2026年9月22日火曜日

Miles Davis / Bags Groove


 「Bugs Groove」は昆虫食だが「Bags Groove」はジャズの曲名、UとAの違いで全く変わることに今更ながら気づいたのは数年前。そして、ジャケットを見ていたら何かがおかしいことに気づきます。
 CDの側面表記のタイトル ・・Bagg' Groove
 CDの曲名データ  ・・・・・Bags Groove
 当時のライナーノーツ表記  ・・Bags' Groove
おいおい!何が正しいんだ?そもそも「Bags Groove」を和訳するとどうなるんだ?とググって見て、同じ疑問を持った方が見つかりました。
どうやら 「Bags」の g 一文字が正解で、作曲者 Milt Jackson の綽名というのが正解っぽく、知らない人たちが色んな表記にしてしまったようです。なるほど・・・前置きが長くなりました


 1954年録音、1957年にPrestigeからリリース。同年の2つのセッションの音源をまとめた作品で、ハードバップ前夜の雰囲気と、のちのマイルスらしさの“種”がよくわかる1枚と言われます。そして、嘘か真かわからぬが MilesとMonk のケンカセッションとしても有名です。若造の Miles が Monk に、Bags’ Groove で俺のソロでピアノは弾くな!と言ったので、弾くのをやめてしまったと言われていますが、そんな邪魔なヤツをセッションに入れるはずもないし、そんな曲がアルバム・タイトルになるわけもありません。完全に Miles の曲の演出上の指示が面白い伝説になっているだけだと思いますが、そんなことを知ってこれを聞くと単純なテーマの出だしがピリピリしているような気がしなくもない。
 実際、ここではベースとドラムだけをバックにしたソロになるので、Miles のミュート・トランペットの音色とニュアンスがくっきり浮かびます。また通常のハードバップよりも引き算されたサウンドになり独特の緊張感が生まれ、何もしていないことで Monk の存在感も前後で浮き上がります。
 最近注意して聴いているので気づいたのですが Monk 自身も、自分のアルバムやライブ音源では、他人のソロでは無伴奏のことがよくあります。ピアノを弾かずに踊っていることもあるようです。ここら辺は、もしかして Miles に学ぶこともあったのでは?なんてことも想像してしまいます。
 Monk が本格的に前に出るのは自分のソロの場面で、いつもの「左手と右手のリズムやアクセントが少しずつ「ずれる」感じ」「不意に出てくる濁った和音や、鍵盤を叩くようなアタック」「ブルースに根ざしたフレーズなのにストレンジ感」が聴けます。

Take 1 Monk は、ソロに入って音を出すタイミングを伺ってから弾き始めます。テンポがややタイトで全体に集中力が高い。黙る回数も多いが、フレーズの切れが良く、構成がわかりやすいと思います。
Take 2 ややリラックスしていて、Miles も“おかずフレーズ”を増やし気味で、Monk も間の取り方がより自由で、音数もばらつきがあって遊びが増え、リラックスしたソロをとっている印象。一音目の置きかた、どこで突然黙るかに注目して聴くと、より違いがわかって面白いです。

ここからピアノは Horace Silver、テナーサックス Sonny Rollins
Airegin  初演は Miles Davis with Sonny Rollins (1954) の Sonny Rollins作。タイトルである「Airegin」は、自身のルーツのであるアフリカの国のひとつ NIGERIA(ナイジェリア)を逆から綴ったアナグラム。マイナーキーで転調を繰り返す複雑なコード進行。アフリカっぽくはないハードバップ。
Oleo  I Got Rhythm のコード進行をベースに作られた、いわゆるリズム・チェンジの代表曲で、これも Sonny Rollins作。 植物性バターの Oleomargarine)が曲名の由来。高速で世話しない印象がある曲ですが、初演はこの盤で落ち着いてます。ほかの Miles 作品では Relaxin'(1956)Jazz At The Plaza (1958)Tourin (1964) などドンドン高速化しながら回数も多いです。個人的には Jazz At The Plaza (1958) が好きです。
But Not For Me (Take 2)  これも2take収録で、Take1よりも、演奏全体のまとまりや、カチッとした完成度が高いのが魅力。
Doxy  またもや Sonny Rollins 作品です。本作が初録音で、軽快でゴスペル的なニュアンスも感じます。録音当日にまだ曲が完成しておらず、スタジオでマイルスに「曲はあるか?」と聞かれたて、その場で紙切れに書き殴って急遽作ったという話しはMiles 談。
But Not For Me (Take 1) リラックスした柔らかな演奏で、ソロのフレーズの遊びや即興性が高くて良いと思いますが、原盤は格調が高い方を選んだのか。


いずれにしろ大学のジャズ研時代のfのブルース・セッション曲。ジャズが全く理解できなかったころから聴いていた曲です。若いころに聴いていた演奏したものは、自然と頭の中にこびりついています。懐かしみながら聞いております🎶🎺

recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

【recorded December 24 , 1954】
trumpet : Miles Davis
piano : Thelonious Monk
vibraphone : Milt Jackson
bass : Percy Heath
drums : Kenny Clarke
1. Bags' Groove (Take 1) / Milt Jackson
2. Bags' Groove (Take 2) / Milt Jackson
【recorded June 29 , 1954】
trumpet : Miles Davis
piano : Horace Silver
bass : Percy Heath
drums : Kenny Clarke
tenor sax : Sonny Rollins
3. Airegin / Sonny Rollins
4. Oleo / Sonny Rollins
5. But Not For Me (Take 2) / George Gershwin, Ira Gershwin
6. Doxy / Sonny Rollins
7. But Not For Me (Take 1) / George Gershwin, Ira Gershwin

▶ Airegin

▶ Oleo


▶ Doxy

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年9月21日月曜日

Bud Powell / The Amazing Bud Powell, Vol. 1

 

 BlueNote(BLP5003)1951年リリース音源。1949年8月9日と1951年5月1日録音の2回に分けて録音され、1955年には収録曲を変更して12インチLP盤(BLP1503)がリリースされています。今回のアルバムは後発の(BLP1503)をCD化したバージョンです。
 「Un Poco Loco」 のTakeが3パターン続けて収録されていて「It Could Happen To You」 は(BLP5003)とは異なるTakeが収録、「A Night In Tunisia」については、異なるTakeと合わせて2曲、「Dance Of The Infidels」「52nd St. Theme」「Wail」「Parisian Thoroughfare」 は(BLP5003)には無い追加曲、(BLP5003)にあった「You Go To My Head」 は消えています。そして曲順も全く異なるものとなっているので(BLP5003)、かなり印象の異なるアルバムになっていると思われます。
 このアルバムのタイトルに Vol. 1 がついている通り Vol.2 を1953年の session録音で発表しているので、おそらく最初の録音後に続くアルバムを録音する企画が持ち上がり、Vol. 1, 2 のタイトルにして楽曲や構成を組みなおしての録音となったものと推測されます。(Vol2 は持ってません)


 ピアノ・スタイルは右手の高速なシングルトーンと、左手はコードプレーで頻繁なコードチェンジに徹する形です。Powell の最盛期は1940年代後半から50年代初頭にかけてと言われておりこれはその時期の作品で、他をあまり聞いていないのでわかりませんがこのアルバムでは終始「唸りっぱなし」でこの人も「唸るピアニスト」であったようです。音楽にのってくると唸る人は多いですがこの人は常に唸りっぱなしなのが特徴的です。(唸るミュージシャン)50年代中期以降は麻薬やアルコールなどの中毒に苦しみ、精神障害となっています。

 また特徴的なのは、Un Poco Loco が冒頭から続けて3Take入っていることで、一聴して難易度の高い曲ですので、納得がいくまでに時間がかかったようです。Loco はスペイン語で「狂気」の意味。モード的なコードにとらわれないソロ、完成形は、本体のリズムとカウベルの異なるリズムが複合するポリリズムになっているのが特徴的で、一聴して演奏者に難易度高そうな曲です。
「Un Poco Loco 1Take」カウベルのリズムはラテンの一般的なヤツです。ピアノソロも迷走していて、途中で曲は突然終わります。
「Un Poco Loco 2Take」カウベルのリズムを変えています。少し耳障りですが面白いかもしれません。ピアノソロに入る手前の、ベースとシンクロしたピアノの左手が迫力を加えています。ピアノソロは、未だ手探りしているようなところも見られ、ドラムソロに入るタイミングもブレイクなのか、なんなのかよくわからない感じがします。
「Un Poco Loco 3Take」カウベルは2Takeと同じリズムを使用して音量が下がり、録音のバランスも良くなります。ベースとシンクロしたピアノの左手が躍動感を強調し、流れるような演奏で曲の完成度も高くなっています。
 微妙にアレンジの違う演奏を収録しているリマスターが一般的ですが、曲が完成するまでの過程を、このように記録しているものは珍しいかと思います。
 「Dance Of The Infidels」曲名は「異教徒たちの踊り」という意味を持ちます。ビバップ特有のクロマチックを巧みに織り交ぜたスピード感あふれるメロディが特徴で、Un Poco Loco が強烈な個性を持っていたのでホッしてしまいます。
「52nd St. Theme」Monk作品です。Monk と車に同乗していてPowell の麻薬所持が警察に勘違いされて Monk のキャバレーカード没収は有名な話しですが、その時は1948年、この録音は1951年です。ニューヨーク・マンハッタンの52丁目は、ジャズ・クラブが密集していたことから「スウィング・ストリート」と呼ばれ、Monk もお気に入りの Powell に目をかけていた思い出の町でもあります。、Monk の持つストレンジなところと、ダンサブルなリズムを高速で再現しています。ステージでのオープニングやクロージングのテーマ曲として使われることが多かったようで、Monk 本人のアルバムでの演奏記録はなく、Charlie Parker のライブ音源「The Complete Live Performances on Savoy」「Royal Roost Bop」などで Monk の演奏を聴くことができるようです。 
「It Could Happen To You (Alternate Master)」最初に書いていますが、Alternate Master の表記で原盤にはないこのアルバムでの追加曲で、ルパートで始まりますが、ひとつひとつのセンテンスに感情が入ってリズミカル。またフレーズの間の切れ目で、一回止まってから次に入る流れが良いです。ここら辺 Monk に師事した影響なのかなと思います。
「A Night In Tunisia」よく聴くチュニジアは、いかに情熱をこめて熱く演奏するかみたいなものが多いですが、ここでは熱量よりリズム重視、ダンサブルで跳ねるようなベースも印象に残ります。ピアノソロは、ガヤガヤと叫びながら色々なものを詰め込んでいます。こちら Alternate も含め、管楽器は入っていないトリオ演奏。
「A Night In Tunisia (Alternate Master) 」本番テイクより若干早めに感じます。ピアノソロは、こちらの方が序盤から次第に盛りがっていく感じがスムーズで好きですが、途中のためらいの間みたいなところがあったり、熱量はオリジナルの方が高いような気もします。そこら辺でAlternate になってしまったんでしょうか。
「Wail」2管が加わった Powell 作曲の力強いハードバップ。
「Ornithology」 トランペット奏者の Benny Harris が Charles Parker と共作した曲で、How High the Moon のコードをコンストラクトして作られています。鳥類学を意味する言葉で、Parker のニックネーム Bird にちなんでいます。トリオ演奏で、少し遅れ気味に感じるピアノのフレーズが何か色々考えながら弾いているんだろうなと感じます。
「Bouncing With Bud 」また2管が加わった演奏です。トリオでは実験的にいろいろ試して、管が加わると完成された演奏になっているように感じます。Bud Powell 作。
 「Parisian Thoroughfare」Un Poco Locoと同様に未完成でも入れてしまった感じです。ピノソロが最初はためらいもなく饒舌で絶好調でしたが、なぜか途中で集中力が切れたようにフレーズが単調になったり途切れがちになったりして、話し声がして録音がぶった切れています。最初の部分の出来が良かったのでアルバムに追加したのでしょうか。

未完成な曲を完成させる過程を収録し、トリオとクインテットの曲の完成度を比較させるかのような録音順、果ては完成形の無い録音までと、これがジャズ録音のドキュメンタリーだと言いたいようなアルバムです。Bud Powell の企画というより制作サイドの Alfred Lion の戦略でしょうか🎶🎹

piano : Bud Powell
bass : Curly Russell (1 to 3, 6 to 8, 12), Tommy Potter (4, 5, 9 to 11)
drums : Max Roach (1 to 3, 6 to 8, 12), Roy Haynes (4, 5, 9 to 11)
tenor sax : Sonny Rollins (4, 5, 9, 11)
trumpet : Fats Navarro (4, 5, 9, 11)

producer : Alfred Lion
recorded on August 9, 1949 (tracks 4, 5, 9 to 11) and on May 1, 1951 (tracks 1 to 3, 6, 7, 8, 12).

1. Un Poco Loco (1st Take) / Bud Powell
2. Un Poco Loco (2nd Take) / Bud Powell
3. Un Poco Loco / Bud Powell
4. Dance Of The Infidels/ Bud Powell
5. 52nd St. Theme / Thelonious Monk
6. It Could Happen To You (Alternate Master) / Jimmy Van Heusen And Johnny Burke
7. A Night In Tunisia / Dizzy Gillespie, Leo Robin
8. A Night In Tunisia (Alternate Master) / Dizzy Gillespie, Leo Robin
9. Wail / Bud Powell
10. Ornithology / Benny Harris (Charles Parker)
11. Bouncing With Bud / Bud Powell
12. Parisian Thoroughfare / Bud Powell


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2026年9月20日日曜日

oasis / Supersonic


 私がロック熱から冷めてしまった頃に流行ったバンドですので知らないわけではないですが、ファンでは無いし特によく聞いた思い出もないバンドですが何故か持ってます。札幌在住時に、よく行くR&B系音源が充実している古本屋でロック系では oasis が目立つ位置に置いてあったので購入でした。店主の趣向が品ぞろえに反映している古本屋だったので、R&B好きではあったのですが oasis はよく聴いておられたものと思われます。なので oasis だけは、他のアルバムも、ここで売ってたので、つられて何故か5枚持ってます(ファンでは無いです)

 Supersonic 自体はデビューアルバム「Definitely Maybe」からのファーストシングル曲で、このアルバムは EP の位置づけです。(ダウンロードしか知らない世代の方に説明しとくと、EPは「Extended Play」曲数がシングルよりも多く、アルバムよりも少ない)

 詳しくないので知識のおさらいです。oasis と言えば、ノエルとリアムのギャラガー兄弟のバンドで、UKロックバンドによくある手法なのか、伝統なのか、殴り合いに発展する大喧嘩、その後のライブのすべてキャンセル等々、スキャンダラスな報道にでも有名なバンド。ドラッグは現在の日本ではヤバいことになりますが、外国では武勇伝の一部になることが多いので、ライブ中にリアムがドラッグを使用しノエルが激怒してリアムがタンバリンでノエルを殴打の喧嘩、これが原因でノエルがバンドを一時脱退などなど、ロックなエピソードも充実しているバンド。


「Supersonic」アルバムの中の曲 Bring It On Down の作業が難航。その休憩時間にノエル・ギャラガーがスタジオの裏部屋でわずか10分足らずで書き上げたらしい。名曲には「突然何かが降りてくる」エピソードがよくありますが、これもその一つ。印象的なドラムのイントロから始まり、ノエルのノイジーでサイケデリックなギターリフ、グランジの影響を残し「I'm feeling supersonic, give me gin and tonic」の英語独特の韻や語感を重視した歌詞が特徴です。何かの音楽番組で日本語ペラペラの外人が語っているのを見ましたが、日本のポップミュージックの歌詞は、季節や情景を描写して歌詞から背景を連想させるものがヒット作に多く、英語曲は、韻を踏むのが、ほぼヒット作の絶対条件で、感覚的には「この歌詞の韻の踏み方、テンポ感が天才的、センス良いね」と思われることが大事なようです。
 私はネイティブな英語話者ではないので、韻とか歌詞より、サウンドと雰囲気が良ければお気に入りになるんですけどね🎶

1. Supersonic
2. Shakermaker
3. Columbia (White Label Demo)
4. Alive (8 Track Demo)
5. D'Yer Wanna Be A Spaceman?
6.  I Will Believe(Live)


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2026年9月19日土曜日

The Bill Evans Trio / Moon Beams


 ジャズ史に残る名盤とされるRiverside Records 四部作 「Portrait in Jazz (1960)」「Explorations (1961)」「Sunday at the Village Vanguard (1961)」「Waltz for Debby (1961)」を共に作り上げたベーシスト Scott LaFaro の1961年の急逝から、約1年間の沈黙を経て1962年に発表した「復活作」として知られています。 ベースは、亡き LaFaro に代わり、新たに Chuck Israels が加入、ドラムは引き続き Paul Motian が担当しています。Evans のRiverside の契約は、この作品を最後に終了し、Verve Records と契約となります(1枚持ってなかったんでメモッときます)
 目を引くのはジャケットのカバーを飾る金髪の女性ですが、後に The Velvet Underground のボーカリストとして知られることになるモデルの Nico とのこと。Nico の Velvet Underground に加入は1966年ですから、この時はモデル業が主体でしょう。プロデューサー Orrin Keepnews か Evans がファンであったのかと、ふと邪推しました。が、この時代のジャズ・アルバムには、女性モデルが使われていたり女性の足が使われていること等よくあるので、セールスプロモーションとしての起用と思われます。


 収録曲の多くがスローテンポなバラードで構成されており前半は静かで滋味深い音、途中から Evans 特有のリリカルな部分も出てきます。

「Re Person I Knew」 プロデューサー Orrin Keepnews の名前のアナグラムで【O-R-R-I-N  K-E-E-P-N-E-W-S (計13文字)→ R-E-P-E-R-S-O-N-I-K-N-E-W 】 Scott LaFaro を事故で失いピアノが弾けなくなっていた Evans を励まし、再び復帰させて謝意がこめられています。曲自体は、アナグラムの謎ときとは無関係のモード曲で、明るいのですが、どこか内省的、自由度が高いハーモニーで、演奏が進むというよりゆらゆら漂っているような感じがします。
「Polka Dots And Moonbeams 」ロマンチックで温かみのあるバラードで、Evans は、音数を減らした余白のある演奏で静かにトリオを牽引しています。寄せては引く波のようにテーマをそっと弾き、ソロで少しだけパッと咲かせるところが良い。1940年の若き日の Frank Sinatra の最初のヒット曲。
「I Fall In Love Too Easily」曲自体はそんなに暗くはないのだが、テンポを落として、ためているので、非常に内省的に聞こえてしまいます。
「Stairway To The Stars」前のI Fall In Love Too Easily からいつの間にか自然につながっているゆうな流れです。今まで脱力したような音量でしたが、段々と明るくピアノの音量も上がって力強い演奏になっています。
「If You Could See Me Now」流して聴いていると、アルバムがずっと平坦な印象だったんですが、集中して聴いていると、流れ的には、この曲がこのアルバムでの盛り上がりどころのように聞こえます。
「It Might As Well Be Spring」盛り上がりから、少しクールダウンの美しいけど軽めのわかりやすい曲になります。暗いステージで小さなスポットライトが当たって、少し上気しながら無心にピアノを弾いているのを見ているような感覚です。
「In Love In Vain」ステージ構成からいくと聞かせどころになるのでしょうか。穏やかなイントロから始まり、階段の下から一段づつ上がっていくけど行きつくところが無く最後は階段が崩れ去るようなイメージ。
「Very Early」穏やかな曲ですが、最後は少しばかり饒舌なピアノになり締めくくりです。この曲は Evans の大学時代に作曲した曲とのこと。


 本作の核は、やはり「Polka Dots And Moonbeams」だとは思うのですが、改めて集中して聴くと、Stairway To The Stars \ If You Could See Me Now \ It Might As Well Be Spring の流れのところが、印象に残ります🎶🎹

piano : Bill Evans
bass : Chuck Israels 
drums : Paul Motian

producer : Orrin Keepnews
recorded in New York: June 2, 1962 (2,3,4,6,7); May 29, 1962 (1,8); May 17, 1962 (5).

1. Re Person I Knew / Bill Evans
2. Polka Dots And Moonbeams / Jimmy Van Heusen And Johnny Burke
3. I Fall In Love Too Easily / Jule Styne And Sammy Cahn
4. Stairway To The Stars / Frank Signorelli, Matty Malneck, Mitchell Parish
5. If You Could See Me Now / Tadd Dameron
6. It Might As Well Be Spring / Rodgers & Hammerstein
7. In Love In Vain / Jerome Kern, Leo Robin
8. Very Early / Bill Evans



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2026年9月18日金曜日

The Brecker Brothers / Straphangin'



 The Brecker Brothers 通算6作目、スタジオ盤では5作目にあたる1981年リリースの作品。発売は Arista Records で、(GRP Records はこの会社から独立派生しています)で、このアルバムで Arista Records との契約は終了となり、Michael Brecker のドラッグ治療により活動休止となります。
 1970年代、Michael Brecker はニューヨークで超売れっ子のスタジオ・ミュージシャンとして、Brecker Brothersのリーダーとして多忙を極めていましたが、当時のニューヨークの音楽シーンでは薬物が蔓延しており、彼もその波に飲まれヘロイン中毒に深く陥っていました。しかし 1981年、彼はついに薬物を断つことを決意しリハビリ施設に入所し、1982年以降、彼は完全にクリーンになり、その後亡くなるまで一度も再発(スリップ)することはなかったようです。また彼は、自身の克服だけでなく、同じ悩みを持つ James Taylor, Barry Finnerty などをリハビリやミーティング(AA/NAなど)に誘い、彼らがクリーンになるのを手助けしています。


 前作の「Detente (1980)」はディスコ調のボーカル曲なども、取り入れていましたがこのアルバムでは全曲インストとなり作風は多様です。
「Straphangin'」バロック風ブラバン的なイントロから始まりますが、その後にはインスト・ファンクな展開になる Brecker Brothers らしい曲です。
「Threesome」ワルツを基調としたフュージョンです。Randy Brecker のブルースギターを模したかのようなトランペット・ソロがカッコ良いです。
「Bathsheba」イントロからは E.W.F. 風に攻めてくるのかと思えば、今度はサンバ調になります。和フュージョンでも、このパターンの曲は当時流行っていたような気がします。
「Jacknife」少し重めの低音から始まる TOTO とかでもあるリズム・パターンのフュージョンです。テーマ部分はテナーとギターのユニゾンかと思いましたが、そんな訳ないはず。最後までよくわかりませんでしたが、ウインドシンセとトランペットですかね。
「Why Can't I Be There」今度はメロー系で、多才な曲調が収録されているアルバムですが、やはりどこまで行っても Brecker Brothers の香りがします。この曲に関しては、どの点が Brecker Brothers らしいのかは言い表せませんが
「Not Ethiopia」当時マイケル・ブレッカーが所属していたバンド Steps のライヴでも演奏されており、1980年12月の東京公演における演奏は、六本木PIT INNでの1981年のライブ・アルバム「Smokin' In The Pit (Steps)」にも収録されています。複雑フュージョン系。
「Spreadeagle」最後はブルースで、テーマの作り方とハモリ方は、これぞ Brecker Brothers で、この感じが大好きです。最後はギターの Barry Finnerty(Michael Brecker とリハビリした人ですね)のカクカクした音のギターソロが良い。


いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、Brecker Brothers 否定派の親父がいますが、しつこく聞かせています。すると耳が慣れてくるので、これは大丈夫聴けるというものも増えてきました。これも悪くはないそうです🎶

tenor sax : Michael Brecker
trumpet, flugelhorn : Randy Brecker
bass : Marcus Miller
drums : Richie Morales
guitar : Barry Finnerty
keyboards : Mark Gray
percussion : Don Alias (3) , Manolo Badrena (1,3,4,5,7) , Sammy Figueroa (1,3,4,5,7)

producer : The Brecker Brothers
Recorded and mixed at Right Track Studios, 168 W. 48th Street, New York, NY. Mastered at Sterling Sound.

1. Straphangin' / Michael Brecker
2. Threesome / Randy Brecker
3. Bathsheba / Michael Brecker
4. Jacknife / Randy Brecker
5. Why Can't I Be There / Randy Brecker
6. Not Ethiopia / Michael Brecker
7. Spreadeagle / Randy Brecker


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2026年9月17日木曜日

Whitesnake / Best


 ロック小僧だった高校生の時大好きでした。日本での公演も2回見に行っていて、閉場する浅草国際劇場で行ったライブが最高の盛り上がりで大興奮でした。開始前に着席して静かに待っていましたが、始まった瞬間に全員席から立ちあがってダッシュ。1階の真ん中ぐらいの席でしたが、ラグビー部員でもあった私は猛ダッシュをかまして、舞台のすぐ前2列目で公演を見ることができました。ライブハウスさながらの押し合い圧し合いで、いや青春まっただ中のアドレナリン大放出でした。
 当時の記事がないか調べていたら「WHITESNAKE - ASAKUSA 1981 2ND NIGHT」としてCDが発売されていることを発見しました。Unofficial Release ですからブートですね。「1981年6月23日:浅草国際劇場 2日目の公演とのことで、1/2の確率で私が行ってたヤツです。(あの興奮状態でよく録音できてたなと思います)今後、購入するかしないかは、ちょっと迷いどころ。


 本盤は、私にとっては黄金期の初期 White Snake のベスト。ギタリストは Micky Moody , Bernie Marsden のツイン・ギター。メタルっぽくなくてブルースやロックンロールを感じるギターにハマってました。他も Deep Purple の凄腕たち、 Neil Murray、Ian Paice, Jon Lord で、立役者は David Coverdale と最高のメンバーです。ブリティッシュ・ロックって、これだよなと今も納得の曲のラインナップですが、名曲 Come On 入ってませんでした🎶

SongAlbumproduced
1Lie Down
TROUBLE
1978
2Trouble
3Take Me With You
4A Walk In The Shadow Of The Blue
LOVEHUNTER
1979
5Love Hunter
6Fool For Your Loving
READY AN’ WILLING
1980
7Sweet Talker
8Ready An' Willing
9Ain't Gonna Cry No More
10Don't Break My Heart AgainCOME AN’ GET IT1981
11Crying In The Rain
SAINTS & SINNERS
1982
12Here I Go Again

vocal : David Coverdale
guitar : Micky Moody , Bernie Marsden
bass : Neil Murray
drums : Ian Paice
keyboards : Jon Lord

1. Lie Down / David Coverdale, Micky Moody
2. Trouble / David Coverdale, Bernie Marsden
3. Take Me With You / David Coverdale, Micky Moody
4. A Walk In The Shadow Of The Blue / David Coverdale, Bernie Marsden
5. Love Hunter / David Coverdale, Micky Moody, Bernie Marsden
6. Fool For Your Loving / David Coverdale, Micky Moody, Bernie Marsden
7. Sweet Talker / David Coverdale, Bernie Marsden
8. Ready An' Willing / David Coverdale, Micky Moody, Bernie Marsden, Ian Paice
9. Ain't Gonna Cry No More / David Coverdale, Micky Moody
10. Don't Break My Heart Again / David Coverdale
11. Crying In The Rain / David Coverdale
12. Here I Go Again / David Coverdale, Bernie Marsden





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2026年9月16日水曜日

Bill Evans Torio / At The Montreux Jazz Festival


 1968年6月15日、モントルー・ジャズ・フェスティヴァル(第2回)のライヴ録音です。モントルー・ジャズ・フェスの名前が世界的に広まったことでも知られる傑作で、ジャケ写は、会場のすぐ近くのレマン湖のほとりに建つ古城で、この作品は「お城のエヴァンス」とも呼ばれています。
 Montreux Jazz Festival は1967年から毎年7月にスイス、レマン湖畔の町モントルーで、開催され、現在はジャズばかりでなく、ブルース、ロック、レゲエ、ソウルなど幅広いジャンルの音楽をカバーしている音楽祭です。
 Gene Lees によるライナーノーツには、当時の出来事が書かれていて、非常にリラックスした滞在になったこと、最高のライブパフォーマンスの背景を語っています。
 フェスティバル2年目にあたる1968年、Bill Evans Torioが特別ゲストとして登場し、会場となったモントルー・カジノのナイトクラブ全体を圧倒し、Evans は、近くにあるシヨン城を訪れ、その歴史的な遺構を散策、Eddie Gomez やHelen Keane らと共に登山鉄道でロシェ・ド・ネーへ登った際、霧の中で Eddie Gomez と語り合い、彼の「ベースを金管楽器のように捉えている」という演奏哲学を引き出す場面もあった。
 

 全体的により内省的で物憂げなものであった今までの Evans と対照的に、今作はクールかつ躍動感ありアグレシッヴで、不協和音やリズムの対比をより実験的に取り入れており、聴かせるソロもありエヴァンスならではの個性とスリリングな展開が魅力な作品となっています。
 メンバーの Eddie Gomez は1966年から Bill Evans Torio に参加し、以後11年のエヴァンスのバンドに在籍します。ドラムは Jack DeJohnette で Evans より15歳ほど年下ですが、堂々としたプレイです🎶🎹

piano : Bill Evans
bass : Eddie Gomez
drums : Jack DeJohnette

producer : Helen Keane
recorded June 15, 1968 at the Casino de Montreux, Switzerland by the technical department of Radio Suisse Romande.

1. One For Helen / Bill Evans
2. A Sleeping Bee / Harold Arlen-Truman Capote
3. Mother Of Earl / Earl Zindars
4. Nardis / Miles Davis
5. I Loves You Porgy / George-Ira Gershwin-Dubose Heyward
6. The Touch Of Your Lips / Ray Noble
7. Embraceable You / George-Ira Gershwin
8. Someday My Prince Will Come / Frank Churchill-Larry Morey
9. Walkin' Up / Bill Evans
10. Quiet Now【Previously unreleased】/ Denny Zeitlin




Nardis






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