2026年7月28日火曜日

Double Orange / たんぽぽ~笑顔の花~


 十年以上前ですが、仕事の販売が好調すぎて途方もない仕事量になり心がガサガサしていました。幼なじみのやっていた「しょんべん横町」のホルモン屋で、ひとり呑みして、フラフラと歩いていると「手作りの詩集を立って売っている女性」がいます。わたくし、あまり詩を嗜む感性は持ち合わせていないのですが、応援したくなる気持ちでした。人ごみの中、誰を見るわけでもなく、ひたすら前を見ながら無表情で立ち続けているのですが、手を挙げながら近づくと覚えてくれていることが何か誇らしかった気がします。前に買ってもらった時から未だ改版していないとか、新作出来たんですよ、などと短い会話をしながら、手刷りの詩集を買って帰ります。電車の中で読んでも、さっぱり良さはわかりませんでしたが、あれもひとつのアートの形なんだよなあと思いながら、そのアートに触れられたことに対してのほっこりとした満足感がありました。


 そんなころに、たまたま聞いた新宿の路上演奏のコンビの手売りのCDです。この方たちにも、何かその時に心に感じたものがあり、その場で買わせていただきました。最近は、カラオケを大音量でならして歌っていたり、バキバキに割れた音のアンプでギターをかき鳴らすだけの若者が多くて、度胸は良いのは評価しますが、人に音楽を聴かせたいのであれば、もう少し努力の跡がわかる段階になってから音を出してもらいたいもんだと思い、足を止めて聴くに値する方が、ほぼ無くなってしまったのは嘆かわしい限りです。


 音楽のジャンル的には好みではないのですが、今聞き直してもサビの優しい歌詞に少しホロっとします。今はどうされているのか検索してみたら音楽活動からキッチンカーでピザの販売をしておられ、2027年には栃木県那須町でレストランを開業されるとのこと。
 那須といえば、わたくしが小学校から高校生ぐらいまで知り合いの別荘に毎年遊びに行って、牧場にいったりキャンプファイアーをしたり、木の枝に縄をつけてブランコを作ったりしていた懐かしの土地です。ここにも何かご縁があるような。頑張ってください🎶

vocal  : ちづる
drum : たかマスター

1. たんぽぽ~笑顔の花~
2. 涙に映す可能性


定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年7月27日月曜日

Miles Davis / Sketches Of Spain


 Joaquín Rodrigo の「Concierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)」から始まりますが、私的には Chick Corea の Spain が始まるようなイメージです。
 Nat Hentoff 氏の書いたライナーノーツには Miles Davis, Gil Evans が、このアルバムの製作のきっかけが書いてあり、綿密に計画し試行錯誤しながら制作された過程が、興奮した感じで書かれていますが、長すぎてそこを読むだけで疲れてしまいました。要は Miles が、友人から聴かされた「アランフェス協奏曲」に強い衝撃を受けたことが制作のきっかけで、週末はシダ植物の収集が趣味の Gil Evans に編曲を依頼して始まった。録音は何度も録りなおされ各楽器の録音レベルなどにも細心の注意が払われたことが書かれています。
 確かにこのアルバム、スペイン音楽だけでなく、アラブやアフリカ由来の音階も意識されたサウンドで、アルバム全体が静かな緊張感とドラマ性で貫かれています。


Concierto de Aranjuez おそらく原曲をかなり尊重し、和声やオーケストレーションを書き換えた、Miles のソロを中心に再構成されています。ジャズとクラシックの融合例として、いまも最も有名なトラックのひとつとされますが、アドリブはあるものの、流れはほぼクラシック。
Will O’ The Wisp 原曲はスペインの作曲家 Manuel de Fall のバレエ音楽「恋は魔術師」で、もともとは歌付きの楽曲。1曲目に続き、クラシック作品をベースにしつつ、リズムやハーモニーにジャズの語法を織り込んでます。
The Pan Piper ここから以降は Gil Evans による“スペイン風オリジナル”になります。この曲の元ネタはスペイン北西部ガリシア地方の民謡で、民族音楽研究者 Alan Lomax の現地録音とのこと。タイトルの“Pan Piper”は、民俗的な笛吹きのイメージで、旋律やリズムに土着色を強く残したアレンジ。
Saeta スペイン・セビリアの聖週間で、行列の前で歌われる宗教的な吟唱“サエタ”が題材で、もともとは素朴なア・カペラの叫びのような歌をブラス・バンド風にしています。Miles のトランペットは、広場で歌う一人の歌い手の役を担っているように吹かれています。
Solea フラメンコの主要形式のひとつ“ソレア”をもとにした、アルバムを締めくくる大曲で、原曲そのものではなく、フラメンコ特有の旋法やリズム、情感を抽象化して作り上げています。Miles は「ソレアの感じはブルースに近い」と語っていて、スペイン音楽とアフリカ系アメリカ音楽の“感覚のつながり”を体現した曲として位置付けられているそうです。

 改めて聴いても少し物足りない感じがしますが、興味深い試みであることは確か。わたくし行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の住人は、クラシックにも造詣が深い方も多いので好きそうな感じがします。皆さん聴いているとは思いますが、今度持って行ってみます🎶🎺

Solos & Direction  
Miles Davis : trumpet, flugelhorn  
Gil Evans : arranger, conductor
  
Paul Chambers : bass  
Jimmy Cobb : drums 
Elvin Jones : percussion  
José Mangual : percussion 
trumpets  : Ernie Royal,  Bernie Glow,  Louis Mucci,  Taft Jordan,  Johnny Coles  
trombones : Dick Hixson,  Frank Rehak
french Horns  : Jimmy Buffington, John Barrows,  Earl Chapin,  Joe Singer,  Tony Miranda
tubas : Bill Barber,  Jimmy McAllister
flutes, Oboes & Clarinets : Albert Block
flute :  Eddie Caine 
flute :  Romeo Penque 
oboe  Harold Feldman
clarinet, flute, oboe : Danny Bank
bass clarinet : Jack Knitzer
bassoon  Harp : Janet Putnam  

arranged by, conductor : Gil Evans
liner notes : Nat Hentoff
producer : Teo Macero
recorded 11/20/59 and 03/10-11/60 in New York City.

1. Concierto De Aranjuez / Joaquín Rodrigo
2. Will O' The Wisp / Manuel De Falla
3. The Pan Piper / Gil Evans
4. Saeta / Gil Evans
5. Solea / Gil Evans




▶ Saeta

▶ Solea

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2026年7月26日日曜日

Gregory Porter / Take Me To The Alley


 Motéma Music から、Water (2010), Be Good (2012)、 Blue Note に移籍して Liquid Spirit (2014) そして今作通算4枚目のアルバムです。ジャズボーカルは、コーラスグループとか、女性ボーカルは好んで聴くものの、あまり男性ボーカルには魅かれないのですがこの人は別格です。聴き始めは Liquid Spirit からで、No Love Dying にガツンと心を奪われてから、アルバムを集めさせていただいています。どのアルバムも、浸みわたるバリトン・ボイスが素敵なのですが、私の中では Liquid Spirit が頭一つ抜けた名作に感じ、そのうち、また名作が誕生するものと期待しながらレコード店で定期的にチェックしております。
 週末には、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に音源持ち込みで、周囲に私好みの音楽を洗脳しているのですが、音楽が趣味ではないご年配女性にも Gregory Porter は「あら素敵な歌ね」と好評をいただいており、自分のセレクトが褒められると何かうれしくなってきてしまいます。特に技巧に優れているように感じさせないのですが、奥のほうからこみあげてくる心に浸みるボイスはやはり素晴らしい。


Holding On Gregory Porter が楽曲提供したイギリスのエレクトロニック・デュオ Disclosure が、このアルバムと同年の2015年に発表した曲で、ダンス・トラックだった原曲をスロウでソウルフルなジャズにしています。アルバムテーマの「人間の弱さと、それでも前向きに生きようとする強さ」つなげる役割。
Don't Lose Your Steam ブルージーでアップテンポ。当時3歳だった息子デミヤンに向けて書いた曲で、「Your engine rolls hot, If the bridges fall down, don't lose your head of steamどんな困難があっても自分の目標や情熱を失うな」というメッセージを込めた応援歌
Take Me To The Alley 柔らかなピアノとコーラスにのせて静かに語りかけるように祈りに近いトーンの曲。協会の牧師であった母親がホームレスや困窮した人たちに食事や寝る場所を提供していたこと、母親から学んだ“弱い立場の人にこそ目を向ける”という教えのが描かれています。「Alley=路地裏)」は、母親が足を運んでいた街の外れや“スラムに近い一角”のイメージ。
Daydream 軽やかなピアノとテナーサックスで、息子がほうきを車や剣に見立てながら、想像の世界で遊んでいる様子を見つめた歌で、これも彼の息子のために書かれた曲。
Consequence Of Love ジャズとソウルを滑らかにブレンドしたアレンジの静かなミディアムテンポ曲。愛によって自分がどれだけ振り回されても、その人を愛する権利のために戦うラブソング。
In Fashion ちょっと毒のある恋愛ソングで、ファッションにこだわり、自分に酔っている恋人とそれに振り回され、なお惹かれてしまう自分がテーマで、独特のリズム感とピアノのリフがレトロでポップな雰囲気を出して、ファッションショーのような浮ついたムード。
More Than A Woman 亡き母ルース・ポーターの、信じがたいほどの愛情と導きに捧げた、晴れやかなバラードで、母として信仰の手本として人生の導き手としてどれほど大きな存在だったかをたたえる歌
In Heaven 作曲者はいとこの Darlene Andrews で、もともとポーター家が、身近な人を見送るときに歌ってきた“家族の歌”とのこと。
Insanity 愛ゆえに理性を失いかけるような心情を描いた、かなりディープなラブソングで、まだ好きなのにうまくいかず、離れた方がいいと頭では分かっていると歌われています。
Don't Be A Fool 直訳すれば「愚か者になるな」ですが、恋に溺れて自分を見失うな、傷つくと分かっている相手に、何度も同じように向かっていくのはやめようといったメッセージ。落ち着いたテンポながら、内側に感情の熱を抱えたアレンジ。
Fan The Flames 「社会的怒り」を表現したハード・バップ寄りのナンバー。Fan the flames  は「炎をあおる」「感情や状況をさらに激しくする」というイディオムで、理不尽な暴力や差別に対する怒りの炎を、あえて消さずに、しかし暴力ではなく強い抗議へと向けよ のニュアンス。2014年のアメリカ・ミズーリ州ファーガソンで起きた黒人青年マイケル・ブラウン射殺事件が背景にあるとのこと。
French African Queen フランス在住のアフリカ系女性に恋する語り手が、彼女に自分の音楽と贈り物を届けたいと願うと同時に、「自分たちは同じ木から生まれた枝だ」と語りかけます。少しおどけたフラーティーな曲調。
Holding On  1曲目の別バージョン
Insanity  Danny Hathaway の娘 Lalah Hathaway を迎えた9曲目の別バージョン

 ラブソング、家族への思い、社会へのメッセージなどさまざまな愛が今作のテーマで、改めて真剣に聴くと濃かったです🎶

voice : Alicia Olatuja, Gregory Porter
organ : Ondrej Pivec
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James
drums : Emanuel Harrold
alto sax : Yosuke Sato
tenor sax : Tivon Pennicott
trumpet : Keyon Harrold

producer : Gregory Porter, Kamau Kenyatta
recorded at Sear Sound, New York, NY, September 28 - October 1, 2015.
recorded at Capitol Studio B, Hollywood, CA, October 26 & 27, 2015.
recorded at Wyman Studios, Burbank, CA (13, 14).
recorded at Studio A, Dearborn Heights, CA (13).
recorded at Unit 2 Studio, N. Hollywood, CA.

1. Holding On / Gregory Porter, James John Napier
2. Don't Lose Your Steam / Gregory Porter
3. Take Me To The Alley / Gregory Porter
4. Daydream / Craig Dawson, Gregory Porter
5. Consequence Of Love / Gregory Porter
6. In Fashion / Gregory Porter
7. More Than A Woman / Gregory Porter
8. In Heaven / Darlene Andrews
9. Insanity / Gregory Porter
10. Don't Be A Fool / Gregory Porter
11. Fan The Flames / Gregory Porter
12. French African Queen / Gregory Porter
13. Holding On  Featuring – Kem  / Gregory Porter, Guy Williams Lawrence*, Howard John Lawrence, James John Napier
14. Insanity  Featuring – Lalah Hathaway / Gregory Porter

▶ Holding On





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2026年7月25日土曜日

The Rolling Stones / Star Box


 1989年発売の Rolling Stones ベスト盤です。昔からサウンドは好きなんですが、単体でアルバムを持ってはいないので、数十年前に購入したものです。
 何処から聴いても、Stones の良さがわかる17曲入っていて、大変満足なんですけど残念なのは Satisfaction が漏れている点。選曲は、プロデューサーの好みだとは思いますが、Satisfaction は外してはならんと思います。
 わたくしが Rolling Stones を意識したのは高校生時代、最初にロックに触れたのは小学校時代で Kiss が入口で、中学時代はハードロックをアコースティック・ギターでコピーし、高校になってWhitesnake、Gary Moore が大好きになり、もちろん Queen もやったし、渡辺香津美風で YMO バンドに参加したり、新宿ロフトに通って、インディーズ・パンクも・・
 でも Rolling Stones は演奏はしたことが無いんです。けど、友人が組んでた Rolling Stones のコピーバンドが、カッコよくて羨ましかったんですよね。Beatles よりはStones 派です。
 あっと小6で最初にギターで弾けるようになったのは、さだまさしの「雨宿り」です🎶
1. Brown Sugar
2. Tumbling Dice
3. Angie
4. It's Only Rock'n Roll (But I Like It)
5. Fool To Cry
6. Miss You
7. She's So Cold
8. Start Me Up
9. Undercover Of The Night
10. Harlem Shuffl
11. Bitch
12. Happy
13. Hot Stuf
14. All About You
15. One Hit (To The Body)
16. Honky Tonk Women
17. Jumping Jack Flash



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2026年7月24日金曜日

John Coltrane / Blue World


 わたくし、ジャズ好きは自認していますが、よくいるジャズファンのように Coltrane を崇拝しているのでもなく、まだ特異に魅力を感じてはいませんが、きっとその魅力に気づくときもあるはず。世に巨匠と言われる方の演奏は少しはかじっておこうとは思っています。
 さて本作は、発掘音源の名門 Impulse! から発売された John Coltrane 絶頂期の未発表スタジオ録音で、2019年9月27日の発売でしたが発売から少し遅れての購入でした。カナダ映画「Le chat dans le sac(猫を袋に入れる)」のサウンドトラック用の録音であったため、未発表音源となっていたとのことで、1964年6月カナダ国立映画制作庁の委嘱をうけて、Crescent (1964) と A Love Supreme (1965) のセッションの合間に Van Gelder Studio で録音されています。
 

 このカナダ映画の題名がフランス語であることからも フランスのヌーヴェル・ヴァーグに関連する多くの映画の流れを汲んだ作品であり、ジャズを起用するということも当時の多くの映画の流れに沿うものだったようです。しかしジャズを取り入れることありきでの制作であり、当時のテクノロジーと限られた予算であったため、Coltrane は映像を見て音楽を作ったわけではなかったそうです。
 楽曲は、監督の Gilles Groulx が使いたい曲目のリストを Coltrane に渡し、 Coltrane は、これはできるできない(スタイルンの違いなど)を伝え、その曲目によって何を求めているかがわかったとジャムセッションを始め数時間にわたって録音。監督の Gilles Groulx は録音に立ち会い、映画のどこにその録音を使うかは聞きながら決めていたそうです。
 Gilles had a list of the music he wanted and later he told me when he gave the list to Coltrane, Coltrane said, “Okay, I can do this — I can't do that, it's not mine. OK I get it, I know what you want.” Then they just started jamming and recorded for several hours. Then Rudy gave Gilles the tape and that was it. When he got back he was absolutely ecstatic. He knew exactly where he was going to use the music in the film. I said, “So how was it?” He was smiling; he showed me the tape and then he took it to the Film Board and I never saw it again.— Ashley Kahn
 評価の高いアルバムでありますが、先にも述べたように、このタイプの John Coltrane のアルバムの魅力を感じて語れるほどの感性と音楽脳が未熟な私には未だ無いようです。聴き続ければ、もっと好きになってのめり込む気はするのですが・・
 楽曲解説は「JazzTokyo」でヒロ・ホンシュク氏が、詳しく解析されている記事も発見したので、そちらを参考にされたほうが良いかと思います。「ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #46 John Coltrane <Blue World>」

tenor sax : John Coltrane
bass : Jimmy Garrison
drums : Elvin Jones
piano : McCoy Tyner

all songs written by John Coltrane

released : September 27, 2019
recorded : June 24, 1964
recorded at Studio Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, U.S.

1. Naima (Take 1)
2. Village Blues (Take 2)
3. Blue World
4. Village Blues (Take 1)
5. Village Blues (Take 3)
6. Like Sonny
7. Traneing In
8. Naima (Take 2)



▶  Blue World


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2026年7月23日木曜日

Thelonious Monk / Monk's Mood


 ビクターから1999年に発売のベスト盤です。The CD Clubと裏面に書いてあるので、色んなアーティストのシリーズものの廉価版ベストでしょうか。Disk Unionで確か中古350円でした。ジャケットで見慣れないものがあると購入するので、買ってから若干いつもの「やっちまった」感を感じることもありますが、まあいいか。


 このコンピは Riversideレーベル時代(1955〜1961年)の録音を中心に構成されています。選曲は誰かは書いていなかったが、おそらくライナーノーツを書いている高井信成 氏と思われます。収録曲は Riverside 契約の第一弾で、Monk の音楽性を広く伝えるために企画されたエリントン作品集 Plays Duke Ellington (1955) から、まず2曲。そしてモンクの特徴のひとつであるピアノ・ソロ録音で、Alone In San Francisco (1959) から2曲。アートとオモチャ箱のような楽しさを聴くことができて、より一層“モンク・ワールド”が浮き出てくる作品。そしてプロデューサーの Orrin Keepnews 氏 の Monk 売込み作戦の Riverside 移籍第2弾のスタンダード曲集から The Unique (1956)、から2曲。Monk のスタンダードへのアプローチは崩すことではなく原曲のテーマをしっかりと活かしているのだが、Monk らしさを随所に織り交ぜるアプローチを聴けます。 Misterioso (1958) からも、売れっ子になったMonk のライブの熱気を感じる2曲。Monk's Music (1957) では、 Gigi Gryce, Coleman Hawkins, John Coltrane の名だたるサックス奏者のソロが聴ける即興性を重視した演奏スタイルを聴くことができます。
 ラストのピアノソロの Pannonica は、有名なパトロンでありこの人なくしては Monk は存在しなかったにニカ男爵夫人へ捧げた名曲で、その意を表してのラスト曲にしたものと思われます。
 既に聴いている曲ばかりではあるのですが、かつて「突飛で難解」と言われた強烈な個性を、お馴染みの名曲や最高の共演者たちとのセッションを通じて、親しみやすく、かつその天才ぶりを余すことなく体験できるように編まれ、Monk の多面的な魅力を楽しめるように、様々な編成や録音時期のテイクが散りばめられているコンピの魅力を感じます🎶🎹

piano : Thelonious Monk
bass : Oscar Pettiford
drums : Kenny Clarke
piano : Thelonious Monk
piano : Thelonious Monk
bass : Oscar Pettiford
drums : Art Blakey
piano : Thelonious Monk 
tenor sax : Johnny Griffin
bass : Ahmed Abdul Malik
drums : Roy Haynes
piano : Thelonious Monk
alto sax : Gigi Gryce
tenor sax : Coleman Hawkins, John Coltrane
trumpet : Ray Copeland
bass : Wilbur Ware
drums : Art Blakey

1. It Don't Mean A Thing (If It Ain't That Swing)
2. Caravan
3. Blue Monk
4. Honeysuckle Rose
5. Just You , Just Me
6. Blues Five Spot
7. Misteriouso
8. Well, You Needn't
9. Pannonica




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2026年7月22日水曜日

Art Blakey and Jazzmessengers / Album of the Year

 

 このアルバムの発売レーベルは、1975年創設のオランダのジャズレーベル Timeless 。アメリカ人ジャズマンのレコード制作を積極的に行い、オランダをヨーロッパ・ジャズの拠点のひとつにまで押し上げています。再び大ブレイクを果たしたJazzmessengers のホームとなり、最後の黄金時代を迎えた同バンドの作品を数多くリリースしています。ちなみに、このアルバムのバンド名の表記は「Jazzmessengers」 と一語表記となっていて「Jazz Messengers」ではありません。全て調べたわけではありませんが、Timeless から発売の場合に、この表記となっているようです。
 「Art Blakey and Jazzmessengers」 は1954~1955年にかけて、ピアノの Horace Silverと結成し、1958年のヒット作「Moanin'」ジャズ史に名前を刻み、多くのミュージシャンを輩出した Art Blakey ですが、その Art Blakey でも低迷期があり、1970年代後半ぐらいから暗黒時代と呼ばれていて、暗黒時代からの復活として、1981年、18歳の若き Wynton Marsalis をメンバーとした、このアルバムを契機に人気復活しました。ただ復活の契機となったのは、Wynton Marsalis なのですが、世の中のジャズファンの中でも好き嫌いが別れる人のようで、私のいきつけの音楽好きの集う「おでんバー」でも否定派のほうが多いです。このアルバムを購入してから、Wynton Marsalis が参加しているとは言わずに、Art Blakey だよんとだけ言って、かけてみましたが、やはり御大がやりたい放題でないとつまらないのかなんか「らしくない」の印象が皆さんあったようで、皆さん耳がよいのには困ったもんです。まあ私も違和感はありますが、自分で金を出して購入したものなので、それなりに楽しみたいので悲しいような気持ちもありますが、皆さんに話題を提供をしたことでよし。
 違和感は、ありますが Art Blakey and Jazzmessengers の事前情報が無く違うバンドとして聴けばスリリングな演奏で素直に良い音と楽しめるかと思います。


Cheryl  20歳になったばかりのトランペッター Wynton Marsalis は、Lee Morgan、Freddie Hubbard がJazz Messengers に果たした役割を彷彿とさせます。彼のしっかりとしたクリーンなサウンドは Brakey の繰り出すテンポを軽々とこなす技術を感じます。この曲でも彼の簡潔なソロは、フォーム、構造は完璧に感じますが、その分今までの Messengers と違う違和感も最初から感じてしまいます。
Ms. B.C. 作曲者の Pamela Watson はBobby Watson の奥様で、曲名のB.C.とはジャズ・シンガーの Betty Carter です。ちなみにPamela Watson もジャズ・シンガーとして活動しています。テーマ部分のベースのスタタタンというフレーズが硬質で煽ってきたな、と思ったら Wynton がソロをとりブレイクしその後も怒涛のソロ合戦。
In Case You Missed It Robert Watson による作品で、「Flower Love」というタイトルの方が知られているそうです。Charles Fambrough のウォーキングに乗って、ソロイスト全員が走り回っています。Art Blakey もソロの盛り上げタイミングなどをドラミングで指示し、タイトに締める時は締め、この曲では場を支配している感じがあります。
Little Man ベースの Charles Fambrough による楽曲で1960年代初頭の Messenger も感じるファンキー・タッチの演奏が良きかな。Fambrough は卒業後、CTIなどにリーダー作品を発表しています。太い音色とバチバチとした強いアタックでのソロが聴けます。
Witch Hunt Wayne Shorter の名曲としてお馴染みの作品で、イントロからオリジナルに忠実なアレンジで演奏されてます。
Soulful Mister Timmons James Williams が、大先輩の Bobby Timmons に捧げた曲で、哀愁漂うファンキー・チューンとなっています。

 発売前から「Album of the Year」なんて名前をつけてますが、気合と新しい時代のへの確信がうかがえる傲慢なネーミング🎶

drums : Art Blakey
trumpet : Wynton Marsalis
alto sax : Robert Watson
tenor sax : Bill Pierce
piano : James Williams
bass : Charles Fambrough

producer : Wim Wigt
recorded and mixed at Davout Studios, Paris, France, April 12, 1981.

1. Cheryl / Charlie Parker
2. Ms. B.C. / Pamela Watson
3. In Case You Missed It / Robert Watson
4. Little Man / Charles Fambrough
5. Witch Hunt / Wayne Shorter
6. Soulful Mister Timmons / James Williams

Cheryl


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2026年7月21日火曜日

Aretha Franklin / Live At Fillmore West

 

 グラミー賞受賞回数は20回。圧倒的な歌声で、“クイーン・オブ・ソウル”“レディ・ソウル”で知られ、1956~2014年まで63枚のアルバムをリリースした Aretha Franklin の1967~1971年の Atlantic から発売の主要ヒットアルバムの、お買い得アルバムシリーズ5枚組です。


原題Bill Boadproducer
1967I Never Loved a Man the Way I Love You2Jerry Wexler
1968Lady Soul2Jerry Wexler
1968Aretha Now3Jerry Wexler
1970Spirit in the Dark25Arif Mardin, Jerry Wexler, Tom Dowd
1971Aretha Live at Fillmore West7Arif Mardin, Jerry Wexler


 5枚組の廉価版の第1弾の最後のアルバムになります。次の第2弾にライブだと思いきや、このシリーズの最後はライブでした。
 このライブは1971年3月5日から7日の3日間行われたサンフランシスコの Fillmore West でのライブの録音です。結論、冒頭からガツンとくるアレサの歌唱は大迫力で、King Curtis 率いる Memphis Horn の演奏がこれまた最高の出来です。Aretha は通常のツアーでは異なるメンバーでのツアーバンドを組んでいたのを、プロデューサーの Jerry Wexler がこのライブだけ別に King Curtis を起用(The Kingpins ともMemphis Hornsとも記載があるものがありどっちが正しいかわかりませんが)することを進言して決めたとのことです。King Curtis は このライブで、Aretha の前座とバック・バンドの両方を務め、前座を収録した自身の名義のアルバムも出しているようなので、これは忘れずにいつか入手したいです。アーティストの能力が一番大事ですが、音はプロデューサーのセンスで変わることに、その重要な役割にはいつも感心します。
 実際の音としては、Donny Hathaway 「Live」に似ていると思ってチェックしましたが、プロデューサーは、やはりこのアルバムと同じ Jerry Wexler、ギターの Cornell Dupree だけ同じであとは違うメンバーでした。Donny の「Live」のリリースは1972年と、ほぼ同時期の録音の発見で思わずニヤリです。
  オープンニングは高速「Respect」ごりっとしたソウルグルーブの「Love The One You're With」ゴスペルな「Bridge Over Troubled Water」ファンキー「Eleanor Rigby」メロウな「Make It With You」、シャッフルの「Don't Play That Song」、ブルージーな「Dr.Feelgood」は最後は得意のゴスペル調。ライヴのハイライトは「Spirit In The Dark 」でリプライズでは、観客としていたレイ・チャールズがゲスト参加。ショーとしても完璧なステージだったんでしょう。
 聞きながらここまで興奮してしまう一枚は、そうそう無いです。脱帽でアレサ未体験の方はこのアルバムからお勧めしたい🎶

vocals, Fender Rhodes : Aretha Franklin
backing vocal : Brenda Bryant, Margaret Branch, Pat Smith
piano : Ray Charles (9), Truman Thomas
organ : Billy Preston
guitar : Cornell Dupree
bass : Jerry Jemmott
drums : Bernard Purdie
congas : Pancho Morales
sax, leader (Orchestra) : King Curtis
horns : Memphis Horns

1. Respect
2. Love The One You're With
3. Bridge Over Troubled Water
4. Eleanor Rigby
5. Make It With You
6. Don't Play That Song
7. Dr. Feelgood
8. Spirit In The Dark
9. Spirit In The Dark (Reprise)
10. Reach Out And Touch (Somebody's Hand)



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。