2021年10月11日月曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Fuego

 

 Donald Byrd (ドナルド・バード) と言えばファンキーで聴きやすさは抜群のトランペット・プレイヤー。しかしこの作品はファンキー・ジャズといえども意外とモーダルな演奏が多いアルバムです。ファンキージャズを意識してからかタイトル曲は Fuego。スペイン語で炎を意味し派手なテーマの曲ですがファンキーと言ってもまだまだ品の良さがあります。この盤の評でよくある熱気あふれる大作のような表現はちょっと違うような気がします。
 曲目の紹介になりますが、Fuego については先に書いた通り。続く Bup A Loop はテンポ早めのハード・バップでバードのソロもこのアルバムの中では一番饒舌でお勧めです。そしてゆっくりのブルースは Funky Mama でDoug Watkins のゆったりとしたベースから Duke Pearson のピアノ・ソロ、Jackie McLean の哀愁と粋なムードの歌心を聴かせてくれます。最後はリーダー、バードがゆったり目に一音づつ大切に吹くようなソロとピアノとの掛け合いで締めくくります。Low Life は映画音楽で使われそうなテーマが粋な曲で、ハード・バップからファンキー・ジャズへの足掛かりのような意欲作。Lament はブルージーなミディアム・テンポでリラックスした中にある歌心あふれる雰囲気が良い曲。ラストのAmen はゴスペルタッチでコンサートの終わりにメンバーが騒ぎながら盛り上げるような曲で、実はメンバーが一番ノリノリでソロをとっているのではないかと思われます。神妙に今までプレイしてきたのに我慢できなくなった感じがします。全体として聴きやすさは抜群。明るく楽しいジャズ。
 バードは1970年代にはファンク・ロック路線に転向していくだけに、何か新しいものを期待して聞いてしまったのですが録音は1959年。バラエティに富んだ楽曲構成ですが、それなりの時代を感じる録音でした。

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Jackie McLean
piano : Duke Pearson
bass : Doug Watkins
drums : Lex Humphries

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

Recorded October 4, 1959.

1. Fuego
2. Bup A Loop
3. Funky Mama
4. Low Life
5. Lament
6. Amen






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