2018年に49歳で他界したトランペッター Roy Hargrove (RH)と2013年に57歳で他界したピアノニスト Mulgrew Miller (MM)の2人が残したライヴ音源。録音は2006年と2007年のニューヨークとペンシルバニアのホールでの公演。リリースは2021年です。
私が RHを知ったのは Habana (1997) からで、キューバンなノリでいながら知的な感じが強烈で脳にこびりついてしまい、それをきっかけに聴き始めました。追いかけていくと、ジャズ・トランぺッターが最終的に到着しやすいファンク系のRHファクターの活動を知り、Hard Groove (2003) を聴きますが、求めていたものと少し違う。あのキューバンなノリが聴きたいと With The Tenors Of Our Time (1994) を聴いて正統派のジャズに聞き惚れますが、これも探していたのではない。出会いを求めて探し続けているうちに、だいぶ増えてしまいしたがなかなか出会いません。近いニュアンスは Nothing Serious (2006), Grande-Terre (1998) あたりでした。
一方 Mulgrew Miller (MM) については、現在の手持ちは Solo In Barcelona (2004) のソロピアノ作品です。たしかこのアルバムを聴いて深堀りしてみようかと購入した気がします。音源で MM の参加アルバムはないのか探してみると耳にしたことが無いと思って調べてみたら、私の手持ちでは David Saborn / Another Hand (1991) でタイトル曲と Dukes & Counts に参加、Art Blakey & The Jazz Messengers / Live At Sweet Basil (1985)。1955年米ミシシッピー州グリーンウッド生まれで、R&Bからジャズに転じ77~80年まで Duke Ellington、 80年からは Betty Carter や Woody Shaw の楽団、84~86年から The Jazz Messengers に在籍、その後 Tony Williams のクインテットや自身のトリオなどのセッションで活躍しています。
先にも書いたように、もっとHabana (1997) っっぽいものはないかと、色々と揃えていく中で目に留まったので購入して、確かその日に行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に持っていって聴いたのですが、ウイスキーをあおっているうちに眠くなってしまったことを覚えているほど刺激に乏しくて眠気を誘ってくるのが最初の印象でした。
ですが、次に聴いたのは家で余裕を持った気持ちで何かの作業をしていた時。この時も聞き流していたのですが、印象的には眠気を誘うほどつまらなくはない感じです。ホールでの録音なので、ピアノの響きが少しオフ気味なので長く聴くにはちょうど良いのかもしれないがもう少し前に出てくれればうれしいというような感想でした。そして今回で多分4~5回目ぐらいになるのですが、ぐっと印象が変わりました。
二人のプレイは、格式ある緊張感のある形式ではなく、ゆったりとした温かな音楽的な語らいや、リラックスした中に躍動感が感じられて心地よく響きます。以前は面白みに欠けるかなと思っていた MM のピアノが、腰を据えた感じの伸び伸びと真っ向勝負にリズミカルでシンプルでわかりやすく頭に入ってきます。特に今回のようなデュオでの時には相方がやり易いだろうなと想像できます。以前感じたピアノの響きが少しオフ気味であるとは、今回は思いませんでした。
おそらくピアノの練習を始めたことで脳みその中でピアノに対する響き方が変わっていることや、途中で MM の Solo In Barcelona (2004) を聴いたりしているうちに、経年で音楽の聴こえ方が、またもや変化しているようです。
本アルバムには日本語版43ページ、英語版45ページの分厚いブックレットが同梱されています。中には様々なミュージシャンや、プロデューサーの言葉が寄せられていて、かなりの読み応えですので、珈琲でも飲んでゆっくり聴きながらこの分厚いブックレットを読めばほっこりできること間違いなしです。と書きつつ、あまりに長すぎて、まだ私も斜め読み🎺🎶🎹
trumpet, flugelhorn : Roy Hargrove
piano : Mulgrew Miller
producer : Zev Feldman, Larry Clothier
Recorded at Merkin Hall, Kaufman Music Center, New York, NY on January 15, 2006 and the Williams Center for the Arts, Lafayette College, Easton, PA on November 9, 2007.
【Disc1】
1. What Is This Thing Called Love? / Cole Porter
2. This Is Always / Harry Warren, Mack Gordon
3. I Remember Clifford / Benny Golson
4. Tristeza / Antonio Carlos Jobim
5. Invitation / Bronislaw Kaper, Paul Francis Webster
6. Con Alma / Dizzy Gillespie
【Disc2】
1. Never Let Me Go / Livingston & Evans
2. Just In Time / Betty Comden And Adolph Green, Jule Styne
3. Fungii Mama / Blue Mitchell
4. Monk's Dream / Thelonious Monk
5. Ruby, My Dear / Thelonious Monk
6. Blues For Mr. Hill / Roy Hargrove
7. Ow! (Encore) / Dizzy Gillespie
▶ Tristeza
▶ Con Alma














