2024年7月26日金曜日

Bill Evans / Montreux II

 

 力強い陽の Bill Evans が聴けるライブです。Evans のピアノの音は少し濁り気味ですが、Eddie Gómez の録音が鮮明で、音の圧も高いように感じます。1970年のモントルー・ジャズ・フェスの録音となります。リリースは CTI (Creed Taylor が1970年に独立したレーベルで Creed Taylor Incorporated の略)です。イージー・リスニング、フュージョンに注力しているレーベルからの、この作品の発売ですがエレピを弾くEvans でもなく、純然としたジャズを展開しています。音源としては、スイス・ロマンド放送局によって収録されたものを版権者である Evans が、このアルバムをCTIと契約したことでのCTIでの販売。レーベルとしてのエレクトリックな楽曲のの販売へのこだわりを捨てても、この演奏を世に出すことを選ぶほど良演であったこと、また「お城のエバンス」の異名をとる名盤  At The Montreux Jazz Festival (1968) の続きを意識しての「Montreux II」のタイトルも、出せば売れるとの大人の事情もあったことと推測されます。(エレピはこのライブでも弾いていたようですがアルバムでは除外されているとのこと)また、モントルー・フェスの創設者の一人であり、ピアニストでもあるジオ・ヴマールによる冒頭のアナウンスを丸々収録しているのも「お城」と同じです。違うのはゴツゴツとした Evans の弾きっぷりと音質、観客の熱量でしょうか。またベースの高めの音圧は、この頃新たに開発されたウッド・ベース用のピック・アップを使用していることも特筆すべき点でしょうか。
 ジャケットも印象的です。イラストのようにも見えますが、これは写真で Pete Turner の作品、デザインは Leonard S. Levine が担当しています。ジャケットだけではわかりませんが、ライナーノーツに掲載されている写真の左側に移っているのは、湖畔の崖と思われます。おそらく、モントルーのレマン湖の湖面を写したもので、ドットの模様に見えるのは、街灯の光が湖面に反射しているものと思われます。力強い演奏も印象的ですがジャケット写真の印象も強力です。


 それではベース Eddie Gómez。ドラムには Marty Morell で、エヴァンス・トリオ史上最も長期間存続し最も安定感のあった布陣でのライブを聴きながらのレビューです。ちなみに最初の試聴は他の客がいなかった時に、音楽好きの集う「おでんバー」でかけましたが、これならいけるとマスターの評判は Evans 作品にも関わらず上々でした。Introduction / Very Early 出だしは前述のとおり ジオ・ヴマールによるアナウンスでバンドの紹介から始まり、最初に紹介された Marty Morell の拍手は少な目、Eddie Gómez で盛り上がり、Bill Evans でヤンヤの拍手喝采でした。Very Early は Evans が大学時代に作った曲です。先にも書きましたが、最初に思うことは Eddie Gómez の音圧の高さ、次に、この Evans はやけに力強いな、張り切ってるんだろうか。良い曲なんですがそっちが気になります。 Alfie 同名の映画の為に Burt Bacharach, Hal David が書いた楽曲です。Evans のコードが力強く華やかなラブ・バラード。2分半あたりから倍テンポになってリズミックでスリリングな展開になります。34 Skidoo ミディアム・テンポの Evans のオリジナルで彼のソロから始まります。ピックアップで増幅された Eddie Gómez の細やかな技にも耳を取られます。Evans も絶好調で気迫充分で面食らいます。How My Heart Sings はいつもよりサービスで早くしています的な演奏です。Earl Zindars による楽曲。この曲はいつものエレガントな方が好きかもしれない。Israel は John Carisi によるマイナー・ブルースですが熱量が半端ないですね。ライブ会場では、実はアンコールで演奏されていたとのこと。I Hear a Rhapsody は、Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre による楽曲。Evans のルパートで始まり段々と熱量が増してテンポも速くなるパターン。Evans のソロの打鍵が力強いですね。Eddie Gómez のソロの後の Evans との二人の絡みの部分は、ライナーノーツを書かれている悠正彦氏の意見の通り、あっさりしています。もっと聞かせてくれても良いですね。Peri's Scope も早いテンポです。テンポ早くソロの構成含めスリリングさを求めているかのような演奏は爽快で観客の拍手、歓声もそりゃあ大きいです。これが最後でアンコールを求める拍手で、このアルバムは終わります。曲順が違うとミスのような意見も世の中にありますが、これはプロデューサーの意図で、このアンコールの拍手でアルバムを終わらせたかったと私は思いますが」どうでしょう。
 リリカルな印象の Evans が激しくカッコ良い面を見せてくれました。従来の Evans 視聴者には刺激が強いかも知れませんが、疾走感もあって、ぶっとく過激な三者のプレイは魅力です🎶

piano : Bill Evans
bass : Eddie Gómez
drums : Marty Morell

producer : Helen Keane

recorded by : Rudy Van Gelder

recorded at the Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland on June 19 & 20, 1970.

1. Introduction / Very Early (Bill Evans)
2. Alfie (Burt Bacharach, Hal David) 
3. 34 Skidoo (Bill Evans)
4. How My Heart Sings (Earl Zindars) 
5. Israel (John Carisi)
6. I Hear a Rhapsody (Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre) 
7. Peri's Scope (Bill Evans)





  

2024年7月21日日曜日

Paulo Mendonça / 11PM


 1995年にスウェーデンの Polar/PolyGram というレーベルから発売された快作です。キャッチーな歪系のセンス良いギター・リフ。気持ち良いブラスの入ったファンク・ロック。この頃の私はロック系より、フュージョン系、アシッドジャズ系を好んで聴いていた時代なのですが、このアルバムは車の中で、爆音で聴きながら釣りに行っていた記憶があります。真夜中に起きて、寝不足で出かける釣行も、この曲を聴きながら歌いながら車を運転すれば眠気も吹っ飛ぶ素晴らしいアルバムです。
 このアルバムは全曲がシングル級のキャッチーな曲ばかりで捨て曲が無いのも特徴。一般的に売れるサウンドだと思うんですが、残念ながら彼を知ってる人は私の周囲にはいません。もっと売れても良いはずだと思いましたが、音楽業界も良いものが口コミで売れるものは極稀なのでしょう。やはり宣伝、プロモーションが弱いと売れないんでしょうね。
 ただこの人のライブ動画チェックしてると、アルバムのキャッチーさと違って、ややマニアックなアレンジな売れ線ではない面も見えます。実はアルバムは、プロデューサーが創った売れ線の路線で本当の音楽性は違うところにあるのか?等と思ったりもしましたが、どうなんでしょう。プロデューサーは Nicci Wallin で、アルバムの中でもドラムやプログラミングをしています。


 それでは1995年から愛聴し続けている、11PM を再度聴きながらレビューです。If You Come To Party レビューするのにメンバーを書き出していたら発見でした。レコーディング・メンバーのキーボードは Mats Asplen, Owe Andersson, Niklas Medin の3人が参加していますが、この1曲目だけ Owe Andersson がイントロのオルガン部分だけ担当、曲のハモンド・オルガンは Mats Asplen が弾いています。当然イントロのオルガンの短い部分もイケてる感じですが本編のリフもファンクでカッコ良いです。ベース・ラインも Paulo Mendonça が弾いていて良いし、ギターのカッティングも良し、レニクラ風と言われても納得のボーカルですがレニクラよりファンク魂が入ってると思います。Hump Yeah 少しポップな曲になり、荒ぶることなく少し切ないメロディーも印象的です。Spend Your Life (With Me) 明るくブラスが効いているファンク・チューンで、うねる様なベースラインも良いです。また Lisa Nilsson の低めの色っぽいコーラスも効果的。ファンクロック最高です。If You Ever Come Back To Me 次いではしっとりとしたバラード風ソウルな楽曲です。Paulo Mendonça のソングライターとしての実力もここで見えてきます。壮大なスケール感も感じるアレンジも更にこの曲の良さを引き出しています。 Time After Time  ネーミングだけではシンディローパーに負けていますが、ファンク路線ではないロックになっています。ギターのカッティングの音作りも上手い。イントロと途中の曲の切り替わりに入るギターリフもセンス良し。She Says ここでファンク・ロック路線に戻ってきます。ジミヘン直ではないけど、あのマインドが入ったギターですね。やはり捨て曲は無いです。Try 爆発音から入るロックで、少々ファンクの遺伝子も入ってます。サビのトラーイ~のボーカル部分も気持ち良いしギターソロも気持ちが入ってます。Two Faced Woman エスニックな曲調のポップです。激しいライブの途中で、こんな曲が流れると、しんみり感動してしまうパターンです。Crazy World 曲名通りのサイケな作風のロックです。ここでもファンク路線では無いですね。イメージではファンクロックとばかり記憶に在りましたが、こんな曲もありました。これはこれでよく練られた楽曲です。You Are The One For Me アコースティックギターから入るのでフォークで入る出だしですが、段々と色々な楽器が参加してきて盛り上がり大団円で終わる古典的な手法です。良いじゃないですか。Change Our Ways 少しファンクに戻りますが基本はポップロックな気もします。ささやくようなボーカルですが、サビは男っぽい歌い方に変えてきます。うまいですね。Respect これ以降は日本版のボーナストラックですが、これもハッピーなブラス・ロックで良い曲でシングルで出ていても良いぐらいの素晴らしい楽曲。Chocolate Chip And Chicken Bone おいしそうな曲名です。サイケ・ギターと、ボーカルにエフェクトもかけるなど遊び心のあるファンク・ロックです。多分、歌詞はどうでも良いおバカなことしか歌って無さそうな雰囲気です。If You Want My Love 疾走系ロックです。ファンク魂はあり、歌い方はレニクラ調の盛り上げ曲です。
 再度聴いても爽快です。気持ち良いです。寝る前に聴くと寝られそうにないくらい元気がもらえます🎶

producer : Nicci Wallin

recorded at : Kennel Studios

1. If You Come To Party
vocals, guitar, bass: Paulo Mendonca
organ intro : Owe Andersson
hammond oprgan : Mats Asplen
background vocals : Lisa Nilsson, Peter Hallstrom
tenor sax, bariton sax : Peter Hallstrom, Wojtek"W"Goral
trumpet : Magnus"M"Johansson
tenor sax, bariton sax : Magnus"M"Johansson
drums, oscar, programming : Nicci Wallin
horn arrangement : Nicci Wallin
2. Hump Yeah
vocals, guitar, bass : Paulo Mendonca
yamaha CS-80: Mats Asplen
hammond oprgan, hohner D6 : Niklas Medin
background vocals : Lisa Nilsson
drum programming : Nicci Wallin
3. Spend Your Life (With Me)
vocals, guitar, bass : Paulo Mendonca
hammond oprgan, hohner D6 :Niklas Medin
background vocals : Lisa Nilsson
tenor sax, bariton sax: Wojtek"W"Goral 
trumpet : Magnus"M"Johansson
trumpet : Nicci Wallin
drums, CS80, micromoog, percussion programming : Nicci Wallin
Nicci Wallin, Paulo Mendonca : horn arrangement
4. If You Ever Come Back To Me
vocals : Paulo Mendonca
bass : Sven Lindvall
hammond oprgan, fender rohdes :Niklas Medin
background vocals : Lisa Nilsson
leslie harmonica : Patrick Wallin
tenor sax, bariton sax: Wojtek"W"Goral 
trumpet, flugelhorn : Magnus"M"Johansson
drums, CS80, programming : Nicci Wallin
Nicci Wakkin : horn arrangement
5. Time After Time
vocals, guitar, bass : Paulo Mendonca
strings : Mats Asplen
drums, CS80, oscar programming, background vocals : Nicci Wallin
6. She Says
vocals, guitar : Paulo Mendonca
bass : Sven Lindvall
background vocals : Lisa Nilsson
drums, CS80, micromoog, percussion : Nicci Wallin
7. Try
vocals, guitar : Paulo Mendonca
bass : Sven Lindvall
background vocals : Peter hallstrom , Micke Hujamen 
drums, programming : Nicci Wallin
8. Two Faced Woman
vocals, guitar : Paulo Mendonca
bass : Owe Andersson
fender rhodes, strings : Mats Asplen
background vocals : Lisa Nilsson, Peter hallstrom
strings : Tina Ahlin
drums, percussion, cs80,bass, background vocals,  programming : Nicci Wallin
strings arrangemernt: Tina Ahlin
9. Crazy World
vocals, guitar : Paulo Mendonca
fender rohdes, hohner D6, kurzweil strings : Mats Asplen
drums, percussion : Nicci Wallin
string arrangement : Klas Bjoklund
10. You Are The One For Me
vocals, guitar, bass : Paulo Mendonca
hammond oprgan : Niklas Medin
wulitzer : Mats Asplen
background vocals : Micke Hujanen,
strings :  Klas Bjoklund
drums, cs80, percussions : Nicci Wallin
strings arrangement :  Klas Bjoklund
11. Change Our Ways
vocals, guitar, bass, padsynth : Paulo Mendonca
tenor sax, bariton sax: Wojtek"W"Goral 
trumpet : Magnus"M"Johansson
drums, cs80, minimoog, programming : Nicci Wallin
strings arrangement :  Paulo Mendonca

【Japan Only Bouns Track】
12. Respect
13. Chocolate Chip And Chicken Bone
14. If You Want My Love





  

2024年7月20日土曜日

Mal Waldron Quintet with Steve Lacy / One-upmanship

 

 発売は、Enja Records という1971年にドイツのミュンヘンで生まれたレーベルで、社名は「European New Jazz」の略で「新しいジャズ」 レーベルの最初の発売は Mal Waldron の 「Black Glory  (1971)」(先ほど初めて聴いてみましたがゴツゴツしたいかついジャズでした)
 この作品は1977年の作品で、Black Glory に比べれば緩いゴツゴツさのピアノです。ゲストは Steve Lacy ですので、それなりのスリリングさがあるのかと思いきや意外と遠慮がちなソプラノ・サックスです。あちらの世界とこちらの世界の境界線を行ったり、来たりですが、こちらの世界の方が長めな感じです。
 他人の評価も気になるので、そんなアルバムが、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」で、どんな評価をうけたのかですが、結果は悪くもなく、良くもなく「興味を示してくれなかった」でした。初試聴は、なるべく音響設備が私の自宅よりも良い「おでんバー」で行うようにしているので、このアルバムも聴かずに持参したのですが、フリー好きな人間が多いし、きれいなジャズよりは、コテコテとか独特なものが好まれる傾向にあるのでメンツ的には大丈夫だろうと思ったら、反応が薄く非常に残念でした。評価が高く得られれば嬉しいですし、自分好みが酷評されれば闘志が燃えるものです。


 昔はこの手の音楽が苦手だったんですが、最近は聴いても違和感なく、すんなりと自分も、この世界に入っていけます。また独特のゴツゴツした感じも私には受け入れや聞こえると、アピールしながら細かく聴きながらレビューです。One Upmanship イントロはロックバンドのようでカッコ良いです。インテンポになったところで、Steve Lacy のソプラノが入ってきますが、秩序のあるソロで、どこから飛んでいくのか、期待しているうちに飛ばずに次のテーマに突入します。ここではトランペットの Manfred Schoof が暴れますが、テクニック・バリバリに暴れますので、フリーにはなりますが秩序は、未だ保たれている感じです。フリーの部分は、きっちりエネルギー放出してくれるのが好きです。そして The Seagulls Of Kristiansund のイントロは、Mal Waldron の絶望的な響きのコード連打から、抒情的なテーマに変わります。そして Steve Lacy のソプラノは鳥の声のように聞こえる美しい音色。カモメのような大きめの鳥の鳴き声だったり、小鳥だったりします。マルのピアノソロも凝ったテクニックで聴かせるのでなく、タイプライターと言われるカタカタした演奏なのが面白い。Hurray For Herbie マルより異世代年上のミュージシャン Herbie Nichols に捧げた楽曲。マルは Charlie Parker、Thelonious Monk、Herbie Nichols の影響が大きいとインタビューで語っていたらしい。モーダルで抽象的なテーマをひたすら深くつき進めていき、トランペットソロでは何故かリバーブ深めで更に盛り上がり、Steve Lacy で即興の世界に突入しますが、私がイメージするフリージャズとは違った秩序あるインプロで安心です。19分40秒と長いので聴き終わるまで、珈琲一杯を飲み切り煙草2本は吸えます。
 ダークさとエネルギーを感じるアルバムで気になるアルバムです。今は嫌いではないといった感想ですが、今後私の中で昇格していく可能性がありそうな一枚です🎶

piano : Mal Waldron
bass : Jimmy Woode
drums : Makaya Ntshoko
soprano sax : Steve Lacy
trumpet : Manfred Schoof

producer : Horst Weber, Matthias Winckelmann

recorded on February 12, 1977 at Conny's Studio, Wolperath (Germany).

1. One Upmanship
2. The Seagulls Of Kristiansund
3. Hurray For Herbie





  

2024年7月19日金曜日

David Sanborn / Heart To Heart


 David Sanbornのリーダー作は、ほぼコンプリートしているのですが、前作1977年の「Promise Me the Moon」だけは持っていません。気づいていたのですが、聴く前にサンボーンは、2024年5月12日に亡くなってしまいました。78歳とのことで楽しませていただきありがとうございました。
 前作を聴いていないので前々作 Sanborn と比較すると、前々作は少しソウルっぽくて泥臭いウンドで、まだ時代を感じさせる古めのアレンジに対して、フュージョン全盛時代の都会的な垢ぬけたサンボーンに変化する手前といった感じです。このような作風はメンバーやプロデューサーによるところが大きいと思いますが、プロデューサーは Sanborn は Phil Ramone、本作は John Simon となり、とても暖かい音のアルバムです。音作りはソウル寄りのジャズに近い曲が多いようで、当然、プロデューサーの意図であると思いますが、stuffのメンバーの Steve Gadd, Richard Tee の参加、そのソウル魂に加えて Herb Bushler のズンズンと低く響くベースとリズムがこのサウンドにさせているのでしょう。ソウル寄りフュージョンではありますが、決してstuff 軍団に乗っ取られているわけではありません


 それでは、何百回と聴いてきたアルバムのレビューをしてみましょう。Solo フォーク調のイントロで始まる穏やかで温かい響きの曲です。Don Grolnick はこういった曲をエレピで弾かせると、自己主張せせずに曲に溶け込み、且つ美しく、他のパートを引き立てる演奏です。David Spinozza のアコースティックギターも効果的です。この人もサンボーンのバンドで良い仕事してます。サンボーンばかりで注目してたんですが、私の所有音源でサンボーン以外のの David Spinozza 参加のアルバムを見てみたら、Rod Stewart / As Times Goes By..The Great American Song ⅡThe Brecker Brothers / DetenteDonny Hathaway / Extension Of A ManRoberta Flack & Donny Hathaway など、ソウル、フュージョン系はなるほどですが、Rod Stewart は意外でした。Short Visit 出だしは Herb Bushler のシンプルな低いベースラインから始まるスローテンポのソウル調の楽曲ですが、このベースラインの伸ばした音符を微妙に♭にずらすところが素敵。また、プロデューサーの John Simon による楽曲です。Gil Evans のアレンジによるホーン部隊の厚みのあるオケも最高です。ギターの Hiram Bullock は未だ、この頃も目立たないようにカッティングしてます。あのコーラスかけたクリーントーンが後半に着目すると聴けます。Theme From "Love Is Not Enough" エレピで Richard Tee が参加となり、Steve Gadd が叩いているんで、やはり stuff っぽさが少々。Lotus Blossom フュージョン時代のサンボーンの名物みたいな曲で Don Grolnick 作曲です。テーマのメロディーやはかない曲の感じが大好きな曲ですが、David Spinozza のボサノバを取り入れたギターのバッキングも素晴らしい。一旦曲が盛り上がって、ブレイクした部分からこのギターが始まると静かに野に咲く花が見えるような気がします。Heba サイケな響きのするイントロが印象的な David Sanborn が作曲。これはソウルっぽさは全くありません。テーマ部分はサンボーンの独特なアルトの吹き方が非常にマッチする作りです。Hugh McCracken のスライドギターがブルース風ではなく中東的な感じで、ここら辺も怪しい雰囲気に非常にマッチ。Sunrise Gospel この曲に関しては stuff 軍団に乗っ取られているのですが、そこが良いんですね。最初のほのぼのした雰囲気が段々とソウルのリズムに変化していくのですがジリジリとしか変化しません。ためて、ためて最後にダンス系になるところで精神が解放されます。また David Spinozza の曲の途中のギターのバッキングがレゲエ的なところがありますが、このバッキングは私の大好きな Smile で使われているのと同じであることを今回発見しました。いや楽しい。Anywhere I Wander で最後になりますが、このアルバム以降で見られるサンボーン・フュージョンにつながる出来栄えであるところが、また次のアルバムを楽しみにさせてくれる楽曲になっています。
 ホントに何百回も聴いているアルバムですが飽きません。これは私のCD棚の良く聴く場所に再度戻しておきます🎶

alto sax : David Sanborn
【additional horns】
trumpet : Randy Brecker
tenor sax : Michael Brecker
tromborne : Sam Burtis
【additional percussion】
Ralph MacDonald
producer : John Simon

 1. Solo (Tony Jaffe)
piano : Don Grolnick
acoustic guitar : David Spinozza
electric guitar : Hugh McCracken
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
vibraphone : Mike Mainieri
recorded at Rosebud Recording Studio 1-18-78
 2. Short Visit (John Simon)
piano : Don Grolnick
guitar : Hiram Bullock
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
french horn : Jon Clark
percussion : Warren Smith
clavinet, synthesizer, french Horn : Pete Levin
soprano sax, alto sax : Arthur Blythe
tenor sax, flute : George Adams
trombone : Tom Malone
trumpet : Jon Faddis, Lou Soloff
tuba : Howard Johnson
arranged by : Gil Evans
recorded at A&R Studios 1-19-78
 3. Theme From 'Love Is Not Enough' (Coleridge-Taylor Perkinson)
electric piano : Richard Tee
electric guitar : David Spinozza, Hugh McCracken
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
recorded at A&R Studios 1-20-78
 4. Lotus Blossom (Don Grolnick)
piano : Don Grolnick
acoustic guitar : David Spinozza
electric guitar : Hugh McCracken
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
vibraphone : Mike Mainieri
recorded at Rosebud Recording Studio 1-18-78
 5. Heba (David Sanborn)
piano, organ : Richard Tee
electric guitar : David Spinozza
slide Guitar : Hugh McCracken
bass : Anthony Jackson
drums : Steve Gadd
recorded at Rosebud Recording Studio 1-17-78
 6. Sunrise Gospel (Herb Bushler)
piano, organ : Richard Tee
electric guitar : David Spinozza, Hugh McCracken
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
tambourine : Warren Smith
recorded at Rosebud Recording Studio 1-17-78
 7. Anywhere I Wander (Frank Loesser)
piano : Richard Tee
bass : Herb Bushler
drums : Steve Gadd
electric guitar : David Spinozza, Hugh McCracken
arranged by : Coleridge-Taylor Perkinson
recorded at A&R Studios 1-20-78





  

2024年7月14日日曜日

Jaco Pastorius / The Green Light


 ホテルのバーでジャズを聴きに行ったら、このバンドの演奏が始まってしまったら・・このバンドを知らなかったら度肝を抜かれたに違いありません。ジャコがアイラ・サリバンのバンド Ira Sullivan Quintet に参加していた1973年頃のフロリダはマイアミビーチの The Playboy Plaza Hotel のロビー・バーでのモノラル・カセット録音。なので、この録音のバンドは Ira Sullivan Quintet であるべきですが、あまりに凄い海賊版的録音が発見・発表されたので、名義は Jaco Pastorius になっています。
 マニアによるモノラル・カセット録音なので、音質は良くなくて、テープの保存状態が悪かったのかブツっと音が切れる箇所があります。まあ、その割には各楽器の音は比較的鮮明に聞こえるのが救いです。私はジャコ・マニアの一人なので、とても興味深く聴くことが出来ますが、ジャコの遺族に金が入ってるのかどうかもわからないアルバムを発表するのも、購入するのもどうかと言った発言は、ある意味その通りだとは思い複雑です。権利は Ira Sullivan にもあるのかと思います・・
 参考に、高校を卒業して1970年頃から活動していた Jaco pastorius Wayne Cochran & C C Riders Amelia 1972 リズム的なテクニックの修行をしていたのがわかるジャコが、1973年のこの録音の頃には、ソウルバンドのベースマンからジャズ・プレイヤーに大きく変身、飛躍しているのも驚きです。
 また1975年の録音への Weather Report へのジャコの加入が画期的だと思っていたのに既に、Ira Sullivan Quintet でも革新的な演奏を実現していたことも驚きであり、Joe Zawinuln の発明品であると思っていたサウンドが、実は同時期に色々なところで発生していたということに、見方によってはジャコの加入によってこのサウンドが創られていたとも捉えることができることに面白みを感じてしまいます。


 このアルバムも数年聴いていなかったので、久しぶりにご対面したら驚いて前置きが長くなりましたのですが再度じっくり聴きながらのレビューです。Ballye De Nina はジャコ作品でプログレッシブで壮大なスケール感があります。既にWeather Report 加入を意識していたのでしょうか。ギターの Joe Diorio もパキパキの音ながらスリリングなギターで盛り上がります。良いんではないでしょうか。Lonely Dreams 少し前ではダメだったとお思いますが Ira Sullivan のソプラノは、好きなタイプかも知れません。このような幻想的な曲にはジャコのフレットレスは素敵な効果をもたらします。モノラル・カセットの割に各楽器の音が分離されているのも素晴らしい(エンジニアの腕もあると思います)Las Olas 再度ジャコのオリジナルになります。この時期で、この作品はやはり Weather Report を意識しているのか、Ira Sullivan のソプラノがそう感じさせるのか。それにしても、この曲でもギターの Joe Diorio が大活躍です。音はもうあまりパキパキしてませんので演奏中に調整が完了したのか。Call it Sunshine, I'm a Rainbow, Dance with Her Father これは注目のギタリスト Joe Diorio の作品。作風としては kenny Burell が意識されているかと思います。コード展開で押してくる感じが、とても馴染みやすいです。この曲では Ira Sullivan はフルートを吹いて最後はソプラノ・サックスで暴れます。同じテーマで長くやり過ぎな気もしますが、ライブで見ていたら飽きないんでしょう。
 最後に気になるギターの Joe Diorio は、Pat Methenyno のバークリーで学んでいた時代の師匠であるとのこと。なるほど凄腕なわけです🎶

bass : Jaco Pastorius
fender rhodes piano : Alex Darqui
guitar : Joe Diorio
trumpet, soprano sax, flute, percussion : Ira Sullivan
drums : Steve Bagby

produced by Bob Bobbing

The Ira Sullivan Quintet recorded live at The Lobby Bar of The Playboy Plaza Hotel in Miami Beach, Florida, (Circa 1973)

1. Ballye De Nina (Jaco Pastorius)
2. Lonely Dreams (Terry Gibbs)
3. Las Olas (Jaco Pastorius)
4. Call it Sunshine, I'm a Rainbow, Dance with Her Father (Joe Diorio)





  

2024年7月13日土曜日

Gigi Gryce Donald Byrd / Jazz Lab

 

  本アルバムを Walk Man に登録しようとしたらアルバム名が異なりました。アルバム名は「Modern Jazz Perspective, Vol. 2」です。登録している曲でソフトが検索ミスをする、あるいはソフトが参照しているデータ・ベースが違うってことは、たまにあるので、またかと思っていたら、今回はややこしそうです。
 まず「Gigi Gryce Donald Byrd / Jazz Lab」で検索すると別のジャケットと曲名のアルバムばかり出てきます。収録曲は Speculation, Over the Rainbow, Nica's Tempo, Little Niles, Sans Souci, I Remember Clifford でメンバーは Gigi Gryce, Donald Byrd, Jimmy Cleveland , Benny Powell, Julius Watkins, Don Butterfield, Sahib Shihab, Tommy Flanagan, Wade Legge, Wendell Marshall, Art Taylor となっていて本アルバムとは大幅に違います。
 レーベルは Columbia CL 998 
Notes : The Jazz Lab Quintet and Orchestra. Recorded in New York City on February 4, 1957 (tracks 1 & 3), February 5, 1957 (tracks 2 & 6), and March 13, 1957 (tracks 4, 5 & 7).


 さて、どうしたもんか?と「Modern Jazz Perspective, Vol. 2」で検索するとジャケット違いですが、私のCDと中身が同じものが出てきました。レーベルは不明ですが、類似ジャケットで曲違いが CBS で発売されています。


 私の持っている盤の、オリジナルのレーベルは Jubilee ですので、オリジナルは Jubilee の私の持っているジャケット、CBSから発売の盤はジャケット違いで、Columbia から発売のものは、The Jazz Lab Quintet の別の日の録音のものが同じ名前で販売されているようです。かなり紛らわしいので、数枚を抱えて困惑している Donald Byrd マニアは、かなりいるのではないでしょうか。
 前置き長くなりましたので、私が知らない Gigi Gryce のことを調べてからレビューします。1925年フロリダ州生まれのジャズマンでサックス、クラリネット、フルートを演奏する管楽器奏者。演奏家としての経歴は短いため余り世に知られずDonald Byrd と the Jazz Lab Quintet を組んでこの名義のアルバムを1957年に4つのレーベルから6枚発売し1960年のアルバムで録音は最後となっています。晩年はミュージシャンを辞めて公立高校で教鞭を執っています。なるほど何かがつかめてきた感じです。バンドのメンバーが所属するレーベルがそれぞれ違ったんで同年録音で色んなアルバムが違うレーベルから発売されネーミングも統一性が無かったのではないでしょうか。細かいとこは面倒なので今は良しとします。
 さて更に前置きが長くなりましたが、やっとレビューです。1. Blue Lights は、Gigi Gryce によるマイナーブルース。知的で陰りを持ったテーマに美しく品行方正なアドリブが楽しめます。Onion Head こちらは Donald Byrd の作曲のブルース。力強い曲調が1曲目と対照的。Onion Head は、Paul Chambers が髪の毛を短く切ってきたことからつけた名前とのこと。Isn't It Romantic は、Lorenz Hart 作曲、 Richard Rodgers 作詞の1932年に書かれたミュージカル曲。Donald Byrd が軽くミュートを被せての小気味よい演奏で、これは Gigi Gryce は参加しないカルテット演奏。Bat Land これは、Gigi Gryce と夫人 Lea Sears にょる共作。明るくファニーなテーマを持つブルースでダンスホールに合いそうなテンポでメンバーの演奏のバランス良く小気味よい作品。Bangoon こちらは、Hank Jones の書いた曲になります。タイの首都 Bangkok と ビルマの首都 Rangoon を掛け合わせた造語で、ベニーグッドマン楽団で数か月前に両国を訪れた際に浮かんだアイデアの曲とのこと。凝ったテーマで、Charlie Parker っぽいビ・バップ。Imagination は1940年に書かれた曲で、とても情緒豊かな曲で、今度は Gigi Gryce のアルトのみのカルテット。ここ一番の押しが強いサックスが聞けます。Xtacy は、Donald Byrd によるオリジナルではあるが、Horace Silver の Nica's Dream に非常に似ていますと言うか、おそらくインスピレーションは Nica's Dream は確実でしょう。Donald Byrd は多作だけに結構このパターンがあると記憶しています。
 Gigi Gryce の演奏が音源として聴ける数少ない貴重な音源とのことで、心して聴くと更に味わい深い気がします🎶

alto sax : Gigi Gryce
trumpet : Donald Byrd
piano : Hank Jones
bass : Paul Chambers
drums : Art Taylor

producer : Lee Kraft

recorded in NYC, August 9, 1957

1. Blue Lights (Gigi Gryce)
2. Onion Head (Donald Byrd)
3. Isn't It Romantic (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
4. Bat Land (Gigi Gryce, Lea Sears)
5. Bangoon (Hank Jones)
6. Imagination (Johnny Burk, Jimmy Van Hensen)
7. Xtacy (Donald Byrd)


▶ Bangoon



  

2024年7月12日金曜日

Nick Pride & The Pimptones / Rejuiced Phat Shake


 このアルバムに〈イギリス版SOIL & “PIMP” SESSIONS〉の衝撃再び!! の宣伝文句が、ネット上によくみられるが、何を指して SOIL & “PIMP” SESSIONS なのか?が良くわからないですね。(SOIL) のサウンドは、インストで「爆音ジャズ」「ラウド・ジャズ」「 Death JAZZ」等と呼ばれ、刺激的なリズムと爆音で客を煽りまくる形態で客を煽るのはアジテーターの社長。一方、Nick Pride & The Pimptones は、サウンドはFunk、Jazz、Soul、Hip-hop に根差した正統派なサウンドで、楽曲はゲストですがボーカル入り。どちらかと言えば、UKファンク、ジャズ・ファンクと言われる分野のサウンドです。共通点と言えば「Pimp」のバンド名ぐらいですが、コピーの作者の意図はこの単語なのでしょうか?
 と、永年の疑問を書きつつ、Nick Pride & The Pimptones のおさらいです。イギリスのニューカッスル出身の6人組バンドで、2007年にギタリストであり、コンポーザーの Nick Pride が結成したバンド。2009年に初アルバム It's The Pimptones!!!!!!! を Jazz Girl Records から発売、Wack Records から発売したシングル Deeper Pimp はヨーロッパでラジオを中心にヒットして BBCなどにも出演し認知されてきました。これは2014年の4枚目のアルバムとなります。レーベルは私所有は P-Vine, Kicks ですが、ジャケ写違いのドイツのレーベル Légère Recordings のバージョンもあり。
 先に書いたように、SOIL & “PIMP” SESSIONS とは全く違う、踊れるジャズ・ファンクが売りで、Susan Hamilton、Jess Roberts、Beth Macari、Karen Harding、Courtney Veleciaと多数の女性ボーカルをフィーチャーした曲で、パーティー感はマシマシ。


 さて久しぶりに、楽しく聴きながらレビューです。Rejuiced Phat Shake タイトル曲が最初にくるタイプのアルバムですね。ボーカル無しのブラス・アンサンブルが楽しいヤツです。おそらくライブは、これで幕開けするんでしょう。Take Care Of My Love ボーカルの: Susan Hamilton の可愛らしい歌声が魅力的のモータウン風サウンド。時代を飛び越えて出てきたようなサウンドが早くも楽しい。Second Hand Wife は、Jess Roberts の迫力系のボーカルのダンサブルなソウル。妻帯者の方には奥様に怒られそうなタイトルです。Why Does My Man Got To Be So Tough? 高速疾走ナンバーで、Beth Macari がセクシーな歌声です。サックス、トランぺット、ギターのソロも熱く、エンディングがまた痺れる。Soul Food Strut インスト・ナンバーで、変則的なギターリフ、ファンクとソウルの要素が入り乱れるコテコテな楽曲。Everything's Better In The Summertime ソウルフルで乾いた声が魅力の Karen Harding のボーカル。夏の太陽は全てをうまくいかせてくれる と言う前向きで明るい歌詞と呼応するメロディーも素晴らしい。Non Stop ラテンとラップのミックスで、ギターのカッティングもキレてます。Walkin' Out The Door ブルースハープでイントロ、恐らく太った恰幅の良い黒人のブルース・シンガーを予想させる声の持ち主は Lyndon Anderson です。検索してみると予想はハズレのようでスリムなオジサンでした。1950年代のブルースのイメージです。It's A Love Thing 次のボーカルは歌いなれたテクニックのある歌い方の女性白人ボーカル Courtney Velecia です。16ビートのファンクで、Tom Quilliam が一人で複数のサックスを吹きわけています。Interlude ループを切り取ったような短い区切りのような感じです。Wanna Treat You Right かすれ気味で声を張り上げないタイプの渋い男性ボーカルの Micky Moran Parker が歌うソウルナンバー。Go With It ここにきてブラス・バンドが出てきます Renegade Brass Band とのコラボ。ここまでやるとは感心してしまいます。何でもやってしまう器用なバンドだこと。Nick Pride & The Pimptones と交互に演奏して最後はバンド入り乱れてのソロ合戦と大合唱が楽しい。99 Reasons 跳ねるリズムで乾いた声の巨漢の黒人ボーカルを想像してしまう Lane Thomas Hewitt がボーカル。ちょっと調べて見ただけではお姿見つけられませんでした。Hex On My Soul なんと最後は一青窈タイプの女性ボーカルで、ファンクではなく、しっとりと歌い上げて終わりです。私の魂に呪いをかけて、というタイトルでこの曲はニヤリとする趣向です。
 音楽は楽しくやるもんだぜ。の勢いがあります。このアルバム以外も聴いておきたいと思いましたが、もしかしたら、これが最高傑作かもしれないとも思えます。良盤の太鼓判🎶

guitar : Nick Pride
bass guitar : Ian Paterson
drums : Oscar Cassidy
percussion : Oscar Cassidy
baritone sax : Tom Quilliam
flugelhorn : Keith Nicholson
soprano sax : Tom Quilliam
tenor sax : Tom Quilliam
trombone : Chris Hibbard
trumpet : Keith Nicholson

producer : Nick Pride, Oscar Cassidy

1. Rejuiced Phat Shake
2. Take Care Of My Love
featuring : Susan Hamilton
3. Second Hand Wife
featuring : Jess Roberts
4. Why Does My Man Got To Be So Tough?
featuring : Beth Macari
5. Soul Food Strut
6. Everything's Better In The Summertime
featuring : Karen Harding
7. Non Stop
featuring : Dubbul O
8. Walkin' Out The Door
featuring : Lyndon Anderson
9. It's A Love Thing
featuring : Courtney Velecia
10. Interlude
11. Wanna Treat You Right
featuring : Micky Moran Parker
12. Go With It
featuring : Renegade Brass Band
13. 99 Reasons
featuring : Lane Thomas Hewitt
14. Hex On My Soul
featuring : Courtney Velecia





  

2024年7月7日日曜日

Freddie Hubbard / Red Clay

 

 Freddie Hubbard(フレディ・ハバード)は、1970~1975年までCTI時代に8枚ほどのアルバムを遺していますが、これはその移籍の第一弾の作品となります。ライナーノーツで初めて知ったのでCTIは、このアルバムのプロデューサーの Creed Taylor が1970年に独立したレーベル、Creed Taylor Incorporated の略だということ。CTIと言えばストリングスを加えたイージーリスニング路線のイメージですが、ここら辺は社長の Creed Taylor の戦略と言いうところが大きいようで、低迷するジャズ音楽業界に一石を投じるフリージャズに対しても、今後のジャズの在り方を自分のレーベルを作って体現していたようであります。個人的にはCTIのヒット作 Wes Montgomery / A Day In The Life なんかは余り好きではないのですが、なぜあのアルバムが出たのかが理解できました。
 さて、このアルバムの Freddie Hubbard のバンドは2管クインテットのジャズ・フォーマットでストリングは入っていません。編成は古いタイプでありますが、ハンコックはエレピとハモンドの演奏でアコースティックは一切なしですので、あまりCTIから発売の音源と言う感じではありません。
 また、音以外で気になったのはアルバムのデザイン。タイトルの Red Clay は、日本語では「赤土」ですから言葉からのイメージは、ドロドロのブルースっぽい曲が連想されてもよさそうですが、ジャケットは赤土の砂埃の中に月か太陽が見えるかのようなSFチックなデザインです。カバー写真は、Price Givens、アルバム・デザインは Tony Lane。ライナーノーツは赤土がひび割れたモノクロ写真がバックになっています。この赤土の意味合い、こだわりがどういったものかは、調べてもよくわからなかったのが、今回は残念です。


 といったところで、再度聴きながらのレビューですが、先ず最初に、このアルバムは全曲 Freddie Hubbard のオリジナルです。Red Clay 最初に聴いた音楽好きの集まる「おでんバー」では、人と話していたので聴き流していたのですが、ジャズ・フォーマットと思っていたのが中身はフュージョンですね。ドラムは8ビートだし、Ron Carter のベースはジャズ・ファンクです。最初はジャズっぽいこともやっているんですが、曲が進めばコード進行もジャズファンクの流れ。Hancockのエレピも、まさにそれ。「おでんバー」仲間には好まれない流れではありますので聞き流されてしまったのは、このせいですね。今晩もう一回持って行ってかけて反応を見ようと思います。何故「赤土」なんだろう? Delphia これもジャズっぽいけどフュージョンの流れです。サンボーンとかでも、この流れありますね。ブルース形式ではありますが、ちっとも泥臭くない。でも良い意味で古臭い。曲名が何を指すのか気になりましたが、Delphia の検索で出てくるのはヨットの販売会社ばかりです。人名なのか?もしかしたら Philadelphia の略? Suite Sioux 非常にジャズっぽい曲です。っていうかフュージョンっぽくない。これも曲名の Sioux が気になりましたので調べて見ると、先住する北米インディアンの諸部族のことです。インディアンと暮らす?を感じる曲調ではありませんので、これも不明ですね。The Intrepid Fox これはロンドンのパブがヒットしました。ただこの名前で開かれていたのは1997~1999年とのことで1784年に Samuel House の名前で開店したとのことなので疑問は深まります。曲としてはハード・バップスタイルです。Ron Carter のベースもそれなのですが現代的な音がします。曲としてはハード・バップですが、Hancock のエレピが、アコースティックでは出せないノリを産み出しますし Freddie Hubbard の吹きまくりのソロ、Joe Henderson の独特の雰囲気の作り方と間が良いです。
 あからさまなフュージョン路線ではない中途半端なところが魅力で、再度聴き直すと最初よりも味が出てきたアルバムになります。私のCD棚のヘビ・ロテ枠に収納しようか、どうしようか迷います🎵


trumpet : Freddie Hubbard
tenor sax, flute : Joe Henderson
electric piano, hammond organ : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Lenny White

producer : Creed Taylor

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, January 27–29, 1970

1. Red Clay
2. Delphia
3. Suite Sioux
4. The Intrepid Fox


▶ Delphia