2026年8月18日火曜日

Grant Green / Idle Moments


 改めて聴きなおしたので、ライナーノーツも真剣に読み直すと、なかなか興味深い録音の状況が解説してありました。
Idle Moments - What does a person usually think of during his idle moments? Does he sit in recollection of past pleasures or disappointments? Or does he sit and daydream of an accomplishment, desire, or goal he wishes someday to finally achieve?
 ライナーノーツの書き出しはピアノの Duke Pearson。このアルバムではタイトル曲を書き下ろしています。この日の録音のセッションの最後でこのタイトル曲は録音され、録音前は7分程度に収める予定だったらしい。しかし進行を管理する Duke Pearson が演奏が始まると、自然とテーマや各自のソロが、当初頭の中で想定していた進行の倍になっても気にならず、録り終わった録音は15分となっていた。そこでAlfred Lion のリクエストで再度録音しなおし、7分程度におさめたのだが、長いテイクのほうが自然な録音だったのだが、アルバム全体の収録時間は決まっているため、今まで録音した、どれかを短くしなければならない。そこでメンバー全員で話し合いJean de Fleur が短くすることになったとのこと。本CDには alternate version が収録されております。実際の録音時間を見てみると、Jean de Fleur と Django の2曲が短くなったテイクが収録されています。どうやら Duke Pearson の記憶では Jean de Fleur のみ再録だったのだが、実際は2曲、それも大幅に短縮したのは、Django のようです。
 なるほど再発のリマスターCDには alternate take が収録されていることがよくありますが、単純に曲の構成を変えてみたりして良いほうを採用することもありますが、このように実際のレコードにいかにして収録できるか調整のために、いくつか録音することも必要な場合があったんですね。


 そう思うとロックやポップスではフェイドアウトの曲が良くありますが、ジャズとは違ってエンディングまでが1曲として完成されるよりも、楽曲そのものが良ければエンディングは、さほど需要ではないとの考えであったような気もします。
 昔のレコードの録音時間は LPは最大で片面30分程度、シングル盤は5~8分程度、音楽CDは74分ですから、マスターさえ残っていれば、昔のレコードの未収録バージョンを入れることができます。
 The Brand New Heavies は金儲け商業主義で微妙に内容を変えたバージョンを販売しているのかと思いましたが、レコード盤は本編でCD版は販売国によってボーナストラックが変わったり、リミックスを変えた曲が追加されていたりするのも、この録音時間の違いによる要素が大きいのかもしれません。

Idle Moments 14分59秒の長尺ではありますが、ゆっくりとしたテンポですが、Grant Green は、なでるように弾いてたかと思えばガツンときたり、いつものガシャガシャストロークを混ぜてきたりします。長めのギターソロの後に Duke Pearson が優しく優雅にピアノソロ、Joe Henderson は尺八のような低音で道端でボソボソと吹き始めたようなテナーではじめながら、段々と指もなめらかになります。と思ったらコンと Bobby Hutcherson のビブラホンが、そっとガンガン来ます。長尺が苦にならず最後まであきない出だし。良きかな。
Jean De Fleur ぐっと雰囲気を変えてスリリングにスイングですが、テーマのコードを伸ばすとこが Grant Green ぽいファンクな感じがします。続けて alternate version ですが、少し音圧高めでギター歪み気味で気持ち長めの録音です。スリリングさは前者の方が強いですがギターソロの流れは後者の方が私は気持ち良いかも。ジャズさは後者の方があるので革新的ではないかもしれない。
Django MJQ の楽曲でGrant Greenが長年録音したがっていた曲でその機会が訪れたことを嬉しく思うと Duke Pearson がライナーノーツに書いてます。中盤の Joe Henderson の渋いテナ ーと、力強く叩き出すような Bobby Hutcherson のビブラホンも良い味を出してます。ピアノもバランスのとれた構成のソロを短めにしていて良い。Grant Green は頭と最後にしっかりとしたソロを・・と思って聞いてたらフェイドアウト。ということは尺を考えての取り直しではない可能性があるのでDuke Pearson の記憶間違いではないか」の前述の推測は正しくないかもしれないですが、文章としては修正せずに前述残しときます。そしてDjango (alternate version) ですが、だいぶ長めでこちらのほうが演奏側は最初に本気で取り組んだバージョンです。後者の方がこじんまりしているような気がして、前者の方が演奏的にはワクワクして聴けるような気がします。後者は当然フェイドアウト無しの完結バージョン。
Nomad カチッとしたソロで Joe Henderson のテナーがビシッと決めてくれたら、Bobby Hutcherson のビブラホンも仕事をしなければなりません。タメの間も気持ちよく良い仕事なのかなと思います。真打の Grant Green のソロが、これまたカッコよくジャズしてます。ソロの途中のバッキングに Joe Henderson、Bobby Hutcherson が短く入ってくるとこも良いですなあ。最後に作曲者の Duke Pearson のピアノソロになり、テクニック的に目立つところは少ないものの気持ちはかなり入ってるかと思います。最後のいきなり戻るテーマの迫力も良しです。

やっぱりファンク期の Grant Green より、こっちのほうが好きかも🎶🎸

guitar : Grant Green
piano : Duke Pearson
bass : Bob Cranshaw
drums : Al Harewood
tenor sax : Joe Henderson
vibraphone  : Bobby Hutcherson

producer : Alfred Lion
recorded : RUDY VAN GELDER
recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on November 4, 1963 (#1, 3, 5 & 6) and November 11, 1963 (#2 & 4)

1. Idle Moments / Duke Pearson 14:52
2. Jean De Fleur / Grant Green 6:46
3. Jean De Fleur (alternate version) / Grant Green 8:05
4. Django / John Lewis 8:40
5. Django (alternate version) /  John Lewis 13:12
6. Nomad / Duke Pearson 12:13




▶ Django


▶ Nomad

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2026年8月17日月曜日

Thelonious Monk Quartet Plus Two / At The Blackhawk


 Monk 作品の中でも編成が異色の1960年録音。San Francisco のジャズクラブ Blackhawk クでのライブです。メンバーはブラス部隊が、テナーサックス2人+トランペットのセクステット(6人編成)で、テナーサックスの Harold Land, トランペットの Joe Gordon は、現地San Francisco のミュージシャンのセッションです。
 再録版の Orrin Keepnews の書いたライナーノーツにも「実際のところ、これは怪我の功名とも言える録音だった」とヤバい状況だったが結果的に良かったこと、いきさつが書かれています。もともとは Thelonious Monk、Shelly Manne の双頭セクステット・アルバムを Blackhawk で録音する予定が、スタジオ・リハで、相性がいまいちだったとのことで、企画がボツになり、3週間の滞在で New York へ手ぶらで帰るわけにいかないため、もともとセッションに呼ばれていた Harold Land,  Joe Gordon はそのまま起用され、The Ornette Coleman Quartet で注目されていた Billy Higgins との共演が実現されることになったとのこと。(ですが、ライナーノーツには、Joe Gordon appears through the courtesy of VEE-JAY Records. つまりJoe Gordon は VEE-JAY Records の意向により参加とのみ書かれています)
 1950年代にインディーズの Riverside で批評的には活躍はしていましたが、このあと1961年後半に大手メジャーレーベルである Columbia Records と契約を結びます。1960年前後は、Monk のキャリアにおいて「アンダーグラウンドでカルト的な評価を得ていた鬼才から、世界的なジャズ・ジャイアントへと飛翔した決定的なターニングポイント」にあたる時期で、Orrin Keepnews 氏も結構苦労はしていたのだとわかるエピソードです。
 

Let's Call This  ブルース的要素を含みつつコード進行にヒネリがあり、飛び跳ねてスキップしたり階段を下りてくるような楽しさがあります。アドリブではモチーフの反復とリズムのずらしが感じられます。Monk は練りに練って作曲するイメージがありますがこのタイトルは「この曲の名前どうする」って言われて即興でつけたようなネーミング。いつもの MOnk にトランペットが入ってくるとオっと注目してしまいます。
Four In One  1950年代に録音されたレパートリーです。テーマメロディが短いモチーフを細かく四つ組のように連結していって、フレーズ単位で「四拍ごと」にガクガクと切り替わり、クルっと周るダンスが連続しているような感じがモンク特有のリズムにのった不思議な感覚があります。Joe Gordon のトランペットが明るくスイングしてからのアダルトなテナーソロ、ピアノ・ソロに入ると Monk ワールドに引き込まれ、独特のテーマに戻り大団円。
I'm Getting Sentimental Over You  戦前スウィングのジャズ・スタンダード。元の美しさを残しつつ、リハーモナイズやリズムのずらしによって Monk 流に変えています。管楽器のバッキングのピアノのリズム、コードのずらし方がスイングしつつ、非常に主張が強く感じました。この曲はトランペット、ピアノ、テナーサックスの順のソロです。拍手大き目。
Epistrophy (complete) オリジナルには無かった Epistrophy のコンプリートバージョン。ピアノのバッキングとテーマのパズルのようなイントロがクールです。他の曲と比べるとバンド全体が、何故か堂々としていて安定感があります。録音マイクの近くで、しゃべっているオッサンの声が気になりますが、ライブならではのハプニングの味でしょう。
Evidence これもオリジナルに無い追加のボーナストラック。またもや録音マイクの近くで騒ぐオッサンの声が入ってます。CDでの再編集版なので収録時間が伸びたために、もともとあったテイクの追加なんですが、オリジナルに入ってなかったのは、ここら辺のオッサンの声もあるのでしょうか。2曲続けてオッサンの声が気になりましたが、他の曲に入っているのかもチェックですが、ほかの曲では気になるようなレベルではやはり入ってないようです。
San Francisco Holiday (Worry Later)  この盤でデビューの完全な新曲。当初はこの曲に「Classified Information(機密情報)」という仮タイトルを付けていたとのことですが、さらに後にはSan Francisco Holiday というタイトルに改題し、Worry Later は副題になったとのこと。クセのあるテーマですがAABA 形式にうまく収まって自然にスイングしてるように聞こえるメロディが特徴でテーマ自体は分かりやすい感じで、おしゃれな曲の感じの出だしですが最後はぐしゃっとした Monk 流に。
'Round Midnight 定番の名曲。厳かなピアノがイントロでリズムのずらしは無くとも Monk を感じられる名曲です。じっくりと聴いていると静かにワルツを踊っている人が見えるような、整然とした流れが感じられます。最後のテーマのバスドラのドゴンドゴンが謎。
Epistrophy (Closing Theme)  コンプリートバージョンもありましたが、セットのオープニングやクロージング・テーマとして演奏されることも多きライヴ盤に登場するお決まり曲。その場合クロージングのほうが多いと思います。「これでセットは終了を伝える合図のような役割で、テーマだけをコンパクトに演奏です。

最初は音が悪いと思いましたが段々と気にならなくなってきて、Monk がノリノリですっ飛ばしているように感じるのは、ドラムの Billy Higgins 効果があるからでしょうか、相性は悪くないと思います。蛇足ですが、いつも帽子をかぶって若干ふくよかなイメージのある Monk 、本ジャケットは痩せていて精悍なアルバム写真です🎶🎹

piano : Thelonious Monk
bass : John Ore
drums : Billy Higgins
tenor sax : Charlie Rouse, Harold Land
trumpet : Joe Gordon

producer, liner notes : Orrin Keepnews
recorded live on April 29, 1960 at The Blackhawk, San Francisco.

1. Let's Call This / Thelonious Monk
2. Four In One / Thelonious Monk
3. I'm Getting Sentimental Over You / George Bassman, Ned Washington
4. Epistrophy (complete) not on original LP) / Thelonious Monk
5. Evidence not on original LP) / Thelonious Monk
4. San Francisco Holiday (Worry Later) / Thelonious Monk
5. 'Round Midnight / Cootie Williams, Thelonious Monk
6. Epistrophy (Closing Theme) / Thelonious Monk








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2026年8月16日日曜日

Weather Report / Night Passage


 1980年発表の、少し地味ながら、じわじわ来るJaco Pastorius 在籍後期の作品。エレクトリックで派手だった70年代後半より少し力を抜き、シンセは控えめで、アコースティック寄りの質感やビバップ的フレーズも取り入れた作風です。ラストの「Madagascar」は大阪でのライブ録音が使われています。タイトル曲 Night Passage 以外の曲も、編集は入っていますが Quincy Jonesなど音楽業界人も含め250人のオーディエンスをロサンゼルスのスタジオ「The Complex」スタジオに招き入れたライブ形式の録音とのことです。(少し情報としては不確かですが)
 Jaco のベースは相変わらず前面に出ていますが、派手さよりアンサンブル重視にはなっています。Jaco 目線で追うと、Black Market (1975) から、正規メンバーとなった Jaco は、1976年のバークレー・ジャズ祭でステージ・デビュー。Heavy Weather (1977) , Mr Gone (1978), 8:30 (1979)  のレコーディングをして、このアルバム Night Passage の時点でメンバーとして約5年間となっていました。このレコーディングの翌年 1981年12月に Jaco のビッグ・バンド Word Of Mouth はステージ・デビューを飾り、翌1982年1月からワールド・ツアーを開始していますので、このあと1981年の Weather Report を最後にジャコはこのバンドを脱退しています。


Night Passage 比較的シンプルなテーマで、複雑だけれど自然に流れるリズム構造、ンサンブルの空間を重視した楽曲で、いきなりテンションマックスではなく、「夜の通りにゆっくり入っていく」ような出だし。
Dream Clock シンセは厚く重ねすぎず空間に余白を残し、コードの動きは比較的シンプル。メロディは覚えやすいが、はっきり歌い切らず漂うように作られ、Jaco のベースも、「時間の揺れ」を感じる音数を抑えた独特の間合い。
Port Of Entry Jaco と Erskine コンビが「攻める」ことを Zawinul に許されたようです。テンポ速め、リフとキメが多くかなりアグレッシブです。ベースとドラムが細かく動き、拍の表裏をひっくり返すようなフレーズが頻出し、シンセはメロディとサイドラインで港のざわめきのような感じがします。
Forlorn 「Forlorn」=「寂しげな」「見捨てられたような」という意味で、ふっと“静かな深呼吸”みたいな曲になっています。静かなバラードで漂うような流れが続き、シンセが柔らかく淡いフレーズで、寂寥感のある空間を演出し Jaco は、音数を抑えつつも、ところどころで印象的なフレーズを差し込んでいます。
Rockin' In Rhythm Ellington ナンバーをフュージョン文脈で解釈の、ある意味注目曲になるかと思います。原曲のブルージーで跳ねるテーマは保ちつつハイスピードな4ビートで、がシンセでビッグバンド的な厚みを作り、Wayne Shorter がハードスイングします。
Fast City Jaco の猛烈なウォーキングベースと、Shorter のソロが炸裂します。テンポがカチカチではなく、演奏の熱に合わせてわずかに揺れ、エレクトリック編成でストレートアヘッドなジャズのエネルギーを感じます。
Three Views Of A Secret Word Of Mouthビッグバンドでも大切なレパートリーです。このWeather Report は少し陰影が強くて、Word Of Mouthビッグバンドのほうが好きかも
Madagascar アフリカ〜カリブを思わせるポリリズムで、冒頭は静かなシンセとパーカッション、徐々にベースとドラムが動き出し、多層的なリズムが折り重なり、サックスやシンセソロが、熱量を上げて終盤はトランス状態で最後は巨大なクレッシェンド。

再度聴いて、地味ながらも良かったです。わたくし行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、確実に嫌われるタイプですが今度勇気を出して持っていきます🎶

keyboards : Joe Zawinul
sax : Wayne Shorter
bass : Jaco Pastorius
drums : Peter Erskine
percussion : Robert Thomas, Jr.

recorded at The Complex, Los Angeles, California.
"Madagascar" recorded live in Osaka, Japan.

1. Night Passage / Joe Zawinul
2. Dream Clock / Joe Zawinul
3. Port Of Entry / Wayne Shorter
4. Forlorn / Joe Zawinul
5. Rockin' In Rhythm / Duke Ellington, Harry Carney, Irving Mills
6. Fast City / Joe Zawinul
7. Three Views Of A Secret / Jaco Pastorius
8. Madagascar / Joe Zawinul








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2026年8月15日土曜日

Van Halen III


 Van Halen は、やっぱり気になってしまいますもんで、もうロック小僧ではないジャズ系多め、ファンクも好き、ブルースも好きなヤジオも出来心で買っちゃいます。
 ちょっと低迷期の Van Halen III で、Extreme のボーカルの Gary Cherone が参加した唯一のアルバムです。


 1996年ごろ、映画「Twister」サントラ用の Humans Being のレコーディングをきっかけに、Sammy Hagarと Van Halen 兄弟との関係が悪化し、最終的に Sammy Hagar は脱退し、
その後出たベスト盤「Best Of: Volume 1」では、David Lee Roth を再びボーカルに迎えた新曲が2曲収録され、一瞬「ロス完全復帰か?」と、普段あまり関心のなかった私も注目しましたが、残念ながら短期の再合流にとどまります。そして破談になった David Lee Roth、喧嘩別れの Sammy Hagar も戻れません。そこで新たなフロントマンを探すことになり、元Extremeのフロントマンだった Gary Cherone が加入しますが、長続きはしなかったようです。
 もともとセッション的なアルバムだったのか? セールスが良くなかった引責辞任なのか?どうなんでしょう。売れなかったアルバムではありますが、イントロの Neworld のアコギは、これから何がはじまるのかと期待を持たせてくれてからの Without You は、王道ロック、One I Want は抜群のリズムコンビネーション、Dirty Water Dog これは変な仕掛けとメインのドクンドクンとする8ビートリズムが交錯するなど楽しい。Ballot Or The Bullet も曲に入ればいつも Van Halen だけど Led Zepp 風でドブロのブルースもカッコよい。ボーカルもさすがにうまいはうまい。ただキャッチーで頭に残るようなメロディーラインや天才的なリフの曲が無かったのは残念。単に売れ線の曲が書けなかっただけなので、David Lee Roth が歌っても、Sammy Hagar が歌っても、どのみちこのアルバムはセールス的には同じだったのかな🎶

lead vocals : Gary Cherone
guitar, keyboards, vocals : Eddie Van Halen
bass, vocals : Michael Anthony
drums, percussion : Alex Van Halen
programmed by : Ed Rogers, Ian Dye, Paul Wight
programmed by (additional) : Florian Ammon
written by : Van Halen

producer : Edward Van Halen, Mike Post
recorded by : Edward Van Halen, Erwin (Mucho Mic's) Musper

1. Neworld
2. Without You
3. One I Want
4. From Afar
5. Dirty Water Dog
6. Once
7. Fire In The Hole
8. Josephina
9. Year To The Day
10. Primary
11. Ballot Or The Bullet
12. How Many Say I





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2026年8月14日金曜日

Bill Evans Trio / Portrait In Jazz


 1959年録音の4作目のトリオ作品で、1961年の Waltz for Debby と双璧をなす代表作との評判もあるアルバムです。Miles の Kind of Blue(1959)で、新しいモードジャズをするための下準備を本作 Portrait In Jazz で作ったと言われています。Waltz for Debby と録音メンバーは同じで、ベースは、Scott LaFaro、ドラムは Paul Motian となります。ですが、Miles作品では Kind of Blue のベースは Paul Chambers、ドラムは James Cobb と本録音とは異なります。
 音楽的な下準備という意味では、従来のフォービートの伴奏ベースではなく積極的にピアノとのコール&レスポンスをするベースとピアノの関係が対等である点と言われており、ドラムの Motian もビートの刻みより、色彩的なサポートや会話的な応答を重視、Evans のの繊細なタッチと内省的なハーモニーが、三者の即興をまとめ上げています。


 本作はリマスターのCDなので、Autumn Leaves も2バージョン収録がうれしいところ。このアルバムを聴いたのは、いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」で、Bill Evans 好きの読書女性が、マスターが Bill Evans嫌いなのを知っていながらもガンガンかけていたので、私も少しづつ聴き始めたころ。彼女の好きな Envans は、「静」の演奏が多い印象でしたが、そればかりではない「動」もあることに気づいたのはこのアルバムでした。
 オリジナルのライナーノーツはプロデューサーの Orrin Keepnews 氏が、興奮気味に大げさに書いておられます。


Come Rain Or Come Shine このアルバムの「トリオの会話スタイル」をいきなり見せつける1曲目で、よく知られたスタンダードでありつつ冒頭からトリオのバランス感覚を聴かせてくれます。出だしのイントロから、テンポやニュアンスを少し揺らしつつ入ることで、ロマンティックさよりも「深い思索」のような気配を出し、テーマの途中でもベースがコード・トーンから逸れた音でラインを描き微妙な陰りを与え、ピアノソロでは、オクターブでのメロディや分散和音を使いながら元のメロディの断片が常にどこかに残っています。
Autumn Leaves take1, 2  Take 1 は、ややストレートで構成が整理されて LaFaroのベースラインも比較的「まとまり志向」な」慎重な探り合い。take 2は、緊張感がありドラマ性が強く自由でリズムの前後に揺れが出る分、ダイナミクスや間合いのコントラストが大きいかと思えます。
Witchcraft  アメリカン・ポップス寄りの洒落っ気が強い曲を、テンポ中速で4ビート、スインギーにしています。元のコード進行を尊重しつつテンションの積み方やボイシングでジャジーで少しダークな色合いになっています。テーマでも細かな装飾音やリズムのずらし方を使い、ただメロディをなぞるのではなく「さりげない変奏」です。
When I Fall In Love 「本気で恋をするなら、その愛は永遠に続くものだと信じたい。だから軽い気持ちでは恋に落ちない」という慎重だけれど一途な愛の誓いの曲。テンポはゆっくりで1音1音の余韻をもたせ、ピアノはメロディをほぼ忠実に歌いながら、ハーモニーを細かくリハーモナイズして陰影をつけています。ベース、ドラムとも「静かな会話」と「間合いの美しさ」が特徴でしょうか。
Peri's Scope  ガールフレンドの Peri が、自分の名前がついた曲がない、と Evans に催促をしてできたらしいです。いわゆるジャズの典型的な形式に沿った中速スイングで、メロディはシンプルで歌いやすく覚えやすいフレーズ。ハーモニーの選び方や、フレーズの「登っては少しだけ影を落とす」感じに、Evans らしい感傷がうっすら。
What Is This Thing Called Love?  「ジャズど真ん中のスタンダード枠」を担っている感じです。テンション高めで、アドリブの起伏も大きく、LaFaro の攻めたラインが前に出る「動」ってヤツが強く感じられます。
Spring Is Here  「春が来て世界は浮き立っているのに、自分の心には春が来ない」という、Richard Rodgers, Lorenz Hart らしい切ない“アンチ春うた”です。Evans の所謂リリカル・タッチ、内省的なバラード解釈の、私の、いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」のマスターが嫌がるパターンですが、私は好きです。
Blue In Green Miles の Kind of Blue(1959)のほうが先に録音されています。作曲は Miles Davis 名義ですが、Bill Evans作または共作説が出ているようです。とみなす見方が現在は有力です。非常にゆっくりしたテンポで、円を描くような、上昇と下降をくり返すメロディで内省的なので確かにそうかなといった感じです。Miles 版よりさらに陰影の深い解釈で演奏されています。

聴きなおしても結構よかったですが、また、いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」に持っていったら、マスターが無口になるんだろうな。楽しみです🎶🎹

piano : Bill Evans
bass : Scott LaFaro
drums : Paul Motian

producer : Orrin Keepnews
recorded at Reeves Sound Studios, New York; December 28, 1959

1. Come Rain Or Come Shine (Harold Arlen & Johnny Mercer)
2. Autumn Leaves take1 (Jacques Prévert, Johnny Mercer, Joseph Kosma)
3. Autumn Leaves take2 (Jacques Prévert, Johnny Mercer, Joseph Kosma)
4. Witchcraft (Carolyn Leigh, Carolyn Leigh)
5. When I Fall In Love (Edward Heyman, Victor Young)
6. Peri's Scope (Bill Evans )
7. What Is This Thing Called Love? (Cole Porter)
8. Spring Is Here (Richard Rodgers and lyricist Lorenz Hart)
9. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill, Larry Morey)
10. Blue In Green (Miles Davis)



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2026年8月13日木曜日

Jeff Beck / Jeff


 永遠に若いままで生き続けるかのように思えたのですが、惜しくも2023年1月10日で亡くなってしまいました。Jeff Beck のアルバムは、あまり持っていないですが、やはり昔から友人に聞かされたり映像を見てきて、指ピッキングのニュアンスの繊細さや力強さ、その音のセンスに驚く他ない方でした。また晩年は若手の、スゴ腕美人女性ベーシストを起用しての演奏も、単なるエロ親父ぶりを発揮しているのかと思いきや、若手育成に理解のあるギター親父だったような気もしています。でも Eric Clapton は、ひたすら才能のある Friends を集めてのイベント親父であることを考えれば、やはり多少のエロ親父的要素もあるような気もしますが、若手ギター少年に、ささやかな楽しみを提供してくれた偉大なギター親父でもあるか(若者だけでなく、いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」でも、いい歳のヤジオたちが Jeff Beck のライブ映像を見て演奏そっちのけでベーシストを見て盛り上がってます)


 ジャケットの、ノコギリで削り出してナイフで形を整えた感じのギターも、永遠のギター少年っぽさが出ていて、昔からの Beckファンの親父たちには好感度高いと思われます。 


 さて、この作品は 2003年の作品で Jeff Beck 59歳のまったく歳は感じさせない鋭い音作りで、テクノ、エレクトロニカ、ヒップホップなどの打ち込みサウンドと融合を果たした、2000年代の意欲作にして通算9枚目のスタジオ・アルバム。相変わらず鋭いフレーズで、自由自在に音を操っていて更に爆発力がヤバい感じです。あまり詳しくなかったのですが、エレクトロ路線は Who Else!(1999)、You Had It Coming (2000) と続いていたとのことで、この路線は本作で3作目のようです。
 自在にあやつるギターに圧倒されます。さらに音楽への探求力、順応性、表現力などなど唯一無二の方でした🎶🎸

guitars : Jeff Beck
drums (2, 3, 4, 5, 8, 11) : Steve Barney  
drums (7) : Paul Kodish

vocals (3) : Saffron, Andy Wright
vocals (4) : Ronni Ancona
vocals (6, 7, 11) : Nancy Sorrell
vocals (6) : Apollo 440
vocals (7) : Baylen Leonard, The Beeched Boys
vocals (10) : Me One
orchestration arrangement (4, 12) : Wil Malone
orchestration (tracks 12, 13) : London Session Orchestra

1 & 9. Recorded at FRS / Mixed at Todal Studios.
2 & 8. Re-produced, mixed and manipulated at cell labs, New York.
3, 5 & 11. Produced for SSO / Recorded at Metropolis Studio, London, UK / Mixed at Mayfair Studios, London, UK.
4. Produced for SSO / Recorded at Metropolis Studio, London, UK / Mixed at Mayfair Studios, London, UK / Additional engineering at Mayfair Studios, London, UK
6 & 7. Produced at apollo440.com / Recorded at Apollo Control, London, UK / Mixed at Sony Music Studios, London, UK.
10. Recorded at BFD Studios, London, UK / Mixed at BFD Studios, London, UK.
12. Recorded at Metropolis Studio, London, UK / Mixed at Mayfair Studios, London, UK.
13. Recorded at Metropolis Studio, London, UK / Mixed at Mayfair Studios, London, UK / Final mix at Mayfair Studios, London, UK.

1. So What / Dean Garcia, Jeff Beck
recorded by, mixed by, performer : Dean Garcia
2. Plan B / Ron Aslan, Simon White, Jeff Beck, David Torn
performer : Dean Garcia, Steve Barney
mixed by, engineer : David Torn
3. Pork-U-Pine / Jeff Beck, Andy Wright, Paul Holroyde
performer : Dean Garcia, Steve Barney
vocals : Andy Wright, Saffron
engineer : James Brown
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
recorded by : Andy Wright, Dave Bloor
4. Seasons / Ishmael Butler, Craig Irving, Maryann Viera, Syze-up,Jeff Beck, Wright, Matthew Vaughan
performer : Dean Garcia, Steve Barney, London Session Orchestra
vocals : Ronni Ancona
arranged by (orchestra) : Wil Malone
engineer : James Brown
engineer (additional) : John Hudson
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
recorded by : Andy Wright, Dave Bloor
5. Trouble Man / Jeff Beck, Dean Garcia, Andy Wright
performer : Dean Garcia, Steve Barney
engineer : James Brown
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
recorded by : Andy Wright, Dave Bloor
6. Grease Monkey / Howard Gray, Trevor Gray, Noko Fisher-Jones, Jeff Beck
vocals : Nancy Sorrell
engineer : Ashley Krajewski
mixed by : Howard Gray
recorded by : Apollo 440
7. Hot Rod Honeymoon / H. Gray, T. Gray, Fisher-Jones, Jeff Beck
performer : Apollo 440, Kodish
vocals : Baylen Leonard, Nancy Sorrell, The Beeched Boys
engineer : Ashley Krajewski
mixed by : Howard Gray
recorded by : Apollo 440
8. Line Dancing With Monkeys / Ron Aslan, Simon White, Torn
performer : Dean Garcia, Steve Barney
mixed by, engineer : David Torn
9. JB's Blues / Jeff Beck, Dean Garcia
performer : Tony Hymas
recorded by, mixed by, performer : Dean Garcia
10. Pay Me No Mind (Jeff Beck Remix) / Me One, Jeff Beck
vocals : me one
mixed by : Jamie Maher, me one
recorded by : Jamie Maher
11. My Thing /  Jeff Beck, Nancy Sorrell, Andy Wright
performer : Dean Garcia, Steve Barney
vocals : Nancy Sorrell
engineer : James Brown
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
recorded by : Andy Wright, Dave Bloor
12. Bulgaria / trad. arr. Beck, Wright
performer : London Session Orchestra
arranged by : Andy Wright, Jeff Beck
arranged by (orchestra)  : Wil Malone
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
recorded by : Andy Wright
13. Why Lord Oh Why? / Tony Hymas
performer : London Session Orchestra, Tony Hymas
engineer (additional mix engineer)  : John Hudson
engineer (assistant) : Ferg Peterkin
mixed by (final mix) : Jeff Beck, Tony Hymas
recorded by (guitar) : Andy Wright, Dave Bloor
【Bonus】
14. Take A Ride(On My Bottleneck Slide)
15. My Thing(David  Torn Remix)

▶ So What

▶ Plan B


▶ Seasons




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2026年8月12日水曜日

Mike Stern / Odds Or Evens


 キーボードJim Beardをプロデューサーにしてドラムの Dennis Chambers も一部参加の Atlantic からの1991年リリースの4枚目、通算では5枚目のアルバムです。このユニットは1989年~1992年まで活動しています。Milesバンドに参加は、1981年~1983年、1985年。1983年から1984年にかけては Jaco Pastorius のアルバム Word of Mouth に伴うツアーのバンドに参加しています。
 つまり, Milesバンド期を経ての、ソロとして脂が乗りきった頃のスタジオ作といえますが、確かあのMiles に「おまえは薬をやめろ」と説教されて病院送りになったとの記事をどこかで読んだことがあり、おそらく1980年ごろから1984年前後にかけてが、最も依存状態が深刻だった時期、Upside Downside (1986) 以降は、クリーンな状態でリーダー作を出し続けているとされています。
 ロック色の強いギター・フュージョンをベースにしつつ、コード進行やアドリブはかなりジャズ寄り、長めのソロをじっくり展開するためのオリジナル曲中心でテーマは比較的シンプル。その分ソロで攻める構成で激しい曲だけでなく静かな曲でもテンションは高くエネルギー感が持続しています。ギターが前面に出ていてもジャズ的な会話も濃い良作であると思います。関係ないですがマイルスに参加の頃の肥満とは全く別人で瘦せていてカッコいいスターンのジャケ写です。


 アルバムとしては、作曲はほぼスターンで7曲目のみ奥様の Leni Stern の作曲となっています。で、他は全曲マイク・スターンの作曲となっています。

Keys メロディアスな感じが前面に出ている明るめのサウンドですが、マイナーのメロディの中に哀愁漂うトーンのギターです。海を泳ぐようなコーラスのクリーントーンでテーマを泳ぎ、ソロからはいつものディストーションを効かせた王道のパターンが気持ち良い。
D.C. ハイパワーなファンク・ジャズで、タイトルは、この曲でDennis Chambers のイニシャルと Mike Stern 自身が少年時代を過ごした Washington, D.C. へのオマージュから名付けられています。でもデニチェンは細かい技よりも爆発力優先のドラミングのようで、ドラムのフューチャーよりも、Mike Stern 特有の幾何学的音の羅列のようなテーマ、中東的な音使いが印象的です。
Common Ground とにかく素晴らしいバラードで、優雅なテーマと伸びやかなソロなど構成もばっちりです。上手くて大好きな曲の一つです。奇数小節の展開や、半音階で美しく下降・上昇していくクリシェや、分数コードを使用したよく考えられた曲でもあります。
Odds Or Evens 流れは D.C.系ですが、これがタイトル曲で不可思議で幾何学的に聞こえながらもファンクでありロックも感じる、いつものヤツの集大成。「Odds Or Evens」=「奇数か、それとも偶数か」のとおり、奇数拍子による変拍子とファンクが複雑に組み合わさっているトリッキーなリズム構造。アウトフレーズや複雑なテーマの Bob Berg との高速ユニゾンも聴きどころです。
Seven Thirty 今までの流れと変えたストレートなフュージョンで、スタイリッシュで都会的な感じです。
If You Say So メロディアスで明るく温かなテーマを中心に徐々に盛り上がっていきます。タイトルからすると「君がそうやるなら俺はこうやる」って音のインタープレイが背景?なのでしょうか。曲調は違いますが流れは D.C. 、Odds Or Evens と同じ延長線にあるように聞こえます。
Sandbox アコースティック調の清涼感あふれる小作品で、濃厚なジャズ・ファンクの連続からリセットする清涼飲料的な、奥様 Leni Stern の作曲作品です。
Walkie Talkie 「Walkie Talkie」は「携帯型の無線トランシーバー」で、Mike Stern のギターと Bob Berg のサックスが目まぐるしくフレーズを交わし合う様子を、無線機でテンポよく言葉を交わす無線通信に例えています。この超高速インタープレイを支えるのは、超高速のウォーキング・ベース、疾走感あるドラミングでもあります。テクニック全開で終了です。

全編にわたりスターンのクセがちりばめられていますが、何回聴いても飽きはこないです。Mike Stern のクセは、誰とどの曲をやっていてもわかる訛りが強い方言をしゃべっているようなものですよね🎶🎸

guitar, composed by : Mike Stern
bass : Anthony Jackson (2, 4, 6), Lincoln Goines (1, 3, 5, 8)
piano, synthesizer : Jim Beard
drums : Ben Perowsky (1, 5, 8), Dennis Chambers ( 2, 3, 4, 6)
percussion : Don Alias
sax : Bob Berg

executive producer : Christine Martin
producer : Jim Beard

1. Keys
2. D.C.
3. Common Ground
4. Odds Or Evens
5. Seven Thirty
6. If You Say So
7. Sandbox / Leni Stern
8. Walkie Talkie

▶ Keys

D.C.





定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年8月11日火曜日

quasimode / Magic Ensemble


 日系クラブジャズもいつのまにか品揃えが多くなってきています。その中でも indigo jam unit、Soil & Pimp Sessions などのハード刺激系のほうが好みです。Acid を聴き始めてからは United Future Organization とか、日本人のコンピだとはずっと知らなかった Jazz Powers なんかも愛聴盤です。
 そんな日本人クラブジャズの中でも、何か気になって若干ポップでクールな感じは私の感性にドンピシャにハマるサウンドでは明らかにないのに、いつのまにか揃えてしまっているのが quasimode です。入り口はどこだったのか思い出せば、クレイジー・ケン・バンドの横山剣さんボーカルの Summer Madness が入っていた Soul Cookin' からでした。もちろん様々な媒体で聴いていたのですが、タワレコの試聴で聴いて買ってみようかなって気になりました。


 クラブジャズのグルーブでに、ポップスやロックの感覚も取り込んだサウンドで、「歌心」とアンサンブルが前に出た音で、日本のジャズ・フュージョンが好きな人、メロディアスで少しポップ寄りのジャズをアルバム通して聴きたい人に向いた作品で、ホーンやゲスト陣を前に出しながら、バンド4人のアンサンブルを前面に出した作りで、ソロとアンサンブルのせめぎ合いです。

Ant Soldier イントロは往年の Spectrum っぽいですが、本編に入ればジャパン・フュージョン風クラブジャズ。疾走感と緊張感がありゲスト無しのレギュラーメンバーのみの演奏は、「4人が1つの蟻のように強固にまとまって突進する」
Whisky's High ウイスキーの「響12年」の世界観からインスパイアされたらしい。ヒューマンビートボックスの AFRA を迎えての演奏は新しめの試みだが、ソロ楽器としてところどころで入ってくるのは若干うっとおしい。もっとリズム楽器として通して入ってたら良いのにと思ってしまった。 
Music Can Change the World R&B/ソウルシンガー HanaH は、結構いろんなところで聴いてるような気がします。高音域の細かな表現や日本語部分の聴きやすさが好感です。「音楽は世界を変えることができる」という、ド・ストレートでベタなメッセージがタイトル。
Lush Life リズミカルで軽快なピアノのフレーズを軸に、松岡“matzz”高廣のパーカッションと新メンバー今泉総之輔のドラムが絡み合う疾走感のあるラテンジャズです。元気がでます。
ワルツが聴こえて 静寂と叙情性のある独特の世界観の畠山 美由紀の歌声が気持ち良い。どこか歌謡曲調のノスタルジーとヨーロッパの映画音楽を漂わせています。ジブリ感もあるかも。
No More Sadness Music Can Change the Worldと地続きの「音楽を通じて少しでも前を向き、悲しみを乗り越えてほしい」というメッセージのあるインスト。枯葉っぽいメロとコード進行が気になっちまいます。
Conglis Strut Strut=気取って歩くで、その名の通り美メロ路線から一転の躍らせる感じのラテンジャズが根底にあるファンキーなアッパー・インスト。トロンボーンは良い感じでソロとってますが、誰だろうか。書いてないな。
Sympathy For The Devil サンバ・ロック調のリズムの原曲がラテン・ジャズになるとこうなるのかってヤツです。悪くはないですが狙い過ぎではないのだろうか。賛否両論ありそうな。
Naghol Jumping Nagholって何と調べると、南太平洋のバヌアツ共和国のペンテコスト島で行われている伝統的な儀式のジャンプらしい。そんな雰囲気は楽曲からは感じられないように思いますが・・・
Rebel Riot アグレッシブでパンキッシュと書かれている記事も見ましたが、私はルパンタイプの日本伝統ジャズ形式かと思います。
Flyin' To The Dark シネマチックでドラマチックで哀愁を帯びたメロディーラインの漆黒の夜空へ飛び立つ飛行機を眺めているようなイメージ。キーボードの深みのある音が良いですし、随所のドラムの工夫が気持ち良いかも。
Cosmic Eyes 煌びやかなピアノがクラブジャズのリズムに乗り、途中から菊地成孔がサックスをねじ込んできます。菊地成孔がいるからか、曲のアレンジは一番凝ってるような気がします。
Seven Colors 多彩な音楽性やゲストプレイヤーで作成したされてアルバムの最後の曲の意味が「Seven Colors」のタイトルになっているようで、最後はレゲエで締めです。余韻を残したフェイドアウトがラストのエンディングの演出。なるほど。

売れる要素が満載のナンパなイメージで少しコマーシャルな感じが強くてスマートすぎるような気もする。1枚目のようなアクの強さもホシイかも🎶

piano, keyboads : 平戸 祐介
percussion : 松岡 “matzz” 高廣key
bass : 須長 和広
drums : 今泉 総之輔

human beatbox : AFRA (Whisky's High)
vocals : HanaH (Music Can Change the World)
vocals : 畠山 美由紀  (ワルツが聴こえて)
trumpet : タブゾンビ(Sympathy For The Devil)
sax : 菊地 成孔 (Cosmic Eyes)
trumpet : こだま 和文  (Seven Colors)

1. Ant Soldier / matzz, Yusuke Hirado
2. Whisky's High feat.AFRA [Album Version] / Kazuhiro Sunaga, matzz
3. Music Can Change the World feat. HanaH[Album Version] / Kazuhiro Sunaga, matzz, Yuki Kawamura
4. Lush Life / Kazuhiro Sunaga, matzz
5. ワルツが聴こえて / Miyuki Hatakeyama, matzz
6. No More Sadness / Yusuke Hirado
7. Conglis Strut / Kazuhiro Sunaga, matzz
8. Sympathy For The Devil feat.タブゾンビ / Mick Jagger / Keith Richards
9. Naghol Jumping / Kazuhiro Sunaga, matzz
10. Rebel Riot / Kazuhiro Sunaga, matzz
11. Flyin' To The Dark [Album Version] / Sohnosuke Imaizumi, Yusuke Hirado
12. Cosmic Eyes feat.菊地成孔 / Kazuhiro Sunaga, Sohnosuke Imaizumi
13. Seven Colors feat.こだま和文 / matzz








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