2021年10月31日日曜日

本日のCD Herbie Hancook ♪ Speak Like A Child

 

 まずはジャケットの写真が印象的な Speak Like A Child は、Herbie Hancook (ハービー・ハンコック) が1968年に発表したアルバム。1968年はキング牧師の暗殺された年で、アメリカ音楽を時代背景を考えながら聴くうえでのキーワードだと思っています。1965年からベトナム戦争本格化しています。このジャケ写は婚約中のハービーとジジ・メイグスナーのシルエット夫妻です。いかにも平和なこのジャケットのアルバムは、「innocence and naivete」がテーマで「innocence」の対極にある、当時の現実社会の戦争、暴動、弱肉強食の金融界を見ての、Speak Like A Child と解説してある記事も見かけたことがあります。(ハービーがそう語ったとは書いていないがそういったメッセージはジャケット裏面の可愛らしい子供の写真からも伝わってくるし、こういったつくり方は楽曲も含めて量産的なレコードの作り方と違う丁寧なものを感じます)

 
 アルバムの楽曲は基本ピアノ・トリオでの演奏で、ソロはハービーのみでプラス管は全曲色付け程度に、しっとりと淡いところが斬新に感じます。実は私のハービーの今までの印象はハード系の電子音楽だったので、このアルバムでかなり私の中のイメージが一新されました。処女航海も知ってはいますが真剣に聞いたことが無かったので、今回未だ封を切っていないものがあるのでこれもじっくりと聞きたいと思います。
 Riot はスリリングな疾走感でピアノが突っ走りホーンが合いの手を入れる。Speak Like A Child で、ボサノバのリズム、叙情的なピアノと控えめなホーンのアンサンブルは素晴らしい。優しく繊細そして柔らかいハーモニー。First Trip はスウィンギーなピアノトリオ曲。ホーン部隊は参加しませんが楽しい曲です。Toys は曲名とは裏腹に大人な感じがする曲です。続くGoddbye To Childhood はじんわりとピアノの響きが堪能できる曲で Toys とつながっているんでしょうか。締めの The Sorcerer はマイルスのアルバムのタイトルでもありますね(マイルスの1967年先で全く違う曲に聞こえます)これはハービーがマイルスにつけたあだ名でもあるようです。
 私の中のハービーのイメージが変わりました中々の作品ではないかと思います。

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Mickey Roker
flugelhorn : Thad Jones
alto flute : Jerry Dodgion
bass trombone : Peter Phillips

producer : Duke Pearson
recorded by : Rudy Van Gelder

recorded on March 6 & 9, 1968

1. Riot
2. Speak Like A Child
3. First Trip
4. Toys
5. Goodbye To Childhood
6. The Sorcerer




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