1967年の秋に Monk のカルテットは Jazz Expo'67 というイベントに出演契約を交わし,
従来のカルテットに管五人を加えた9人編成でロンドンのオデオン・ハマースミスでリハーサルを行い、その後のパリでの録音を行った。会場はフランス・パリ8区にあるコンサートホール Salle Pleyel で、ここはパリ管弦楽団とフランス放送フィルハーモニー管弦楽団のフランチャイズホールとのこと。
本CDはラジオ放送用音源で、イントロダクション部分がカットされているものの、ラストまでノーカット収録されているいます。発掘音源で発売は1988年、放送用録音なので録音状態は割と良い感じですが、サウンドはモノラルです。
さて題名の Nonet とは九重奏のことですが、 1人:独奏・Solo(ソロ)、2人:二重奏・Duet(デュエットもしくは、Duo:デュオ)、3人:三重奏・Trio(トリオ)、4人:四重奏・Quartet(カルテット)、5人:五重奏・Quintet(クインテット)、6人:六重奏・Sextet(セクステット)、7人:七重奏・Septet(ゼプテット)、8人:八重奏・Octet(オクテット)、9人:九重奏・Nonet(ノネット)となります。
今回の録音は、全ての曲でフルメンバーのノネットで演奏しているのではなく、Ruby My Dear はカルテット、We See でトランペットの Ray Copeland が参加のクインテット、Epistrophy でペット Ray Copeland に続き、サックス Johnny Griffin が参加と、エンディングに向けて人数が増えていくような形態です。
Ruby My Dear まずはカルテットで開始の、ゆったりとして落ち着いた Ruby My Dear。情感たっぷりの Phil Woods のアルトが牽引するのも良いことには良いんですが、いつもの小節やフレーズをぶったぎるようなアクセントは無く何か気取っている感じが違和感というか、新鮮な感じがします。
We See トランペットの Ray Copeland が参加してクインテットになります。あちこちに音階が飛び跳ねて戻ってくるような元気のあるテーマなので、やはりここでトランペットが活躍します。テーマの持っている雰囲気もあって Monk は感じますが、アルトのソロが終わってトランペットと進むにつれ、親分である Monk が存在を消していることに気づきます。トランペットソロが終わると親分が登場し、やっと独特のアクセントや和音を連発してくれますが、あくまで演奏に沿ったリズムの中でやってくれるだけで、全体をストップさせたり発信させたりするようないつもの感じではありません。そしてベースソロですが、何をやっているのか不明なほどの録音レベル低さばかりが気になる。Ben Riley は、Art Brakey がよくやるドンドンドンの煽りをあちこちでやってます。
Epistrophy モンクの曲の中でも特に推進力が強く、ライブでは熱量が上がりやすい1曲です。ここでやっとテナーサックス、トロンボーンも参加しての重さが加わった演奏になってきます。先ほどの We See での盛り上がりが限界かと思いましたが、各自の熱のこもったソロで会場は湧いています。ここで思いました。大所帯になればスモールコンボでやるようなアクセントはつけにくいものなので、カルテットでも抑えめにして同じようなテンションでの助走をつけて、同じようなスピードを維持しているようなものなのかもしれない。ラストエンディングではバッチリときまりました。
Oska-T じっくり広がっていくタイプの曲で、編成の厚みが出るほど面白さが増すような感じがします。これまでで一番 Monk イズムが出ているような気がして安心します。アドリブ部分も素晴らしいですが、バンドで一点に集中するバッキングの部分などはロックではないけどロックっぽさも感じてしまいました。Jimmy Cleveland のトロンボーンソロも新鮮だし人数多めの厚いサウンドがカッコよし。
Evidence リズムの角が立っていて、フレーズの切れ味を楽しむタイプ。これもアンサンブルが入ることによって推進力が増します。段々とあったまってきて色々なものがスムーズに進行してきた気もします。足並みのそろい方がフュージョンのようでもある。面白い。
Blue Monk 代表曲らしい分かりやすさがありつつ少し転びそうで転ばない感じが楽しいです。管の色が乗って一気に華やぎます。力いっぱいの Monk の打鍵も熱がこもって良きかなって感じです。フリューゲル・ホルンのミュート演奏って珍しい?ものも聴けました。
Epistrophy 最後にエンディングで短めに決めて終わりです。
人数が多いこともあってか Monk のピアノは薄めの印象でしたが、後半は熱がこもってます。でもファンの間でもつまらないといった評も見受けられたのは前半の印象かなと思われます。Monk が参加したジャムセッションとして聴けば、かなり貴重な音源だと思います。マニアな録音のせいか youTube には、残念ながら音源があまり見当たりませんでした(面白いと思うんですけどねえ)🎶🎹
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley
alto sax : Phil Woods
tenor sax : Charlie Rouse ( 3 to 7) , Johnny Griffin ( 3 to 7)
trumpet : Clark Terry (6), Ray Copeland (2 to 7)
trombone : Jimmy Cleveland ( 3 to 7)
producer : Joop Visser
recorded on November 3rd, 1967 at Salle Pleyel, Paris.
1. Ruby My Dear / Thelonious Monk
2. We See / Thelonious Monk
3. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
4. Oska-T / Thelonious Monk
5. Evidence / Thelonious Monk
6. Blue Monk / Thelonious Monk
7. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
▶ Oska-T
定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。

















