2021年8月30日月曜日

本日のCD Bill Evans ♪ Every body Digs

 

 Riversideレーベルから第2弾として1958年録音翌年リリースのピアノ・トリオ作品。ベースは Sam Jones、ドラムは Philly Joe Jones のメンバーでの録音で、このメンバーでは既に Cannonball Adderley の Portrate Of Cannonball Adderleyで7月に録音を行っており、このアルバムは12月の録音となっています。エバンスは最初から売れているわけではなく、ファースト New Jazz Conceptions の売り上げは1年間で800枚のセールスで当時の新人の売り上げはそんなものでしたが不安な売れ行きでの出発です。その後MilesDavisのコンボに在籍して知名度が高まっての録音ですが、2年3か月が次のコンボを脱退した直後の録音となっています。マイルスのバンドを去ったのは「自分のトリオを結成して自分自身の演奏をしたくなったから」と言っているようですが、ドラッグの重度の常習者となったこと、同バンドに在籍していたコルトレーンとの不和とも言われているようです。ちなみにこの作品参加のドラム Philly Joe Jones も筋金入りジャンキーでそれがもとでマイルス・バンドはクビになっています。ここらへんまではアルバムの音楽性以前のドロドロした事情です。 


 このRiversideレーベルでのエバンスの発掘者であり立役者はプロデューサーの Orrin Keepnews (オリン・キープニュース) で、この2枚目のアルバムを勝負と判断し著名なミュージシャンからの推薦の言葉を集めてジャケットのカバーに署名入りで印刷するという売り出し手法をとったのです。I've sure learned a lot from Bill Evans. He plays the piano the way it should be played (Miles Davis) , Bill Evans is one of the most retreshing pianists I have heard in years (George Shearing) , I thnk Bill Evans is one of the finest (Ahmad Jamal) , Bill Evans has rare orijinarity and taste and then even rare ability to make his conception of a number seem the diffinitive way to play it (Julian"Cannonball"Adderley)  
 このために金は当然動いたんでしょうが、かなりのキープ・ニュースの期待がこもっていることがうかがわれます。しかしビジネスは難しいものでこのアルバムは初回の800枚よりは売れたものの、さほどの営業成績はあげられなかったとのこと。しかし当時制作に前向きではなかったエバンスの音楽性が極めて高いレベルであったことはこのアルバムでよくわかります。ここら辺のくだりは「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事情」やネット記事を参考にして書かせていただいており、著書でも大活躍の Orrin Keepnews の写真は掲載しときます。


 さてかなり気合の入ったレビューとなった今回の作品ですが、お気に入りの曲は Minority イントロでのフィリーのとエヴァンスの絡みだけでこのアルバムへ期待してしまう絡みの重要なとこです。とても重度ジャンキー同士の演奏とは思えません。Young and Foolish はよく言われるエバンスのリリシズムを象徴するバラードで、この解釈は後の エヴァンス・トリオのに続く芸術的な曲です。Piece Piece ではソロ・ピアノとなりますが、クラシック的な響きの美しい作品です。ちなみにソロピアノは ( 3, 5, 7, 9 ) アップとスローがバランスよく配置されていますがスロー・ナンバーに聴きどころがあるかもしれません。芸術性はあるけど売れていない新人では売れにくいアルバムではあったかもしれませんね。

piano : Bill Evans
bass : Sam Jones  (1,2,4,6,8,9)
drums : Philly Joe Jones - drums (1,2,4,6,8,9)

producer, Liner Notes – Orrin Keepnews

Recorded at Reeves Sound Studio in New York December 1958.

1. Minority
2. Young & Foolish
3. Lucky To Be Me
4. Night & Day
5. Epilogue
6. Tenderly
7. Peace Piece
8. What Is There To Say?
9. Oleo
10. Epilogue
【Bonus】
11. Some Other Time (mono)






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