2021年10月1日金曜日

本日のCD Lee Konitz with The Bert Van Den Brink Trio ♪ Dia Logues


 

 Lee Konitz (リー・コニッツ)と言えばトリスターノ派の代表的ミュージシャン。Lennie Tristano (レニー・トリスターノ)は、このリー・コーニッツやBill Evans (ビル・エヴァンス) の師匠で、クール・ジャズやビバップ、ポスト・バップ、アヴァンギャルド・ジャズのジャンルなどで即興演奏家として独特の独創性や驚異的な活動で活躍した方です。(私は勉強不足なのでこれから勉強しますが・・)


 リー・コニッツについては最近聴き始めたばかりで、あまり自分の中のイメージができていません。1927年生まれの方ですから、今回も含めて今まで聞いてきたているのは晩年の作品です。どこかでイメージが変わるところはあるんでしょうが、聴く前はフリー・インプロの人で素人にはついていけない感じのイメージでした。が今のところそうでもない感じです。Meeting Again(1990)、Lee Konitz with Warne Marsh(1955)
 本作はオランダのピアニストのBert Van Den Brink (ベルト・ファン・デン・ブリンク)のトリオとの共同名義作品なので全体の色としてはもしかしたら、このトリオの方が強く出ているのかもしれません。凛々しく重々しい美しい響きでクラシックを基礎としたジャズ・ピアノであることは非常にわかりやすくそのピアノにのせて、コニッツが優しい音色でサックスをのせてくる。インプロもどこかへ行ってフリーになる気配はまったくないところが、今回も構えて聴いていただけに少し拍子抜けの好印象な演奏です。
 曲のレパートリーは全11曲中コニッツのレパートリー7曲とのことで、安心感のある演奏はそこら辺の要因でしょうか。8曲目の I Love You はピアノ・ソロとなっていますが、レコーディングには二人でスタジオに入ったそうです。しかしコニッツは一向に入ってこないのベルトが待っていたら途中でコニッツが「この曲はソロ・ピアノ」とそっと耳もとで言ったのだとか、どこらへんでそう言ったのかが非常に気になります (2分過ぎたぐらいなのかな)
 さらに日本人としては荒城の月の演奏にも興味がわきます。実はこのCDを聴く前に「荒城の月」の文字は目にしていたのでどんなものか?と聴きながら酒を飲んでいたのですが、酒を飲みながら別の話をしていたら気づかないぐらいにうまくジャズ基調にアレンジされています。CDが終わってしまったてから「荒城の月やってたっけ?」と忘れていたことに気づいて再度かけなおすとなるほど、オリエンタルな感じで荒城の月になっています。これならモンクの Straight, No Chaser の時のように小学生の時に強制的に歌わされていたことは思い出さずにすみます。All The Things You Are のコード進行をまるまる拝借したと言われるThingin' も収録されています。
 一流のバックがバリバリに演奏し貫録でゆったりとメロディを吹くコニッツ。多彩な楽曲で軽やかにスウィングはヨーロッパを感じたい人、黒くないクール派を聴きたいときにお勧めです。Bert Van Den Brink というピアニストも他の作品を追いたくなります。

alto sax : Lee Konitz
bass : Hein Van de Geyn
drums : Hans Van Oosterhout
piano, producer : Bert Van Den Brink

recorded on November 5, 1997 at John Van Eijk Studio

1. East Of The Sun
2. Yesterdays
3. Kojo No Tsuki
4. Spring Fever
5. Thingin'
6. If You Could See Me Now
7. Dialogue
8. I Love You
9. Moonlight In Vermont
10. Lover Man
11. Cherokee





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