2021年11月30日火曜日

本日のCD Art Blakey & The Jazz Messengers ♪ Live At Sweet Basil

 

 疾走感たっぷりのジャズ・メッセンジャーズの1985年3月24日のライブ録音です。場所はSweet Basil で1974年に開店し2001年4月に閉鎖されたニューヨークのグリニッチビレッジの中心部にあった老舗ジャズクラブです。

 

 演奏する場所は店に入って左手の奥の方にありスペース的には狭かったような記述がありますが、録音自体は大きなステージでのライブのようなリバーブ感があり、ウッドベースはエレベみたいにアンプから出しているような音で、ピアノもエレピっぽい音となっています。85年ですから録音技術の勝利って感じですね。
 アート・ブレーキーはこの時66歳。プレイヤーは若手を揃えての力強く溌溂とした演奏で何かスマートであり豪華な感じもします。CDの帯には1985年度ジャズ・ディスク大賞金賞受賞とあります。

drums : Art Blakey
piano : Mulgrew Miller
bass : Lonnie Plaxico
alto sax : Donald Harrison
tenor sax : Jean Toussaint
trumpet : Terence Blanchard

producer : Horst Liepolt, Shigeyuki Kawashima

1. Jodi
2. Blues March
3. Mr. Babe
4. Moanin'


Jodi




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2021年11月29日月曜日

本日のCD The Thelonious Monk Trio

 

 Blue Note から Prestige に移籍してからの1952年、1954年に3回に分けて録音されたトリオによる作品です。1951年にモンクは大麻事件に巻き込まてキャバレー・カードを没収されてしまったので、妻ネリーの稼ぎで生活をするしかなく Prestige Records に多額の借金を背負っていた状況下での演奏です。


 モンクはホーンを入れたカルテットでのフォーマットのイメージが強くトリオ作品はそれほど多いイメージはありません。数えると、Plays Duke Ellington 、The Unique、London Collection Vol2, Vol3 ぐらいでしょうか。そのトリオ作品には Art Blakey が高確率で参加していてこのアルバムにも、もちろん参加していらっしゃいます。
 このアルバムでは Blue Monk, Bemsha Swing, Monk's Dream の初期録音により目を引きますが、それ以上に演奏的にはアート、ブレイキーのドラムとも非常に相性が良く、円熟味を増す前のモンクの演奏がとても私は気に入りました。トリオは、モンクがテーマもアドリブも含めて楽曲全体を全てコントロールしなければならないので、彼の様々なアイデアが発見できるような気がしますね。
 先にも書いた借金状況下ではありましたが、モンクの気分も絶好調で唸り声を漏らしながら気分よく弾いているのがこのアルバムでは鮮明に聞こえます。

piano : Thelonious Monk
bass : Gary Mapp (1 to 6, 9, 10), Percy Heath (7)
drums : Art Blakey (1 to 4, 7), Max Roach (5, 6, 9, 10)

recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on Oct. 15, 1952 (1 to 4), Dec. 18, 1952 (5, 6, 9, and 10) and Sep. 22, 1954 (7 and 8)

1. Blue Monk
2. Just A Gigolo
3. Bemsha Swing
4. Reflections
5. Little Rootie Tootie
6. Sweet And Lovely
7. Bye-Ya
8. Monk's Dream
9. Trinkle Tinkle
10. These Foolish Things




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2021年11月28日日曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Blackjack

 


 ドナルド・バードが率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音で、このグループは66年暮れからファイブ・スポットに出演していました。メンバーのアルト・サックスのソニー・レッドとは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係で、このアルバムでは West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲がソニー・レッドの作曲した作品となっていて、レッドのフリーキーなプレイが気持ち良い。ちなみに作曲者は Sylvester Kyner = Sonny Red の本名とのこと。


 アルバム全体からはハード・バップから一歩抜け出すアーシーな感じです。初試聴はいつもの行きつけ「おでんバー」でしました。この「おでんバー」アート系のコアな趣味の人とかプロが常連に多い店ですが、このアルバム試聴の時は他の常連は写真系の人だったのでマニアックに楽しんだのはマスターと私の二人だけでした。結果マニアなマスターも楽しんでいただける内容でまずそこが大満足の中身でした。タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。ソニー・レッドがブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。
 一歩進んで2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。
 そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほどそうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale StreetのほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法は多くみられ元曲を公言されているものも多いですが、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。
 プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムですが、Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません。

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Sonny Red
tenotr sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
bass : Walter Booker
drums : Billy Higgins

producer : Alfred Lion
recorded on January 9, 1967

1. Blackjack
2. West Of The Pecos
3. Loki
4. Eldorado
5. Beale Street
6. Pentatonic





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2021年11月27日土曜日

本日のCD 土岐英史 ♪ Little Boys Eyes

 


 今年2021年6月26日に亡くなったジャズ・サックスの土岐英史氏。私は生では演奏を聴いたことは無かったんですが、日野皓正クインテット、松岡直也とウィシングのメンバーとしてモントルー・ジャズ・フェスに出演、山下達郎のバッキングメンバー、山岸潤史、続木徹とともに活動していたチキン・シャックメンバーであったりと素晴らしい音楽作品を残された方でありました。土岐英史 公式HP  のライブスケジュールでは、2021年1/15(金)は調子が悪いので休みますと書いてありその後の3月までのスケジュールが書いてあります。癌で亡くなったので調子が悪かったんでしょうか、時がそこで止まっているようです。
 ソロ・アルバムは持っていなかったので、亡くなった後に行きつけの「おでんバー」でYouTube土岐さんの作品を聴いていたら、ちょうどこのアルバムに出くわしました。ツインギターにサックスのみというシンプルな構成ながら斬新なことに感動しタワレコに行って直ぐに購入したアルバムです。やはりCDで聴くともっと良かったので他のアルバムも仕入れようと思って2週間後ぐらいにタワレコやディスク・ユニオンに行くとたくさんあった土岐氏の棚にもあまり作品が並んでいません。どうやら私と同じような方がたくさんいたようです。


 土岐さんを支えているのは、日本の若手ジャズ・ギタリスト、荻原亮、井上銘の2名。若手と言っても荻原亮は2007年、井上銘は2011年にプロとしてアルバム・デビューの10年以上のキャリアの持ち主です。ライナーノーツによれば、レコーディングは打ち合わせ、リハは無し。ギターの二人もどっちがテーマを弾くのかはジャンケンで決めるといった自由な録音だったとのこと。若手と呼ばれるギターの二人だけに二人のギターは、揺れたり、跳ねたりしながら絡み合っていきます。ギターも曲によってはワウをキツめにかけたり、トレモロをかけりといった普通のジャズギターではあまりやらないこともやっていて聴いていて楽しい。そのアンサンブルに土岐さんはゆったりとサックスを被せていきます。これはかなりの愛聴盤になりそうな気配です。

alto&soprano sax : 土岐英史 (Hidefumi Toki) 
guitar : 荻原 亮 (Ryo Ogihara)
guitar : 井上 銘 (May Inoue)

1. Beautiful Love
2. The Guitar Man
3. Wyeth
4. The Man with a Little Boy's Eyes
5. Smoke Gets in Your Eyes
6. Sunny
7. C Minor
8. My Foolish Heart
9. You’d Be So Nice to Come Home to





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2021年11月26日金曜日

本日のCD Bill Withers ♪ The Best Of Bill Withers Lean On Me


 これは1994年に出た Bill Withers (ビル・ウィザーズ) のベストです。Bill Withers、Donny Hathaway は、私にとってニューソウルの代表格なんですが Bill Withers は私の周りでそこそこの音楽好き(ジャズ好きが多いのではありますが)にも意外と知られていない人で日本人にはあまり人気がないのかもしれません。何回かアルバムを聴かせているんですが歳をとると皆さん物覚えが悪くなるのかなかなか覚えていただけませんので、根気よく普及を続けることにします。

 

 この方音楽エリートではなくフォードモーターに努めていて33歳で1971年にSussex Records よりデビュー。1985年を最後にアルバム制作もなくプロとしてのおそらく言葉が上手く話せなくなる吃音症で音楽活動は休止。割と最近の2020年に80歳で亡くなっています。
 Donny Hathaway はピアノ弾き語りで音楽エリート、Bill Withers は生ギターで独学系と私は認識しています。代表曲としては表題の Lean On Me 、Ain't No Sunshine、Use Me、Just The Two Of Us などでここら辺は何となく聞いたことがあるけど歌っている人は知らないという方が私の友人には多いです。既に持っているアルバムや曲と被ってはしますが、ベスト盤ならではの選曲と曲順でこれはこれで満足の一枚であります。
 さすが大御所で独自ドメインでの公式ページも存在します。



1. Lovely Day
2. I Want To Spend The Night
3. Let Me Be The One You Need
4. Hello Like Before
5. Tender Things
6. I Wish You Well
7. Ain't No Sunshine
8. Grandma's Hands
9. The Same Love That Made Me Laugh
10. Lean On Me
11. Harlem
12. Use Me
13. Who Is He (And What Is He To You)?
14. You Just Can't Smile It Away
15. Just The Two Of Us
16. Steppin' Right Along
17. You Try To Find A Love
18. My Imagination


▶ Use Me



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2021年11月25日木曜日

本日のCD Katzuma ♪ Rituals Of Life


 札幌在住時代に購入したCDです。Katzumaって響きなんでてっきり日本人かと思っていたら、イタリア人のボローニャの新鋭デュオとのことです。詳細はネットを見ていても実はよくわからんのですが、どうやら Andrea Visani が核となっているユニットと書いてあり、また自身が運営する自主レーベルとなっていたのでこの人の別名は Katzuma?でもあるのでしょうか。ユニットのメンツは Chico MD & Tony T と書いてあるものもあり、ボーカルはこの二人で、打ち込みで音を作成しているのが Andrea Visani なのか別人なのか?は実は未だ理解できません。写真の人の名前は?さて誰なのか???


 ディスコ、ソウル、ファンク、フュージョン・ジャズ、ダブ、アフロ・ビート等なんでもありイタリアってイメージは余り感じません。サウンドを聴いていても写真から見てもPCを駆使した打ち込みとサンプリングなどで楽曲は作成されていると思われ、アシッド的ジャズファンクが楽しいアルバムです。Boogie To This 何かはJBの声サンプリングしているらしいしファンカデリック的 Dogs Of War なんかもツボを心得ていらっしゃる。Rituals は儀式の意。

1. Bust A Loose
2. My Kind Of Trust
3. With Time
4. Grooving With My Good Eye Closed
5.Take The Evil Spirits Away
6. Keep It In The Family
7. Boogie To This
8. Let's Do It In The Hay
9. Dogs Of War
10. Getting Thru Your Own Thang







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2021年11月24日水曜日

本日のCD Barney Kessel ♪ Seven Classic Albums


 ジャズギターの巨匠のひとり、Barney Kessel (バーニー・ケッセル) ですが名前は雑誌などで知りながらも聴く機会がなくスルーしてきてしまったお方です。と言うことで、調べてみると
・ザ・レッキング・クルーと呼ばれた60年代LAセッション集団のメンバーだった
・50年代にリーダー及びサイドマンとして名を上げた
・ビリー・ホリデイからソニー・ロリンズまでジャズ界の様々な著名人とプレイ
・メロウな音と洞察力に満ちたコード選びで知られていた
・和音でギターソロをとる、いわゆるブロック・コードの第一人者
等と書かれています。
 略歴としては、1923年10月17日 - 2004年5月17日で、アメリカ合衆国オクラホマ州出身とのこと。1945年(22歳)からロサンゼルスに住みスタジオ・ミュージシャンとして活動しチャーリー・パーカーの録音に、1952年には初リーダーアルバム Swing Guitars を発売し翌年にかけてはオスカー・ピーターソン・コンボに参加します。そして1953年から1961年まで、コンテンポラリー・レコードに多数の吹き込みを行い1970年代以降はハーブ・エリス、チャーリー・バードとグレイト・ギターズを結成してレコーディングやツアーで活動。1992年に脳卒中で倒れてからは2004年サンディエゴで80歳で亡くなっています。

 

 ディスコ・グラフィーを見ていると売れっ子なだけあって相当に多くの録音を残しておられる方で揃えるのにも結構大変そうだなと思い、まずはこのお買い得パッケージは入門用にと購入しました。収録されているのは1957年から1962年までのアルバムとなっています。短い間に、これほどまでに様々なタッチに変化されているというのも様々なセッションで活躍されるための妙技なのかと興味深いですね。

●Disc1
【Let's Cook 1957】
 リーダー作としては6作目でミディアムテンポのスイングが多くゆったりとしてギターも歌います。ブルージーな感じを意識しているのでしょうか?チョーキングを、かなり多用していますが昔風。
1. Let's Cook
2. Time Remembered
3. Just In Time
4. Tiger Rag
5. Jersey Bounce
【Kessel Plays Carmen 1958】
これは8作目のアルバムで1曲目からLet's Cookとは打って変わって速いテンポのスイング
ギターの弾き方や音が違うので、思わず驚く変身ぶりです。1年しか違わないのにソロだけではなくカッティングも違うのは興味深い聴きどころ
6. Swinging the Toreador
7. A Pad on the Edge of Town
8. If You Dig Me
9. Free as a Bird
10. Viva El Toro!
11. Flowersville

●Disc2
【Kessel Plays Carmen--Cont. 1958】
1. Carmen's Cool
2. Like, There Is No Place Like
3. The Gipsy's Hip
【Some Like It Hot 1959
4. Some Like It Hot
5. I Wanna Be Loved By You
6. Stairway To The Stars
7. Sweet Sue
8. Runnin' Wild
9. Sweet Georgia Brown
10. Down Among The Sheltering Palm
11. Sugar Blues
12. I'm Thru With Love
13. By The Beautiful Sea
【The Poll Winners--Exploring The Scene 1957
14. Little Susie
15. The Duke
16. So What
17. Misty
18.  Doodlin'
19. The Golden Striker

●Disc3
【The Poll Winners--Exploring The Scene--Cont. 1957】
1. Li'l Darlin'
2. The Blessing
3. This Here
【Barney Kessel's Swingin' Party 1963】
4. Bluesology
5. Lover Man
6. Joy Spring
7. Now's The Time
8. Miss Memphis
9. New Rhumba
【Workin' Out 1961】
ニュールンバ、ペダルポイントあたりがスピード感あってよいです。ギターの音色も変わりLet's Cook の時よりも張りがあって詰まった感じが少ない感じに変わってきています。
10. Good Li'l Man
11. Summertime
12. Spanish Scenery

●Disc4
【Workin' Out--Cont. 1961】
1. When Johnny Comes Marching Home
2. New Rhumba
3. My Man's Gone Now
4. My Funny Valentine
5. Pedal Point
【Bossa Nova 1962】
最後はボサノバ1962年です。スタンダード、ディキシーランド、カウボーイ・ソングなど
様々なレパートリーがあり、オルガンが入ったビッグバンド編成ですがポップな感じのするアルバム。
6. Love For Sale
7. A String Of Pearls
8. They Can't Take That Away From Me
9. Summertime
10. You Came A Long Way From St. Louis
11. Muscrat Ramble
12. Heartaches
13. It Ain't Necessarily So
14. Ja Da
15. Sweet Georgia Brown
16. Tumbling Tumbleweeds
17. Bye Bye Blues






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