Tommy Flanagan (トミー・フラナガン) のソロ・アルバムはこれが初めての購入となります。私が聴いてきたアルバムを調べてみると Jazzmen Detroit、Bluesy Burrell、Kenny Burrell& John Coltrane、そしてコルトレーンの Giant Steps 、ウェスの The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery と知らず知らずのうちに、既にこの人のピアノを聴いていることにビックリです。1930年のデトロイト生まれで1945年に15歳でプロ・デビュー。その後デトロイトのジャズ・クラブの Blue Bird Inn では、ポール・チェンバース、ケニー・バレル、サド・ジョーンズ、トミー・フラナガンが入れ替わりでセッションをしていたそうです。デトロイトを離れたのは1951年の徴兵で、1956年にニューヨークへ進出したとのこと。
このアルバムは同じデトロイト出身の先輩であり、ブルーノートデビュー盤でもピアノで参加したサド・ジョーンズの作品集となっています。なかなか頑固な感じの硬いタッチで弾きながらも上品であり、凛々しい作品だと感じます。なんというかバランス感覚に優れているピアノで頑固っぽい感じもするけど人情味もあってパンチの聴いたフレーズはとても心地よいです。Mean What You Say の出だしはゆっくりと始まり、段々と盛り上がるところがカッコよい曲です。またA Child Is Born などの有名なナンバーが取りあげられています。A Child Is Born なんかはケニーバレルでも取り上げられているナンバーで、さすがデトロイトつながり。
発売は ENJA というドイツのレーベルで、ツアーでドイツを訪れた際に録音するアメリカ人やヨーロッパ在住のアメリカ人ミュージシャン、録音機会に恵まれないベテランミュージシャンなどの録音がほとんどだったのがトミーフラナガンの在籍で世界から注目されるようになったレーベルです。最後にこのレビューの仕上げにミュージシャンのクレジット見ていたら、プロデューサーに Diana Flanagan の文字があります。1989年以降から奥方がマネージャー兼プロデューサーとして勤められているとのこと。2020年4月6日、90歳で亡くなられています。旦那のライブでおしゃべりばかりしている人には鉄槌をくらわした人とのこと。
あまり注目して聞いてこなかったピアニストで1993年の晩年の録音ですが、これはかなり私の心にがっちりとはまる名演です。この間「おでんバー」で聴いた時は、みんな無反応でしたが、たまに持っていこうと思います(この良さに反応する人が現れるまで)🎶🎹
piano : Tommy Flanagan
bass : Jesper Lundgaard
drums : Lewis Nash
producer : Diana Flanagan
Multi-track digital recording by Hans Nilsen at Focus Studio, Denmark on April 4th, 1993.
1. Let's
2. Mean What You Say
3. To You
4. Bird Song
5. Scratch
6. Thadrack
7. A Child Is Born
8. Three in One
9. Quietude
10. Zec
11. Elusive
▶ Scratch
アルバムとは関係ありませんが
怖そうなおばさんのエラとのライブがカッコよくて・・
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