアでの CBSから発売されていて日本やアメリカでは発売されていないようです。なお Vol.2 が出ているのかも検索しましたがヒットしなかったので、2作目構想はあったものの売れゆきが思わしくなかったので頓挫したのかと想像します。ライナーノーツに何が書いてあるのか、さっぱりわからずですが、これも一興。

 

 と、ドイツ語をOCして翻訳かけては非常にめんどくさいので省こうと思っていましたが、今はAIが発達しています。Gemini に二つの画像ファイルをアップロードしてを、日本語に翻訳してくださいと頼めば数秒で面倒な作業が完了しますので、翻訳終わったものを掲載しときます。
ウェザー・リポート(WEATHER REPORT)の軌跡
 ウェザー・リポートは1970年に結成されました。CBSの会長クライヴ・デイヴィスは、彼らの演奏を一度も聴く前から契約を結びましたが、その理由は、メンバー全員がマイルス・デイヴィス・グループの出身であり、並外れて高い芸術的評価を得ていたためでした。ウィーン出身のキーボード奏者ジョー・ザヴィヌルのリーダーシップのもと、バンドは全く新しいジャズのスタイルを急速に確立しました。1971年に最初のLPをリリースすると、ジャズ専門誌『ダウンビート』の読者投票ですぐさま「年間最優秀グループ」の称号を獲得しました。
 もちろん、ウェザー・リポートの音楽的業績は、グループ最大のヒット曲となった「バードランド(Birdland)」だけではありません。ザヴィヌルとウェイン・ショーターを中心に、長年にわたってジャコ・パストリアス、ミロスラフ・ヴィトウス、アルフォンゼ・ムゾーン、アイアート・モレイラ、オマー・ハキムといった革新的なミュージシャンたちが集まり、数々の優れたアルバムを世に送り出しました。
 アルバム『ヘヴィ・ウェザー(Heavy Weather)』は、ジャコ・パストリアスの巧みなベース・プレイのおかげでミリオンセラーとなり、グループを70年代で最も成功したジャズ・ユニットへと押し上げました。「Eurydice」「Elegant People」「And Then」「A Remark You Made」「Hernandu」といった楽曲は、今日ではエレクトリック・ジャズの古典となっています。1983年には初のボーカル曲が登場しました。マンハッタン・トランスファーによる「バードランド」のボーカル・バージョンとは対照的に、彼らはアルバム『プロセッション(Procession)』収録の「Where The Moon Goes」で自分たちの歌声を披露しました。
 ウェザー・リポートは今日、ジャズとロックを決定的に結びつけた音楽史の一部として評価されています。その音楽的多様性は、シンプルでメロディアスなアレンジから、多層的な音の奔流まで多岐にわたり、聴き手に現代ジャズへの新しい理解を促しました。録音から年月が経過しているにもかかわらず、彼らの作品は今なおジャズ愛好家にとって真の傑作であり続けています。また、次世代のジャズ・ミュージシャンにとって、「ウェザー・リポートという科目」は広く愛される必須の学習要綱(カリキュラム)となっています。
 ライナーノーツは Weather Report 入門盤としてのエレクトリックジャズの古典としての解説でした。私も当時は揃えていなかったので Weather Report なんて、どうせそろえるんだからベストなんて買う必要無かっただろ!って思わずに購入したので目的通りです。ベスト・アルバムは資源の無駄と思っていたことも過去ありましたが、金儲け主義の曲の羅列と思われるものも多いですが、企画した人の趣味や意図を感じられるもの、メジャーな中に1曲だけあるマイナー曲で、そのマニアっぷりにニヤリとすることもよくあります。さてこのアルバムにニヤリの要素はあるのか?ライナーノーツからはヒット曲集としての位置づけしか書いてありませんが、それだけなのか?


 聴き直しながら懐かしみながら編集者の偏愛はどこらへんにあるのか聴いて参ります。「Birdland」 最初は一番メジャー級の最大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) から、Jaco 参加2枚目のアルバムです。キャッチーなメロディ、編曲で誰もが一度聞いたら忘れられない曲です。Jaco のハーモニックスが粋です。「And Then」 中期のアルバム Mr. Gone(1978) からの曲で、Maurice White、Deniece Williams がボーカルで参加。Steve Gadd がドラムです。ここらへんの時代のフュージョン・バンドは歌物がアルバムに1曲入ってるものが多いのは、Weather Report の影響でしょうか。「A Remark You Made」 Heavy Weather(1977) から2曲目です。Wayne Shorter テナークス(テナー)がよく歌い、Joe Zawinul のシンセ音、Jaco のフレットレスがマッチした派手ではないが味わい深い名曲。「Second Sunday In August」Miroslav Vitous がベース、ドラムに Eric Gravatt)、パーカッションに Dom Um Romãoが新たに加入した2作目  I Sing the Body Electric(1972) で、ワールドミュージック的なスケールを感じる楽曲です。ポップさや派手さは無いですが世界観がすごい。「Herandnu」 Jaco が初めて参加したアルバム Black Market(1976) からの選曲で、この曲は Alphonso Johnson が作曲し、ベースを弾いています。スピーディで流れるようなリズム、アフリカを感じさせるシンセ音、ロックな雰囲気も感じます。カックイイですね。「Tears」しっとりと Wayne Shorter のサックスを聴かせながら段々とエッジの効いたシンセで煽ってくる静かなんだけどエネルギーが途中からドンドン出てくる楽曲です。マイルスのエレクトリック・ジャズ・ロック路線を引き継いだ Weather Report(1971) からの出品。「Elegant People」Black Market(1976)から2曲目の出品。これも Alphonso Johnson のベース。静かにエレガントに始まり、シンプルなテーマ繰り返しですがジワジワと緊張感を出してきて、これも名曲。「Eurydice」ファーストの  Weather Report(1971) からの2曲目です。Weather Report のイメージであるポップさは全くなく、Bitches Brew よりも少しバップよりな感じで Wayne Shorter のサックスが怪しい雰囲気で良い。「Man With The Copper Fingers」Weather Report  のラストアルバム This Is This!(1986) からの選曲です。ベースは Victor Bailey、ギターはCarlos Santana、ドラムはPeter Erskine の布陣で日本人もよくやるタイプのフュージョンサウンドで、聴いてて安心感あります。Santana のギターがメインですが(これを書いて知りましたが)、全くイメージのラテンフュージョン臭さが無いのもビックリ。「Where The Moon Goes」Jaco に変わって  Victor Bailey が参加した Procession(1983) からの選曲。スペースサウンドにアフリカンな変拍子リズムとそちら系のボーカルが入ってボコーダーも使ってしまうワールド・ミュージック・フュージョンです。最後のアレンジは Birdland 意識してる感あります。「Harlequin」Heavy Weather(1977) から3曲目の選曲で、よく聴くとつかみどころが少ないメロディーのスローナンバーですが、メチャクチャ頭にこびりつく名曲です。「Speechless」 Jaco Pastorius のフレットレスのソロに焦点があてられた奥深さが感じられるスローフュージョンです。余り今まで印象に無かった曲なのですが、改めて聴き直すと、ポップ過ぎない、ジャズ過ぎない、ワールドっぽさすぎない、ある意味 Weather Report の良さが詰まっている曲となのかと思いました。Weather Report 81(1982)からの選曲。「Palladium」大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) からの4曲目。Jaco のお得意ベース・フレーズにスチールパンが入った大好きな曲です。
 このベストのプロデューサーの意図はよくわかりませんでしたが、導入部分にはヒット曲を起用し、ポップ路線を聴かせながら古いところも、こんな一面もあると聴かせる中々良い選曲と順番であると思いました。
 また、Sweetnighter(1973)、Tale Spinnin'(1975)、Weather Report 81(1982)、Domino Theory(1984)、Sportin' Life(1985) などは持っていないことを再確認したので、どこかで入手していきたいと思います🎶

1. Birdland / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
2. And Then / S. Guest, Weather Report Mr. Gone(1978)
3. A Remark You Made / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
4. Second Sunday In August / Joe Zawinul, Weather Report I Sing the Body Electric(1972)
5. Herandnu / Alphonso Johnson Black Market(1976)
6. Tears / Wayne Shorter Weather Report(1971)
7. Elegant People / Wayne Shorter Black Market(1976)
8. Eurydice / Wayne Shorter Weather Report(1971)
9. Man With The Copper Fingers / Joe Zawinul This Is This!(1986)
10. Where The Moon Goes / Joe Zawinul, Nan O'Byrne Procession(1983)
11. Harlequin / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)
12. Speechless / Joe Zawinul Weather Report 81(1982)
13. Palladium / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)