2026年10月2日金曜日

quasimode / Soul Delivery Live Shibuya AX


 ジャズ要素もありますが、ソウル・ポップを加味したきっちりとしたジャパン・ジャズが魅力で踊れるジャズでもあり、日本人好みのサウンドは私には好感。私の周りのジャズ好き界隈には音楽性に隙間と即興性を求める人がいるので、それを求めるバンドではないと力説しているのですが、なかなかそのようなオジには共感は得られないのを慣れさせていくのがを面白がっています。嫌いだと言っていても繰り返しかけることで耳が慣れてきて、この曲だけは許せるなんて思い始めると段々と「イヤ」だったものが普通になっていくんですが、オジは頑固なので最初に言った発言の撤回はせずに遠回しに認めながら、嫌がっているふりをしながら、楽しんでいただけているようなので何よりです。人の悪口は蜜の味ですから、このバンドのここがイヤを力説することで何かを発散しているんでしょう。
 さてガチのズージャヤジオには受けが悪いが私は大好きな quasimode 通算6枚目「Soul Cookin'」の発売、そして全国ライヴ・ツアーのファイナルとなった2012年11月23日、SHIBUYA-AXでのライブ。絶賛です。アルバム名通り「Soul Cookin'」楽曲を中心ですが、往年のヒット・チューンもあり、この日のライヴの写真がのフォトブック付きは、ライブに足しげく通った方には永久保存ものでしょう。


The Man From Nagpur 推進力を感じるオープニングで開幕。インドのナグプールという土地で仏教の布教に尽くした佐々井秀嶺さんを思い描いて作られた曲だそうで、へえ。
Another Sky 余裕のあるグルーブでバンドの音の広がりが見えやすくメロディの抜け感が良い曲で、空気感、景色が音で描かれたタイプ。
Febre Samba ラテン寄りの熱気、リズムの跳ね方が気持ちよし。Febre はポルトガル語で「熱」や「熱病」系のニュアンス。
Ipe Amarelo 踊れるジャズの流れの中で、特にリズムの勢いを強く打ち出した1曲で音の色合いやコード感も感じて楽しむべし。
Leaving Town  ベースラインやドラムの押し出しを聴いてとバンドの立体感が感じられるます。「よくあるR&Bのテイストを全部生演奏でやって70'sのメロウな感じを残しつつ、現代的な感じもある」「アンニュイで何かどこにもハマってない感じをめざした」by 須長和広
Still In The Night 夜の空気感、クールに聴かせるパート。音の間や余韻がポイント。
Give It Up Turn It Loose 奥山みなこ氏のボーカルで表情を変えて、歌バンもいける 80's〜90's寄りのソウル/R&B感。
All Is One アンサンブルの一体感を感じて落ち着こう。クラブジャズの文脈の流れの quasimode のライブ感や躍動感。
Vertigo Vertigo = めまい。生バンドとしてクラブジャズをどう新鮮に鳴らすか。高揚感や揺れを感じて、後半に向けてテンションが上がります。
Relight My Fire Light My Fire ならDoors だが、これは、Dan Hartmanが1979年に発売したスタンダード。ゲイ・クラブでよくかかるテーマ曲とは Wiki のインフォ。ボーカルが入ることで華やかにディスコチックに。
El Paso Twist ラストを締める躍動感の強い終曲。余韻よりも「やり切った感」。

 

このライブに行ってた人には、たまらんアルバムですね🎶

【ゲストボーカル】
土岐麻子、有坂美香、奥山みなこ

【ホーン部隊】
trumpet : 川崎太一朗
tenor sax , flute : 岩本義雄
alto tenor baritone sax : 後関好宏
trombone : 後藤篤
【ゲスト】
organ , synthesizer : エマーソン北村
【メンバー】
piano keyb : 平戸祐介
percussion : 松岡“matzz”高廣
bass : 須長和広(すなが かずひろ)
drum : 今泉総之輔(いまいずみ そうのすけ)

1. The Man From Nagpur
2. Another Sky
3. Febre Samba
4. Ipe Amarelo
5. Leaving Town
6. Still In The Night
7. Give It Up Turn It Loose(feat. 奥山みなこ)
8. All Is One
9. Vertigo
10. Relight My Fire(feat. 有坂美香)
11. El Paso Twist









▶ Vertigo


定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年10月1日木曜日

BB King & Eric Clapton / Riding With The King


 2015年5月14日で89歳で亡くなった キング・オブ・ブルース BB King と Eric Clapton のコラボレーション。BB King 74歳、Eric Clapton 55歳 でのレコーディングで2000年にリリースされたアルバムです。TV番組とかフェスとかでの共演はこれまでも多かったかと思いますが、共同制作は初めてにして最後。
 初共演は、Eric Clapton が Cream のメンバーだった1967年、22歳だった1967年、ニューヨークのナイトクラブ Cafe Au Go Go で、その当時はBB King 41歳、Eric Clapton 22歳。スタジオ録音では、BB King のアルバム Deuces Wild (1997) の、Rock Me Baby となりますが、さすがに、このアルバムでRock Me Baby を録音するまでの仕掛けはありませんでした。
 録音に際しての選曲は Clapton で、プロデューサーは Eric Clapton, Simon Climie の二人です。BB King & Eric Clapton 共同名義でのリリースではありますが、お歳になった BB King はBB King は、企画にのっかって、力は入れずに、ひたすら軽い気持ちで若手の愛がこもったバックの演奏に合わせて、気持ちよく歌って弾いていただく。Clapton もバックの若手とほぼ同じ立ち位置で脇役に徹しています。
 当然このビッグネームの共演なのでドロドロに濃い内容を期待する向きもあるでしょうが、年齢も考えると長年ブルースに尽力されてきたレジェンドへの敬意を表した親孝行であり、古くからのブルースファンへのサービスであり、商業的、芸術的なものを求めてはイカンヤツかと思います。


Riding with the King John Hiatt が1983年に発表したアルバムのタイトル曲で「キング」の乗るアメ車に同乗して旅をするというレジェンドへのリスペクトやファンタジーを交えたストーリーがまさに、このアルバムのテーマ。アルバム・ジャケットに、King が後部座席に乗り、クラプトンが運転席でハンドルを握るビジュアルも、この楽曲の歌詞世界やタイトルをそのまま表現しています。
Ten Long Years 元々は、BB King が1955年にレコーディングし、R&Bチャートでトップ10入りを果たした初期の代表曲の一つで、メンフィスのローカル・スターから全国区へと躍進していた時期のクラシック・ブルース ナンバー。
Key to the Highway Clapton の Layla and Other Assorted Love Songs (1970) で、Duane Allman とのセッションもある Big Bill Broonzy の代表曲の一つですが、追ってみるとピアニストの Charlie Segar が1940年に録音し、翌1941年に Big Bill Broonzy がアレンジを加えてヒットしたブルース・スタンダード。本作では8曲目の Worried Life Blues とともにアコースティックで演奏されていて、見どころ・聴きどころにもなっています。BB King も子供の頃のヒット曲ですね。
Marry You テキサスのギタリスト Doyle Bramhall II の1999年作品。古き良き50年代ブルースのカバーが多くを占めるアルバムの中で、伝統的なスロー・ブルースとは一味違う、ミドルテンポでパーカッシブでソウルフルなブルースを入れてきました。バックコーラスには作詞・作曲にも関わった Susannah Melvoin と、その双子の姉妹 Wendy Melvoin(元 Prince&The Revolution のWendy&Lisa)が参加。
Three O'Clock Blues 元々は1946年の Lowell Fulson の楽曲ですが、BB King が1951年に発表したバージョンが大ヒットし、ビルボードのR&Bチャートで5週連続1位を記録した、2曲目 Ten Long Years 同様の出世曲。8分半を超える長尺トラックで、Clapton のフェンダー・ストラトキャスターと、BB King のギブソンES-355(Lucille)の掛け合いが最も楽しめる曲。
Help the Poor Charles Singleton が書いた曲を BB King が1964年に発表したシングルの人作品。マイナー・キーの印象的なリフとソウル寄りのグルーブを持つ曲で、Clapton の選曲の渋さが表れてます。
I Wanna Be 4曲目 Marry You と同様にテキサス出身のギタリスト Doyle Bramhall II のオリジナル作品。Bob Dylan のツアー・バンドでも活躍したギタリストの Charlie Sexton との共作曲。あえてこの作品で Doyle Bramhall II を入れてきた真意は?しゃれではあるまい。
Worried Life Blues ピアニスト Big Maceo Merriweather の代表曲のひとつで、BB King の他、Chuck Berry など多くのアーティストに取り上げられてきたスタンダード。Clapton も24 Nights (1991) で取り上げています。
Days of Old 1958年にリリースされた BB King, Joe Josea の共作名義シングル曲。曲調は軽快でドライブ感のあるシャッフル・リズムの12小節ブルース。
When My Heart Beats Like a Hammer BB King, Jules Taub 名義の1954年の楽曲。「愛する人のことを考えると心臓が金槌のように激しく鳴り響く」なんともオールド・ブルースらしくない内容で良いですね。
Hold on I'm Coming サザンソウルの Sam & Dave のソウルクラシックをブルージーにして二人が交互にボーカルを執り、コール&レスポンスのボーカルとギター・セッション。だれもが知っている曲でファンサービスって感じです。
Come Rain or Come Shine 1946年のミュージカル St. Louis Woman のために書かれた、ジャズシンガーのみならずソウルシンガーにも大切に歌われてきたスタンダード中のスタンダード。ソウル・ブルース界隈では1959年の Ray Charles の The Genius of Ray Charles での録音が決定版でしょうか。BB King も Ray Charles を敬愛しており、音楽的ルーツと巨匠たちへの深い敬意で締めくくりです。


 ジャケ写と同様にアルバムの中では Clapton は目立たない運転手。ギターは速いフレーズを弾かんでも、リズム感良く歌えたら十分。King はゆったりと Clapton はうまーくコントロールで、気持ちが良いアルバムです🎶🎸

recorded at The Town House (London), Ocean Way Recording (Los Angeles)
producer : Eric Clapton, Simon Climie

1. Riding With The King / John Hiatt
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II
backing vocals : Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
piano, electric piano : Joe Sample
2. Ten Long Years / Jules Taub, B.B. King
guitar, vocals : B.B. King
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II, Eric Clapton
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
electric piano : Joe Sample
organ : Tim Carmon
3. Key To The Highway / Big Bill Broonzy, Charlie Segar
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
4. Marry You / Doyle Bramhall II, Susannah Melvoin, Craig Ross
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
guitar : Andy Fairweather Low , Doyle Bramhall II
backing vocals : Doyle Bramhall II, Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
5. Three O'Clock Blues / Lowell Fulson
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
bass : Nathan East
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
piano : Joe Sample
6. Help The Poor / Charles Singleton
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II, Jimmie Vaughan
bass : Nathan East
drums : Steve Gadd
electric piano : Joe Sample
organ : Tim Carmon
7. I Wanna Be / Doyle Bramhall II, Charlie Sexton
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
backing vocals : Doyle Bramhall II, Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum Programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
electric piano : Joe Sample
organ (hammond) : Tim Carmon
8. Worried Life Blues / Sam Hopkins, Big Maceo Merriweather
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
bass : Eric Clapton
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
9. Days Of Old / Jules Taub, B.B. King
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
backing vocals : Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
piano : Joe Sample
10. When My Heart Beats Like A Hammer / B.B. King, Jules Taub
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II, Eric Clapton
guitar, Vocals : B.B. King
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon
piano : Joe Sample
11. Hold On I'm Coming / Isaac Hayes, David Porter
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
backing vocals : Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
electric Ppiano : Joe Sample
organ : Tim Carmon
12. Come Rain Or Come Shine / Harold Arlen, Johnny Mercer
guitar : Andy Fairweather Low, Doyle Bramhall II
guitar, vocals : B.B. King, Eric Clapton
backing vocals : Susannah Melvoin, Wendy Melvoin
bass : Nathan East
drum programming : Paul Waller
drums : Steve Gadd
organ : Tim Carmon












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2026年9月30日水曜日

The Oscar Peterson Trio / Walking The Line

 
 1970年 カナダ出身の Oscar Peterson 45歳の時の作品で、絶好調に華麗に弾きまくっています。バラード作品多めなんですが、強烈なスイングしてスポーツのようでもあり、演奏者の興奮も伝わります。端正さと勢いが同居していて、ピアノ・トリオの魅力をまっすぐ味わえます。録音は1970年11月10-13日の4日間で ベースは Sam Jones の後釜で、当時無名の若干26歳の Jiri "George" Mraz が担当、ドラムは Ray Price ですが、他のセッション録音は無いようなので残念。


I Love You 華やかな入り方が分かりやすく、速いフレーズの流れが自然で、アルバム全体の勢いをつくっています。Peterson はこの曲を以前にも何度か録音していますが、ここでは攻撃的なアプローチです。
Rock Of Ages ゴスペル色のある意外性あり。熱量の高い演奏と Jiri Mrazの歌うようなソロが印象的。
Once Upon a Summertime 一気に空気が変わって、抒情性が前に出てきて、Peterson の繊細な和声づけと、Mrazの音色の美しさがでてきています。
Just Friends / Teach Me Tonight 派手さよりもスイングの気持ちよさが残り「歌えるテーマをどう弾き崩すか」が楽しい作品になっています。
The Windmills of Your Mind 細かな16分音符の流れが印象的で、ピーターソンの機敏さが聴きどころ。メロディを崩しすぎずに、内側の推進力で引っ張る感じ。
I Didn't Know What Time It Was メランコリックで深い余韻があります。Ray Price はこの曲では控えめに支え、バラード寄りの表情をきれいに形作っています。
All of You 締めるにふさわしい、ミディアムテンポのスイング感が魅力。「振れすぎない安定感」と「活きのよさ」が同居しています。


 「I Love You」と「Just Friends」のスリリングなプレーに圧倒され、「Rock Of Ages」「The Windmills Of Your Mind」の意外性、「Once Upon A Summertime」「I Didn't Know What Time It Was」のバラードまで静から動と変幻自在。録音やミキシングも良く臨場感あり各楽器の良さを引き出している録音も良しで、名盤は誰がいつ聴いても名盤🎶🎹

piano : Oscar Peterson
bass : Jiri Mraz
drums : Ray Price

producer : Hans Georg Brunner-Schwer
recorded in Villingen, Nov. 10th - 13th 1970

1. I Love You / Cole Porter
2. Rock Of Ages / Jack Fascinato, Tennessee Ernie Ford
3. Once Upon A Summertime / Eddie Barclay, Michel Legrand, Eddy Marnay, Johnny Mercer
4. Just Friends / John Klenner, Sam M. Lewis
5. Teach Me Tonight / Sammy Cahn, Gene DePaul
6. The Windmills Of Your Mind / Alan Bergman, Marilyn Bergman, Michel Legrand
7. I Didn't Know What Time It Was / Lorenz Hart, Richard Rodgers
8. All Of You / Cole Porter








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2026年9月29日火曜日

Gregory Porter / Water


 BlueNote移籍の一枚目 Liquid Spirit (2013) から、すっかりお気に入りになったGregory Porter なので、それ以降せっせと集めています。このアルバムは、2010年に Motéma Musicより発売のデビューアルバムです。これは日本限定バージョンですので、1960 What?のリミックスが追加されているのと、日本語版ライナーノーツがついています。
 作品としては、愛や社会的なテーマを含む比較的シンプルで内省的な作りで、声の魅力を前面に押し出した作品です。以降のアルバムは、フックの強さがあり、曲の推進力、広がり曲の強さとメッセージ性が広がったものになっているので、デビューのシンプルさに結構な落差を感じます。


 ライナーノーツで、内本順一 氏の 2013年の9月のインタビューが掲載されています
「『ウォーター』の延長線上で『ビー・グッド』を作り、その延長線上で『リキッド・スピリット』を作った。今後、多少楽器構成を変えて作ることはあるかもしれないけど、大きな意味でこの方向性が変わることはないだろうね。ソウルとジャズの境界線をもっと無くし、ブルーズやゴスペルの影響をしっかり入れて、説得力のある歌詩を書いていくこと。これまで同様、これからもそこを突き詰めていくつもりだ」
 いやいや、Be Good (2012) は延長線上であることは感じるけど、 Liquid Spirit (2013) あたりからは、作者は精神的には延長線上にあるかもしれないけど、リスナーとしては、かなり変わってきていると感じます(グッとアップグレードしています)
 
Illusion 流れるようなピアノ伴奏上で、豊かで温かみのあるバリトン・ヴォイスで自由に歌い上げます。。大げさな装飾を削ぎ落とした構成で、アフリカで買った絨毯、風に舞う袋、庭で飲む紅茶などの描写により「君がいなくなって息の仕方」を見失ってしまったと歌う情熱的なラブバラード。
Pretty アンサンブル全体が軽やかで流れるようなリリシズムを展開。各パートが巧みに絡み合いながら、一目惚れした女性の美しさとドラムを叩く姿に魅了される主人公の無邪気で軽快な喜びを表現。前曲の静寂から一変して、管楽器の華やかな彩りと躍動的なリズムが加わります。
Magic Cup 「豆を挽き、ミルクを蒸す」「砂糖とスパイス」「朝の完璧な一杯」といった言葉が並び、パートナーへの情熱や依存心を重ね合わせ、黒い鏡のような液体を見つめながら相手を想う、ラブ・ソング。
Skylark 本来は「ひばりよ、私の愛がどこにあるのか知っているかい?」と語りかける切なく美しい歌詞を持つバラードですが、ここではあえてインストでアクセントをつけています。
Black Nile 1964年の Wayne Shorter のカバー。原曲はインストで、Porter は力強いスキャットを乗せたボーカル・ナンバーに。ナイル川はアフリカ系アメリカ人のルーツや歴史を象徴する水脈として位置づけられており、「水」という主題を浮き彫りにしています。
Wisdom Porter の恩師でありサンディエゴの伝説的ジャズ・ミュージシャンであるDaniel Jackson との共作楽曲。「母の乳、父の血」「大洪水の中でも先人の肩の上に立っていた」「先祖が与えてくれたものが私の糧となった」といったフレーズが登場し、先人たちの苦難と知恵(Wisdom)への敬意が歌われる、伝統的なゴスペル・ソング「Wade in the Water」のフレーズが織り込まれるスピリチュアルも感じる楽曲。
1960 What? デトロイトの暴動を歌ったプロテスト・ソングで「モーターシティが燃えている」「ショットガンの音が鳴った」「日光、月の明かり、街頭の明かりはいらない」「正しくないことに対して戦う」と淡々と歌い上げ力がみなぎっています。
But Beautiful ピアノの Chip Crawford を中心としたアコースティックなアンサンブルが、原曲の美しいメロディを豊かに奏で、グレゴリーの音楽的ルーツであるトラディショナル・ジャズへの深い敬意とエレガンスを示します。「ラブ」と「プロテスト」という激しさが行き交うアルバム後半において短めのインストで、気品に満ちた箸休め。
Lonely One ジャズの枠組みの中に、Donny Hathaway、Marvin Gaye などの巨匠を想起させる、情熱的でソウルフルな歌唱。「間違った相手を選んでしまったのか?」「君の美しさを傷つけられたのか?」「大丈夫、ここに君と同じ孤独を抱えた者がいる(The lonely one is here)」と寄り添います。
Water アルバム全体を通じて表現しようとした最も重要なモチーフ。歩道を濡らし、汚れを洗い流し、庭を潤す一方で、時に植物を傷つけ、すべてを流し去っていく「水」のイメージは、人々の内面に流れ込む精神や感情、愛、そして救済。「Oohh, wash me... Save me...」
Feeling Good 1965年に Nina Simone が歌ったバージョンが公民権運動の時代背景と結びつき、「自由への渇望と新たな旅立ち」を象徴するアンセム。Mahalia Jackson のアカペラ表現から強いインスピレーションを受けた無伴奏のアカペラで強い感動と解放感を与えるクライマックス。

単調で刺激に乏しいと思って聴いていたアルバムですが、落ち浮いて歌詞を聴きながら背景を想像しながら聴くと、1960年代のスピリッツを受け継ぐ、結構中身の濃い内容で深さを感じます🎶

vocals : Gregory Porter
alto sax : James Spaulding (5,6) , Yoske Sato (2,3,5,7,9)
bass : Aaron James (2-7,9)
drums : Chuck Mcpherson (4,6,9) , Emanuel Harold (2,3,5,7)
piano : Chip Crawford
trombone : Robert Stringer (2,3,5,7)
trumpet : Curtis Taylor (3,5,7), Kafele Bandele (4,5,7) , Melvin Vines (2,3,5,7)

arranged by : Chip Crawford, Gregory Porter, Kamau Kenyatta
producer : Kamau Kenyatta

1. Illusion / Gregory Porter
2. Pretty / Gregory Porter
3. Magic Cup / Gregory Porter
4. Skylark / H. Carmichael/ J. Mercer
5. Black Nile / Wayne Shorter
6. Wisdom / Daniel Jackson/Gregory Porter
7. 1960 What? / Gregory Porter
8. But Beautiful / J. Burke/ J. Van Heusen
9. Lonely One / Gregory Porter
10. Water / Gregory Porter
11. Feeling Good / L. Bricusse/ A. Newley
12. 1960 What?(Gerardo Frisina Cuban Soul Mix)  / Gregory Porter


▶ Pretty


▶ Skylark


▶ Wisdom




▶ Water


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2026年9月28日月曜日

Funkadelic / Music For Your Mother Funcadelic 45s


 ファンクとソウルの区別もよくわからない頃に、ファンクって何なのか?とりあえずファンクって名前がバンドについてるし、雑誌にも名前はちょくちょく出てくるしジャケットもサイケだから、最初に購入した Funkadelic となります。
 中身は、1969年~1976年までの Westbound Records 在籍時のシングルのA面、B面の全てが収録されたコンピレーションで、多くのトラックがLP未収録のB面曲であり、また別のいくつかの曲はLPバージョンとは異なるミックスやエディット、さらに他の2曲は発売が予定されながら土壇場で中止となったものが含まれます。なので、全体的にキャッチーで商業的ではありますがアルバでは聴けない曲が存在する少し深入りした方にも魅力的。1曲がほぼ5分以内と短くて、この後のアルバムで体験するダラダラ長尺のソロで戸惑うことがないので、Funkadelic の虜になる最初の入り口としても良いアルバムかと思います。
 ただ2枚組って開けるのがめんどくさかったり、かさばるからドライブがてらに聴こうとは思わないんで、結果的にあんまりリピートして聴かないんですよね。


 後に排出されるアルバムのジャケットは、サイケなイラストが多く、このコンピのイラストもその路線ではありますが、もっとアフリカンな感じで少しテイストが違います。




 普段の Funkadelic 関係のアルバムはアート漫画のようにイラストと手書きの文字が散りばめられていているものが多いのですが、このアルバムはコンピなのでライナーノーツがしっかりしています。George Clinton の生い立ちから、Funkadelic 結成と歴史のエピソードが長々と文字で書かれています。ただ Funkadelic はメンバーも多く、The Parliaments、P-Funk であったりと時代によって権利関係やらなんやらでバンド名も変わり、そのおかげで関係の書籍は長くダラダラとしているものが多いのですが、このライナーノーツも同じです。 細かな文字で書かれているので、必死に読み進めますが、まず頭には入ってきません。しかしが、読んだ気にはなります。未だ変態コスプレをしていないメンバーの写真も多く掲載されており歴史を感じることができます。
 おそらく世の George Clinton 信者は、あまりにも複雑な彼の生き方やバンドの成り立ちを理解することがステータスになっている方も多いのにい違いありません。私も嫌いではないのですが、あまりに複雑で登場人物が多すぎるのでギブアップし続けながら、少しづつ覚えていくと、たまに色んなことがつながって賢くなったような気がするのですが実世界ではほぼ役に立たないことと、それを説明して自慢できる友人はいないので自己満足度も低い感じです。
 いずれにしろ古めの名曲は、以降の変態で混沌なアルバムと比べればわかりやすい。地味目な色遣いのジャケットではありますが、聴いていると懐かしさもありカッコよさの再認識もできたりと良いアルバムではあります。ちなみにアルバムのタイトルの 45s は何かと思っても解説はなかったのですが、これを書いているうちにシングルレコードの回転数45回転のことのようだと気づきました。うれしいです🎶

【DISC1】
1. Music For My Mother / G. Clinton, B. Nelson, E. Hazel
 (Funkadelic 1970)
2. Music For My Mother (Instrumental) / G. Clinton, B. Nelson, E. Hazel
(Single)
3. Can't Shake It Loose / G. Clinton, J. Barnes, R. McCoy, T. Jackson
(Single)
4. As Good As I Can Feel 
(Single)
5. I'll Bet You / G. Clinton, S. Barnes, T. Lindsay
 (Funkadelic 1970)
6. Qualify And Satisfy / G. Clinton, E. Hazel, B. Nelson
 (Funkadelic 1970)
7. Open Our Eyes / L. Lumkins
(Free Your Mind... And Your Ass Will Follow 1970)
8. I Got A Thing, You Got A Thing, Everybody Got A Thing / C. Haskins
 (Funkadelic 1970)
9. Fish, Chips And Sweat / G. Clinton, B. Nelson, E. Hazel
(Single)
10. I Wanna Know If It's Good To You / G. Clinton, B. Nelson, E. Hazel, C. Haskins
(Free Your Mind... And Your Ass Will Follow 1970)
11. I Wanna Know If It's Good To You (Instrumental) / G. Clinton, B. Nelson, E. Hazel, C. Haskins
(Single)
12. You And Your Folks, Me And My Folks / G. Clinton, B. Worrell, J. Jones
(Maggot Brain 1971)
13. Funky Dollar Bill / G. Clinton, E. Hazel, R. Davis
(Free Your Mind... And Your Ass Will Follow 1970)
14. Can You Get To That / G. Clinton, E. Hazel
(Maggot Brain 1971)
15. Back In Our Minds / C. Haskins
(Maggot Brain 1971)
16. I Miss My Baby / C. Haskins
(America Eats Its Young 1972)

【DISC2】
1. Baby I Owe You Something / G. Clinton
(America Eats Its Young 1972)
2. Hit It And Quit It / G. Clinton, B. Nelson
(Maggot Brain 1971)
3. A Whole Lot Of Bs / G. Clinton, B. Worrell
(Single)
4. Loose Booty / G. Clinton, H. Beane
(America Eats Its Young 1972)
5. A Joyful Process / G. Clinton, B. Worrell
(America Eats Its Young 1972)
6. Cosmic Slop / G. Clinton, B. Worrell
(Cosmic Slop 1973)
7. If You Don't Like The Effects, Don't Produce The Cause / G. Clinton, G. Shider
(Cosmic Slop 1973)
8. Standing On The Verge Of Getting It On / G. Clinton, G. Cook
(Standing On The Verge Of Getting It On 1974)
9. Jimmy's Got A Little Bit Of Bitch In Him / G. Clinton, G. Cook
(Standing On The Verge Of Getting It On 1974)
10. Red Hot Mama / G. Clinton, E. Hazel, B. Worrell
(Standing On The Verge Of Getting It On 1974)
11. Vital Juices / G. Clinton
(Single)
12. Better By The Pound / G. Clinton, G. Cook
(Let's Take It To The Stage 1975)
13. Stuffs And Things / G. Clinton, G. Cook
(Single)
14. Let's Take It To The Stage / G. Clinton, W. Collins, G. Shider
(Let's Take It To The Stage 1975)
15. Biological Speculation / G. Clinton, E. Harris
(America Eats Its Young 1972)
16. Undisco Kidd / G. Clinton, W. Collins, B. Worrell
(Tales Of Kidd Funkadelic 1976)
17. How Do You Yeaw View You / G. Clinton, W. Collins, B. Worrell
(Tales Of Kidd Funkadelic 1976)




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  


2026年9月27日日曜日

The Routine Funk / Kei Kobayashi featuring B-BAND on "Perfect Day"


 昔のレビューの冒頭に「DJ小林径のコンピレーションアルバムって解説してあるが何のことやら」と書いてました。今もクラブDJについて詳しいわけではありません。調査では、DJ小林径氏は、東京のクラブ・ジャズ・シーンの創世期から数々のムーブメントを引き起こし、シーンを支えてきた人。90年代初頭にスタートしたイベント「routine」を活動の基盤に、シーンを牽引。'93年、イベントのレギュラーDJらによるコンピレーション「routine」を発表とありますので、それがこのアルバムになるんですかね(他にもシリーズで出ているようです)

 ちなみにクラブ・ジャズのウンチクを語ろうと調べてみたら
〈ダンス・ミュージックとしてのジャズと、ジャズの影響下にあるダンス・ミュージックを並列に捉えるマナーやアティテュードや視点や解釈〉(タワレコ「第24回  CLUB JAZZ」)
 何のことやらさっぱりわかりません。が、読み進めると
〈クラブ側を出所とするDJやクリエイターがミュージシャンと絡むなどして旧来のジャズへもどんどん視野を広げ、逆にミュージシャン側にもクラブ・ジャズとして機能する生ジャズを作る人が増えてきた〉
 わかったようなわからないような内容で、まあ音楽のジャンル分けなんて評論家や販売側の売り文句をどういう風にしたら、リスナーにわかりやすいか、または購入動機につながるかを考えて創ってきた単語なんで、明確な区分けなんてものは無いので、国によって時代によって解釈は違ったりしますので軽く受け止めておきます。

 知りたかったのはクラブ・ジャズとは、どのような音楽でどのように定義されているか?で、ジャズ的な要素が無くてもクラブ・ジャズって呼んでるのはない?ってことだったんですが、結果として明確な答えはでてこなかったんですが、流れとしては
①クラブDJが従来のヒップ・ホップとジャズをミックスして新しいムーブメントを作ったのがクラブ・ジャズ
②DJサイドからは、クラブ・ジャズとはクラブでDJによってプレイされることを目的として作られた「ダンスミュージック」と考える
 つまりジャズ的な要素はなくてもクラブ・ジャズに分類されるものも出てくる。一般リスナーには、漠然とクラブでプレイされてそうなジャズ的要素のあるダンス・ミュージックでプレイヤー、DJの制作サイドの目的は特に気にしない。ってことが違いのような気がします。


 多分DJものは、私これしか持っていないと思いますが、オープニングはDJのアナウンスから始まり、アフリカンなリズムにミックスされたファンク。ジャズ的なサックスに、またアフリカンなリズムを被せたもの、おそらくファンクの原曲を加工して、FUNK. INC 的なジャズ・ファンクに仕立てたもの、フリー・ジャズ的なフレーズを切り取ってファンクと合体させたものなど、中々の凝った内容です。
 何も知らずに試聴して「カッコエエヤン」と思って買ったものであるので当然当たりです。私にとってはレアな一枚でした🎶


1. Opening
2. It's Just Began In Africa (Afro Break Mix)
3. Stone Felton
4. Funk Bronckhorst
5. Jazz Modric
6. Funk O'nilovic (Old School MIx)
7. Hamit Altinfunk
8. People Get Ribery
9. Re-Funk Samba
10. Perfect Day
11. ndtitleE
12. Routine Mama Funk



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。