2015年5月14日で89歳で亡くなった キング・オブ・ブルース BB King と Eric Clapton のコラボレーション。BB King 74歳、Eric Clapton 55歳 でのレコーディングで2000年にリリースされたアルバムです。TV番組とかフェスとかでの共演はこれまでも多かったかと思いますが、共同制作は初めてにして最後。
初共演は、Eric Clapton が Cream のメンバーだった1967年、22歳だった1967年、ニューヨークのナイトクラブ Cafe Au Go Go で、その当時はBB King 41歳、Eric Clapton 22歳。スタジオ録音では、BB King のアルバム Deuces Wild (1997) の、Rock Me Baby となりますが、さすがに、このアルバムでRock Me Baby を録音するまでの仕掛けはありませんでした。
録音に際しての選曲は Clapton で、プロデューサーは Eric Clapton, Simon Climie の二人です。BB King & Eric Clapton 共同名義でのリリースではありますが、お歳になった BB King はBB King は、企画にのっかって、力は入れずに、ひたすら軽い気持ちで若手の愛がこもったバックの演奏に合わせて、気持ちよく歌って弾いていただく。Clapton もバックの若手とほぼ同じ立ち位置で脇役に徹しています。
Riding with the King John Hiatt が1983年に発表したアルバムのタイトル曲で「キング」の乗るアメ車に同乗して旅をするというレジェンドへのリスペクトやファンタジーを交えたストーリーがまさに、このアルバムのテーマ。アルバム・ジャケットに、King が後部座席に乗り、クラプトンが運転席でハンドルを握るビジュアルも、この楽曲の歌詞世界やタイトルをそのまま表現しています。
Ten Long Years 元々は、BB King が1955年にレコーディングし、R&Bチャートでトップ10入りを果たした初期の代表曲の一つで、メンフィスのローカル・スターから全国区へと躍進していた時期のクラシック・ブルース ナンバー。
Key to the Highway Clapton の Layla and Other Assorted Love Songs (1970) で、Duane Allman とのセッションもある Big Bill Broonzy の代表曲の一つですが、追ってみるとピアニストの Charlie Segar が1940年に録音し、翌1941年に Big Bill Broonzy がアレンジを加えてヒットしたブルース・スタンダード。本作では8曲目の Worried Life Blues とともにアコースティックで演奏されていて、見どころ・聴きどころにもなっています。BB King も子供の頃のヒット曲ですね。
Marry You テキサスのギタリスト Doyle Bramhall II の1999年作品。古き良き50年代ブルースのカバーが多くを占めるアルバムの中で、伝統的なスロー・ブルースとは一味違う、ミドルテンポでパーカッシブでソウルフルなブルースを入れてきました。バックコーラスには作詞・作曲にも関わった Susannah Melvoin と、その双子の姉妹 Wendy Melvoin(元 Prince&The Revolution のWendy&Lisa)が参加。
Three O'Clock Blues元々は1946年の Lowell Fulson の楽曲ですが、BB King が1951年に発表したバージョンが大ヒットし、ビルボードのR&Bチャートで5週連続1位を記録した、2曲目 Ten Long Years 同様の出世曲。8分半を超える長尺トラックで、Clapton のフェンダー・ストラトキャスターと、BB King のギブソンES-355(Lucille)の掛け合いが最も楽しめる曲。
Help the Poor Charles Singleton が書いた曲を BB King が1964年に発表したシングルの人作品。マイナー・キーの印象的なリフとソウル寄りのグルーブを持つ曲で、Clapton の選曲の渋さが表れてます。
I Wanna Be 4曲目 Marry You と同様にテキサス出身のギタリスト Doyle Bramhall II のオリジナル作品。Bob Dylan のツアー・バンドでも活躍したギタリストの Charlie Sexton との共作曲。あえてこの作品で Doyle Bramhall II を入れてきた真意は?しゃれではあるまい。
Worried Life Blues ピアニスト Big Maceo Merriweather の代表曲のひとつで、BB King の他、Chuck Berry など多くのアーティストに取り上げられてきたスタンダード。Clapton も24 Nights (1991) で取り上げています。
Days of Old1958年にリリースされた BB King, Joe Josea の共作名義シングル曲。曲調は軽快でドライブ感のあるシャッフル・リズムの12小節ブルース。
When My Heart Beats Like a Hammer BB King, Jules Taub 名義の1954年の楽曲。「愛する人のことを考えると心臓が金槌のように激しく鳴り響く」なんともオールド・ブルースらしくない内容で良いですね。
Hold on I'm Coming サザンソウルの Sam & Dave のソウルクラシックをブルージーにして二人が交互にボーカルを執り、コール&レスポンスのボーカルとギター・セッション。だれもが知っている曲でファンサービスって感じです。
Come Rain or Come Shine 1946年のミュージカル St. Louis Woman のために書かれた、ジャズシンガーのみならずソウルシンガーにも大切に歌われてきたスタンダード中のスタンダード。ソウル・ブルース界隈では1959年の Ray Charles の The Genius of Ray Charles での録音が決定版でしょうか。BB King も Ray Charles を敬愛しており、音楽的ルーツと巨匠たちへの深い敬意で締めくくりです。
1970年 カナダ出身の Oscar Peterson 45歳の時の作品で、絶好調に華麗に弾きまくっています。バラード作品多めなんですが、強烈なスイングしてスポーツのようでもあり、演奏者の興奮も伝わります。端正さと勢いが同居していて、ピアノ・トリオの魅力をまっすぐ味わえます。録音は1970年11月10-13日の4日間で ベースは Sam Jones の後釜で、当時無名の若干26歳の Jiri "George" Mraz が担当、ドラムは Ray Price ですが、他のセッション録音は無いようなので残念。
I Love You 華やかな入り方が分かりやすく、速いフレーズの流れが自然で、アルバム全体の勢いをつくっています。Peterson はこの曲を以前にも何度か録音していますが、ここでは攻撃的なアプローチです。
Rock Of Ages ゴスペル色のある意外性あり。熱量の高い演奏と Jiri Mrazの歌うようなソロが印象的。
Once Upon a Summertime 一気に空気が変わって、抒情性が前に出てきて、Peterson の繊細な和声づけと、Mrazの音色の美しさがでてきています。
Just Friends / Teach Me Tonight 派手さよりもスイングの気持ちよさが残り「歌えるテーマをどう弾き崩すか」が楽しい作品になっています。
The Windmills of Your Mind 細かな16分音符の流れが印象的で、ピーターソンの機敏さが聴きどころ。メロディを崩しすぎずに、内側の推進力で引っ張る感じ。
I Didn't Know What Time It Was メランコリックで深い余韻があります。Ray Price はこの曲では控えめに支え、バラード寄りの表情をきれいに形作っています。
All of You 締めるにふさわしい、ミディアムテンポのスイング感が魅力。「振れすぎない安定感」と「活きのよさ」が同居しています。
「I Love You」と「Just Friends」のスリリングなプレーに圧倒され、「Rock Of Ages」「The Windmills Of Your Mind」の意外性、「Once Upon A Summertime」「I Didn't Know What Time It Was」のバラードまで静から動と変幻自在。録音やミキシングも良く臨場感あり各楽器の良さを引き出している録音も良しで、名盤は誰がいつ聴いても名盤🎶🎹
piano : Oscar Peterson
bass : Jiri Mraz
drums : Ray Price
producer : Hans Georg Brunner-Schwer
recorded in Villingen, Nov. 10th - 13th 1970
1. I Love You / Cole Porter
2. Rock Of Ages / Jack Fascinato, Tennessee Ernie Ford
3. Once Upon A Summertime / Eddie Barclay, Michel Legrand, Eddy Marnay, Johnny Mercer
4. Just Friends / John Klenner, Sam M. Lewis
5. Teach Me Tonight / Sammy Cahn, Gene DePaul
6. The Windmills Of Your Mind / Alan Bergman, Marilyn Bergman, Michel Legrand
7. I Didn't Know What Time It Was / Lorenz Hart, Richard Rodgers
Black Nile 1964年の Wayne Shorter のカバー。原曲はインストで、Porter は力強いスキャットを乗せたボーカル・ナンバーに。ナイル川はアフリカ系アメリカ人のルーツや歴史を象徴する水脈として位置づけられており、「水」という主題を浮き彫りにしています。
Wisdom Porter の恩師でありサンディエゴの伝説的ジャズ・ミュージシャンであるDaniel Jackson との共作楽曲。「母の乳、父の血」「大洪水の中でも先人の肩の上に立っていた」「先祖が与えてくれたものが私の糧となった」といったフレーズが登場し、先人たちの苦難と知恵(Wisdom)への敬意が歌われる、伝統的なゴスペル・ソング「Wade in the Water」のフレーズが織り込まれるスピリチュアルも感じる楽曲。
But Beautiful ピアノの Chip Crawford を中心としたアコースティックなアンサンブルが、原曲の美しいメロディを豊かに奏で、グレゴリーの音楽的ルーツであるトラディショナル・ジャズへの深い敬意とエレガンスを示します。「ラブ」と「プロテスト」という激しさが行き交うアルバム後半において短めのインストで、気品に満ちた箸休め。
Lonely One ジャズの枠組みの中に、Donny Hathaway、Marvin Gaye などの巨匠を想起させる、情熱的でソウルフルな歌唱。「間違った相手を選んでしまったのか?」「君の美しさを傷つけられたのか?」「大丈夫、ここに君と同じ孤独を抱えた者がいる(The lonely one is here)」と寄り添います。
Water アルバム全体を通じて表現しようとした最も重要なモチーフ。歩道を濡らし、汚れを洗い流し、庭を潤す一方で、時に植物を傷つけ、すべてを流し去っていく「水」のイメージは、人々の内面に流れ込む精神や感情、愛、そして救済。「Oohh, wash me... Save me...」
Feeling Good 1965年に Nina Simone が歌ったバージョンが公民権運動の時代背景と結びつき、「自由への渇望と新たな旅立ち」を象徴するアンセム。Mahalia Jackson のアカペラ表現から強いインスピレーションを受けた無伴奏のアカペラで強い感動と解放感を与えるクライマックス。
中身は、1969年~1976年までの Westbound Records 在籍時のシングルのA面、B面の全てが収録されたコンピレーションで、多くのトラックがLP未収録のB面曲であり、また別のいくつかの曲はLPバージョンとは異なるミックスやエディット、さらに他の2曲は発売が予定されながら土壇場で中止となったものが含まれます。なので、全体的にキャッチーで商業的ではありますがアルバでは聴けない曲が存在する少し深入りした方にも魅力的。1曲がほぼ5分以内と短くて、この後のアルバムで体験するダラダラ長尺のソロで戸惑うことがないので、Funkadelic の虜になる最初の入り口としても良いアルバムかと思います。
おそらく世の George Clinton 信者は、あまりにも複雑な彼の生き方やバンドの成り立ちを理解することがステータスになっている方も多いのにい違いありません。私も嫌いではないのですが、あまりに複雑で登場人物が多すぎるのでギブアップし続けながら、少しづつ覚えていくと、たまに色んなことがつながって賢くなったような気がするのですが実世界ではほぼ役に立たないことと、それを説明して自慢できる友人はいないので自己満足度も低い感じです。