2023年11月26日日曜日

Herbie Hancock / Fat Albert Rotunda

 

 ハービーが29歳になる1969年にリリースされた8thアルバム。元々はテレビアニメのサントラとして作られていた楽曲です。当時、Hey, Hey, Hey, It's Fat Albert と呼ばれるテレビアニメの音楽を担当していて、その楽曲を大人向きにアレンジし収録しています。当時のハンコックの作品群とは内容がかけ離れていたので、ファンの間でも評価が分かれる作品とのこと。またハンコックが Blue Note から離れてメジャーの Warner Bros との契約3枚分の最初の1枚でありセールスを意識する必要があったことも、このアルバムの制作の契機でもあるようです。Warner Bros からは Mwandishi、Crossings を発表し、Columbia へ移籍し、あの Head Hunters を発表することなります。


 さて、行きつけの「おでんバー」で聴いた時にも賛否(好み)が半々だったように思われるこの作品をレビューしていきます。冒頭は Wiggle Waggle ですが、中近東音楽を思わせるイントロから、ジャズよりのジャズ・ファンクが始まります。テーマの後は各自のソロが繰り広げられセッション的な感じです。テーマに入ると物語性が強いメロディーがあるような気もします。Fat Mama いかにもファンク風のネーミング。出だしはアフリカンな雰囲気で、その雰囲気を持ってソウルっぽい感じのリフとブラスの入れ方の楽曲です。2曲を聴いてきて、ハンコックのイメージである知的ファンクよりはブラック色がでている感じがして好きな感じかもしれません。Tell Me A Bedtime Story 後に Quincy Jones などにもカバーされるブルース形式でモードな今ではちょっとしたスタンダードのような楽曲。ジャズです。Oh! Oh! Here He Comes そしてジャズ・ファンクに戻ります。Jessica では、リリカルなピアノと、柔らかいやらかいホーンの作り出す世界。曲名はハンコックのその頃生まれた娘さんの名前。Fat Albert Rotunda アニメの主人公の名前の曲ですね。明るめで軽快なジャズファンクです。つくりはやや単純。Lil' Brother は、弟って意味ですかね。やんちゃな雰囲気があるジャズファンクです。テーマ曲よりこっちの方が好きかも
 ファンキーなR&Bに寄せた曲が多数存在しているのが魅力的で、電化フュージョンに完全に移行する前の作品であるところが良い感じです🎵

piano, electric piano, conductor, producer : Herbie Hancock
electric guitar : Billy Butler (1,7), Eric Gale (1,7)
electric bass : Jerry Jemmott (1,7)
double bass, bass : Buster Williams
drums : Albert "Tootie" Heath, Bernard Purdie (1,7)
alto flute, tenor sax : Joe Henderson
alto sax, tenor sax : Joe Farrell (1,7)
baritone sax : Arthur Clarke (1,7)
trombone : Benny Powell (1,7), Garnett Brown
trumpet : Ernie Royal (1,7), Joe Newman (1,7)
trumpet, flugelhorn : Johnny Coles

recorded at : Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Wiggle Waggle
2. Fat Mama
3. Tell Me A Bedtime Story
4. Oh! Oh! Here He Comes
5. Jessica
6. Fat Albert Rotunda
7. Lil' Brother





  

2023年11月25日土曜日

The Eric Byrd Trio / Triunity


 これは The Eric Byrd Trio の自主制作版の2004年の作品を限定復刻プレスしたアルバムです。2013年発売でジャケットはオリジナルと変わっているようです。人気テナー奏者 Paul Carr(ポール・カー)もゲスト参加したマイナー・ピアノ・トリオの名盤で、現在では廃盤となっているようです。
 「Eric Byrd」はピアニスト兼ボーカリストでプロ歴は30年以上。自身のリーダーアルバムは少ないものの、Wynton Marsali、Chick Corea、Mike Stern、Randy Brecker などの著名なミュージシャンとの共演もある方でした。私の所有音源としては、今のところ 21st Century Swing Live と、この一枚です。また、このトリオは音楽史、ジャズ、そして霊歌/ゴスペル、ブルース、ジャズの関係についてクリニックを頻繁に行って音楽教育への取り組みを行い南アメリカ、中央アメリカ、カリブ海をツアーする米国国務省ケネディセンターのジャズアンバサダーやゴスペル楽団の指揮者を務めたりしています。が、マイナー系な人のようなのでメジャー系レーベルからの発売は少ない人のようです。


 さて、レビューです。Sunday Mo'nin' Chu'ch 日曜日の朝の教会と言う名の通り、爽やかな朝にミサに行くのがぎりぎりなので少し小走りで教会へ行くシーンが思い浮かびます。ベースソロは日曜日にしか会えない教会の友達と少々小難しい話でもしているかのようなところでしょうか。Get Happy は Harold Arlen 作曲 Ted Koehler 作詞のスタンダード。Judy Garland の1950年の映画 Summer Stock で使われて有名になった曲だそうです。歌無しで流れるようなジャズフォーマット。Just For a Thrill は、Eric Byrd のボーカルが聴けるバラード、ソウル感があるボーカルで良いですね。うんカッコ良い。Love Letter to Lima は、自身の作品でボサ・ノバのリズムのとても穏やかな曲です。何でもない日常感があって良いです。Nanami これも自身のオリジナル。曲名は日本の女性の名前のようですが・・激しめの情熱的な曲ですね。 Come Back to Me は、Alan Jay Lerner の古めかしいスタンダードで、Eric Byrd のボーカルが聴けます。何か楽しい人のようでこの人のライブは楽しそうだと想像できます。Lullaby For Jason Miles も自身のオリジナル。こちらはジャズフォーマットのピアノ曲ですが、スタンダードや歌物と違った音の響きの美しさが聴いて取れます。曲の並び順もバランス良しです。Wrap Your Troubles in Dreams ゴスペル調の楽曲で、弓弾きベースがユーモラスで、ピアノは余計なことをせずに楽しんで弾いているのが伝わります。これも良い曲だ。I Thought About You 1939年の Jimmy Van Heusen のスタンダード、王道スイングが気持ち良い。We Are One 自身のオリジナルでアフリカンなドラミングから始まり、そちら系のソプラノ、子供たちのコーラスが入ってくるワールド・ミュージックでほのぼのします。いきなりの曲調の変換ですが違和感なく、続けて聴けます。I Love You Lord ピアノ独奏のバラードでLaurie Klein 作曲とあります。 2分と短いですが浸みます。Roll With My Baby Sam Sweet のオールド・スタンダードで踊れるやつです。嫌みの無いソウルフルなボーカルがこれも心地よい。
 基本スウィングとビバップのオールド・スタイルで、古典的なピアノジャズあり、ボーカルものありあり、小学生のコーラスありで、さらにソウルやゴスペル的なフィーリングは嫌みがなくて音楽は楽しいもんだなって思えるアルバムです🎵

piano,vocals : Eric Byrd
bass : Bhagwan Khalsa
drums : Alphonso Young, Jr.  
GUEST
sax : Paul Carr 

1. Sunday Mo'nin' Chu'ch
2. Get Happy
3. Just For a Thrill
4. Love Letter to Lima
5. Nanami
6. Come Back to Me
7. Lullaby For Jason Miles
8. Wrap Your Troubles in Dreams
9. I Thought About You
10. We Are One
11. I Love You Lord
12. Roll With My Baby





  

2023年11月24日金曜日

James Cotton / Baby, Don't You Tear My Clothes


 2017年3月16日に亡くなりました御大 James Cotton(ジェイムス・コットン)の最後のアルバム。喉頭ガン手術を受けてから、歌えなくなってしまったためブルースハープだけ吹いておられます。とびっきりのジャケットの笑顔がまぶしいです。
 マディ・ウォーターズのバンドにリトル・ウォルターの後任として正式参加は1957年。マディのバンドには在籍1966年まで、そして1967年 Cut You Loose! (Vanguard)でソロデビュー。以降コンスタントにアルバムを作り続けて本作まで多分合計20枚。
 James Cotton を最初に聴いたのは、大学時代でブルースと言えば BBキング、マディ・ウォーターズだと思っていた私に ブルース・ハープのカ訪ッコよさ、シカゴ・ブルースという伝統芸、ジャンプ・ブルースという熱いブルースを教えてくれた、私にとってブルースを深く掘り下げてくれたの先生のような人で、訃報を聴いた時にはお疲れさまでしたと手を合わせたのを覚えています。


 このアルバムで、御大はもう歌えないのでボーカルものは ゲストによる客演です。御大のブルース・ハープも超ロングトーンやブレスなしの大技とかもなく、ゆったりとしたプレイで最後を飾っています。タイトル曲 Baby, Don't You Tear My Clothes は Lightnin' Hopkins(ライトニン・ホプキンス)の曲です。ボーカルは Bobby Rush。この人もファンク・タイプのブルースを歌う人で、ビル・クリントンが大統領に就任したとき、彼は James Joseph Brown と一緒に、ホワイトハウスでも演奏、2007年には中国で初めてのブルース・マンとして公演し、このアルバムの発売と同じ2017年に自己のアルバムでグラミー賞を受賞の人です。他、Dave Alvin が歌う Stealin', Stealin' , Doc And Merle Watson の弾き語り How Long Blues はコットンとハープでほのぼの、最後の Friends のハープを聴くとコットンのブルース人生がこれで終了したのかと感無量のハープ演奏です。

harmonica : James Cotton
piano : David Maxwell
guitar : Derek O'Brien
bass : Noel Neal
drums : Per Hanson

producer : Randy Labbe

1. Coach's Better Days
2. Baby, Don't You Tear My Clothes / vocals : Bobby Rush
3. When You Got a Good Friend / vocals, piano : Marcia Ball
4. Stealin', Stealin'  / harmony vocals, tambourine : Chris Gaffney vocals, guitar : Dave Alvin
5. Key to the Highway / vocals : Odetta
6. I Almost Lost My Mind
7. Rainin' in My Heart / vocals, accordion : C.J. Chenier
8. Bring It on Home to Me / vocals : Jim Lauderdale
9. Muleskinner Blues / vocals, guitar : Peter Rowan
10. How Long Blues / vocals, guitar : Doc And Merle Watson
11. Mississippi Blues / vocals, guitar : Rory Block
12. Blues for Jacklyn
13. Friends



▶ Friends


  

2023年11月19日日曜日

Sonny Rollins / Saxophone Colossus

 

 1956年に Prestige Records から発表した26歳の時のアルバムで、これまでに既に9枚のリーダーアルバムを発売していますが発売直後から英米のメディアで絶賛された出世作とと言われ、ロリンズの代表作としても有名です。録音メンバーも Tommy Flanagan、Max Roach、Doug Watkinsという最強ののリズム・セクションで、Max Roach の自由自在なドラミング、1962年で若くして逝ってしまう Doug Watkins の入魂のベース・プレイもこの作品の価値をさらに高めています。この作品の St. Thomas をコピーしたサックス・プレイヤーも非常に多いのではないでしょうか。


 いつもの音楽好きの集う「おでんバー」で聴いた時も、おお懐かしい。悪い訳がなかろう。20年ぶりに聴くんじゃないか。皆さんウキウキで聴きました。往々にして昔聴いたアルバムは久しぶりに聴くとこんなんだたっけ?と期待外れの(記憶の美化)なことが多いのですが、朗々としたサックス、見事な曲想と演奏で、改めて聴いても非常に気持ちがいいアルバムでした。そして実に酒を飲みながら聴くと心地よく飲めるアルバムでもあります。
 それではレビューです。St. Thomas これは、ロリンズのオリジナルでカリプソのリズムの明るい曲で、タイトルの由来はもちろん、セント・トーマス島。ロリンズの母方がヴァージン諸島出身ということもあって歌っていた、イングランド民謡 The Lincolnshire Poacher が元となっていて、ロリンズも幼い頃からカリプソに親しんできたようです。私も大学のジャズ研に入って初めてスモール・コンボを組んだ時の練習曲の一つでした。難しいことは何もない曲ですがリズムに慣れないとダサくなりがちで聴いているお客がつまらないことになりがちでした。You Don't Know What Love Is は、1941年に Gene de Paul が作曲した美しいバラード曲。深い暖かみのあるロリンズのサウンドを楽しめます。また、控えめではありますが Tommy Flanagan のソロもツボを押さえた渋いピアノが素晴らしい。Strode Rode は、ムーディーなメロディーが特徴のロリンズによるオリジナル。ソロ部分でサックス&ベースのみとなってから、ピアノが入ってくるスリリングな演奏に注目です。Moritat は、ミュージカルの「三文オペラ」の挿入歌をアレンジしたもので別名「Mack the Knife」「The Ballad of Mack the Knife」オリジナルはKurt Weill の1928年作曲。アダルトで陽気な曲となっています。Blue Seven でラストですが、これもロリンズのオリジナル。非常に渋い曲で Doug Watkins の弾くベース・ラインに合わせてロリンズの長いソロが展開され、Tommy Flanagan のピアノがコロコロと気持ち良いです。派手じゃないのがさりげなくてこれまた良い感じです。そして技術を見せびらかすのではなく音を聴かせる Max Roach のソロも素晴らしい。
 木製のカウンターでくつろぎながら聴くと安い酒もゴージャスになる。何回聴いても聴き飽きない、心地よく聴けるアルバムの一つですね🎵

bass : Doug Watkins
drums : Max Roach
piano : Tommy Flanagan
tenor sax : Sonny Rollins

recorded by – Van Gelder
recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey

1. St. Thomas
2. You Don't Know What Love Is
3. Strode Rode
4. Moritat
5. Blue Seven


▶ Moritat



  

2023年11月18日土曜日

John Scofield / Time On My Hand


 Blue Note 移籍の第一弾でアルバム・タイトルは Time On My Hand、邦題は「ギタリストの肖像」です。何か聞いたことあるネーミングです。「ジャコ・パストリアスの肖像」(Jaco Pastorius) は、1976年に発売された ジャコ・パストリアスのソロ・デビュー・アルバムで、このアルバムは1989年で10年以上前のアルバムです。何か共通点は無いのかと探ってみましたが特に何も見つかりませんでした。time on one's hands = 持て余した時間が俺にはある おそらく日本版の発売前に案を持ち寄って、会議で決定するものとあると思われますが、どのような過程で「ギタリストの肖像」になるのか、非常に興味があります。
 John Scofield は、この後1991年に発売される Grace Under Pressure しか持っていないので、活動遍歴を実際に耳で聴いているわけではないのですが「ジャズフォーマットにやや戻ったジョンスコ」と書かれているので、そうなんでしょう。


 それでは聴いて参りましょう。Wabash Ⅲ はギターとサックスの楽しいユニゾンが聴ける曲となっております。バリバリのジャズ・フォーマットです。ジョン・スコのギターは、粘りっこいオーバー・ドライブ・サウンドで、音使いも独特でギタリストよりも違う楽器のように感じます。管楽器に近い感じがしますが管楽器の音使いでもないですね。Since You Asked は、また変則的に攻めてきますが、何かエレガントな仕上がり。So Sue Me は、どこかで聴いたことがあるメロディーが出てきますが誰だかわからない。ああイライラする。何かの曲との合体ですね。Let's Say We Did は静かにきますので、ハード系の曲と交互に最初は出してきます。決して聴き手を盛り上げていこうとする構成では無いですね。Flower Power も曲名のごとしエレガントですが、ジョンスコのずらしたフレーズが曲と絡みあいながら、うねるように流れていきます。決してきれいなだけの花では無いですね。Stranger To The Light で、やっとリズムが細かく動きます。これはかなり抽象的な感じがして、私のジョンスコのイメージはこんな感じです。Nocturnal Mission は、軽くてフリーでエレガントで幻想的。Farmacology で、普通のジャズフォーマットに戻ってきました。いや普通のように聞こえるフォーマットに戻ってきました。ネオバップで、うねるうねる=気持ち良い。Time And Tide は、また不思議っぽい感じの曲です。この曲のコピーバンドやってたらどこをやっているのか見失うのが必至ですね。Be Here Now 元はしっかりしたテーマとかあるのを無理やり縮めてゴタゴタニした感じの曲で、これも変態系の曲ですね。Fat Lip これのモチーフはわかりました。Cissy Strut です。ああ嬉しい。
 かなり久しぶりに聞いたんですが、ピアノレスなので独特の自由観があり、うねるギターと歪んだ音、ジョンスコらしい曲よりジャズ・フォーマットの曲に共感を覚えます🎵

guitar : John Scofield
soprano sax, tenor sax: Joe Lovano
bass : Charlie Haden 
drums : Jack Dejohnette

producer : John Scofield, Peter Erskine

recorded at Power Station NYC November 19-21 1989

1. Wabash Ⅲ 
2. Since You Asked 
3. So Sue Me
4. Let's Say We Did
5. Flower Power
6. Stranger To The Light 
7. Nocturnal Mission
8. Farmacology
9. Time And Tide
10. Be Here Now
11. Fat Lip





  

2023年11月17日金曜日

Luther Allison / Songs From The Road


 これは私が札幌在住時代にブルースに再燃していた時に購入したもので Luther Allison は知らずにDVDもついていて、お勧めコーナーにあったので購入したものですね。知らなかったけど聴いてみて観てみてかなりの満足作品でした。
 Luther Allison は、1939年アリゾナ州メイフラワー生まれ。50年頃にシカゴに移り、間もなく活動を開始。1969年に Love Me Mama で遅咲きデビューして以来、1997年まで Buddy Guy、Otis Rush、Magic Sam、Freddie King らと共に第一線で活躍し続けた伝説のシカゴ・ブルース・ギタリストです。1979年にはヨーロッパに移住しましたが、90年代アメリカに戻り1997年8月に58歳で肺癌により死去しています。


 さてレビューです。 Cancel My Check は、最初から王道のハード系のブルース。ボーカルの吠え方も良し、ギターの歪み方良し、ブレイクした時の客の興奮した歓声からも興奮のライブ状況が伝わります。Living In The House Of The Blues 作曲は williams とあるが、どのウイリアムズ参加はわかりませんでした王道スロー・ブルース。What Have I Done Wrong スローを挟んでジャンプ・ブルース系に戻ってきました。作者不明となってますブルースのスタンダードですね。特に難しい仕掛けは無く長めのギターソロが嬉しいヤツです。Will It Ever Change ドラムから入るイントロがカッコ良い。オルガンのバッキングも良いですね。You Can, You Can これもオルガンが活躍の王道ブルース。これも工夫無しのストレートなブルース進行。歌詞とテンポだけが変わっているかのような同じパターンがこのパターンのブルースの醍醐味です。There Comes A Time 少し雰囲気変わります。ひたすら同じパターンを繰り返し4分間、サビっぽいコードにたまに移りますが基本全て同じ。日本人には中々できないパターンの曲の構成です。(Watching You) Cherry Red Wine きました泣きのバラードって感じです。Low Down And Dirty 盛り上がるパターンですね。スライド・ギターでマンネリから脱出ですが、好きにやっていただけたら、こちらも楽しめます。ちょっとロックっぽいアレンジは良い。It Hurts Me Too ライブも終わりに近づいてきましたって感じの選曲です。スローで思いっきり貯めてから爆発する力強いボーカルが良い。Serious 最後は力強いエレピで始まるマイナー・ブルースとなります。締めはパーティのような曲なのかと思えば意外な展開。
 ブルースはワンパターンでも良い。斬新な曲作りよりもブルースをやり続けてきた人の表現力があれば、それで成立ということの典型です。ワンパターンでも飽きることなく楽しめるアルバムです。シックなギターは魅力的でエネルギッシュな演奏は、とても後1か月後に病死する人の演奏とは思えません🎵

vocals, guitar : Luther Allison
keyboards : Mike Vlahakis
guitar : James Solberg
bass : Ken Faltinson
drums : Rob Stupka

producer : Pierre Touchette

recorded at Festival International De Jazz De Montreal

【CD】
1. Cancel My Check
2. Living In The House Of The Blues
3. What Have I Done Wrong
4. Will It Ever Change
5. You Can, You Can
6. There Comes A Time
7. (Watching You) Cherry Red Wine
8. Low Down And Dirty
9. It Hurts Me Too
10. Serious

【DVD】
1. Cancel My Check
2. Living In The House Of The Blues
3. You Can, You Can
4. (Watching You) Cherry Red Wine
5. Low Down And Dirty
6. It Hurts Me Too
7. Move From The Hood



▶ Serious


  

2023年11月12日日曜日

Lee Morgan / Sonic Boom

 

 1967年4月の録音ですが、発売は1979年と10年以上もお蔵入りしていた作品です。同年のモーガンのリーダー作は The Sixth Sense だけであるが、God Bless The Child、The procrastinator なども Blue Note でお蔵入りになっています。かなり状態も良く内容も録音ですが、同年に7月には John Coltrane が亡くなり、ソウル・ジャズ、フリー・ジャズが混沌としていた時代故に、正統派ハード・バップは売れないと思ってお蔵入りになったのでしょうか?
 この録音で29歳ですが、18歳でリーダー作を吹き込み、33歳の若さで愛人に撃たれて亡くなってしまう Lee Morgan にとっては後期のアルバムとなります。Lee Morgan と言えば ジャズ・ロックThe Sidewinder というヒット作が代表作のように思っていたのが、他のアルバムを聴くにつれ変わってきくる、これも魅力的な作品です。
 ちなみに私の購入したCDは、BLNT999という廉価版のシリーズでジャケットは非常に安っぽい写真が張り付けてあるだけですが、色々なジャケットでリリースされているようなので、これに気を付けて今後の Lee Morgan シリーズの購入が必要ですね。

 

 素晴らしいい録音の立役者としては、テナー・サックスの David Fathead Newman の存在が大きい。テキサス出身のジャズとリズム&ブルースを中心としていて、図太い音はテキサス・テナーとも言われる大御所。Ray Charles が参加していた Lowell Fulson band に1954年からバリトン・サックスのプレイヤーとして参加し、Ray Charles band に1964年まで在籍していたとのこと。ベースは言わずもがなの Ron Carter、ドラムの Billy Higgins はノリ感抜群、Cedar Walton は、音の美しさ抜群のピアノと布陣も申し分ない。何故発売されなかったのか?疑問は深まるばかりです。
 さてレビューです。5曲目の I'll Never Be The Same を除いて全て、Lee Morgan の作曲です。Sneaky Pete のモチーフは聴いたことがありますが直ぐに出てきません。あー悔しい。イントロとテーマは変えてますが、よくあるパターンではあります。なんて悩みながら聴きながら1曲目から Lee Morgan の節回しって、やっぱりカッコ良い。The Mercenary 少し長めの7分11秒。途中のカリプソ・タイプのリズムに変わるテーマが好きです。これを繰り返すのかと思いきや、ソロパートはハードバップ。いぶし銀のテナーソロも良いし各自の仕事はきっちりです。ロン・カーターのベースソロだけ妙に静かな感じで聴きいってしまいました。Sonic Boom 本アルバムのテーマであります。ソニック・ブームとは超音速による衝撃波のことでカッコ良い響きです。曲自体は超音速ではありませんがスピード感がありますが、衝撃波のレベルではないような気もしますが後半になるに連れて熱気を帯びる演奏が良いですね。Cedar Walton が背中をかがめて高速で鍵盤を叩く姿が思い浮かぶようなソロ、つんざく高音のトランペットも良いです。熱量からしても、やはりタイトル曲。Fathead は、ダンスナンバーのような楽しい曲です。昔のテレビドラマのオープニングのような感じでリラックスの曲です。I'll Never Be The Same で、このアルバム唯一のバラード。心温まる演奏でした。Mumbo Jumbo は、トランぺッターが好きなパターンのマンボ。このリズムには、やはり金管楽器ですね。どなたかがウッと言うマンボの掛け声を一回だけやっているのですが、その後出てこないのはご愛敬。最後のテーマぐらいで出して欲しかったな。うん楽しい。
 何故、お蔵入りになったのか、ホント理由が知りたいですね🎵

trumpet : Lee Morgan
bass : Ron Carter
drums : Billy Higgins
piano : Cedar Walton
tenor sax : David Fathead Newman

producer : Alfred Lion

recorded on April 14, 1967. All other tunes recorded on April 28, 1967

1. Sneaky Pete
2. The Mercenary
3. Sonic Boom
4. Fathead
5. I'll Never Be The Same
6. Mumbo Jumbo





  

2023年11月11日土曜日

George Benson / Guitar Man


 2011年の作品ですか、購入時には確か「原点回帰」とかのキャッチフレーズでかなりの宣伝してたんですよね。久しぶりに聴いてもギターという楽器を知り尽くす演奏とセンスの良さが一流すぎる笑顔が相変わらずエロいオジサンですよね。何が凄いって選曲からしてジャズファンだけだはなく、一般のリスナー向けなので普通のミュージシャンがやるとチープな感じがでるんでしょうが、この人は適度にジャズでポップな味付けでどちらの人でも聴ける音にしてるとこではないでしょうか。
 改めてライナー・ノーツを見ていると 12anniversarry のギターの宣伝のような写真があります。どうやら「Ibanez アイバニーズ ジョージベンソン 12周年 シグネイチャーモデル GB-12 12th ANNIVERSARY」のようです。ファンとしては、こんな写真を見たら別にもう一台ギターは要らなくても買う人は多いでしょう。ここら辺も George Benson は商売がうまいです。ちなみにお値段中古で¥627,292 ¥648,463 でしたので、相場は60万円強と、このモデルは、かなりお高めです。


 選曲はジャズ・スタンダードやポップスのカバーです。ノラジョーンズの Don't Know Why なんかは新しめかと思ったら、ノラのデビューアルバムは2002年 Come Away With Me ですから、それほど新しいわけでもない (若手アーチストと思っていたらノラも私も歳をとっていました) 自分の歳も感じますね。そしてナイロン・ギターを使ったノスタルジックな曲は Danny Boy あたり。これも何とも言えない渋めのソロギターを決めています。
 ベンソンの歌が上手いのはご承知の通りで、このアルバムの中ではバラードの Since I Fell For You が聞き直して一番印象が良いです。そして Tenderly、 Naima、Tequila、 My One And Only Love とコテコテのスタンダードも多数収録されているんですが、ここら辺がオジサン・リスナーの心をくすぐります。別の意味でスティービーワンダーの My Cherry Amour にも適度にポップにソウルしてるとこもオジサンの心はくすぐられます。ジャズを聴いているのか、ポップスなのか、イージーリスニングなのか?と思えばいつの間にかジャズのようで、心して聞かなくても聴いてるうちに聞きほれるという何とも絶賛なアルバム、演奏とセンスの良さが一流すぎます。丁度良い具合にバランスがとれていてギラつかない音、落ち着いたジャズは相変わらず素晴らしい🎵

guitar vocals : George Benson
keyboards : Chris Walden (7)
piano keyboards : Joe Sample, David Garfield
rythm guitar : Paul Jackson, Jr. (2),  Ray Fuller(2)
bass : Freddie Washington(2), Ben Williams (3 to 5, 7 to 9, 12)
drums : Harvey Mason(3 to 5, 7 to 9, 12), Oscar Seaton, Jr.(2)
percussion : Lenny Castro (3, 5, 6, 12)
violin viola : Charlie Bisharat (2, 7)
alto flute, Clarinet : Dan Higgins(2)

executive producer : Noel Lee
producer : John Burk

1. Tenderly
2. I Want To Hold Your Hand
3. My Cherie Amour
4. Naima
5. Tequila
6. Don’t Know Why
7. The Lady In My Life
8. My One And Only Love
9. Paper Moon
10. Danny Boy
11. Since I Fell For You
12. Fingerlero

    ▶ Guitar Man




  

2023年11月10日金曜日

James Cotton Band / Live At Electric Lady


 機関車のようでタイトで骨太なリズム隊で、実に油ギッシュなライブ。1974年に Buddh から発売の 100% Cotton と同時期の未発表ライブで、Sequel から1992年にCDで発売。この100% Cotton から、ギターに Matt Murphy ドラムに Ken Johnson ベース Charles Calmese サックス Little Bo の強力メンバーで、James Cotton Band としてファンク・ブルースのサウンドを確立しています。


 さて、レビューです。Back At The Chicken Shack これは、1960年録音のジャズ・オルガニスト Jimmy Smith による1960年の録音が元曲です。元祖はもっとスロー・テンポのブルースで Kenny Burrell がギターを弾き、Stanley Turrentine が サックスを吹いています。しかし、こちらの方が数倍カッコ良い出来栄えインスト作品。Off The Wall 1953年の Little Walter の作です。これも高速ブギーで最高のハープを聴かせてくれるインスト作品。 Rocket 88 は、James Cotton の十八番のナンバー。 1951年の Jackie Brenston and his Delta Cats が最初の録音。Don't Start Me Talking は Sonny Boy Williamson II の作品で、2分33秒と短くまとめられたブルース。Georgia Swing は、少し曲調を変えたブルースで Matt Murphy のソロがギラギラした音で良いですね。作者は不明のようです。One More Mile は、コットンのオリジナル。短いMCが入ってから始まります。これも十八番ナンバーですが、このアルバムのバージョンは素晴らしい。I Got My Mojo Working 1956年Preston "Red" Foster の作品ですが、Muddy Waters で有名になった曲ですね。この高速ファンク・ブルースでやると違った曲に聞こえるぐらいの出来栄え。How Long Can A Fool Go Wrong テンポはやっと落ちた普通のレベルになりました。コットン作品。シンプルな音使いですが、コットンのハープが冴えます。ブレークしてのお客さんのノリノリの反応からも興奮もののライブが伺えうらやましい限り。Blow Wind Blow これも十八番の一つですね。Little Walter 作品でズドンズドンと腹に来るベース・ラインが気持ち良い。Mean Ol' World は、スローナンバーで、T-Bone Walker の1942年作品。枯れた音の Matt Murphy のギターリフが、何でもないけど好きです。このような何でもない曲でこそバンドの力がわかります。I Don't Know 1952年 Willie Mabon の作品ですが、Blues Brothers でもヒットした名曲ですね。ブレイクだらけで、これがまた良い。Boogie Thing は Matt Murphy 作となっています。名の通りひたすらブギーで演奏しているほうも興奮するテンポでこれでもかと音の洪水。Stormy Monday Muddy作品かと思っていましたが、T-Bone Walker みたいです。様々なブルースマンに愛される名曲です。Fever は、Eddie Cooley、Otis Blackwellの作曲で、Little Willie John の1956年のデビューアルバムにしてヒット曲らしいです。オールディーズっぽい曲で最後はフェイドアウト。
 ハープもこれでもか!という感じでたたみかけ、迫力あるボーカルに思わず引き込まれ文句なく楽しい。スタジオ盤以上に熱い演奏がブルースはやはりライブだなと思わせてくれ、大満足なアルバム🎵

harmonica, vocals : James Cotton
bass : Charles Calmese
drums : Ken Johnson
guitar : Matt Murphy
tenor Saxophone : Little Bo

recorded for radio station KQ42 at Electric Lady Studios in New York in late 1975 or early 1976

1. Back At The Chicken Shack
2. Off The Wall
3. Rocket 88
4. Don't Start Me Talking
5. Georgia Swing
6. One More Mile
7. I Got My Mojo Working
8. How Long Can A Fool Go Wrong
9. Blow Wind Blow
10. Mean Ol' World
11. I Don't Know
12. Boogie Thing
13. Stormy Monday
14. Fever