1966年アート・ブレイキーの貴重なソロ作。最初に言うのもなんだが、そしてアマチュアが言うのも申し訳ないが、これがあのブレイキーか?と首をかしげる凡作であります。ジャズのアルバムってたまに、このタイプの企画倒れがありますよね、ウェスのあれとか、ラムゼイ・ルイスのあれとか、多作な人にはつきものなんで面白がるしかないでしょう。
「The Jazz Messengers」「Art Blakey and Jazzmessengers」 はお馴染みの名義、今回初めての&がない 「Art Blakey」 での録音、他は無いのか?と調べてみたらありました♪ 「Art Blakey's Big Band」「Art Blakey's Jazz Messengers」と「’s」を使用
The Jazz Messengers が コンボを組んだ当初で、Art Blakey がリーダーになってからArt Blakey and を付けたってのは知ってましたが、「's」ってがあったのは知りませんでした。レーベルが変わってバンド名の版権とかがあって変えてるんでしょうか?そのうち聴いてたら出くわすと思いますので、そのくだりはその時に。
さてこの「&The Jazz Messengers 」ではないアルバムは、いままでの激しいファンキー・ジャズでハードバップでヒットを連発しているので路線を少し変えて今までと違うファン層を獲得しようとした。それで後にフュージョン路線でヒットを出すチャック・マンジョーネ、ファンク路線に入る前のグラント・グリーンをゲストに呼んで、60年代のR&Bやロック・ヒットを素材に選んで仕掛けた。しかし爆発力のあるジャズのダイナミックスがこのアルバムでは失われたことによって従来のブレイキーの魅力が発揮できなかったと考えられると思います。つまりレーベルとプロデューサーの思惑が外れた訳ですかね。
1990年に逝去。71歳没。アート・ブレイキーが残したアルバムは200以上とも言われています。私がこれまで聴いてきたアルバムは、どれも共演しているミュージシャンを煽るような熱い攻めのものが多いので、聴く前に「どこまでやってくれるんだろう?」のような期待値が高いので、それに対するで落差から平凡であるとのような書き方になってしまいますが、他のミュージシャンでもありそうで、グラント・グリーンのファンだったら貴重なセッション音源といった見方もできます。アート・ブレイキーが出すものにはしたから平凡すぎると思ってしまいますが、ここまでリズムキープして個性をあえて抑えたようなアルバムは珍しい音源と言えるのではないでしょうか。
11曲目の、Slowly But Surely は1965年の The Jazz Messengers アルバム「Soul Finger」を収録した時の録音でFreddie Hubbard, Lee Morgan の2トランペットの演奏でしたがこの演奏でどっちがソロをとっているかは不明となっています(私には聴き分けられません)
drums : Art Blakey
organ : Malcom Bass (2 to 6, 7, 10)
piano : John Hicks (11)
guitar : Grant Green (1 to 10)
bass : Reggie Johnson (2 to 6, 7, 10), Victor Sproles (11)
congas : John Rodriguez (2 to 6, 7, 1)
alto sax : Gary Bartz (11)
tenor sax : Frank Mitchell (2 to 6, 7, 10)
trombone : Garnett Brown (1, 2, 4 to 6, 8, 9)
trumpet : Charles Mangione ( 2 to 6, 7, 10), Freddie Hubbard (11)or Lee Morgan (11)
producer : Jack Tracy, Luchi DeJesus
1. Day Dream
2. Hold On I'm Coming
3. Secret Agent Man
4. I Can't Grow Peaches On A Cherry Tree
5. Walking My Cat Named Dog
6. Sakeena
7. Got My Mojo Working
8. Mame
9. She Blew A Good Thing
10. Monday Monday
11. Slowly But Surely
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