改めて聴きなおしたので、ライナーノーツも真剣に読み直すと、なかなか興味深い録音の状況が解説してありました。
Idle Moments - What does a person usually think of during his idle moments? Does he sit in recollection of past pleasures or disappointments? Or does he sit and daydream of an accomplishment, desire, or goal he wishes someday to finally achieve?
ライナーノーツの書き出しはピアノの Duke Pearson。このアルバムではタイトル曲を書き下ろしています。この日の録音のセッションの最後でこのタイトル曲は録音され、録音前は7分程度に収める予定だったらしい。しかし進行を管理する Duke Pearson が演奏が始まると、自然とテーマや各自のソロが、当初頭の中で想定していた進行の倍になっても気にならず、録り終わった録音は15分となっていた。そこでAlfred Lion のリクエストで再度録音しなおし、7分程度におさめたのだが、長いテイクのほうが自然な録音だったのだが、アルバム全体の収録時間は決まっているため、今まで録音した、どれかを短くしなければならない。そこでメンバー全員で話し合いJean de Fleur が短くすることになったとのこと。本CDには alternate version が収録されております。実際の録音時間を見てみると、Jean de Fleur と Django の2曲が短くなったテイクが収録されています。どうやら Duke Pearson の記憶では Jean de Fleur のみ再録だったのだが、実際は2曲、それも大幅に短縮したのは、Django のようです。
なるほど再発のリマスターCDには alternate take が収録されていることがよくありますが、単純に曲の構成を変えてみたりして良いほうを採用することもありますが、このように実際のレコードにいかにして収録できるか調整のために、いくつか録音することも必要な場合があったんですね。
そう思うとロックやポップスではフェイドアウトの曲が良くありますが、ジャズとは違ってエンディングまでが1曲として完成されるよりも、楽曲そのものが良ければエンディングは、さほど需要ではないとの考えであったような気もします。
昔のレコードの録音時間は LPは最大で片面30分程度、シングル盤は5~8分程度、音楽CDは74分ですから、マスターさえ残っていれば、昔のレコードの未収録バージョンを入れることができます。
The Brand New Heavies は金儲け商業主義で微妙に内容を変えたバージョンを販売しているのかと思いましたが、レコード盤は本編でCD版は販売国によってボーナストラックが変わったり、リミックスを変えた曲が追加されていたりするのも、この録音時間の違いによる要素が大きいのかもしれません。
Idle Moments 14分59秒の長尺ではありますが、ゆっくりとしたテンポですが、Grant Green は、なでるように弾いてたかと思えばガツンときたり、いつものガシャガシャストロークを混ぜてきたりします。長めのギターソロの後に Duke Pearson が優しく優雅にピアノソロ、Joe Henderson は尺八のような低音で道端でボソボソと吹き始めたようなテナーではじめながら、段々と指もなめらかになります。と思ったらコンと Bobby Hutcherson のビブラホンが、そっとガンガン来ます。長尺が苦にならず最後まであきない出だし。良きかな。
Jean De Fleur ぐっと雰囲気を変えてスリリングにスイングですが、テーマのコードを伸ばすとこが Grant Green ぽいファンクな感じがします。続けて alternate version ですが、少し音圧高めでギター歪み気味で気持ち長めの録音です。スリリングさは前者の方が強いですがギターソロの流れは後者の方が私は気持ち良いかも。ジャズさは後者の方があるので革新的ではないかもしれない。
Django MJQ の楽曲でGrant Greenが長年録音したがっていた曲でその機会が訪れたことを嬉しく思うと Duke Pearson がライナーノーツに書いてます。中盤の Joe Henderson の渋いテナ ーと、力強く叩き出すような Bobby Hutcherson のビブラホンも良い味を出してます。ピアノもバランスのとれた構成のソロを短めにしていて良い。Grant Green は頭と最後にしっかりとしたソロを・・と思って聞いてたらフェイドアウト。ということは尺を考えての取り直しではない可能性があるので「Duke Pearson の記憶間違いではないか」の前述の推測は正しくないかもしれないですが、文章としては修正せずに前述残しときます。そしてDjango (alternate version) ですが、だいぶ長めでこちらのほうが演奏側は最初に本気で取り組んだバージョンです。後者の方がこじんまりしているような気がして、前者の方が演奏的にはワクワクして聴けるような気がします。後者は当然フェイドアウト無しの完結バージョン。
Nomad カチッとしたソロで Joe Henderson のテナーがビシッと決めてくれたら、Bobby Hutcherson のビブラホンも仕事をしなければなりません。タメの間も気持ちよく良い仕事なのかなと思います。真打の Grant Green のソロが、これまたカッコよくジャズしてます。ソロの途中のバッキングに Joe Henderson、Bobby Hutcherson が短く入ってくるとこも良いですなあ。最後に作曲者の Duke Pearson のピアノソロになり、テクニック的に目立つところは少ないものの気持ちはかなり入ってるかと思います。最後のいきなり戻るテーマの迫力も良しです。
やっぱりファンク期の Grant Green より、こっちのほうが好きかも🎶🎸
guitar : Grant Green
piano : Duke Pearson
bass : Bob Cranshaw
drums : Al Harewood
tenor sax : Joe Henderson
vibraphone : Bobby Hutcherson
producer : Alfred Lion
recorded : RUDY VAN GELDER
recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on November 4, 1963 (#1, 3, 5 & 6) and November 11, 1963 (#2 & 4)
1. Idle Moments / Duke Pearson 14:52
2. Jean De Fleur / Grant Green 6:46
3. Jean De Fleur (alternate version) / Grant Green 8:05
4. Django / John Lewis 8:40
5. Django (alternate version) / John Lewis 13:12
6. Nomad / Duke Pearson 12:13
▶ Django
▶ Nomad






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