見た目インパクトあり、私にはサイケを狙った、かなり悪趣味なジャケットデザインに見えます。が、こういう奴は海外では高評価高いんですよねえ。
Grant Green は1960年代前半はビバップ・スタイルでプレイし、1960年代末から1970年代にかけては、JBに影響を受けたファンクなプレイをするようになり、この1972年のアルバムでは、ジャズからファンク系に転向してとにかく弾きまくってます。
ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ氏の教則本のお勧めの中に入っていたのがきっかけで初めて Grant Green を聴いたのがこのアルバム。知識としては Grant Green が晩年にファンクに転向したとは知っていたものの、その後古いアルバムも聴くようになってからは、ビバップ時代のアルバムの方もなかなか。しかしこのアルバム、何しろ有名ですから、最初にこのアルバムを聴いてGrant Green を見切ってしまって他のアルバムを聴いていない方も多いかとは思いますので、それはもったいない。古いものも是非聞いていただけたらと思います。1961年の Green Street なんかを聴けば、なるほど、ジャズの下地があって敢えてシンプルで刺激的な方向に行ったのかとそのスタイルの違いが良くわかります。
さて、このアルバム、オルガンの Shelton Laster が、メンバーに入ってはいますがエレクトリック・ベースもいます。この手のジャズ・ファンクはオルガンがいるとベースがクビと言うことが多いかと思いますので楽器編成も珍しい感じです。
ということで、レビューです。最初は、ベースとドラムが練習風に流しながら、アナウンサー Hank Stewart がバンドの紹介です。終了すると Windjammer JBタイプのベースから始まります。12分という長尺の曲ですが、曲に合わせて各自のソロを気の済むまでやるというパターンですので、楽しみながら聴いていると、それほど長くは感じません。Betcha by Golly, Wow は、Stylistics のデビューアルバムに収録されているソウル・ナンバーです。あのメロディが、そのままインストになっているので馴染みやすいですね。Fancy Free は Donald Byrd のジャズ・ファンクの名曲です。比較的近い時期の発売のカバーかと思っていたら、本家は1969年、こちらは1972年ですから3年違いでした。Flood in Franklin Park は、オルガンの Shelton Laster の作曲の王道ジャズファンク。Franklin Park はボストンにある植物園もある大きな公園とのこと、そこで洪水被害があったんだろうか?これは深くは調べなくても良いかなって感じですね。Jan Jan は、デトロイトのファンク・バンドCounts のリーダーでキーボード奏者 Mose Davis の作品です。元曲は聴いたことはありませんが、おそらくJB風なんだろうなって感じます。Walk in the Night は、1972年 Jr.Walker & The All Stars のからのシングルカット。元曲であろう曲に何となく聞き覚えがあります。
かなりアクは強めなところが良い感じです🎵
guitar : Grant Green
sax : Claude Bartee
vibes : Gary Coleman
organ : Shelton Laster
electric bass : Wilton Felder
drums : Greg Williams
percussion : Bobbye Porter Hall
announcer : Hank Stewart
producer : George Butler
recorded live at "The Lighthouse" Hermosa Beach, California April 1972.
1. Introduction by Hank Stewart
2. Windjammer (Neal Creque)
3. Betcha by Golly, Wow (Thom Bell, Linda Creed)
4. Fancy Free (Donald Byrd)
5. Flood in Franklin Park (Shelton Laster)
6. Jan Jan (Mose Davis)
7. Walk in the Night (Johnny Bristol, Marilyn McLeod)
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