2026年4月16日木曜日

Bill Evans Trio / On a Friday Evening

 

 1975年6月20日のカナダ・バンクーバーでの完全未発表ライヴ音源で2021年の6月18日に日本先行リリースされたものです。日本は Bill Evans 信者が多いとか、日本人はダウンロードではなくCD購入派が多いとか聞きます。当然、日本人である私は見かけた瞬間にCDで購入しました。
 ライブの会場は、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーの Oil Can Harry's という1968年に設立されたクラブ。このクラブでのライブをラジオで放送された音源で、オリジナル音源が所有者が2回変わってのリリースとのこと。録音状態は良いのに、ステージから比較的少し離れた席で聴いているようなマイク位置で、音量をあげないと臨場感に乏しいところが少し惜しいところでしょうか。そこがライブ盤の良いところかもしれないし、未発表音源なんだから、古びたラジオのような状態の録音のものでもファンやコレクターに響く十分なレベルです。


 ライブの7か月前のヨーロッパ・カナダのツアー中にドラマーの Marty Morell が脱退していて、その後のツアーは Eddie Gomez とのデュエットで後半を乗り切り、1975年1月 に Village Vanguard の録音が Bill Evans Trio での初録音となり以降のツアーに参加しています。そして Bill Evans は、1974年に Milestone から Fantasy に移籍し、1975年に入ってからは歌手Tony Bennett との共作など企画色の強い録音が多くなり、1977年以降 Crosscurrents, I Will Say Goodbye, You Must Believe in Spring など Marty Morell の在籍していたころの緻密な演奏とは違った、空間のある演奏の録音を残しています。



「Sareen Jurer」この曲の Bill Evans の最初の録音は1974年でレパートリーに入って1年ほど。作曲者は Earl Zindars で彼が結婚した時に Bill Evans が付添人を務めるほどの知り合いです。クラシック的な響きのイントロで始まり、テーマはゆったりと幻想的でコードもユラユラと揺れるように上下する。その上をBill Evans が彷徨うようにソロをとり Eddie Gomez もリズミカルに緻密にソロと Bill Evans らしい演奏で良い。
「Sugar Plum」前曲の流れを引き継ぐような曲想で3分ほどのピアノでの独奏が続いてからリズム隊が加わり、べースが主役になります。いい流れです。
「The Two Lonely People」甘いメロディだが物悲しい響きもあるこの曲は Carol Hall からの歌詞を見て作曲されたもので、当時の彼の実生活の心境に近いものとの見方があるようです。曲とは関係は無いのですが、当時 Bill Evans は恋人 Ellaine との不幸で冷え切った関係にあったらしく、作曲し初レコーディングした1971年の翌年に Bill Evans は新しい恋人と付き合い Ellaine は地下鉄に身を投げることになる。そんな話があると知ってこの曲を聴くと題名に付けられた意味なども含めて響きが変わります。
「T.T.T. (Twelve Tone Tune)」Esta Tarde vi Llover 「今日の午後雨が降るのを見た」メキシコが生んだ巨匠、Armando Manzanero アルマンド・マンサネロ氏の1967年作品で、失恋して雨が降るのをボーっと見ているという歌詞の曲です。Morning Glory にも収録されていましたが、こちらの方が激しめでしょうか。雨をボーっと見ているより激しく雨に打たれている感じがします。この曲もベースがカッコ良い。
「Quiet Now」これも Bill Evans が亡くなるまでレパートリーに残り続けたスタンダードで、典型的なイメージ曲です。重層的で美しい曲ですが、感情をこめつつ熱くならならず感傷に流されない演奏です。
「Up With The Lark」晩年のお気に入りだった曲で、1946年に発表されたが、1972年にエヴァンスが発見するまで余り世に知られていなかったようです。音の塊りが躍るようにつながっていくテーマのメロディが印象的で、速めのテンポのワルツしながらスイングしながら軽やかなピアノは聴きやすい。
「How Deep Is The Ocean」ジャズの定番としての長く親しまれている Irving Berlin のスタンダード。イントロから主題に入ってくるとグッとノリが良くなるリズミカルな曲である意味Bill Evans らしくはないけどスリリングさが感じられて楽しい演奏です。
「Blue Serge」トランぺッター Mercer Ellington の曲で、元曲を聴いてみると全く違う明るめの印象の曲で、かなり Bill Evans 流の静かなるリリシズムを加えた曲に変換されています。
「 Nardis」Miles Davis 作曲ですね。Bill Evans は数々のアルバムでこの曲を収録しています。お気に入りの曲なのでイントロのピアノ独奏は長め、Eddie Gomez のアルコのベース・ソロはぶっ飛んで行ってしまっているのが良いです。その後に入ってくるピアノ・ソロはノリが良く熱い感情が見え隠れするのでオッと思えます。


 Bill Evans はリハしない人なので、新しいドラマーの Zigmundは、大きな会場ではビビりながら演奏したとの記述を見ましたが、ここでは、とてもリラックスしたい演奏と思って聴いております。
 ちなみに Eddie Gomez は Bill Evans との演奏歴が長いので実にメリハリのある素晴らしい演奏で、Bill Evans が自分の世界に入ったソロを続けていると、Eddie Gomez も負けじとベースで違う世界に持って行くのも素晴らしい🎶🎹

piano : Bill Evans
acoustic bass : Eddie Gomez
drums : Eliot Zigmund

recorded live at Oil Can Harry's, Vancouver, Jun.20, 1975

1. Sareen Jurer / Earl Zindars
2. Sugar Plum / Bill Evans
3. The Two Lonely People / Bill Evans, Carol Hall
4. T.T.T. (Twelve Tone Tune) / Bill Evans
5. Quiet Now / Denny Zeitlin
6. Up With The Lark / Jerome Kern, Leo Robin
7. How Deep Is The Ocean / Irving Berlin
8. Blue Serge / Mercer Ellington
9. Nardis / Miles Davis



▶ Nardis

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2026年4月15日水曜日

Thelonious Monk / Palo Alto

 


 未発表音源の発売と言えば「Resonance」が最近の定番でしたが、これは1968年の録音が2020年に創立60周年を迎えたジャズの名門「Impuls!」からの発売です。正式な録音でないのですが海賊盤よりもはるかに音は良くて十分聞けますし、ラフな録音がかえって臨場感を増しているような気がします。内容的にもモンクを既に知っている人にも、知らない方にも聴いていただきたい実に楽しい演奏です。

 

 録音された場所はシリコンバレーのはずれにあるカルフォルニア州パロアルトの高校。キング牧師の暗殺は1968年4月4日。米国は国内で多くの都市で怒りに包まれたアフリカ系アメリカ人による暴動が巻き起こったり人種差別に揺れていました。そんな中ジャズを通して人々の結束を願う一人の男子高校生の思いに応えてモンクは高校の学内コンサートに出演のオファーを受けたそうです。熱いオファーを送ったのは少年は当時16歳のジャズをこよなく愛していたダニー・シャー氏、そして録音は高校の用務員のおじさん。1968年の10月27日にライブは行われ、音源はこのライヴの発案者のダニー・シャーの自宅屋根裏で保管されていて、その保管されていた音源が52年後の2020年に発売となったわけです。
 当時の時代背景とかオファーからライブの状況までは、ライナーノーツに英語で、びっちり書かれていました。字が細かすぎて読む気になれなかったのですが、スキャンした画像を、AI(Gemini)にテキスト化するプロンプトを入れるだけ。今まではスキャンした画像をネット上にある無料のオンラインOCRでテキスト化して、無数にある誤字脱字、空白のテキストを手作業で埋めていく膨大な作業でやる気が起きなかったのですが、AIで手間が大幅に省けるようになったので、無料で利用できる AI の賢さと便利さに喜んでおります。

 

「Ruby, My Dear」会場から沸き起こる拍手。メンバーの音出し。これからライブが始まるドキドキ感がいったん静まって曲が始まる。Charlie Rouse のサックスが淡々とテーマを吹き、Monk は、しっかり力を込めたコードを叩きこむ。Ben Riley がブラシワークでドンドンリズムを曲に吹き込んでいくと出だしは上々です。Ruby は Monk の最初の恋人の名前で、この曲は Monk のライブでの鉄板のナンバーだったとのことです。
「Well, You Needn’t」1940年代に作曲された Monk のスタンダード曲。1曲目も良かったですが、ここでバンドはテンポ早めで調子を上げてきます。テーマが終わると Charlie Rouse のサックス・ソロになりますが、1曲目よりも独創性のあるソロを Monk の伴奏に合わせて展開し、ベース・ドラムのリズムセクションも Rouse を煽り Monk のピアノソロにつなげ、Monk もリズミカルな熱いソロ、そしてこの曲の聴きどころと思われる Larry Gales のにアルコ(弓弾き)ソロは、アップテンポな曲に合わせてのリズミカルなソロ。アルコのソロはノペっとしてつまらないものが多いのでこのダイナミックさは聴いていて嬉しい。メンバーはノッてきているので Ben Riley も曲調を変えずにリズミカルで激しいドラム・ソロと「熱い」です。
「Don’t Blame Me」1963年以来定期的に演奏されていた古典スタンダード。Monk の独奏で、リズムが跳ねていながらも、いつもの独特のストライド・ピアノ・スタイルで聴いていて楽しくなる演奏です。ピアノの椅子のきしむ音も録音されていて Monk が鬼の形相で体を揺さぶりながら演奏していたのだろうと想像できます。ライナーノーツでは「きしむ音で演奏が損なわれている」ような解説が書かれていますが、私はリアルでかえって良かったなと思います。
「Blue Monk」単純明快だが Monk らしさの塊りの曲でセッションなどでも、よく演奏され世に愛される名曲です。イントロは、ピアノのみで軽くグルーブをつくり、ベースとドラムが参加してバンド演奏としての一体感を出しサックスのソロ。単純な曲なのに慣れすぎているのか、いまいち振り切れていない感あり。リーダー Monk のソロは、録音の音が少し小さいのが気になりますがマイペースで突っ走り、ダブル・ストップを繰り返し連発するリズム&ブルース感あるソロ、カリンバ的な音の羅列など自由なソロで、さすがリーダー。続いてベースソロ、ドラムソロの個人技の時間ですが、他の楽器は鳴っていなくても曲が進行しているのが理解できるわかりやすいソロなのが、かえって好印象です。
「Epistrophy」1941年に、ドラマーの Kenny Clarke と ハーレムのミントンズ・プレイハウスのハウスバンドで働いていた時に共作した曲で、Monk のライブのセットの締めくくりは、この曲が多かったようで、抽象的な音階のテーマは不思議な魅力。今回は非常にエネルギッシュな演奏でグイグイと聴いている観客を引っ張っていく躍動感、Monk の暴れるような感情のこもった演奏とバンドの力のこもったエンディングは聴いていて爽快。
「I Love You Sweetheart of All My Dreams」総立ちになってヤンヤの喝采の聴衆に最後おまけプレゼントをピアノ独奏お届けしています。静かにピアノを弾き始めると客はうっとり。1分ほどで直ぐに殴りつけるようにコードを叩いて演奏は終わりますが、この短さでも満足度高し。没入すれば音を聴きながら見ているような感覚になれます。

 モンクの代表曲ばかりで安心して楽しめるところと、このカルテットの良さがと充実ぶりが非常によく伝わる名演。これはいつもの「おでんバー」のマスターも気に入ったので、お店のハードディスクに格納されたのもうれしいところ。この音源が録音された1968年の時代背景を先に書きましたが、この録音が発売された2020年は未だ人種差別問題がくすぶっていました。しかし2026年の現在、キング牧師が亡くなった1968年から、58年が経過し人種差別をめぐる不幸な報道が、やっと最近は少なくなってきたように思います。意識改革が進むのには長い年月がかかることと改めて思います🎶🎹

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charlie Rouse
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley

producer : Grand Mixer DXT, Danny Sher, Douglas Holloway, TS Monk
recorded at Palo Alto High School on October 27, 1968.
analog tape restoration by Kevin Przybylowski at Sonicraft A2DX Lab, Red Bank, NJ.

1. Ruby, My Dear / Thelonious Monk
2. Well, You Needn’t / Thelonious Monk
3. Don’t Blame Me / Dorothy Fields, Jimmy McHugh
4. Blue Monk / Thelonious Monk
5. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
6. I Love You Sweetheart of All My Dreams / Art Fitch, Bert Lowe, Kay Fitch

▶ Palo Alto (Mini Documentary)

▶ Thelonious Monk Quartet in Poland April 1966

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2026年4月14日火曜日

Donald Byrd / Byrd In Flight

 

 もっとジャズ・トランぺッターを聴いてみようと思って、開拓の意味も込めて聴き始めたのDonald Byrd が増殖し続け、多分これで20枚目になります。いきつけの音楽好きの集う「おでんバー」の常連達も、定期的に Donald Byrd を持ち込んで聴かせ続けていたら、最初は無反応だったのに、これは面白いとか、あっちの方が良かったとか反応が返ってくるようになっているのが嬉しい今日この頃です。私自身はジャズ・ファンク期の方が最初は好きだったのですが、最近はハード・バップの時期の方を好んで聴いているような気がします。


 デビューアルバムの Byrd Jazz が1956年 発売、Byrd In Flight が1960年。ブルーノートからはリリースは3枚目で、デビューから5年の間に、なんと15枚のアルバムの多作タイプでデビュー作含めて未購入がマダマダありますので、今後もじっくりと楽しんでいきたいです。
 さて、1、4曲目が 1960年1月25日、3曲目が1月17日に録音で、トランペット Donald Bryd、ピアノ Duke Pearson、ドラム Lex Humphries の固定メンツに、ベース Doug Watkins、テナーサックス Hank Mobley での演奏。そして2、5,6曲目が1960年7月10日の録音で、固定メンツに、ベース Reginald Workman、アルトサックス Jackie McLean でのいずれもカルテットでの演奏となります。


「Ghana」Bryd 自身の作曲で、イントロとテーマはリズミカルで泥臭いコテコテのラテン。ソロからはハードバップなジャズとなる名演でアルバムで一番キャッチーな仕上がりかも知れません。Bryd が伸びやかに優雅に Duke Pearson が知的でクールに、Hank Mobley が落ち着い端正なテナーでのソロ、Lex Humphries が、やや興奮気味の情熱的なドラムソロで2回目のテーマにつなげる、エンディングはフェードアウトでいつまでも続く演奏の演出です。
「Little Boy Blue」は、リーダーの Bryd が主演のバラードで、抑揚のつけ方が素晴らしいほれぼれの演奏。Bryd は近くで演奏してくれていて Duke Pearson は、少しは離れた場所でピアノを演奏しているような録音の仕方も心落ち着きます。
「Gate City」は、Duke Pearson 持ちこみ?作品で、他アルバムでは Gate City Blues と Blues が曲名に。まあブルースなんで、あのブルースをちょっとセッションしてみようぜ的な軽い演奏。
「Lex」は Bryd の自作曲、流れるようなテンポで、ややファンキーなハード・バップで、カッコ良い系です。緊張感無くこむずかしいところなく自然体で、適度に聴いていて楽しいのが一番です。Hank Mobley、 Duke Pearsonのソロもクール過ぎず熱すぎずで適温。良いけど、どこかでぶっ壊れてくれた箇所があっても楽しんですがそれは無し。
「Bo」は、スローテンポの Duke Pearson のバップ作品。これもぶっ壊す適なところは一切なく理知的な演奏で、1曲目の Ghana が恋しくなってきた。
「My Girl Shirl」の最後も Duke Pearson 作品です。このアルバム6曲のうち半分の3作品提供ですから頼れる兄貴です(本当に兄貴分かはわかりませんが、この録音時で Byrd 28歳、Pearson 28歳の誕生日で3か月差の若干だけ Pearson アニキでした)最後は少しにぎやかな感じではありますが優等生的でスリリングさは無しです。
 良質で平均点以上のアルバムですが、盛り上がりはしません。 Byrd は総じてそのような傾向な感じもします。ファンク作品の方が熱いですが、最近はこっち系の方が好きかも🎶

trumpet : Donald Byrd
piano : Duke Pearson
bass : Doug Watkins (1, 3, 4), Reginald Workman (2, 5, 6)
drums : Lex Humphries
alto sax : Jackie McLean ( 2, 5, 6)
tenor sax : Hank Mobley (1, 3, 4)

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
recorded on January 17 (3), 25 (1, 4) & July 10 (2, 5, 6), 1960.

1. Ghana / Donald Byrd
2. Little Boy Blue / Lorenz Hart, Richard Rodgers
3. Gate City / Duke Pearson
4. Lex / Donald Byrd
5. "Bo" / Duke Pearson
6. My Girl Shirl / Duke Pearson

▶ Ghana


▶ Lex

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2026年4月13日月曜日

The Baker Brothers / Hear No Evil Hear


 UK発のジャズ・ファンク・バンドで、結成は 兄 Dan Baker(ダン)と弟 Richard Baker(リチャード)の Baker 兄弟、Chris Pedleys のトリオ編成としてスタートし、サブ・メンバーとして、サックスの Paul Young がサポートしていました。2010年にダンは脱退し、新ギタリストにGeoff Lai、2011年にはリチャードも脱退。バンド結成時のオリジナルメンバーは Chris Pedley のみとなってしまって「ベイカー兄弟」がいない「The Baker Brothers」になったのは Time To Testify (2011) からで、このアルバムは2014年の新メンバーでの録音の2枚目のアルバムとなります。 バンド通算としては9枚目のこの作品は、いつもにも増してファンクな歌物が中心、ホーン部隊もビシッとテンションを上げてくれて、爽やかなボーカルでゴリゴリな側面は少なくなりキャッチーな作風の作品が多いアルバムです。

「 Intercontinental Flower Power」オープニングは、ギターの Geoff Lai、テナー・サックスの Paul Young のロジカルに感じるテーマのメロディーをユニゾンで決めるインスト・ファンク。軽めのサウンドですが、今までの Baker Brothers も感じさせてくれます。
「New Way Of Thinking」リフ、ボーカルのメロディーに関しては Baker Brothers のそれですが、これも2曲続けての軽めの音作りでなので、これが今回のアルバムのコンセプトなんだと理解。悪くは無いんだが、何かシンプルさばかり気になります。
「Cherry Wine」これも軽めのボーカルものではありますが、ノリはいつもの Baker Brothers の、いつもの Baker Brothers を期待している部分もある私、少し安心してきました。
「Kiss Of Life」親分になった Chris Pedley とギターの Geoff Lai の共同作品。最初のボーカル部分を作ったのは Geoff Lai で、おそらく途中から Chris Pedley の持ちネタを合体させているような感じがします。後半は Chris Pedley パターンで盛り上がっていきます。ドラムソロのあたりの往年のパターンのところが気持ちあがります。
「Push」この曲もKiss Of Life と同様に、いつも雰囲気と違うので、ギターの Geoff Lai の色が強く出ているのではないかと思われ、らしくは無いですが良い風がバンドに入ってきたと思います。イントロのギターのバッキングが、カッコ良くて曲中でも使われているのですが、ボーカル曲なので曲中で埋もれてしまうような音編集なのが、ギター弾きのヤジオとして惜しいところ。
「Just Try Now」1分59秒のスローなボーカル入りファンク・ロック曲です。ライブとかで同じような尺で使って次の曲とのつなぎ的に使える楽曲と見た。
「Breathe Fire」オールドなファンク・ロックな感じがするが、曲のアレンジは王道ではありますが古くはない。きっとライブではテンポ・アップさせてノリノリになるんだろうと想像でき大変良いと思いました。
「3 Hill Climb」テクニカルに聴こえるベースとギターの単音ユニゾンのイントロのバッキングが好きです。全体的には垢ぬけたサウンドを狙いつつも、そこまでいかないもどかしさが良い。
「 Love’s Atonement」古臭いボーカル・メロディーで、シャンソン風のニュアンスが香ります。うーん新しいかもしれません。
「Ring True」スライ風とモータウンサンドが混じっている好物であり、キメの部分はしっかり Baker Brothers 得意技のパターン。いや BS&T あたりの技を取り入れているのか。やばいこのパターン大好物だ。
「Sow And Reap」どこかで聞いたことがあるリフ・パターンは、確かファンカデリックの子供の声がサンプリングして入れてあるラップだったはず。曲名までが出てこないですがあの曲も好き、これも良い。段々このアルバムが面白くなってきた。
「Dancing With My Mates Till Dawn (Bonus Track)」元気印なジャムソング的 Baker Brothers お得意の伝統的パターン。ボーナストラックだし、ここら辺は従来のファンへのサービス曲のような感じですね。
「Big Guns」イントロで古いアメリカ映画の曲でも始めたのかと思ったら、残念ファンクになってしまいました。いや途中のサビでも繰り返しきました。エンターテイメント性溢れる、」メンバーが楽しんでアレンジしたのがわかります。力の入った暴力的なボーカル、最後のオクターバーで低音を強調したギターは、女性がドラムのギターとの二人のバンドのあれです。あれ・・・思い出せない。
 最初に聞いた時には、変化に戸惑いて Baker Brothers らしくなさに「つまらん」と思っていましたが、聴き直せば楽しみどころもいっぱいあるアルバムでした🎶

bass, Mellotron, lead vocals : Chris Pedley
guitar, vocals : Geoff Lai
drums, Backing vocals : Ted Carrasco
tenor sax, electric piano , vocals : Paul Young
trumpet, flugelhorn, electric piano , keyboards : Scott Baylis

producer : Chris Pedley (13), Keiron Bailey (13), The Baker Brothers (1 to 12)

1. Intercontinental Flower Power / Chris Pedley
2. New Way Of Thinking / Chris Pedley
3. Cherry Wine / Chris Pedley, Ted Carrasco
4. Kiss Of Life / Chris Pedley, Geoff Lai
5. Push / Chris Pedley, Geoff Lai
6. Just Try Now / Paul Young
7. Breathe Fire / Chris Pedley, Geoff Lai
8. Hill Climb / Chris Pedley
9. Love’s Atonement / Chris Pedley, Geoff Lai, Paul Young, Ted Carrasco
10. Ring True / Chris Pedley
11. Sow And Reap / Chris Pedley
12. Dancing With My Mates Till Dawn (Bonus Track) / Chris Pedley, Paul Young
13. Big Guns / Chris Pedley, Geoff Lai, Kieron Bailey

▶ Push



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2026年4月12日日曜日

Marcus Miller / Tales


 どういう音楽脳と経験があって演奏しているのか。ベースだけでなく様々な楽器をこなしてしまい、作曲、編曲、プロデュースにマルチな天才。ベースの手癖は、かなりありますが、マーカスが弾いているのが、他のミュージシャンのバックで演奏していてもわかるぐらいなオリジナルな存在感で正直大好きです。
 Marcus は、他のミュージシャンの作品に参加、プロデュースしているほうが圧倒的に良作が多いと私は感じます。Marcus のソロ・アルバムには、試験的に作ったようなボーカル曲とか、凝りすぎたコンセプトなんじゃないの?マニアだなみたいな曲がいっぱいありますが、今作は素直にマーカスのベースがたっぷり楽しめて楽曲のセンスも良いと思える作品です。


 改めてこのアルバムを聴きながら細部を見ていると、サンプリングした肉声が色々な曲に散りばめられています。アルバムのタイトル「Tales」は物語の意があります。改めてライナーノーツをよく読んでみると、「Marcus が色々な先輩ミュージシャンから聞いてきた「話し(物語)」を思い」このアルバムのコンセプトにしたとのこと。
「The Blues」様々なジャズメンの言葉がイントロでサンプリングされてから始まりますが、曲がちっともブルースでなく、ジャズっぽくも無いところが Marcus らしさ。
Lester Young: “Everybody plays the blues...” Billie Holiday: “Blues to me is, like, sort of a mixed up thing — you have to feel it...” Charlie Parker: “There was nothing to do but play and we had a lot of fun trying to play, you know...” Joe Zawinul: “It’s hard to explain...” Charlie Parker: “Plenty of jam sessions...” Lester Bowie: “It’s hard to... It’s just hard to describe...” Joe Zawinul: “It’s hard to explain — everything you cannot explain because if you could, you wouldn’t have to play it...” Charlie Parker: “Plenty of jam sessions, but basically speaking, much poverty...” Lester Young: “Blues? Everybody plays the blues — and have ‘em too!” Miles Davis: “You know I play anything I feel like playing...” Duke Ellington: “As a result of a certain musician applied to a certain instrument, you get a definite tonal character...”
「Tales」Marcus がメロディー楽器となりスラップでサウンドを作り、途中で Pointer Sisters のボーカルがサンプリングされていて楽曲とマッチしています。手法としてはDJ的なのせ方ですが、しっかりと曲中で Pointer Sisters と共演しているような曲の作り方も素晴らしい。
「Eric」は、ギタリストの Eric Gale のボイスを冒頭でサンプリング。このアルバム制作の前年 1994年5月25日 に Eric Gale は亡くなっていますので追悼曲の意味もありそうです。ギターは Hiram Bullock が弾いていて、Eric っぽさま微塵もありません。それどころかソロ部分のハイライトでは David Sanborn のライブ盤の Straight to The Heart の Smile の サックスとギターのかけ合い部分が、Marcus がサックスに替わって再現されているのが今回の発見でした。
「True Geminis」今度は Miles Davis のボイスサンプリングです。s がつかない Gemini は 1曲表示45分 の超有名盤ですが、ブート・レグなんで、この盤を思っての作品かどうかはわかりませんし、もちろんマイルスっぽさの欠片もありません。フレットベースをソロ楽器として使った Marcus らしさ溢れるフュージョンです。
「Rush Over」この曲にボイス・サンプリングはありません。弦をひっかけたスラップを使用したメロディー弾きと、Me'Shell NdegéOcello のボーカルとの共演です。シンプルな曲で一つのテーマをひたすらベース・ボーカル主体に繰り返していて、スタジオで試しに録音していたら出来が良かったんで拡張してアルバムに入れたみたいな感じです。
「Running Through My Dreams (Interlude) 」1分27秒のイメージ画像のような曲です。
「Ethiopia」先の曲で、Marcus が、夢の中で偉大な先輩たちと共演する夢を見てハッと起きて曲を展開させたらこうなった。的なイメージが描けます。ボイス・サンプリングは無くて、 Bashiri Johnson の パーカッションがサンプリングされています。どれかは明確に聞き取れなかったんですが、おそらく曲のブレイクで出てくる木簡を叩いているような音でしょうか
「Strange Fruit」2分13秒 Marcus の バスクラで音のイメージを表現したかった曲ですかね
「Visions」作曲者は Stevie Wonder となっています。まさか書下ろしではないだろうと検索すると原曲がヒットしました。つまりカバーです。原曲を聴いてみるとドラムレスでアコースティック・ギターとエレキでバッキングが構成され多分エレピは無しの幻想的な曲。Marcus は原曲には無かったドラムを導入し、ホーンでテーマを演奏することによりポップな味付けをしています。最後は原曲にはないソウルなトラックを追加して Gad Gang 風のセッション。
「Brazilian Rhyme」ボーカルは Lalah Hathaway で、EWF のヒット曲カバー。ベースは Marcus の参加する他のアーチストの曲のパターンを持ってきていると思うのですが思い出せません。もしかしたらこの曲を昔から聴きすぎているので、私の脳内の回路が混線している可能性はあります。ライナーノーツによるとライブでアンコールが何回も続き、用意していた持ち曲が無くなった時にこの曲をベースで弾いたらメンバーが直ぐに反応してくれた思い出の曲らしいです。
「Forevermore」ボイスは Marcus 本人で、フレットレス・ベースが大活躍のノスタルジックな旋律で 肉声での熱唱のように弾かれるフレットレスのフレーズが素晴らしい。
「Infatuation」根底にはレゲエっぽいリズムやラップっぽい節回しもある曲です。バッキング・トラックの雰囲気は Sanborn の A Change Of Heart にしながら、ボーカルで Lalah Hathaway が歌うことによって Marcus 味のソウル・ジャズになっています。
「Tales (Reprise)」 ラップと書いてありますが Joe Sample が、この物語のことを語っているようです。
「Come Together」誰もが好きな先人の名曲は  Marcus も好きだった。ということでしょう。解説はされていませんが、funky Intro と名前がクレジットされている Juice, Juju は、おそらくライナーノーツに掲載されている写真の二人のお子様でお父さんに顔がそっくりなんで、まず Marcus のご家族でしょう。きっと Juice, Juju もこの曲が大好きだったんでしょうね。
 と、大好きなアルバムでした🎶


1. The Blues / Marcus Miller
bass, piano, programmed by (rhythm), sampler(vocal) : Marcus Miller
synthesizer, organ : Bernard Wright
drums : Poogie Bell
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
sampler(Vocal) : Bill Cosby
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Goh Hotoda
2. Tales / Allen Toussaint, Marcus Miller
bass, piano, programmed by (rhythm), sampler(vocal) : Marcus Miller
clavinet : Bernard Wright
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
drums : Poogie Bell
sampler (vocal) : The Pointer Sisters
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Goh Hotoda
3. Eric / Marcus Miller
bass, piano, programmed by (rhythm), synthesizer, organ, rhythm guitar,: Marcus Miller
organ : Bernard Wright
lead guitar : Hiram Bullock
drums : Poogie Bell
drums (fills) : Lenny White
alto sax : Kenny Garrett
voice : Eric Gale
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Ray Bardani
4. True Geminis / Marcus Miller
bass, keyboards, bass clarinet, guitar, programmed by (rhythm, sound) : Marcus Miller
tenor sax : Joshua Redman
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
voice : Miles Davis
mixed by : Ray Bardani
5 : Rush Over /  Marcus Miller, Me'Shell NdegéOcello
bass, keyboards, bass clarinet, programmed by (sound) : Marcus Miller
mixed by : Goh Hotoda
drums : Poogie Bell
vocals, synthesizer : Me'Shell NdegéOcello
6. Running Through My Dreams (Interlude) / Marcus Miller
bass, keyboards, flute, programmed by (rhythm, sound) : Marcus Miller
mixed by : Ray Bardani
programmed by (Sound) : David "The Cat" Ward
7. Ethiopia / Marcus Miller
bass, synthesizer, bass clarinet, programmed by (rhythm) : Marcus Miller
drums (Fills) : Poogie Bell
marimba, synthesizer (funky synth lines) : Bernard Wright
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
mixed by : Ray Bardani
sampler (percussion) : Bashiri Johnson
8. Strange Fruit / Lewis Allan
bass clarinet, synthesizer, programmed by (sound) : Marcus Miller
mixed by : Goh Hotoda
programmed by (Sound) : David "The Cat" Ward
9. Visions / Stevie Wonder
bass, keyboards, bass clarinet, programmed by (rhythm, sound) : Marcus Miller
mixed by : Ray Bardani
drums : Poogie Bell
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
programmed by (Sound) : David "The Cat" Ward
10. Brazilian Rhyme / Maurice White
bass, keyboards, programmed by sound : Marcus Miller
drums : Poogie Bell
synthesizer bass, synthesizer : Bernard Wright
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
vocals : Lalah Hathaway
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Goh Hotoda
11. Forevermore / Marcus Miller
voice, bass, keyboards, programmed by rhythm, sound : Marcus Miller
drums : Poogie Bell
mixed by : Ray Bardani
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
trumpet : Michael "Patches" Stewart
12. Infatuation / Lalah Hathaway, Marcus Miller
alto sax : Kenny Garrett
bass, keyboards, sampler(Vocal), programmed by rhythm sound : Marcus Miller
electric piano : Bernard Wright
vocals : Lalah Hathaway
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Goh Hotoda
13. Tales (Reprise) / Allen Toussaint, Marcus Miller
rap : Joe Sample
mixed by : Goh Hotoda
14. Come Together /  John Lennon, Paul McCartney
bass, synthesizer, guitar, sampler (vocal), programmed by (rhythm) : Marcus Miller
drums : Poogie Bell
synthesizer (bass) : Bernard Wright
guitar : Dean Brown
alto sax : Kenny Garrett
trumpet : Michael "Patches" Stewart
performer (funky Intro) : Juice, Juju
programmed by (sound) : David "The Cat" Ward
mixed by : Goh Hotoda

Tales

Eric



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2026年4月11日土曜日

Maxi Priest / Fe Real


 昔の大阪の寝屋川の河川敷で開催されていたレゲエ野音の予習のために購入した音源で、
Inner Circle / Reggae Dancer とほぼ同時期に入手していたものです。当時レゲエには全く興味が無かったのですが、職場仲間や飲み仲間で面白そうだから行ってみようと言うノリで転勤になるまで3年ぐらい毎年参加していました。ほぼ音楽を聴きに行くのではなく、酔っぱらって踊って開放感を楽しむために行っていたのですが、さすがに出演者の音楽を何もわからないで行っても楽しみ半減なので、その時代には、Big Mountain / UnityBaha Men / I Like What I LikeDjani & The Public Works / Rocking You を柄にもなく購入しています。
 私を含めてあまりにも泥酔者が多かったためか、最後の年はお酒の持ち込みは禁止でしたが
最初はクーラーボックスに冷凍庫に入れて凍らせたラム酒を数本、ウイスキー、ビール大量、つまみは少々を仕込んで参加していました。ライブが始まる前から見知らぬ人と大宴会を始まり、見知らぬ人とラムをラッパで回し飲みを昼に始めるので意識は無くなったまま気が付いたらライブが始まっていて、ふと見上げると巨大スピーカーの上でトップレスのお姉ちゃんが踊っているような状態でした(暴力的なものとか薬とかは無しの、日光・酒・音楽を楽しむ感じです)懐かしいけど、あんな事はもうできないし、あれほど飲んでしまうライブが今あったら確実に問題になりそうな・・いや良き時代であり、私も若かった。


 Maxi Priest はジャマイカ系イギリス人で、両親がジャマイカから英国へ移住し、ゴスペル、レゲエ、R&B、ファンク、ソウルを聴いて育ちました。歌の原体験は教会で、ペンテコステ派の宣教師だった母親に勧められて歌い始め、音楽キャリアは、South London のレゲエの大会  Saxon Studio International からスタートしたとのこと。
 そんなバック・グラウンドがあり、サウンドはR&Bの影響を受けたレゲエ、いわゆる「レゲエ・フュージョン」で国際的な成功を収めた最初のアーティストの一人であり、歴代のレゲエ・フュージョン・アーティストの中でも、最も成功した一人に数えられています。


 特に Maxi Priest が好きなわけではなく、このジャンルを追求と言う気持ちも無いので、全曲の感想を軽くしときます。
 「Can't Turn Away」普通にR&Bで ジャマイカンな要素は少ない。「Promises」これぞ「レゲエで最近のダブとかの要素は無い。メロディーは甘めで曲のタイトルからもラブソングなのが、政治色強めの Bob Marley との違いでしょうか。「Just Wanna Know (U.K. Mix)」打ち込みのリズム感のあるレゲエ。歌は上手いし、訛りっぽいのもないのですっきり聴けます。「 Groovin' In The Midnight」 レゲエ要素無しのR&B。普通にカッコ良いし、歌うまで力が入った歌い方ですが、サラッと流れてしまうタイプの楽曲。「Make My Day」お祭りリズムのレゲエとポップスが混じったサウンド。だみ声ラップ Maxi Priest の色男な歌声が混ざってます。ここら辺がレゲエ・フュージョンってヤツなのか。「Ten To Midnight」ブラコン系R&Bの雰囲気のイントロに、レゲエのリズムを使っているポップなバッキングです。レゲエ・フュージョンは「こっち」ですかね。聴きやすいです。「Careless Whispers」ワムのカバーなのかと思ったら違う曲で、題名の日本語の意味は「軽率なささやき」や「軽はずみなささやき」を意味します。この言葉は、裏切りや後悔、失われた信頼を象徴しています。 です。まくしたてるラップは英語ではありません。ジャマイカの言語は英語が公用語で、ローカルではパトワ語ってクレオール言語もあるらしいですが、それで歌われているかは不明。「One More Chance」普通に西洋ポップスですが、歌いまわしにレゲエを歌っている時の節回しがあるような気がしますので、おそらくそこら辺を意識して歌っている。普通ですが、曲としては個人的に好きなタイプです。「Sublime」 Maxi Priest が作曲に絡んでいない曲です。インド音楽風のイントロで曲が始まるとスイートなポップスで、歌うまが強調。「Amazed Are We」正統派にレゲエリズムのポップソング。甘い感じが女子受けのような感じがします。 「Hard To Get」打ち込み系リズムを入れたレゲエで、ダブも入れて少々泥臭い感じが良いです。
 全体的に振り絞るような歌い方と中高音域の乾いた声質でのロングトーンが聴いていて気持ち良いです。Bob Marley も似たような感じがあるように思いますが、ジャマイカの人の特質なのでしょうか🎶

vocals : Maxi Priest (Max Alfred Elliott)
keyboards : Handel Tucker, Robbie Lyn
backing vocals : Dean Fraser, Desi Roots, JC Lodge
drum programming : Danny Brownie
drums : Danny Brownie

producer : Augustus "Gussie" Clarke

1. Can't Turn Away / Maxi Priest, Gary Benson, Winston Sela
2. Promises / Maxi Priest, Jean-Paul Maunick, Richard Bull
3. Just Wanna Know (U.K. Mix) / Maxi Priest,  Raymond Simpson, Mikey Bennett
4. Groovin' In The Midnight / Maxi Priest,  Mikey Bennett, David Morales, Handel Tucker
5. Make My Day / Maxi Priest, Junior Giscombe
6. Ten To Midnight / Maxi Priest,  Mikey Bennett, Michael SpenceIp, So Facto
7. Careless Whispers /  featuring : Carla Marshall
8. One More Chance / Maxi Priest, Simon Law, Trevor Davy, Lee Hamblin
9. Sublime / Mick Leeson, Peter Vale
10. Amazed Are We / Maxi Priest, Annabel Lamb, Andy Scott, Sylvester Nathaniel
11. Hard To Get / Maxi Priest, Tony Stephenson, Dwight Pinkney, Trevor Ropers




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年4月10日金曜日

Tom Scott / Night Creatures


 Marcus Miller がプロデュースしていた David Sanborn っぽいサウンドあり。アシッド・ジャズ的なサウンドづくりも随所にみられ、私的にはドンピシャのサウンドが多く収録されています。インストメインの、1980年付近のフュージョンものには、余計なボーカルものが入っていることも多いんですがですが、このアルバムのボーカルものは意外とセンスが良い。つまりアルバムの出来としては、私的には評価高かったアルバムですが、おそらくセールス的にはマイナーな感じだったのでしょうか。


 このアルバムでは Tom Scott マルチプレイヤーで様々な楽器をされていますが、売れっ子サックス奏者で、1974年には George Harrison や Joni Mitchell のツアーに参加。1975年には Paul McCartney、Whitney Houston、Barbra Streisand、Steely Dan、Blondie、Quincy Jones 等とも共演し、1978年には The Blues Brothers のオリジナルメンバーで Tom "Triple Scale" Scott の名前で参加もしています。1980年代後半になると本アルバムの製作元である GRP に移籍しています。わたくしの所有音源では、GRP All-Star Big BandGrp All-Star Big Band / All BluesSteely Dan / AjaDavid Sanborn / VoyeurJoni Mitchell / HejiraJaco Pastorius / Word Of MouthBlues Brothers / Briefcase Full Blues に参加で売れっ子の助っ人であったことがわかります。
 リーダーアルバムは、1967~2012年までコンスタントに出し続けていますが、このアルバムは1995年の48歳の時。ミュージシャン歴としては後半の作品になります。ソロアルバムはこれしか持っていないので想像にはなりますが、様々なジャンルの音楽に関わってきた Tom Scott が娯楽的に作った作品とも思えます。


 それでは全曲再度聴きながらレビューです。
「Night Creatures」文句なしにカッコ良い娯楽的スムースジャズの典型のような曲です。都会の喧騒のSEから始まり、コツコツと足音、デジタルなリズムとスラップ、ノリノリのホーン部隊、泣きのサンボーン風アルトサックスは、大好物なパターンの寄せ集めで最高です。「 Don't Get Any Better」次いで直ぐにボーカルものが来ちゃいます。エロいテナーサックスから始まります。ボーカルは Maysa Leak で、聴いたことがある歌声と思っていたら、Incognito / PositivityTony Rémy / Boof! でもボーカルとっておられます。こっち系のジャズ・シンガーですね。ボーカルものとして完成度が高く十分に成立しています。「Bhop」打ち込み系ジャズで、巻き戻しが使われたりドラムも打ち込み系のアタック。フルートも吹いてしまったりしてマルチぶりなところが、曲にアクセントつけています。これもカッコ良い。「Anytime, Anyplace」で、ボーカルものになりそうなイントロをつけながらインストで始まります。す。デジタルな音作りから生な音で、また変化をつけ、サビに肉声でコーラスをつけ、後半はボーカルものに変わります。才能は感じますが私的にはやり過ぎな気がします。「We'll Be Together」マーカス的なお祭りソングです。ボーカルものです。このアルバムの中ではもっとも軽薄ですがありかな、なしかなと思うとこれも先の曲と違った意味でやり過ぎな感じ。作曲は Sting になってます。カバー?「 Mazin'」サウンドは、マーカス・プロデュースのサンボーンのファンク・フュージョンそのまま。WalkMan で歩きながらこの曲を聴いている時には、これはサンボーンだと思ってました。そうか Tom Scott だったか。「Yeah!」これは Blues Brothers ファンのためのサービス曲ですね。このアルバムにこの曲は無いんじゃないと思う人もいるかと思いますが、ありです。「Refried」最後はの方になって、フュージョンサイドのファンの為に Tom Scott が本気を出してきた感じがします。ギターもシングル系のいぶし銀系の音だと思ったら Robben Ford でした。「Daybreak」これも Tom Scott が本気を出して作曲した感があります。ピアノのイントロも良いですし、音域をカットした Paul Jackson のリズムギターもカッコ良い。
 様々なアプローチてんこ盛り過ぎて一般的には、何だろう?感はあるかと思いますが、チープな作りでは無いので、私的には、ありなアルバムです。聴き直して Mazin' はサンボーンとずっと勘違いしていた発見があったのも良かった。良かった🎶

tenor alto soprano sax, keyboards, bass, strings, horns, flute, electric piano, organ, woodwind : Tom Scott
keyboards, organ : Jim Cox
guitar : Dean Parks, Paul Jackson, Jr., Robben Ford
electric Guitar : Jerry Lopez
bass : Larry Kimpel
drums : Johnny Friday
electronic drums, percussion, keyboards, bass, vibraphone, trumpet, guitar synthesizer : Ron Aston
tenor sax : Pete Christlieb
trombone : Slyde Hyde
trumpet : Chuck Findley
lead vocals, backing Vocals : JT Taylor, Maysa Leak
vocals : Monalisa Young, Phil Perry, Phillip Ingram, Rose Stone, Terry Wood
vocals [Melody Answers], Clavinet, Keyboards : Tom McMorran
backing vocals : Carmen Twillie, Clydene Jackson, Lani Groves
backing vocals, vocals : Lynne Scott

producer : Lynne Scott, Tom Scott
recorded August 22-October 17, 1994.

1. Night Creatures / Tom Scott
2. Don't Get Any Better / Brenda Russell, Bruce Roberts, Kevin Savigar, Mark Cawley, Patty Smyth
3. Bhop / Ron Aston, Tom Scott
4. Anytime, Anyplace / James Harris III, Janet Jackson, Terry Lewis
5. We'll Be Together / Sting
6. Mazin' / Ron Aston, Tom Scott
7. Yeah! / Glen Burtnick, Patty Smyth
8. Refried / Tom Scott
9. Daybreak / Tom Scott

▶ Bhop

▶ Yeah! 


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