2021年10月9日土曜日

本日のCD Miles Davis / In A Silent Way

 

 1960年代後半のロックのパワーにより、ジャズ業界が立ち向かうべくエレクトリック楽器を取り入れながら試行錯誤していた時代の作品です。エレクトリックへ向かう作品の流れとしては、Miles In The Sky(1968年) で Herbie Hancock がマイルス作品で初めてエレピをプレイした。同メンバー録音で6月セッション、9月にはキーボードが Chick Corea、ベース が Dave Holland になった Filles De Kilimanjaro(1968年) を発表する。そして激しいエレクトリック・サウンドを導入しセールス的にも成功を収めた Bitches Brew(1969年)
 実はFilles De Kilimanjar (キリマンジャロの娘) は未だ聴いていないので、この流れを体感していないので語れないのですが、Miles In The Sky⇒In A Silent Way⇒Bitches Brewの流れだけでも最初は慎重にそして段々と大胆な実験をしていく流れは音楽の歴史の教科書を見ている(聴いている)ような気がしてきます
 私がマイルスを聴き始めた頃は、Bitches Brew だったので感動したというよりは面食らってしまってマイルス作品はどちらかと言えば敬遠しながらジャズを聴いていました。段々と幅を広げながら聴いているうちに最初は困惑した Bitches Brew が心地よくなってきて、昔のマイルスを聴いたら全く違うことに興味がわいて、ビバップ、ハードバップ、モードの流れを勉強しながらエレクトリック・マイルスの面白さにワクワクしています。
   さて、この作品 Hancock、Chick Corea、Joe Zawinulとキーボード奏者が3人、さらにギターの John McLaughlin の延々と続くジャムセッションのような作品で、キーボードが重なることで微妙に変化していくコードワークとベースラインの強調、そしてリズムはロックビートとなることで複雑に絡み合ったポリリズムとなり、不思議と宇宙的でありどこか牧歌的なところもあります。ただ、Joe Zawinul のアクは強くて私には Weather Report のようなものはかなり感じてしまいます。
 またこの作品はオリジナルではA面、B面に一曲づつという斬新なつくりで、Shhh/ Peaceful では編集によって同じ部分がリピートされていたり、In A Silent Way / It's About That Time では違う曲がサンドしてあったりする。そしてこれは適当にセッションして良いとこだけカットして編集した訳では無く何度もレコーディングしたものを編集しているらしい。それは「Complete in a Silent Way Sessions」に未編集バージョンが収録されているとのこと。
 これでこのアルバム関係を理解するのに2枚のアルバムを新たに買わなければならぬことが判明してしまいました。この道に終わりはないですね🎶🎺

trumpet : Miles Davis
electric piano : Chick Corea, Herbie Hancock
electric piano, organ : Josef Zawinul
guitar : John McLaughlin
bass : Dave Holland
drums : Tony Williams
tenor sax : Wayne Shorter

producer : Teo Macero
recorded 2/18/1969 in New York City.
originally released in 1969.

1. Shhh / Peaceful
2. In A Silent Way / It's About That Time

Shhh




  

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