2026年8月7日金曜日

Eric Clapton / Best Selection VC-3038


 ベスト盤よりアルバムを買いたいと思いつつ、ついつい手を出しがちではあります。Eric Claptonなんかは、アルバムを結局買っているのに、このベストの必要性には自分も疑問を感じますが、その日の気分で気合を入れてではなく、お手軽に流して聴きたいときにドライブしながら聴くのには、やっぱりありでしょう。
 

 Derek & The Dominos の Layla 他、Cream 時代の売れ筋4曲とソロになってからの
代表曲がずらりと全17曲だけど、どれも印象に残っているだけに改めてギターだけでなくボーカル、作曲の能力の高さ、カバー曲のリメイクのセンスは抜群としか言いようがなく、やっぱり世界のギターヒーローを再確認です。
 最近はピアノを独学で始めているので、ギターを弾く時間が減ってはいますが、私も12歳から数十年弾き続けているギター弾きです。若い頃に Clapton のコピーはそれほどしてきてはいないものの、社会人の札幌勤務時代に Clapton の曲を何曲かバンドでやりました。
 札幌で飲みに行っていた近所のバーのマスターが、私と同い年でギター弾きであることが判明し、そのマスターがやっていた Cream のコピーバンドに参加させていただいたことも良き思い出。楽器は皆やっていたもののバンド活動はほぼ未経験者の、当時ボーカル、ドラム60代、ギター50代、ベース40代のシニアばりばりのバンドで、何とか形になってきてからは、札幌のあちこちのライブハウス・セッションに参加したりして、和気あいあいの雰囲気でやっていたのもつかの間、老人たちは意外と我が強く、途中で喧嘩して空中分解したのも懐かしい。とあるメンバーさんは、酒を飲むと強烈な独自音楽愛を延々と語りだすので、マスターの店に出禁になったり仲直りしたりしてました。このアルバムを聴くと、そんなことも楽しく思い出せます。
 マスターと私は生ギターでアンプラグドのコピーをして、常連さんとの年末忘年会は二人のミニ・ライブを開いたりも楽しかった思い出です。Clapton の良さは、聴いても楽しいですが、ギター初心者でも真似したくなってしまう親しみやすさとカッコよいフレーズでもあることを実感します🎶🎸

1. Layla  : Derek & The Dominos
2. Crossroads : Cream
3. White Room : Cream
4. Badge : Cream
5. Sunshine Of Your Love : Cream
6. Strange Brew : Eric Clapton
7. Motherless Children : Eric Clapton
8. Let It Grow : Eric Clapton
9. I Shot The Sheriff : Eric Clapton
10. Knockin' On Heaven's Door : Eric Clapton
11. Swing Low Sweet Chariot : Eric Clapton
12. Please Be With Me : Eric Clapton
13. Peaches And Diesel : Eric Clapton
14. Lay Down Sally : Eric Clapton
15. Wonderful Tonight : Eric Clapton
16. Sign Language : Eric Clapton
17. Cocaine : Eric Clapton






定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年8月6日木曜日

The Brand New Heavies / Forward


 もはや貫禄十分でクオリティーが高すぎるブランニューの2013年作品。ずいぶんと間が空いた7年ぶりの新作でした。黄金期の女性ボーカル N'Dea Davenport が一時的に復帰、新たに Dawn Joseph をリード・ボーカルに迎えて制作。90年代の全盛期を彷彿とさせるグルーブでファンクなベースラインの伝統的なアシッド・ジャズ。


Forward アップテンポ、タイトなドラムのインストファンク。そしてアッパーなブラスセクションが炸裂。まさに「ここからバンドは再び前を向いて進んでいくForwardというマニフェストを体現するテーマ曲が先頭。
Sunlight 「これぞHeavies !」という王道ディスコ・ファンク。N'Dea Davenport が復帰した曲ではありますが、MVに本人は出演せず新ボーカリストの Dawn Joseph やバンドメンバーのみが登場。完全復活ではなく一時的なゲスト参加の形だったためか、レコーディングを完了せずにバンドを離れたためなのか少々複雑なものは感じます。でもスッと通る往年の歌声と歌いまわしは健在で、これはうれしい限り。
Do You Remember N'Dea Davenport の2曲目。Do You Remember, We've come so far from where we started で、彼女とこのバンドとの出会いも表現しているのか。もしN'Dea Davenport が、もっとレコーディングに参加していたいと思っていたら、新歌姫へのバトンタッチも心中穏やかではない歌詞かもしれません。切ないメロディラインでありながら、ボトムはタイトで踊れるファンク・トラック。
On The One ドラマーの Jan Kincaid の作詞・作曲、自らがメインボーカルを務めたメロウ・ファンク。女性ボーカルだけじゃないのも、このバンドの魅力の側面ではあります。「On the One」は、James Brown が確立した「小節の1拍目(1=One)に最も強いアクセント(ダウンビート)を置く」というファンクの基本構造・精神を指しているとのこと。強烈でないのが逆に良い。
A Little Funk In Your Pocket Dawn Joseph の歌声が入ってくると、オッと気づき、ボーカルが変わったことによる効果があります。セクシーな N'Dea Davenport と違う、感情を少し抑制した可愛らしさのある歌いかたもあり。「In Your Pocket」は、ブラック・ミュージックの世界で「リズムやグルーヴが完璧に噛み合って心地いい状態」のスラング。ギターソロの入り方とリズムの変え方も良いですな。
Addicted 彼らが最も世界を沸かせた Brother Sister などの時代1991年〜1994年の「アシッド・ジャズの黄金比率」を、そのまま現代に蘇らせたサウンドで、往年のファンには、かなりグッときてしまう作品です。ボーカルは N'Dea Davenport だが抑制気味の歌い方。
Lifestyle アーバンでトレンディ、かつハイソサエティなライフスタイルというコンセプトの、音楽、ファッション、夜の街、大人の洗練された日常がテーマ。パーティーチューンではなく、独り暮らしの部屋や、深夜のドライブのカーステで流れるのが最も似合うような世界観。
Itzine  ベースの Andrew Levy とドラムの Jan Kincaid の確かなコンビネーションを証明するドス黒い鉄壁のリズム・セクションをお披露目するインストファンク。なんてカッコよくてずるいんだ。
The Way It Goes ドラマーの Jan Kincaid の作詞・作曲、メインボーカルは本人。表面的に聴いていた時には、泥クサ系ファンクの進化系かなと思っていましたが、Steely Dan への強いリスペクトとオマージュが含まれているらしい。そう思って聞くとBメロの持ってきかたは Steely Dan っぽい、少しハスキーな声も似ていなくもない。
Lights 少し可愛らしさも感じた Dawn Joseph のボーカルがソウルフルにガチンコで勝負してくる感じで、ライブなんかで演奏しての発展形は想像するだけで楽しそうで、じわじわと耳に残るビートの心地よさ。
Turn The Music Up 「粘着質なベース」「タイトなドラム」「アッパーに鳴り響くホーン・セクションのアンサンブル」が炸裂のバンドの演奏陣のパワーをガツンと見せつけるトラックで、ボーカルはコーラス程度の味付けの「ほぼインスト」
Heaven ドラマーの Jan Kincaid の作詞・作曲、ボーカル。ディスコっぽくありますが、レイドバックした雰囲気も持っています。オリジナルアルバムでは、これがエンディングになります。
Spice Of Life 以降、日本盤に特別に収録された限定のボーナストラックで、例によって商売上手なヤツです。ファンは、いろんなバージョンを購入するんですよ。カッティングギターを軸にした、軽快で少しレトロなファンク・ポップ・チューンで、カラフルで肩の力が抜けたハッピーな曲です。
One More For The Road ドラマーの Jan Kincaid の作詞・作曲メインボーカルのレトロなファンク。メローファンク好きなんですね。「One more for the road」は、バーなどの帰り際に使う、最後にもう一杯だけお酒を飲もう」
Easy Now タイトル通り「Easy」な、肩の力がほどよく抜けたミドル・テンポの心地いいインスト・ファンク。彼らが1980年代後半にデビューした当時の「純粋なジャズ・ファンク・バンド」としての実力と魅力の再現のような楽曲。完全に日本盤のみの曲らしい。
Sunlight (Disco Kingz Remix) Sunlight (Grayedout Remix) 原曲があれば、編集でもっと盤が作れます。無限に売れます。

売れる曲づくりアレンジのツボが、もはや完全にパターン化されている感じで、ボーカルを変えながら、古くからのファンの期待に応え、新しく聞く人にも斬新で、商業主義的な側面も魅力にしてしまう、いつまでもアシッド・ジャズの代名詞ですね🎶

lead vocals : Dawn Joseph (5, 7, 10), Jan Kincaid ( 4, 12, 14)  N'Dea Davenport (2,3,6), Simon Bartholomew (9,13)
backing vocals : Aurora Dawn , Dawn Joseph, Fishmouth, Jan Kincaid , Johan Jones Wetterberg, N'Dea Davenport, Sharlene Hector, Simon Bartholomew
bass : Andrew Levy
drums : Jan Kincaid
guitar : Andrew Levy, Mark 'Club' Ralph, Simon Bartholomew
handclaps : Carsten Bieraeugel, David Ranalli , Julian Fontenell, Kaharine Steger , Peggy Timmermans
keyboards : Andrew Levy, Jan Kincaid, Matt Steele
synthesizer : Darren 'The Partinator!' Black, Marcus J Knight
percussion : Andrew Levy, Jan Kincaid, Simon Bartholomew
sax : Jim Hunt
trombone : Nichol Thompson
trumpet : Dan Carpenter, Dom Glover
viola : Kotono Sato, Thea Spiers
violin : Alex Afia, Alex Stemp, Alice Pratley , Paulette Bayley , Sarah Brandwood-Spencer, Thea Spiers cello : Izzi Dunn, Simon Denton

producer : The Brand New Heavies
recorded by (strings) : George Atkins

1. Forward / Simon Bartholomew, Jan Kincaid, Andrew Levy
2. Sunlight / Rita Campbell, Jan Kincaid, Tim Laws
3. Do You Remember / N'Dea Davenport, Andrew Levy, Johan Jones Wetterberg
4. On The One / Jan Kincaid
5. A Little Funk In Your Pocket / Simon Bartholomew, Marc Jackson Burrows, Dawn Joseph, Jan Kincaid, Andrew Levy
6. Addicted / N'Dea Davenport, Andrew Levy
7. Lifestyle / Simon Bartholomew, Jan Kincaid, Andrew Levy
8. Itzine / Simon Bartholomew, Jan Kincaid, Andrew Levy
9. The Way It Goes / Simon Bartholomew, Jan Kincaid, Andrew Levy
10. Lights / Simon Bartholomew
11. Turn The Music Up / The Players Association, Laurel Dann, Chris Hills
12. Heaven / Jan Kincaid, Andrew Levy
13. Spice Of Life / Simon Bartholomew
14. One More For The Road / Jan Kincaid
15. Easy Now
16. Sunlight (Disco Kingz Remix)
17. Sunlight (Grayedout Remix)





Itzine

Lights


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2026年8月5日水曜日

ZZ Top ‎/ One Foot In The Blues


 デジタルな感じのZZ TOPはあまり好きではないので、ブルースやブギーな曲だけもっと聞きたいと思っているのは私だけではなかったようです。これは 「ブルース色の強い曲」だけを抜き出してまとめたコンピなのです。70年代初期〜中期のテキサス・ブルース感、クリーン寄りのトーンで歌うようなソロ、スローからシャッフルまでの伝統的なリズムを聴くことができます。
 楽曲は、 ZZ Top's First Album (1971)、Rio Grande Mud (1972)、Tres Hombres (1973)、Degüello (1979)、El Loco (1981)、Eliminator (1983)、Recycler (1990) から選出されていますが、 ZZ Top's First Album (1971)からは4曲と初期の泥臭いブルース・ロックのファンにはたまりません。わたくしの持っている中では Fandango!  のズシャっとしたブギーがたまらんのですが、このコンピには入ってませんでした。
 プロデューサーは、デビュー当時から ZZ TOP を手掛け一番ここら辺がわかっていらっしゃる Bill Ham 氏で、楽曲も提供されています。ライナーノーツは、テキサス出身でテキサスのミュージシャンやブルース・シーンに深い知見と情熱を持ち、Warner Bros. Records の広報、Concord Music Group のA&Rディレクターを務め、音楽評論家・ライターとして知見の広い Bill Bentley 氏でテキサス愛を込めたものとなっています。


 現在は、長いひげがトレードマークですが、ジャケットの写真の三人はヒゲが短いです。いつから伸ばしたのかというと、1977年に2年間活動を停止した時とのことです。



guitar, vocals : Billy F. Gibbons
bass, vocals : Dusty Hill
drums, percussion : Frank Beard

produced by Bill Ham

1. Brown Sugar / Billy Gibbons : ZZ Top's First Album (1971)
2. Just Got Back From Baby's / Billy Gibbons, Bill Ham : ZZ Top's First Album (1971)
3. A Fool For Your Stockings / : Degüello (1979)
4. I Need You Tonight / : Eliminator (1983)
5. She Loves My Automobile / : Degüello (1979)
6. Hi Fi Mama / : Degüello (1979)
7. Hot, Blue And Righteous / Billy Gibbons : Tres Hombres (1973)
8. My Head's In Mississippi / : Recycler (1990)
9. Lowdown In The Street /  : Degüello (1979)
10. If I Could Only Flag Her Down / : Eliminator (1983)
11. Apologies To Pearly / Billy Gibbons, Dusty Hill, Frank Beard, Bill Ham : Rio Grande Mud (1972)
12. Sure Got Cold After The Rain Fell / Billy Gibbons : Rio Grande Mud (1972)
13. Bar-B-Q / Billy Gibbons, Bill Ham : Rio Grande Mud (1972)
14. Old Man /  : ZZ Top's First Album (1971)
15. Certified Blues / Billy Gibbons, Frank Beard, Bill Ham : ZZ Top's First Album (1971)
16. 2000 Blues / : Recycler (1990)
17. Heaven, Hell Or Houston / : El Loco (1981)







▶ Bar-B-Q


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2026年8月4日火曜日

John Coltrane / Soultrane


 タイトル「Soultrane」は、この曲は ピアニスト Tadd Dameron のアルバム Mating Call (1957) に収録されている、John Coltrane が参加した ピアニスト Tadd Dameron の曲「Soultrane」から取られていますが、収録曲に、この曲は入っていません。このアルバム名は、「Coltrane」と「Soul」を掛け合わせた造語的な「イメージ・タイトル」になるようです。また、このアルバムは 1958年録音され Prestige から発売されていますが、変則的にBlue Note から 発売された Blue Train (1957) と名前が似ているのは気になるところですが、関係があるのであれば、後発のこのアルバム名も Soultrane → Soultrain にしていてもよさそうなものなので考え過ぎかもしれません。
 ちなみに、Coltrane は、ソロデビューする前に、Blue Note の創設者である Alfred Lion と会っていて、Alfred は Coltraneと専属契約しようと考えていたのですが、その後 Coltrane は Prestige と契約してしまったとのことです。しかし Coltrane は Alfred との約束を果たすため、Blue Train のレコーディングを行ったとのこと、誠かどうかはわかりませんが、 Alfred Lion と会ったときに金とレコードをもらって帰ったらしいので、友情というよりは「お金」をもらっていたので Blue Train の録音があったのでは?それにしても、Blue Train (1957) の翌年に別の会社で「Soultrane」の名前でアルバムを出すなんて、何かがあったような感じもします。


Good Bait Tadd Dameron と Count Basie の 1944年の共作のバップのスタンダード・ナンバー。ミディアム・テンポでシンプルな、ほのぼのしたテーマのあと、Coltrane は引き締まったトーンで細かいフレーズのソロ、それからのシングル・トーンを中心にした Garlandのソロ、Chambers のピチカート・ソロなどはオーソドックスでわかりやすい。
I Want To Talk About You エクスタイン楽団のバンド・リーダー兼歌手の Billy Eckstine が作曲した曲です。Coltrane は、甘く流れることなしに朗々とテーマを吹き、Garland の優しいタッチでのコードと優雅なソロ展開、Chambers もそれに続き、もったりとしながらも語りかけるようなソロはおいしい。この曲は以後60年代にもずっと、Coltrane の重要なレパートリーになっているようです。
You Say You Care ここでも Coltrane のテーマの提示に続いて、直ぐに躍動的なサックスのアドリブ・プレイ。ダンサブルで速い曲にのって吹きまくるが山場を作り、言いたいことを簡潔に言い切るソロ構成はさすが。Garland ⇒ Chambers のソロ回しも今までと同じ構成の正攻法だが、安定の攻め方は聴く方にも余裕を持たせてくれる。
Theme For Ernie フィラデルフィア生まれの Fred Lacey が、黒人アルト奏者、Ernie Henry に捧げた曲。Henry は Coltrane と前後して、ガレスピー楽団でアルト・サックスを吹いていたこともありますが、このアルバムの収録前年の57年12月に亡くなっています。
Russian Lullaby Irving Berlin 作曲のマイナーキーのスイング。荘重な Garland のピアノイントロで始まり、フーンと思ったら、高速展開にいきなりスピードアップ、Coltrane の激しい シーツ・オブ・サウンド になり、そのまま押し切りが見事。5分33秒の短すぎず長すぎずが聴きやすいしモンク無し。

Coltrane の良さは未だにつかめていないのですが、久しぶりにこのアルバムを聴いて、時間をおいて聴き直し効果があって、なんか良いかもしれんと思ってます。古臭さが非常に心地よく、暗いジャズ喫茶で煮詰めたコーヒーを飲みながら聴きたい感じです🎶🎷

tenor sax : John Coltrane
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : Art Taylor

Recorded Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey ; February 7, 1958.

1. Good Bait / Count Basie, Tadd Dameron
2. I Want To Talk About You / Billy Eckstine
3. You Say You Care / Jule Styne, Leo Robin
4. Theme For Ernie / Fred Lacey
5. Russian Lullaby / Irving Berlin





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2026年8月3日月曜日

Jaco Pastorius & Rashid Ali / Blackbird


 Jaco の没後、1991年に発表の音源で、刺激的なヤツで、Jaco Pastorius と Rashid Ali によるデュオ・ライブ。元々はフランスのラジオ中継から起こされた音源で、1984年12月19日にカリブ海のグアドループで行われたデュオ公演を収めた作品で、日本の Alfa Jazz から発売された“半ブート的”な位置づけの作品で、業界から干されはじめた状態の悪い時期とも言えます。
 1982年にウェザー・リポートを脱退したあと、ドラッグやアルコール依存、そして双極性障害とされる精神面の問題が一気に表面化し、生活が不安定になっていきますが、1984年2月から5月にかけてニューヨークのクラブでレギュラーにライブを行い、6月にプレイボーイ・ジャズ・フェスティバル、7月には「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」で最後の来日をしており、演奏活動自体はまだかなり精力的でした。一方で、1984年のこの時期には既に躁うつ病(双極性障害)と診断されています。
 キャリア的には、すでに大手レーベルとの契約は失い、クラブやフェス、単発ツアーでの出演は続けいて、完全なホームレス状態や暴力事件に巻き込まれるのは1986〜87年のフロリダ移住以降。つまり、1984年末は「まだギリギリ音楽活動でつながっている段階」と見るのが妥当でしょうか。
 Rashid Ali は John Coltrane の晩年期のドラマーで、ポリリズミックで自由度の高いドラミングが特徴。Jaco の状態は良くないのですが、このデュオでは、通常のフレットレス・ベースだけでなく強いディストーションをかけたサウンドを多用し、ハーモニクス、コード、スラップ、ループ的リフを駆使して、ほとんど「二人だけのフリー・ジャズ・バンド」のような世界を作っています。アイディアの鋭さとラフさが同居していて、精神的な揺れをそのまま音にしているような印象。ここでの「Blackbird」は、即興的要素が強く、原曲からかなり遠く離れた解釈で、メロディをそのままなぞるというより、モチーフを断片的に示しつつイメージを膨らませていくようなアプローチです。Jaco の状態が悪いにしては、演奏はチャンとして音が出ているとは言えますが、PAそっちのけで音質無視でアンプの音量をあげてしまったり、サービスな演出なのかもしれませんが怖い感じはします🎶 

bass : Jaco Pastorius
drums : Rashid Ali

recorded at French Radio on the 19th of December, 1984

1. Broadway Blues
2. Slang
3. Purple Haze
4. Fannie Mae
5. Blackbird
6. Donna Lee
7. Continuum
8. Naima


Slang


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2026年8月2日日曜日

Let's Hear It For The Girls


 1995年リリースの、当時の脂がのった女性アーチストのオムニバス。ワゴンセールで衝動買いのパターンです。誰が好きとかよりも当時の雰囲気が楽しめれば良いのです。
 実力派 Sheryl Crow から始まり、Cyndi Lauper、En Vogue、Pointer Sisters、Bangles などなど、知らない人もいっぱいいますが・・こんなのも楽しい、いや楽しい🎶

1.  All I Wanna Do / Sheryl Crow
2. Girls Just Want To Have Fun / Cyndi Lauper
3. Ain't No Man / Dina Carroll
4. Every Day Of The Week / Jade 
5. Just A Step From Heaven / Eternal 
6. Whatta Man / Salt 'N' Pepa, En Vogue
7. Free Your Mind / En Vogue
8. (We Want) The Same Thing / Belinda Carlisle
9. Right Beside You / Sophie B. Hawkins
10. All I Want / Those 2 Girls
11. Little Bird / Annie Lennox
12. Trouble / Shampoo
13. Go Away / Gloria Estefan
14. Jump (For My Love) / Pointer Sisters
15. It's Raining Men / The Weather Girls
16. The Only Way Is Up / Yazz, The Plastic Population
17. I Love Your Smile / Shanice
18. Gotta Get It Right / Lena Fiagbe
19. Walk Like An Egyptian / Bangles
20. Patience Of Angels / Eddi Reader




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2026年8月1日土曜日

The Jam / Greatest Hits


  歳をとってくると、たまに昔の音を聞きたくなってきます。若いころに聴いていた曲は、頭の中にこびりついているので、久しぶりに聴いても細かなフレーズまで覚えていて人間の脳って不思議なもんだなと感じます。音楽以外でも、小学校の同窓会を開いて数十年ぶりに顔をみて、あんなに営業の得意先の人の名前を覚えられない私が、するすると友人の名前が出てきて「おお久しぶり」となります。若い時の記憶は音楽、映像、名前などが、脳みその奥深くにきちんと格納されていて、それが整然とした形でポッと出てくるのには驚きます。


 そんなに聴きこんでいたわけではないけど、流行っていたので嫌でも耳に入っていた The Jam を聞きたくなって、中古屋を見ていたらこのベストが目に留まりました(と言っても十年以上前のことですが)
 Sex Pistols  のライブにインスパイアされて、パンクムーブメントに乗ってのデビューですが、Sex Pistols のような造られたバカさ加減が無くてパンクっぽいけどモッズ路線。イケメンの Paul Weller のオッサンみたいな声が、硬派でカッコよかった印象です。
 1977年デビューで1982年10月に解散。Paul Weller はこの後 The Style Council を結成して、さらにポップ路線に踏み出したのも、悪くはなかったけど、やっぱり The Jam の方が硬派で良いです。
 ジャケ写もカッコいいし、19曲と盛りだくさん、私のような人にはちょうど良い。年代順の収録なんで段々とポップ路線になるとこなんかもわかって面白いです🎶

guitar, vocal : Paul Weller
drums : Rick Buckler
bass : Bruce Foxton

1. In The City
2. All Around The World
3. The Modern World
4. News Of The World
5. David Watts
6. Down In The Tube Station At Midnight
7. Strange Town
8. When You're Young
9. The Eton Rifles
10. Going Underground
11. Start!
12. That's Entertainment
13. Funeral Pyre
14. Absolute Beginners
15. Town Called Malice
16.3 Precious
17. Just Who Is The Five O'Clock Hero
18. The Bitterest Pill (I Ever Had To Swallow)
19. Beat Surrender







▶ Start!


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2026年7月31日金曜日

Herbie Hancock / Maiden Voyage

 

 1965年5月、5枚目のリーダー作として制作された、60年代の Herbie Hancock の傑作と言われ邦題は処女航海。Herbie といえば、私の学生時代のイメージは1980年代のヒップ・ホップなどを取り入れたエレクトリック・サウンドで、敬遠しがちなジャンルでした。ジャズをやっていたことは知ってはいたのですが、あまり単体で聴くことはありませんでした。しかしおそばせながら Miles を聴き始めてから Herbie のジャズスタイルを聴くことも増えてきて、やっぱり聴いといたほうが良いんだろうなと Speak Like A Child を入門にして、このアルバムなどを購入しています。


 Herbie は、Miles Davis グループに1963年~1965年まで在籍していました。なのでこの1965年の作品のメンバーもトランペットの Freddie Hubbard を除けば、Milesバンドの録音のメンバーで、その影響をモロに受けています。タイトル通りテーマは海の広大さと威厳・処女航海で海をゆく船の壮麗さ・優雅なイルカの美しさ・小さな海生生物の生・嵐などを盛り込んだモチーフを持って作成されたオリジナル作品が収録されています。もともとは1965年3月11日にドラムだけ Stu Martin で Maiden Voyage、Little One、Dolphin Dance の3曲を録音していたそうですが、そのテープは残っていないようで聴き比べができれば更に楽しめるのに残念な限りです。

Maiden Voyage 航海に乗り出す船の美しい姿や、光る水面などのイメージする風景画的な曲で、曲としてはモードジャズ的な構成でコードチェンジは少なめです。
The Eye Of The Hurricane 「Maiden Voyage」が穏やかで広がりのある“船出”の情景なのに対して、緊張感が高く、リズムもハーモニーも鋭い雰囲気になります。透明感があってキラキラのしたピアノのバランス感もあります。
Little One Milesの E.S.P. (1965) のセッションでも録音されています。メンバーは当然この録音と同じです。テンポは遅く、静かな導入から始まります。和音は柔らかいのに、どこか不安定で、子どもの心の揺れのようにも聞こえ、荒れる海の物語の途中に出てくる、静かな回想シーンや、誰か大切な存在を思い出す場面のようにも感じられます。
Survival Of The Fittest ダーウィンの進化論で有名になった「最も適応した者の生存」という考え方を指す言葉がタイトル。ここでは「生き残りをかけた闘い」や「極限状況での緊張感」が前面に出てきて、荒れ狂う自然の中で、生き延びるために必死で抗う瞬間や、試練の場面を象徴しているようなイメージ。
Dolphin Dance 複雑なコード進行と独特のモーダルな動きで、波のように和音が変化していき、どこかに落ち着きつつも完全には止まらない流れが続き、イルカが流れに身を任せながら自由に泳ぎ回るイメージや、海そのものの大きなうねりに感じます。いや名曲。

1965年にしては、現代的な音のセンスの和音とビートのジャズを展開しているのだから、当時のこのアルバムを聴いたジャズ・ファンは新たな時代を感じたに違いありません。この後にエレクトリック・キーボードを取り入れてファンク、ヒップホップ、ジャズ回帰などの活動をする人だけに、アルバム全体を通して聴くとしみじみするものがあります🎶

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Anthony Williams
tenor sax : George Coleman
trumpet : Freddie Hubbard

producer : Alfred Lion

recorded on March 17, 1965.
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Maiden Voyage / Herbie Hancock
2. The Eye Of The Hurricane / Herbie Hancock
3. Little One / Herbie Hancock
4. Survival Of The Fittest / Herbie Hancock
5. Dolphin Dance / Herbie Hancock



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2026年7月30日木曜日

The Robert Cray Band / False Accusations


 この作品と前作「Bad Influence」によって、米国とヨーロッパで注目され始め、翌年の「Strong Persuader」が、国際的スターの地位を確立したと言われています。ソウルフルなボーカルと、抑制の効いたパキパキのエコノミカルなギターで、ド・ブルースというよりは、モダンでポップ寄りのアレンジです。
 購入は、学生時代か、社会人になりたての頃で、歪んだギターの音でグイグイくるギタープレイが好きすぎたことで、洗練された成熟したプレーの良さは、正直理解できていませんでした。この音はジャズクラブで静かに流れ出るような音で、さわやかなブルースの演奏はソウルフルで繊細でギターよりはボーカルを評価すべきかと思われます。


 今回掘り下げて初めて知りましたが、収録曲は、プロデューサーでもある Dennis Walker を中心に作曲されています。1970年代初頭からベースプレイヤーとして活動してきて、プレイヤーよりも、Robert Cray、B.B. Kingなどのプロデュース、楽曲制作のほうが有名なようです。と思えば、B.B. King も歪んだ音ではなくクリーン系の音ですからプロデューサーとしては、この手のクリアな音の良さを引き出す名手なのかと思われます。
 特徴としては、伝統的なブルースのテーマである「貧困」「社会への不満」「酒」ではなく、「浮気」「不倫の罪悪感」「不信感」といったビターな大人の恋愛ドラマが現代的に描かれていることで、アーバンブルースの Keb Mo よりは少々泥臭い感じです。

Porch Light 浮気相手の家に向かう際の、罪悪感と快楽が入り混じった心理。
Change Of Heart, Change Of Mind (S.O.F.T.) 「心変わり(Change of Heart)、考え直し(Change of Mind)」別れたはずの恋人と再びズルズルと関係を戻してしまったり、また同じ理由で揉めたりする「男女の終わらないループ」で「どうせまた同じ結果になるんだ」
She's Gone 朝起きたら、彼女が荷物をまとめて本当に出ていってしまっていた、って歌で、しんみりではあるんですが、何か牧歌的であっけらかんとした世界観もあるギャップ。
Playin' In The Dirt 不実な関係や危険な遊びに手を染めた結果、破滅していく、手痛いしっぺ返しを食らう男の因果応報。サスペンス・・です。
I've Slipped Her Mind  別れてから1ヶ月が経ち、すでに相手の記憶から自分が消え去っていることに気づく男の哀愁。
False Accusations False Accusations=濡れ衣。身に覚えのない浮気の疑いをかけられ破滅していく関係性。なんだかなあ。
The Last Time  「こんなひどい目(Burned)に遭うのは二度とゴメンだ」と心に誓いながらも、裏切られた痛みがまだ生々しく残っている男の葛藤。
Payin' For It Now  自分の不誠実な行動によって、愛する人は去り、信頼も失い、一人残された部屋で「あの時あんなことをしなければ……」と激しい後悔。浮気のスリルに溺れていた過去と、今まさに支払わされている「孤独」というあまりにも高いツケの対比。
Sonny  最も身近で信頼していた友人が、自分の妻や恋人と密かに関係を持っていた。「疑いは決して嘘ではなかった、最も身近な人間に裏切られていた」のが、他ならぬそのソニーであったことが発覚(あるいは強く確信)される、という皮肉な現実。ええっ。曲はムチャクチャカッコよし。

よく歌詞を見ながら聴けば、昼メロのようなドロドロした内容ばかりが連続する曲ばかりでした。どんな力でピッキングしてんだってバチバチのギターもしっかり健在🎶

vocals, guitar : Robert Cray
bass : Richard Cousins
drums : David Olson
keyboards : Peter Boe
tenor sax : David Li
trumpet : Nolan Smith

Dave Wilson : second guitar on "Sonny"
Dennis Walker : second bass on "Sonny"

produced by Bruce Bromberg & Dennis Walker
recorded at Sage & Sound, Los Angeles; Music Lab, Los Angeles; Haywood's, Los Angeles

1. Porch Light / Dennis Walker
2. Change Of Heart, Change Of Mind (S.O.F.T.) / Robert Cray, Richard Cousins
3. She's Gone / David Amy, Robert Cray, Ozall Washington, Peter Boe
4. Playin' In The Dirt / David Amy, Robert Cray
5. I've Slipped Her Mind / Dennis Walker
6. False Accusations / Dennis Walker, Robert Cray, Richard Cousins
7. The Last Time (I Get Burned Like This) / Robert Cray
8. Payin' For It Now / David Amy, Robert Cray
9. Sonny / David Amy, Dennis Walker




 Sonny

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。