Count Basie は既に存命ではありませんが、その遺志を引き継ぐ Count Basie Orchestra とBenson の共演の1990年作品で、スタンダードやベイシー・バンドの定番を収録しています。Benson の魅力を引き立てるアレンジは Frank Foster が担当しています。Benson はゴージャスなビッグバンドの演奏が楽しくてしょうがないように歌いギターを弾き、スキャットしています。ここまでテンションをあげてくれれば聴いているほうも高揚してくるもの。
一流は何をやっても一流です。1980年代のポップ寄りブラコン系フュージョンも素晴らしいですが、スイングするサウンドをバックに演奏する Beson も痛快で、再びジャズ路線に回帰した天才ギタリストのアルバムとして注目を浴び、そのキャリアの中でも異色の一枚となっているようです。
いったんブラコン路線に走っていた Benson が何故このアルバムを制作したのか?といえば、Benson が存命だったBasie とアルバムを創る約束を交わしていたが、そのプランがベイシーの存命中に果たされることが出来ずなかったので、その遺志を引き継ぐ「Count Basie Orchestra」との共演という形で、その7年後に実現したとのことです。
それでは全曲聴きながらのレビューです。
「Without A Song」1929年のミュージカル Great Day. T が初演のスタンダード。さすが本家の美ビッグバンドで、音圧と格式が違います。Benson のボーカルも決まっていて、あれほど好きではなかった歌声が好きになってしまいます。後半のテンポアップしたところからも痛快。「Ready Now That You Are」チカラ余りガラガラの声での迫力のスキャットはインパクト抜群です。ギターソロもノリにノッテいてハイテンションぷりに圧倒されます。「How Do You Keep The Music」1983~1991年まで Count Basie Orchestra 在籍の女性ボーカル Carmen Bradford との共演です。この録音は1990年ですから、在籍中のお抱えシンガーということですね。素晴らしい歌声なので念のため検索してみたら、やっぱり華奢な美人である訳もなく、でっかい黒人のオバさんでした(失礼)「On Green Dolphin Street」定番ですがイントロからアレンジが凝っています。テーマ部分のインパクトをメロディーではなくアクセントに持って行くとこが天才的なアイデアです。Frank Foster も並ではない方です。「Baby Workout」?シンセベースですか? と思たら Richard Tee でした。これはオーケストラが Benson に寄せているにくい演出で、最初は8ビートのR&Bで演奏してからビッグバンドのスイングに変わる演出でした。なるほど。「 I Only Have Eyes For You」いかにも Basie な曲の王道路線。こういったアルバムは飛び道具ばかりだと陳腐になりますので基本路線に忠実にといった感じですね。「Portrait Of Jennie」1939年に発行された Robert Nathan の小説を原作とする1948年のアメリカ映画の主題歌ですね。映画のストーリーは「ある日、貧しい画家イーベン・アダムスはニューヨークのセントラル・パークで昔の人のような服装をした不思議な少女ジェニーと出会う。彼女をモデルに描いた絵が認められ、アダムスは画家として芽が出かける。再びジェニーに出会ったアダムスは彼女が美しい女性に成長していることに驚く」なるほどそんな感じの優しい曲調です。良いです。「Walkin' My Baby Back Home」軽快で楽しい楽曲は Fred E. Ahlert の1930年のポピュラーソングでこれをもとに映画も作られたのだとか。芸術性を求めた作品も良いですがこういった娯楽性を感じる楽曲も大好きです。聴き進めているうちに Benson の歌声も違和感なくこのバンドにハマって自然に聞こえます。「Skylark」Skylark は「ひばり」で、飲食業界ではファミレスが有名ですが、ジャズ界では1941年の発表されたスタンダードが有名です。歌詞はこんな感じですSkylark, Have you anything to say to me, Won't you tell me where my love can be, Is there a meadow in the mist, Where someone's waiting to be kissed 乙女なラブソングですね 。メロディーラインの流れも素敵な曲です。Benson のゆったりとしたオクターブ奏法のソロもピッタリハマってます。モンクありません。「Basie's Bag」Count Basie Orchestra ですから、最後の〆は楽しく締めくくります。寄り道ですが、聴きながらジャズでよく曲名で使われる Bag って何だろうと思って調べてたら明快な答えは無かったんですが、おそらく発端は Bags Groove の Bag ではないかと思われ、この Bags は作曲者の Milt Jackson のあだ名が Bags で「目の下のクマ」のことにらしいです。単純明快なテーマで楽しくソロを持ち回りできるジャズの名曲で似たような構造の楽曲を、Bags Groove に敬意を表して、なんとかBag って名前を付けのがジャズ界では定番化したのかなって勝手にたどり着きました。
Benson が一流であったとはいえ、持ち味をこれだけ引き出せたのも楽団も素晴らしいです。どの曲が良いかと言えば正直全部良いのですが、On Green Dolphin Street なんかを歌っている気持ちよさそうな歌とギターとのスキャットとかは良いですし、異色の作品としては、エレクトリックなソウル調の16ビートから始まりスイングするビッグバンドにつながる Baby Workout なんかはアレンジの上手さが光ります。ベースパートはキーボードで代用していて私の大好きな Richard Tee が弾いているのは今回聴き直しての発見でした。
お買い得セット Original Alubum Series のこのセレクトはまさに王道で中々のセレクションまさにお買い得なんですが、ライナーノーツが無いのがちょっと寂しいかな🎶
producer, vocals, guitar : George Benson
bass : Cleveland Eaton
drums : Duffy Jackson
guitar : Charlton Johnson
piano : Carl Carter
sax : Danny Turner, David Glasser, Doug Miller, Frank Foster, John Williams , Kenneth Hing, Tim Williams
trombone : Bill Hughes, Clarence Banks, Mel Wanzo
trumpet : Bob Ojeda, Byron Stripling, Mike Williams , Sonny Cohn
arranged by Frank Foster
1. Without A Song
2. Ready Now That You Are / featuring : The Robert Farnon Orchestra
3. How Do You Keep The Music Playing / vocals : Carmen Bradford, piano, keyboards : Barry Eastmond, bass : Ron Carter
4. On Green Dolphin Street
5. Baby Workout /
brass : Earl Gardner, James Pugh, Jon Faddis, Keith O'Quinn, Larry Farrell, Lewis Soloff, Paul Faulise, Randy Brecker
keyboards : David Witham, Terry Burrus
keyboards (bass) : Richard Tee
percussion : Bashiri Johnson, Ralph MacDonald
6. I Only Have Eyes For You
7. Portrait Of Jennie
8. Walkin' My Baby Back Home
9. Skylark
10. Basie's Bag
▶ Skylark























