2021年8月31日火曜日

本日のCD Thelonious Monk ♪ Underground

 

 ユニークなジャケットも当時話題を呼んだ、サックスにチャーリー・ラウズ、ベースにラリー・ゲールズ、ドラムにベン・ライリーをフィーチャーした1967年リリースのアルバム。数あるセロニアスのアルバムの中でも特異な1枚で、地下室に置かれたアップライト・ピアノをモンクが機関銃を肩に煙草をくわえながら弾いていて、テーブルには、手榴弾、拳銃と無線機。壁にはレジスタン時代のドゴールの写真、ゲシュタボの捕虜までいるパンクロックテイストなジャケット。このアルバムが制作された1967年はフリージャズやフュージョンが発動し始め、モダン・ジャズが、レコードを出せば売れる時代は過ぎポップス界ではビートルズが Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band を発売し The Doors なんてバンドも誕生した。ミュージシャンの演奏写真をジャケットにしただけでは売れなくなっていたのだろうか?当たらずとも遠からずの時代背景の推測のような気がします。
 録音された1967年はちょうどモンク50歳になった年で、派手さやトリッキーさは少ないが落ち着いて成熟した演奏になっていると感じます。力の入り具合やリズム隊とのコンビネーションは阿吽(あうん)の呼吸で実にスムーズです。また Jon Hendricks がボーカルで In Walked Bud に参加しているのも珍しく、父親の葬儀と2回目のレコーディングが重なったため、テナーのラウズは Thelonious、Raise Four、Easy Street、In Walked Bud に参加していないが、このサックスレスの楽曲が混ざることで、またこのアルバムの味付けになっていると思います。などと考えながら、このアルバムは愛聴盤の仲間入りは決定し、もう一回このアルバムを再生してみることとします。

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charlie Rouse (2, 4, 6, 8, 9)
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley
vocals : Jon Hendricks (7)

producer : Teo Macero

tracks 2, 6, and 8 recorded on December 14, 1967, 4 and 9 on December 21, 1967, and 1, 3, 5, 7, and 10 on February 14, 1968.
Mastered at Sony Music Studios, NYC.
Tracks 8 to 10 are bonus tracks, not on original LP.
Tracks 8 and 9 are previously unreleased.

1. Thelonious (Take 1)
2. Ugly Beauty (Take 5)
3. Raise Four
4. Boo Boo's Birthday (Take 11)
5. Easy Street
6. Green Chimneys
7. In Walked Bud
8. Ugly Beauty (Take 4)
9. Boo Boo's Birthday (Take 2)
10. Thelonious (Take 3)





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2021年8月30日月曜日

本日のCD Bill Evans ♪ Every body Digs

 

 Riversideレーベルから第2弾として1958年録音翌年リリースのピアノ・トリオ作品。ベースは Sam Jones、ドラムは Philly Joe Jones のメンバーでの録音で、このメンバーでは既に Cannonball Adderley の Portrate Of Cannonball Adderleyで7月に録音を行っており、このアルバムは12月の録音となっています。エバンスは最初から売れているわけではなく、ファースト New Jazz Conceptions の売り上げは1年間で800枚のセールスで当時の新人の売り上げはそんなものでしたが不安な売れ行きでの出発です。その後MilesDavisのコンボに在籍して知名度が高まっての録音ですが、2年3か月が次のコンボを脱退した直後の録音となっています。マイルスのバンドを去ったのは「自分のトリオを結成して自分自身の演奏をしたくなったから」と言っているようですが、ドラッグの重度の常習者となったこと、同バンドに在籍していたコルトレーンとの不和とも言われているようです。ちなみにこの作品参加のドラム Philly Joe Jones も筋金入りジャンキーでそれがもとでマイルス・バンドはクビになっています。ここらへんまではアルバムの音楽性以前のドロドロした事情です。 


 このRiversideレーベルでのエバンスの発掘者であり立役者はプロデューサーの Orrin Keepnews (オリン・キープニュース) で、この2枚目のアルバムを勝負と判断し著名なミュージシャンからの推薦の言葉を集めてジャケットのカバーに署名入りで印刷するという売り出し手法をとったのです。I've sure learned a lot from Bill Evans. He plays the piano the way it should be played (Miles Davis) , Bill Evans is one of the most retreshing pianists I have heard in years (George Shearing) , I thnk Bill Evans is one of the finest (Ahmad Jamal) , Bill Evans has rare orijinarity and taste and then even rare ability to make his conception of a number seem the diffinitive way to play it (Julian"Cannonball"Adderley)  
 このために金は当然動いたんでしょうが、かなりのキープ・ニュースの期待がこもっていることがうかがわれます。しかしビジネスは難しいものでこのアルバムは初回の800枚よりは売れたものの、さほどの営業成績はあげられなかったとのこと。しかし当時制作に前向きではなかったエバンスの音楽性が極めて高いレベルであったことはこのアルバムでよくわかります。ここら辺のくだりは「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事情」やネット記事を参考にして書かせていただいており、著書でも大活躍の Orrin Keepnews の写真は掲載しときます。


 さてかなり気合の入ったレビューとなった今回の作品ですが、お気に入りの曲は Minority イントロでのフィリーのとエヴァンスの絡みだけでこのアルバムへ期待してしまう絡みの重要なとこです。とても重度ジャンキー同士の演奏とは思えません。Young and Foolish はよく言われるエバンスのリリシズムを象徴するバラードで、この解釈は後の エヴァンス・トリオのに続く芸術的な曲です。Piece Piece ではソロ・ピアノとなりますが、クラシック的な響きの美しい作品です。ちなみにソロピアノは ( 3, 5, 7, 9 ) アップとスローがバランスよく配置されていますがスロー・ナンバーに聴きどころがあるかもしれません。芸術性はあるけど売れていない新人では売れにくいアルバムではあったかもしれませんね。

piano : Bill Evans
bass : Sam Jones  (1,2,4,6,8,9)
drums : Philly Joe Jones - drums (1,2,4,6,8,9)

producer, Liner Notes – Orrin Keepnews

Recorded at Reeves Sound Studio in New York December 1958.

1. Minority
2. Young & Foolish
3. Lucky To Be Me
4. Night & Day
5. Epilogue
6. Tenderly
7. Peace Piece
8. What Is There To Say?
9. Oleo
10. Epilogue
【Bonus】
11. Some Other Time (mono)






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2021年8月29日日曜日

本日のCD Eric Dolphy At The Five Spot Vol2

 

 独特の感性のあるマルチ管楽器奏者の Eric Dolphy のライブ録音で1961年7月に録音されたもの。Vol1では New Jazz/Prestige で1964年に発売され、このVol2は Prestige からのみ発売されています。このライブでは Eric Dolphy はフルートとバスクラを演奏しています。アルバム名は Eric Dolphy ですが、バンドは Booker Little をトランペットに迎えた双頭クインテット。私によくあるパターンでVol1は未だ聴いておりません。この At The Five Spot  Vol2 はかなり尖っているだけに Vol1 はどのようなことになってしまっているのか非常に気になるところです。
 さてニューヨークの Five Spot と言えば私の手持ちのアルバムの中ではモンクの Misterioso があります。このカフェは当時の先鋭的なジャズ・ミュージシャンがよく出演するお店だったようです。元々はマンハッタン南部のバワリー通りにあった「バワリーカフェ」という見すぼらしいバーだったそうです。ところが1955年に店の上を通っていた鉄道が無くなったことにより雰囲気が一転し周辺に画家や詩人の卵が済むようになり 店の名前も Five Spot に改名し、そのたまり場だった店には現代アートを好む人たちがたむろするようになったため、出演するミュージシャンもモンク、ドルフィー、セシルテイラー、オーネットコールマン、コルトレーン、チャールス・ミンガスと先鋭的な人たちが多かったようです。
 そのような背景があっての Five Spot でのこの録音ですが、リトルはこの録音から3か月後に亡くなってしまいます。リトルは本作を含め数枚の音源が残っているのみの人で、このアルバムでは躍動する激しい一面と哀愁のあるメロディアスなトランペットが印象的で名前だけは知っていましたが今回で気になるトランぺッターの一人になりました。
 アルバムには2曲が収録されているのみで1曲20分弱という長尺ですが、これは聴き飽きない長尺で、Like Someone In Love のラストテーマまで聞き終わると充実感はあります。
 1曲目は Aggression のタイトルですがその名の通り攻撃力がかなりあります。最初にこれを聴いたのは仕事で疲れきった週末の行きつけ「おでんバー」でしたが、気力が萎えている時には少々疲れるぐらいの気合が入っている曲でした。ドルフィーはフレーズが速いし、ハーモニーとビートから脱却する「前衛的」な演奏となります。ドラムの Eddie Blackwell はイントロから鋭角的にハイハットを入れてきて、途中はひたすら裏箔を入れる体育会的な根性が入った演奏。そしてリトルの早いけれども調性のあるトランペットでバランスがとられているような感じです。
 2曲目はスタンド―ドの Like Someone In Love でリトル特に好きだった曲のようです。始まりのテーマ部分のルパートでは、リトルがメロディを丁寧に吹き、ドルフィーのフルートで、ベースのリチャード・デイビスが弓弾きで好き勝手に自由にやってしまいます。しかし、時折三人がかみ合う時がありその時に!?とかみ合ったことに驚きが生まれます。そこからは一転ドルフィーはまじめにフルートで、曲に合わせたアドリブをとりますが、やはりそこはドルフィーです、長くやればドルフィーらしさがでてきます。
 書く方にも熱が入るVol2で、私以外の皆さんはVol1を聴いておられましたが、こっちの方が強烈だったのは間違いないようでVol1の感想は余り聴くことはできませんでした。

flute, bass clarinet : Eric Dolphyt
trumpet : Booker Little
piano : Mal Waldron
bass : Richard Davis
drums : Eddie Blackwell

recorded by : Rudy Van Gelder
recorded July 16, 1961.

1. Aggression
2. Like Someone In Love




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コロナワクチン2回目の接種

 コロナ・ウイルスの感染は勢いを増して新規感染者は昨日8月28日もは22千人を超えています。大変なことになっているて、職場の出勤率は7割削減になりWEB会議での打ち合わせが当たり前になり、生活の様式は変化してきているのですが、実生活では死に至る可能性のある病がすぐそばの人に感染しているかもしれない危機感は希薄かもしれないです。できる感染対策はしているって感じですね。


 結構今回の接種はきつかったんで記録を残しておきます。
 
 8月27日(金)に2回目のワクチンを職域で接種してきました。1回目の接種では、他の人の症状よりはるかに軽くて、翌日まで腕が少し痛い程度だったので今回も軽いんじゃないのかと思っていましたが、1回目で体の中に抗体ができているので2回目のワクチン接種は、想像よりもはるかにきつかったです。

 午前11:30に接種を受けて、午後の勤務は「みなし勤務」として退社。現在の会社には出向しているので帰りがけに本籍のある会社によってみた。本籍のある会社は職域接種は行っていなかったので接種は完了している人がほぼいなかったのが印象的でした。1時間ほど滞在して会社を出たのは15:00ぐらいでしたが、全く体調に変調は無く「今夜も缶酎ハイ飲んで内販で買った食材をどうやってつまみに仕上げるか」などと思いながら帰宅。帰宅してからは最近購入したエレピの練習を30分ほどしてから少しだるいから横になって休んでからメシでもつくるかと寝入ってしましました。気が付くと 19:00 ぐらいで少し発熱して汗ばんでいます。だるいので夕食は作らずにアイス・コーヒーとお菓子で寝ることにします。

 夜中の 1:00  に目が覚めると注射をした肩のあたりが「ずん」と痛くなってきていて若干の頭痛がします。当然、酎ハイを飲む元気はなく温水シャワーを浴びてから寝ます。寝苦しくて熟睡ができずに朝 4:00 からは眠れなくなり YouTube を見ながらゴロゴロとしながら朝を迎えます。今考えるとかなり体調が悪くなっていたのですが、気分が悪すぎて自分の体調がやばいと思うことすらできませんでした。

 朝 8:30 ごろ接種から20時間経過でやっと熱が下がってきて就寝しました。午後14:00にはクリーニング屋と土曜日恒例のマッサージには行ったんですが体調がすぐれずに、固形物は摂らずに過ごしました。当然アルコールを飲む気分にもなれません。ピアノの練習とも思いましたが、肩が痛くて気分もすぐれず10分以下で敗退してベッドでゴロゴロでした。

 本日日曜になり方に若干の痛みは残っているものの、固形物が食べたくなり朝食をとりました。ピアノの練習も1時間以上連続してできる集中力をとり戻しました。

 私の接種したワクチンはモデルナです。ファイザーよりも副作用がきついとは聞いていたものの、これほどまできついとは思いませんでした。人間体調が悪くなると判断力も鈍りますので解熱剤も服用せずに体力を消耗してしまいましたので、これから受けられる方には簡単に食べられる軽食や鎮痛剤、飲み物を用意して少しでも楽に過ごすせるような準備をお勧めします。

 2回の接種でも時間とともに抗体が半減したり、抗体を作ることができない人も報道されています。3回目の接種になったら、それは「しんどいなあ」と思いますねえ。

2021年8月26日木曜日

本日のCD The Routine Funk ♪ Kei Kobayashi featuring B-BAND on "Perfect Day"


 「DJ小林径のコンピレーションアルバムって解説してあるが何のことやら」は自分の昔のレビューの冒頭に書いてました。今もクラブDJについては知識は持ち合わせていませんが、DJ小林径氏は、東京のクラブ・ジャズ・シーンの創世期から数々のムーブメントを引き起こし、シーンを支えてきた人で、90年代初頭にスタートしたイベント「routine」を活動の基盤に、シーンを牽引。'93年、イベントのレギュラーDJらによるコンピレーション「routine」を発表とありますので、それがこのアルバムになるんですかね(他にもシリーズで出ているようです)

 ちなみにクラブ・ジャズのウンチクを語ろうと調べてみたら
〈ダンス・ミュージックとしてのジャズと、ジャズの影響下にあるダンス・ミュージックを並列に捉えるマナーやアティテュードや視点や解釈〉(タワレコ「第24回  CLUB JAZZ」
 何のことやらさっぱりわかりません。が、読み進めると
〈クラブ側を出所とするDJやクリエイターがミュージシャンと絡むなどして旧来のジャズへもどんどん視野を広げ、逆にミュージシャン側にもクラブ・ジャズとして機能する生ジャズを作る人が増えてきた〉
 わかったようなわからないような内容で困ったもんです。

 知りたかったのはクラブ・ジャズとはどのような音楽でどのように定義されているか?ジャズ的な要素が無くてもクラブ・ジャズって呼んでるのはない?
 結果として明確な答えはでてこなかったんですが、流れとしては
①クラブDJが従来のヒップ・ホップとジャズをミックスして新しいムーブメントを作ったのがクラブ・ジャズ
②DJサイドからは、クラブ・ジャズとはクラブでDJによってプレイされることを目的として作られた「ダンスミュージック」と考える
つまりジャズ的な要素はなくてもクラブ・ジャズに分類されるものも出てくる。一般リスナーには、漠然とクラブでプレイされてそうなジャズ的要素のあるダンス・ミュージックでプレイヤー、DJの制作サイドの目的は特に気にしない。ってことが違いのような気がします。
 
 多分DJものは、私これしか持っていないと思いますが、オープニングはDJのアナウンスから始まり、アフリカンなリズムにミックスされたファンク。ジャズ的なサックスに、またアフリカンなリズムを被せたもの、おそらくファンクの原曲を加工して、FUNK. INC 的なジャズ・ファンクに仕立てたもの、フリージャズ的なフレーズを切り取ってファンクと合体など中々の凝った内容であります。
 つまりは、何も知らずに試聴してカッコエエヤンと心の中で思って買ったはずですが当たりではあります。私にとってはレアな一枚でした。

1. Opening
2. It's Just Began In Africa (Afro Break Mix)
3. Stone Felton
4. Funk Bronckhorst
5. Jazz Modric
6. Funk O'nilovic (Old School MIx)
7. Hamit Altinfunk
8. People Get Ribery
9. Re-Funk Samba
10. Perfect Day
11. Endtitle
12. Routine Mama Funk






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2021年8月25日水曜日

本日のCD quasimode ♪ Soul Cookin'


 アルバムを聴きながらライブに来ているかのようなオープニングはラテンから始まる「quasimode」の6作目のアルバム。このブログを始めてから今までで断トツのページ・ビューのアルバムです。他のクオシのページ・ビューはそれほど多くないので、クオシ人気というよりは、クレイジー・ケン・バンドの横山剣さんボーカルの Summer Madness が入っているからでしょうね。
 私のクオシの入り口は、この「Soul Cookin'」ですが、ケンさんの曲だけでなく全体として楽曲もキャッチーで聴きやすく quasimode の入り口としては最適なアルバムの印象です。このアルバムを皮切りにクオシのアルバムは6枚ほど聞きましたが、全てアクやクセは少なめのスピード感があるラテン・クラブ・ジャズで楽曲のカッコよさが際立ちます。また日本人が演奏しているせいか心に入ってきやすく素直に好きなバンドの一つになりました。
 今作は Soul のスパイスを入れたとあるが、ソウル的なボーカルを楽曲に取り入れたことで今までよりも更に聴きやすくなっています。参加ボーカリストでは横山健さんは一番アクが強くて全ての印象を持って行っていますが「土岐麻子」「奥山みなこ」のボーカル・コーラスでの参加でも華やかさが増しています。
 またバンド・サウンド的にはポップな夏向きで陽光が似合う雰囲気。特徴的なのはベースの須永氏がエレクトリックを多用しているところ。ピアノの平戸氏もローズを使用することでソウル感が増しています。そのおかげで7曲目の Leaving Town なんて今までにはない黒いしっとり感のある曲に仕上がっています。Slow Motion は 土岐麻子 をボーカルにしてモータウンなアレンジでユーミン的な楽曲が楽しい。ここでもサビは「真夏のスロー♪モ~ション」夏がテーマでした。Give It Up Turn It Loose は 奥山みなこ のボーカルでインコグ的なアシッド・ジャズ的に大人な楽曲。  El Paso Twist はツイストでありながらラテンに持っていくのがいかにもクオシ。
 2006年にファースト発売の4人組で、実にクオリティの高い演奏でしたが、現在解散ではなく活動休止中のまま。数年前にあったはずの、ホームページも無くなっているのが寂しいですね。

piano keyb : 平戸祐介
percussion : 松岡“matzz”高廣
bass : 須長和広(すなが かずひろ)
drum : 今泉総之輔(いまいずみ そうのすけ)

【disk one】
1. Opening Time
2. Soul Cookin'
3. Let's Get Down Together
4. Febre Samba
5. Summer Madness feat.横山剣 (Album Version)
6. Another Sky
7. Leaving Town
8. Slow Motion feat.土岐麻子
9. El Paso Twist
10. King Of Kings
11. Still In The Night
12. Give It Up Turn It Loose feat.奥山みなこ
13. Keep On Steppin'
14. Closing Time

【disk two】
1. Summer Madness feat.横山剣 (Music Video)
2. Relight My Fire [Live at 浜離宮朝日ホール]
3. The Man From Nagpur [Live at 浜離宮朝日ホール]
4. No More Sadness [Live at 浜離宮朝日ホール]
5. Music Video Making - Summer Madness
6. Recording Off Shot





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2021年8月23日月曜日

本日のCD Donny Hathaway ♪ These Songs For You Live


 残したアルバムの数は少ないけど、私の最も好きなソウル・シンガーの一人のDonny Hathaway(ダニー・ハザウェイ)。男性では一番かもしれないですね。数少ないアルバムの中のライブ・アルバムは、1970年代初頭のニュー・ソウル期を飾る名作、1972年の「Live」、1980年の「In Performance」そして最後がこの死去から24年後の2004年発売の「These Songs For You, Live!」 の3枚です。
 「In Performance」は、名盤「Live」のアウトテイクを中心に彼の死後に編さんされたものです。「These Songs For You, Live!」はその代表的なナンバーに、未発表音源 6曲+インタヴューを加えたものでよくあるレコード会社の手口ではありますが、未発表音源6曲+インタビューは、かなり良心的であると言えます。
 冒頭3曲は1973年6月30日、ニューヨーク Carnegie Hall のライブの未発表音源で「Flying Easy」は軽やかなフリーソウル的ギターに乗せて心地よいテンポの楽曲。1曲目に続き2曲目もダニー作曲「Valdez In The Country」うねるデュプリーのギターにハザウェイのオルガンのインストソウル「Someday We'll All Be Free」は数々のアーティストにカヴァーされた「邦題、いつの日にか自由に」、続く「You've Got A Friend」は Liveからで、やっぱり外せない。「He Ain't Heavy, He's My Brother」も未発表音源でしっとりと8分弱の大作「What's Goin' On」も Liveからお馴染みMarvin Gaye 作、「Yesterday」はダニー流The Beatles カバー。「Superwoman」は Stevie Wonder カバーでダニーとの共通の音楽性や歌い方もかと今更発見。「A Song For You」は In Performance からの抜群のバラード。「Sack Full Of Dreams」も In Performance からのジャズ的ニューソウル。「The Ghetto」Liveからお馴染みのハイライト。
 このアルバムも熱がこもったライブなんですけど、「Live」を最初に聴いた時の感動はなぜか薄目です。多分選曲によってアルバム全体の熱みたいなものが違うんだろうと思います。これ単体でしか持ってない人は絶対「Live」を買って通しで聴いてみて、その違いを感じていただきたいものです。

vocals, piano, organ : Donny Hathaway
organ : Richard Tee (12)
guitar : Cornell Dupree (11,12), Mike Howard (2), Phil Upchurch ( 4, 6, 13)
bass : Willie Weeks
drums : Fred White
congas : Earl DeRouen

producer : Arif Mardin (1-7, 10-13), Jerry Wexler (11, 12)

Tracks 1 to 3 recorded at Carnegie Hall, New York City, June 30, 1973.
Tracks 4 to 7, 9, 10 and 13 recorded at The Troubadour, Hollywood, CA, August 28 & 29, 1971.
Track 8 recorded at University Of California-Los Angeles, CA, June 5, 1972.
Tracks 11 & 12 recorded at The Bitter End Cafe, New York city, October 27-29, 1971
1. Flying Easy (Previously Released)
2. Valdez in the Country (Previously Released on Recorded Live at Newport in New York)
3. Someday We'll All Be Free (Previously Released)
4. You've Got a Friend (from Live)
5. He Ain't Heavy, He's My Brother (Previously Released)
6. What's Going On (from Live)
7. Yesterday (Previously Released)
8. Superwoman (Previously Released)
9. A Song for You (from In Performance)
10. Sack Full of Dreams (from In Performance)
11. Little Ghetto Boy (from Live)
12. I Love You More Than You'll Ever Know (from In Performance)
13. The Ghetto (from Live)
14. Interview (Previously Released)





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2021年8月22日日曜日

本日のCD Miles davis ♪ My Funny Valentine in Concert

 

 先に聴いた「Four & More」は初めて聞きましたが超高速バップに圧倒されました。そこで知ったのが、このアルバムと実は対であること。「My Funny Valentine」はあまりにも有名なので聞いたことがありますが、アルバム一枚を聴いたことは多分ジャズ喫茶とかであったようなかな無かったような曖昧な記憶です。おさらいしますと、1964年ニューヨークのリンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールで行われた2公演の一部で、バラードを「My Funny Valentine」に高速バップは「Four & More」の2枚に収録され「静」と「動」として対をなす傑作とされているということでした。
 最近トランぺッターのアルバムが好きで好んで聴いていますが、演奏はできないのでテクニックについては詳しくは知りませんでが、トランペットにはビブラートを付ける奏法と付けない奏法があることは最近「小川隆夫著のマイルス・デイビスの真実」のマイルスが高校時代に教わったエルウッド・ブキャナンから教わったくだりで知り、なるほど、そう思って聞くとマイルスの音はまっすぐです。改めて聴く「My Funny Valentine」は緊張感のあるイントロから始まる15分で、マイルスのハーフトーン、ノンビブラートはめちゃくちゃかっこ良い響きで、支えるメンバーの演奏もやはり決まっています。その中でもこのアルバムでもマイルスを除く花形はやはりハンコックに聞こえます。ハンコックのピアノは、エレガントなクラシックっぽい響きは瑞々しくこのアルバムではぴか一目立ってます。そして「All of You」はイントロからマイルスのミュート・トランペットの表現力」の豊かさに耳を奪われます。続くGeorge Colemanのテナーは、ゆっくりとよく考えながら心から染み出すような音がマイルスと対比的で、曲としても演奏に説得力があるこれまた好演。「Stella by Starlight」もマイルスのソロは攻撃的で挑発的です。序盤途中で雄叫びを上げる観客がいますが既に序盤で感極まってのこと、それぐらい深く響く。「All Blues」については、リズムセクションの丁寧さとマイルスのミュートプレイの妙から始まり、ミュートを外し解き放たれたマイルスの力強さの対比が良くて迫力ある。「All of You」では思慮深いソロパターンはテナーのコールマンだったが、この曲ではハンコックに引き継がれてからコールマンへと渡される。「I Thought about You」はマイルスの作曲で自身の考える世界が自由に表現され展開する。単調なようで微妙な抑揚が感じられます。
 世に名演と言われるアルバムであるが時代を反映してそれを感じさせるものも多い。最初に聴いた時にはそんなアルバムのようにも感じていたが聴きこむにつれて、発見も多くこの構成やパワーは古くささに色あせるようなものではない深いものを感じました。参りました。「Four & More」と対で、愛聴させていただきます。
 
trumpet : Miles Davis
tenor sax : George Coleman
piano : Herbie Hancock
double bass : Ron Carter
drums : Tony Williams

producer : Teo Macero

recorded at Lincoln Center "Philharmonic Hall", NYC on February 12, 1964.

1. My Funny Valentine
2. All of You
3. Stella by Starlight
4. All Blues
5. I Thought about You





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2021年8月21日土曜日

本日のCD Cortijo y su Combo con Ismael Rivera ♪ Quitate De La Via, Perico

 

 本作は2020年のリマスターの日本語解説付きで、帯からのこの作品の紹介は「絶頂期のコルティーホ楽団&イスマエル・リベーラの、1961年発表のヘマ/ルンバ第4作。全員一丸となって放たれるボンバやプレーナといった黒いリズムは圧巻の一言。荒々しく突進するビートがとにかくすごい。」その通りで、これだけでこの作品の解説は済んでしまいそうな的確なコメント恐れ入ります。ちなみにこのシリーズのレビュー書ききれてませんが、第5弾Danger、第1弾 En New York もあります。
 コルティーホ楽団(Cortijo y su Combo)はパーカッション奏者のラファエル・コルティーホ(1928年生まれ)率いる楽団で、イスマエル・リベーラ(Ismael Rivera)は1931年のプエルトリコのサントルセ生まれの歌手。イスマエルは、幼い頃は靴磨きとして働き家のサポートのために学校へは満足に行けず16歳の時には、レンガ職人として働き始めてラファエル・コルティージョと一緒に歌ったり遊んだりして過ごし1948年ぐらいでは共演していたようです。その後1952年にアメリカ陸軍に入隊しましたが英語力が不足で除隊。サントルセに戻ってからは歌手活動を開始し売れ始め、1954年にはコルティーホのグループに加入。
 この二人の生まれのプエルトリコは通称で正式には、(Estado Libre Asociado de Puerto Rico)プエルトリコ自治連邦区、カリブ海北東に位置するアメリカ合衆国の自治区です。古くはスペイン植民地時代を経て、第二次キューバ独立戦争でプエルトリコでも反乱が起きて1897年にスペイン合意の元自治区となり、同年に起きたアメリカ合衆国とスペイン帝国の間で起きた米西戦争によってアメリカ合衆国の領土となりました。ということでプエルトリコは母国語はスペイン語なわけで、この土地のラテン音楽で、アメリカのニューヨークで一発あてようと進出してサルサが誕生する訳ですね。最後は「はしょり」ましたがなるほど勉強です。学生時代は勉学の「歴史」は暗記物の代名詞として嫌いでしたが、歳をとってから音楽を聴きながらこんなことにも興味を持って聴いています。人間の作る音楽というものは、歴史・戦争との相関は理解した方が深くなるような気がしますな。

1. Perico
2. Bomba Carambomba
3. El Chivo
4. Si Te Contara
5. El Trompo
6. Cortijito
7. Piedras En Mi Camino
8. Caramelo Santo
9. Plena Española
10. Ensillala
11. El Pajaro Chogui
12. El Carnaval
13. Druma Cuyi

▶ Perico




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