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2025年1月17日金曜日

Three Dog Night / Best Hits


 1968年デビューし1976年の解散までに21枚のシングルを発売。そのうち20曲が全米トップ40入りというスーパーグループです。その後1981年に再結成し、2002年が最後のアルバム発売となりました。バンド名を知らない人も多いと思いますが、この音を耳にしている人は多いはずです。私が小学生の頃までの活動であったため、曲は知っていたんですが、どのようなバンドかは詳しくは知りませんでした。てっきり黒人グループだと思っていましたが、このアルバムで白人系のバンドであると知りました。(唱法はサザン・ソウル系に分類されるらしいです)バンド名は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいるそうです。
 バンドは3人の男性ボーカルと4人の演奏者という構成で、曲によってリード・ボーカルが変わり、ヒット曲はすべて有能なソングライターの隠れた名曲をリメイクする極めて特異な独特のスタイルでした。


 あまりに曲数が多いので、全曲レビューはやめときます。
 Joy to the World はあまりにも有名。彼ら最大のヒットで6週連続全米No. 1 に輝き750万枚ものビッグ・セールス。作者の Hoyt Axton は、Heart Break Hotel をプレスリーと共作した Mae Boren Axton の実息。熱唱の Chuck Negron が非常に熱く、オルガンの響きも心地よいソウル調のロックです。昔聴いた時から忘れない一発で耳に残る名録音。
 Old Fashioned Love Song これは、日本でバカ売れになった曲で、全米では第4位のミリオン・セラーなので、ラジオで聴いて知ってました。 Chuck Negron は、前曲とは違ってしっとりと歌い込んでいます。郷愁を帯びた味のある楽曲の作者は Paul Williams。自身でも71年12月に便乗リリースし、そこそこ売れたらしい。
 Black and White、昔ラジオで聴いて大好きになった曲。彼らにとって5枚目のミリオン・セラーで3曲目の全米No1ヒット。パブリック・スクールにおける人種差別を禁止するというアメリカ最高裁の決定を称えるべく、アール・ロビンスンが55年にディビッド・アーキンと共に書きおろした作品で、Sammy Davis Jr も取り上げたけれどヒットに結びつかず、レゲエにリメイクしてヒットしたものです。
  オムニバスですが、曲順は年代順ではなくプロデューサーが考えられての構成のようで、意図はわかりませんが、ただの羅列でないところに好感の持てるベストになっています。作曲者と発表年にビルボードの最高順位を記載しました🎶

vocals : Chuck Negron , Cory Wells , Danny Hutton , Floyd Sneed 
bass : Joe Schermie
drums : Floyd Sneed
guitar : Mike Allsup
keyboards : Jimmy Greenspoon

1. Joy to the World
 (Hoyt Axton) / 1971年 10thシングル (全米第1位)
2. Easy to Be Hard 
(Galt MacDermot, Gerome Ragni, James Rado) / 1969 4thシングル(全米第4位)
3. Family of Man 
(Jack Conrad, Paul Williams) / 1972 13thシングル(全米第12位)
4. Sure As I'm Sittin' Here 
(John Hiatt) / 1974 20thシングル(全米第16位)
5. Old Fashioned Love Song
 (Paul Williams) / 1971 12thシングル(全米第4位)
6. Mama Told Me (Not to Come)
 (Randy Newman) / 1970 7thシングル (全米第1位)
7. Try a Little Tenderness 
(Harry Woods, James Campbell, Reginald Connelly) / 1968 2ndシングル(全米第29位)
8. Shambala
 (Daniel Moore) / 1973 17thシングル(全米第3位)
9. Let Me Serenade You 
(John Finley) / 1973  18thシングル(全米第17位)
10. Never Been to Spain 
(Hoyt Axton) / 1971 13thシングル(全米第5位)
11. Black and White
 (David Arkin, Earl Robinson) / 1972 15thシングル (全米第1位)
12. Liar 
(Russ Ballard) / 1971年 11thシングル(全米第7位)
13. Out in the Country 
(Paul Williams, Roger Nichols) / 1970 8thシングル(全米第15位)
14. Show Must Go on 
(David Courtney, Leo Sayer) / 1971 19thシングル(全米第4位)
15. Eli's Coming
 (Laura Nyro) / 1969 5thシングル(全米第10位)
16. One Man Band 
(Billy Fox, January Tyme, Tommy Kay) / 1970 9thシングル(全米第19位)
17. One
 (Harry Nilsson) / 1969 3rdシングル(全米第3位)
18. Celebrate 
(Alan Gordon, Garry Bonner) / 1970 6thシングル(全米第15位)





  

2025年1月2日木曜日

山下達郎 / On The Street Coner 1


 山下達郎が売れたら好きなことをやると決めていて、1980年の「RIDE ON TIME」のヒットで作られたアカペラ(ドゥーワップ)作品の第1作です。現在の手持ちは、CDとなりますが、最初に手にしたのはカセット・テープでした(当然、どこかに行ってしまって手元にはもうありません)CDのデッキが発売されたのは1982年ですから、最初はレコードとカセットで発売し1986年にCDで再販となったようです。
 この当時私はハード・ロック小僧でありましたが、この録音だけは、テープだけに擦り切れるほど、伸びるほどに聴きこみんだもので懐かしの音源です。昔は、このアルバムをカセットで聴いていると「あら、きれいな英語ねえ、日本人なの?へえ」と、私の英語の先生だった亡き母が言いましたが、ということは「セックス・ピストルズ」を、かけていても歌詞の中身までわかっていたのかと、お恥ずかしい。
 このアルバムは、かなりほれ込んでいましたので大人になってから、PC駆使してのダビングで私も一人アカペラの多重録音をまでしてしまいました。


 それでは懐かしのアルバムを聴きながらレビューです。You Belong To Me オリジナルは、第二次世界大戦で海外に従軍している愛しい人を思うアメリカ女性の願いを込めて「Hurry Home to Me」で Chilton Price が作曲したが、戦時下の歌から離れたラブ・ソングに書き換えた作品で Pee Wee King、Chilton Price、Redd Stewart の3人の共作とされています。Sue Thompson、Patti Page、Jo Stafford などが歌ってヒットした作品です。広がりのあるコーラスから始まり情感を込めた歌い方で最初のインパクトも相変わらず強力です。Close Your Eyes 吉田美奈子も参加しての掛け合いが魅力のラブバラードで、Chuck"King Of Stroll"Willis による作品。部屋を真っ暗にして聴くと迫力も満点です。Spanish Harlem これは Ben E King がソロになって最初に放ったヒット曲です。オリジナルはストリングが入っていますが、ここではシンプルな構成で、ピアニカによる間奏が郷愁を誘うアレンジとなっています。Alone アップテンポで軽く楽し気なコーラスが印象的な曲です。Shepperd Sisters の1957年ですが、Four Seasons 1964年のバージョンが、このアレンジの元とのこと。このアカペラをコピーしてみて自分で吹き込んだこともありました。Most Of All 1955年に Moonglows が発表した作品です。最後のサビの歌い上げに、特にこだわりを感じます。Remember Me Baby これも宅録でコピーしました。Barry Mann Cynthia Well の作品で、山下達郎氏は最も敬愛するソングライターとのこと。軽快な楽曲で素晴らしい曲ですがヒット曲ではなかったらしいです。Blue Velvet 切ないイントロで、その後の広がりも素晴らしい。沢山の人にカバーされている名曲ですが、1955年 Clovers の曲がこのアレンジの元であるとのこと。Wind Nolan 1954年の Nolan Strong & The Diablos のヒット曲で元曲はもっと長いですが、ここでは 2分10秒になっています。山下達郎氏が最初にアカペラにトライアルした曲とのことです。確かにアレンジはこのアルバムの中ではシンプル。Drip Drop このアルバムでは珍しく、手拍子、パーカッションなどを入れたリズミカルなアレンジで、ブルースベースですがポップなところもある曲になっています。That's My Desire 山下達郎氏のコンサートのクロージング・ナンバーにも起用されていたオールドな雰囲気たっぷりのスタンダードです。
 聴いている曲の数が、私たち凡人とは圧倒的に違うのがわかります。そのエッセンスを詰め込んでいただいたとのアルバムですので詰まらんわけがありません。ですが、セールス的にはほぼ失敗とwikiには書いてありました。私としては「大絶賛!!」で「第2作」より思い入れが強いです🎶

1. You Belong To Me
2. Close Your Eyes
3. Spanish Harlem
4. Alone
5. Most Of All
6. Remember Me Baby
7. Blue Velvet
8. Wind
9. Drip Drop
10. That's My Desire

山下氏の楽曲はおそらく著作権で youtube はダメなようです






  

2025年1月1日水曜日

Joni Mitchell / Clouds

 

 ジョニ・ミッチェルがウッドストックの年の1969年に発表した2枚目のアルバムです。録音はロサンゼルスのA&Mスタジオで、タイトルの Clouds とは「雲」という意味ですが、「青春の光と影」という邦題が付けられています。よくある飛躍しすぎた意訳かと思っていたら最後の Both Sides, Now が「青春の光と影」ですから、Clouds は無視して楽曲の邦題をアルバムタイトルにしているのかと、なるほど。
 

 アルバムは全曲彼女自身のアコースティック・ギターとキーボードによる弾き語りで、Stephen Stills が一部ギターとベースで参加しているとの情報有りますが、ライナー・ノーツに名前のクレジットはありませんでした。私が若い20代の頃もジョニ・ミッチェルの存在を知って楽曲もラジオなどで聴いてはいましたが、フォーク・ソングに興味もなく好んで聴くこともありませんでしたが、オジサンになってからジャコが入り口となり興味あるアーティストの一人となりました。最初は Shadws And Light を聴いてジャンルレスに聴く人を惹きつけるボーカルに心を打たれ、このフォーク時代まで遡って聴いています。フォークではありますが、彼女のこの孤高のスタイルの素晴しさにも、ゆっくり聴いていると心打たれるものがあります。


 さて再度聴きながら、レビューしてみます。Tin Angel 哀しいメロディで淡々と歌われているのは、新しい恋人に出会ったものの、価値観の違いに気づいてしまった歌です。 Chelsea Morning このアルバムはしっとり系の曲が多いのですがアップテンポの曲で、彼女がニューヨークの北にあるチェルシーに住んで生活を始めたことを描いています。I Don't Know Where I Stand 自分がわからなくなってしまう女性の心理を描いた曲で、澄んだ細い歌声に透き通った美しさを感じる曲です。That Song About The Midway フェアで見かけた男性を追っていく話です。何か物語が、このアルバムにはあるようです。Roses Blue 変則チューニングでしょうか。不安定なコードの流れに怪しいメロディ。禅と占いに凝った女性のことが題材です。なるほど。The Gallery 少女っぽい歌い方で可愛らしい。浮気な男の虜になった女性の話しですね。I Think I Understand 森の光と黒さに例えながらのドラッグの歌とのことです。何か哀しい訴えがメロディーにあります。Songs To Aging Children Come 誰しもが年老いていく子供になっていくとのこと。これも変則チューニングっぽい怪しさがコードにあります。The Fiddle And The Drum 伴奏無しの歌曲です。同じ目的を持っていてもやり方が違うために別れなければならない人のことが歌われています。凛として張り詰めた雰囲気に何か強い意志を感じる曲です。Both Sides, Now 最後にテーマ曲で、やはり、このアルバムの中でのカギとなる曲です。この曲は1967年3月にミッチェルが飛行機の中で書き上げたもので、歌詞はソール・ベローの小説「雨の王ヘンダソン(Henderson the Rain King)」から来ているものです。天使の髪の流れ、空に浮かぶアイスクリームのお城、至る所にある羽のような谷間・・と色々な物事の表と裏が歌詞の中に出てきますが、やはり物語的なものになっています🎶

Rows and floes of angel hair
And ice cream castles in the air
And feather canyons everywhere
I've looked at clouds that way

But now they only block the sun
They rain and snow on everyone
So many things I would have done
But clouds got in my way

雨の王ヘンダソン

vocals, guitar, keyboards, composed and arranged by : Joni Mitchell
bass, guitar : Stephen Stills

recorded at A&M Studios

1. Tin Angel
2. Chelsea Morning
3. I Don't Know Where I Stand
4. That Song About The Midway
5. Roses Blue
6. The Gallery
7. I Think I Understand
8. Songs To Aging Children Come
9. The Fiddle And The Drum
10. Both Sides, Now





  

2024年12月6日金曜日

Norah Jones / Come Away With Me


 「第45回グラミー賞」8部門に輝いたこともあり、2002年度を代表する作品となった本作は、音楽関係の雑誌では特集だらけだったので気になって新品購入したものです。初聴きではカントリー・ミュージックを強めに感じ、ポップでもあるためジャズでのジャンル分けに違和感がありますが、幅広い音楽的な素養とゆったり感が心地よいし、スモーキーな歌声が魅力的で年季の入ったシンガーのようにも聞こえ、22歳デビュー作にして大物を感じました。
 父はインドで最も有名な音楽家でビートルズにも影響を与えたシタール奏者の Ravi Shankar(ラヴィ・シャンカル)で、異母妹はイギリス人シタール奏者の Anoushka Shankar(アヌーシュカ・シャンカル)と音楽系家族を持つジャズ・シンガー、ピアニストで女優もされているらしい。


 それでは、今やひと昔前の懐かしいアルバムとなってしまった Come Away With Me をレビューしていきます。トップは、まるで昔からのポピュラーソングのような Don’t Know Why で、どこか懐かしい響きを持つ曲です。作曲は、メンバーの Jesse Harris です。ブラシで演奏される細やかなリズムと、アコースティックギター、ウッドベース、ピアノも歌の伴奏に添えるようにガラスのように繊細な響きです。一番心に残る曲かもしれません。このアルバムの発売は2002年2月26日であり、2001年 9・11テロの半年後です。全世界が衝撃と悲しみを未だひきづっているころに、この曲を耳にして涙した人は多いかと思います。またこの曲を聴くとそんなことを思い出してしまう人も多いのではないでしょうか。次の Seven Years は、メンバーの Lee Alexander が作曲の暖かみのある楽曲で、Kevin Breit のアコースティックギターが心地よいです。ノラの小さな曲を手に包み込むように静かな歌もしんみりときます。Cold Cold Heart は カントリー歌手の Hank Williams が1951年にリリースのカバーです。ここではのアレンジではジャズになっていて静かでムーディーなサウンドです。Feelin' the Same Way では、がらりと変えてポップでカントリーになり、しんみり気分から楽しい気分に少し上げてくれます。Come Away with Me は、ノラ本人にによる作詞・作曲のバラードです。Come away with me, in the night Come away with me And I will write you a song Come away with me, on a bus  And I wanna walk with you On a cloudy day In fields where the yellow grass grows knee-high So won't you try to come とかすれ気味にささやきながら歌うノラに、これも心動かされます。Shoot the Moon は1曲目の Don't Know Why を作曲したJesse Harris の2曲目で、優しく流れるようなメロディーラインです。Turn Me On は、3曲目となるカバー曲で、1961年の John D. Loudermilk の楽曲です。ノラはゆったりと力強い歌い方に変えています。なんとなく耳覚えもあるのが嬉しいですね。Lonestar はメンバーの Lee Alexander)が作曲したカントリーナンバーです。こういった曲を聴くとザ・アメリカを感じます。I've Got To See You Again は、これまでとは違うバイオリンを入れた時代を感じさせるサウンドで、また歌い方を変えています。Painter Song はメンバーの Lee Alexander に JC Hopkins が作曲に参加しています。オールド・ラグ調の楽曲で、ライブハウスで椅子に腰かけながら歌いかけてくるような近い感じが魅力です。これも素敵な曲ですね。One Flight Down は、とても暖かいサウンドで、これも親しみやすいキャッチーなメロディーで好みです。Nightingale は、ポップなフォークです。広がりのあるサウンドで、また違う魅力をこのアルバムに与えています。The Long Day Is Over は、このアルバム唯一の Jesse Harris, Norah Jones の共作です。ゆったりしたバラードで、ノラのボーカルの深さを表現できる曲になっています。噛みしめるように歌うノラが居ます。ラストは The Nearness of You で 1940年のHoagy Carmichael, Ned Washington のカバーのジャズ・ブルースです。ノラの弾き語りスタイルでの演奏で、雰囲気がとても良い。
 ノラのファンでは無かったけど、このアルバムは改めて聴き直して素晴らしい出来です。聴きながらオジサンがしんみりするのも、そうそうは有りません。一気に格上げですね。今日これを持って、音楽好きの集う「おでんバー」へ突撃します🎶

vocals : Norah Jones
piano : Norah Jones (1, 3, 5 to 7, 9 to 14)
electric piano : Norah Jones (4)
acoustic guitar : Adam Levy ( 8, 10), Jesse Harris (1, 5, 6, 9, 11 to 13), Kevin Breit (2, 4), Tony Scherr ( 8)
electric guitar : Adam Levy (3, 5, 6, 9, 11, 12), Bill Frisell (13), Jesse Harris (1), Kevin Breit ( 4, 13)
guitar : Adam Rogers(7)
resonator guitar : Kevin Breit ( 2)
slide guitar : Tony Scherr ( 8)
organ : Sam Yahel (6, 7, 11)
organ : Rob Burger (8)
bass : Lee Alexander (1 to 13)
drums : Brian Blade (2, 4, 6, 8 to 10, 12), Dan Rieser (1, 5, 7, 11), Kenny Wollesen (13)
percussion : Brian Blade ( 2, 9)
accordion : Rob Burger (10)
violin : Jenny Scheinman (9, 11)

producer : Arif Mardin (1, 3, 5 to 12, 14)
recorded at Sorcerer Sound, New York City and Allaire Studios, Shokan, NY.

1. Don't Know Why (Jesse Harris)
2. Seven Years (Lee Alexander)
3. Cold Cold Heart (Hank Williams)
4. Feeling The Same Way (Lee Alexander)
5. Come Away With Me (Norah Jones)
6. Shoot The Moon (Jesse Harris)
7. Turn Me On (J.D. Loudermilk)
8. Lonesutar (Lee Alexander)
9. I've Got To Se You Again (Jesse Harris)
10. Painter Song (Lee Alexander)
11. One Flight Down (J.C. Hopkins, Lee Alexander)
12. Nightingale (Jesse Harris)
13. The Long Day Is Over (Jesse Harris, Norah Jones)
14. The Nearness Of You (Hoagy Carmichael, Ned Washington)





  

2024年11月10日日曜日

Take 6


 グループ名がデビューアルバムのタイトルになっている「TAKE6」で発売は1989年。Take6 はアメリカ・アラバマ州のクリスチャン学校で結成されたコーラス・グループで結成当初はなんと学校のトイレで練習をする事が多かったとか。学校生活の中でメンバーチェンジが幾度もなされ1987年に Take6 となったそうです。
 デビューまでゴスペルを重要視したいとのことでレーベルにアタックしていたそうですが、あきらめかけていた時に、メジャーレーベルの Warner Bros(ワーナー・ブラザーズ)のディレクター Jim Ed Norman に目が留まり、メジャーデビューが決まったそうです。ゴスペル・グループとして別のレーベルでデビューしていたら、このようなヒットもなくて私も聞いてはいなかった可能性があります。さすがワーナーブラザーズ。
 ゴスペル要素を強くしながら、R&B色よりもジャズ要素を盛り込んだ上品で丁寧なアレンジが素晴らしいアルバムです。このアルバムを手にした時は、それまでコーラスグループなんて聞かなかったのに直ぐにファンになり、当時車の中で大音量にして聞いて一緒に歌っていたことを思い出します。特におすすめは 「Spread Love」 で奥行きのある広がりのあるコーラスワークとノリが最高です。


 昔から愛聴してきているアルバムで、購入したころは釣りに行くときに車の中で爆音でかけながら一緒に歌っていた記憶があります。相当聴きこんでいますが、最近聴いていなかったので久しぶりに聴いてレビューしてみます。Gold Mine イントロではオーケストラの最初のチューニングのような音がしますが肉声以外は入っていません。ジャズタイプの曲で、But this time I found Gold Mine in you と何か神々しいまでの愛が歌のテーマです。 Spread Love ゴスペルタイプの素晴らしい曲で奥行きがあって大きな愛を感じる大好きな曲です。 If We Ever Needed the Lord Before (We Sure Do Need Him Now) 長いタイトルですが、ライナーノーツの曲名は、 If We Ever だけです。歌詞の内容的には、ほぼ讃美歌で要するにゴスペル曲ですね。Quiet Place, A これはリズムよりも旋律とハーモニーを聴かせる美しい曲で、There is a quiet place Far from the rapid pace Where God can soothe my troubled mind と人類への愛を歌っています。Mary またゴスペルタイプの楽曲です。歌詞の内容は聖書の中のモーセの十戒あたりですね。David and Goliath ダビデとゴリアテの話しですね。これも聖書の中にあったような気がします。物語的な展開でイメージ的にはディズニーアニメの世界観で劇場仕立てです。Get Away Jordan ヨルダンから離れろですか、これも宗教歌です。ヨルダン川を渡って主に会いたいと、ひたすら歌います。5曲目から9曲目までは作曲者が書いていないのは、実際に教会で歌っていた曲で作者不明なののかと思われます。He Never Sleeps 夜も昼も寝ないで見守ってくれているのは当然神ですね。きれいなハーモニーです。Milky-White Way 神にイエスに会いに行かないかい、とひたすら歌います。Let the Words 最後の締めくくりは、Let the words of my mouth bring You praise この言葉があなたを讃える言葉でありますように
 メンバーチェンジも若干あるものの定期的にアルバムをリリースし、現時点では2018年が最後のアルバムリリースとなっています。
 私は小さい頃から教会に行っていました。日本のカトリック教会なのでゴスペルは歌いませんでしたが、フォーク風の歌を讃美歌の代わりに歌うミサなどはありましたので、世界観はなんとなく理解できるのもあって好きなんだと思います。いや何回聴いても音も素晴らしいですが世界観が良いですね🎶

vocals :
Alvin Chea
Cedric Dent
Claude V. McKnight III
David Thomas 
Mark Kibble
Mervyn E. Warren

producer : Claude McKnight, Mark Kibble, Mervyn Warren
executive-producer : Jim Ed Norman

1. Gold Mine (C. McKnight, M. Warren)
2. Spread Love (C. McKnight, M. Kibble, M. Warren)
3. If We Ever Needed the Lord Before (We Sure Do Need Him Now) (Thomas A. Dorsey)
4. Quiet Place, A (R. Carmichael)
5. Mary
6. David and Goliath
7. Get Away Jordan
8. He Never Sleeps
9. Milky-White Way
10. Let the Words (G. Hamilton)





  

2023年12月23日土曜日

The Bodyguard


 1992年のケビン・コスナーとホイットニーの競演する映画「ボディガード」のサントラです。ホイットニーは人気歌手レイチェル・マロン役を務め、ケビン・コスナーが警備を担当していました。ちなみに、この主題歌は映画製作の慣例と異なり撮影現場でホイットニー・ヒューストンのツアーバンドを呼び寄せて撮影したライブ録音で無編集・無修正のものが使用されていました。この時はホイットニーは若くて細身でお美しい、まさに歌姫でした。2012年に亡くなったのは48歳でグラミー賞前日に浴槽で亡くなっています。遺体からはコカインが検出されていたとのことで2000年から薬物の使用を告白していたんですが、やめられなかったんですね。悲しいことです。


 サントラではありますが、バラードあり、ロックあり、映画も良かったけどこのサントラも素晴らしい。

 

 それでは、懐かしさを込めて聴き直してみます。I Will Always Love You は渾身のバラードです。ホイットニーの独唱から始まりしなやかで細い歌声が浸みます。I Have Nothing もバラードですが、力いっぱいの力みどころがいっぱいあって感動の名作。I'm Every Woman は、もともとは、Chaka Khan の楽曲でアルバムから2枚目のシングルとしてカットされているダンサブルな楽曲で「全てを兼ね備えた女」ってカッコ良い歌詞ですね。Run To You で、恋する女の歌に変わります。こんなに激しく駆け寄ってきてくれたら幸せいっぱいです。Queen Of The Night で、やんちゃなロック姫が誕生します。I Have Nothing も好きだけど一度聴くと暫く口ずさんでしまう良ロック。Jesus Loves Me は、ゴスペル調のポップな讃美歌。幸せあふれる様子が思い浮かぶ楽曲です。Even If My Heart Would Break は、Neville Brothers の Aaron Neville と Kenny G のコラボです。People get ready と同じコード進行と似たメロディですが異なる曲で頭が少し混乱する楽曲といつも思ってしまいます。Someday (I'm Coming Back) は、1990年代のディスコ・クラブシーンへの功績の大きい Lisa Stansfield のボーカル。上手いんだけどホイットニーと同じサントラへの楽曲参加は分が悪いですね。It's Gonna Be A Lovely Day は、Bill Withers  A Lovely Day ラップ・カバーで大ヒットでした。適度にポップさも加わって感じの良いラップです。 (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding は、パブロックバンド Brinsley Schwarz のヒット曲の Curtis Stigers ですが、Elvis Costello のバージョンが好きでした。いや懐かしの楽曲。Waiting For You は、これからホイットニーが歌うのかと思っていたら最後まで Kenny G でした。Trust In Me は、 Joe Cocker Featuring Sass Jordan 軽く大人の貫録のロック。これも良い。Theme From The Bodyguard は、パットメセニーっぽい大地を感じる楽曲になっています。Alan Silvestri の楽曲です。
 サントラとしても懐かしく聴けますがオムニバス・アルバムとしても楽しめますね。ホイットニー以外にも良い楽曲があったのを久々に思い出しました🎵

1. I Will Always Love You
2. I Have Nothing
3. I'm Every Woman
4. Run To You
5. Queen Of The Night
6. Jesus Loves Me
7. Even If My Heart Would Break / Kenny G  & Aaron Neville
8. Someday (I'm Coming Back) / Lisa Stansfield
9. It's Gonna Be A Lovely Day / The S.O.U.L. S.Y.S.T.E.M. 
10. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding / Curtis Stigers
11. Waiting For You / Kenny G
12. Trust In Me / Joe Cocker Featuring Sass Jordan 
13. Theme From The Bodyguard






  

2023年12月16日土曜日

Frankie Goes To Hollywood / Welcom To The Pleasuredome


 このアルバムを聴いた時にはとんでもない才能が現れたと思ってましたし、これだけの音楽性がありながら、まさかの一発屋になってしまうとは思いませんでした。この手のシンセサウンドのロックは当時ニューウェイブって呼ばれてて、私は全く聴いてなかったんですけどこのアルバムは大爆発のヒットだったのでさすがにかなり耳にしていましたので、中古CD屋で見つけたときにあまりの懐かしさに思わず購入してしまいました。
 アート・オブ・ノイズやバグルズ、イエスといったプログレ・バンドをプロデュースしたTrevor Horn(トレバー・ホーン)が、ダンス音楽の世代に向けてプログラミングを取り入れて作った作品です。コンピューターの発達した現代では楽器のできないミュージシャンも多数存在しますが、このアルバム発売当時の1984年はアップルがMacintoshを発表NECはPC9801でMS-DOS、5インチのフロッピーでグラフィックがやっと8色になった時代でした。当然ディスプレイはブラウン管でした。


 音楽界ではサンプラーが発達しはじめた頃で1983年にはイエスが、フェアライトCMIというサンプラーでオーケストラ・ヒットを使用した楽曲「ロンリー・ハート」を発表、1981年にはイエロー・マジック・オーケストラがサンプラーLMD-649を使用したアルバム「テクノデリック」を発売しています。ここらへん調べていると楽しい。


 そんな時代に、テクノロジーの進歩によってサンプリング、打ち込みでここまでの見事な「擬似プログレ」を作れたわけです。その技術的、芸術的に高度なアルバムで、歌詞にSM行為が描写されたり排尿音などが入っているが問題ともなり多くの国で放送禁止となりました。Two Tribes は米ソ冷戦と核戦争の危機について歌われていたりします。このアルバムでは扱われているところがパンク的。ニューウェイブですがプログレ的要素、思想的にはパンクなどが入り混じり革新的でありながら退廃的。、ゲイであることをカミングアウトしたり、話題性が先行したショー的な要素が強かったような気もします。ちなみにスティーブハウなんかも参加してたりします。リラックスのドラムはジョン・ボーナムのサンプリング。


lead vocals : Holly Johnson
backing vocals : Paul Rutherford
guitar : Brian Nash
bass guitar : Mark O'Toole
drums : Peter Gill

additional personnel
keyboards, programming, software : J. J. Jeczalik
keyboards : Andy Richards
percussion : Luís Jardim
keyboards, string arrangement on "The Power of Love" : Anne Dudley 
guitar : Stephen Lipson
acoustic guitar (on "Welcome to the Pleasuredome") : Steve Howe
backing vocals, bass guitar : Trevor Horn

producer : Trevor Horn

1. The World Is My Oyster (Including Well, Snatch Of Fury)
2. Welcome To The Pleasuredome
3. Relax
4. War
5. Two Tribes
6. Including The Last Voice
7. Born To Run
8. Happy Hi
9. Wish(The Lads Were Here)
10. Including The Ballad Of 32
11. Krisco Kisses
12. Black Night White Light
13. The Only Star In Heaven
14. The Power Of Love
15. Bang





  

2023年11月5日日曜日

The Jackson 5 / Greatest Hits

 

 Disk Union で、中古CDのソウル・コーナーを見ていたら、このアルバムを発見し懐かしさもあり即購入しました。アメリカで The Jacson5 が流行っていたと同時に日本でもフィンガー5 が完全に名前を意識して活躍していました。フィンガー5は1972年から1978年に活動、Jackson 5 は、1969年から1989年で本家は活動期間が長いですね。どちらも特にファンであったと言うことではりませんが、色々な場所で、とにかく良く流れていましたから色々な曲が耳に残っています。


メンバーは、下記の通り。5男は参加していないようです。
Jackie Jackson 長男 1962 - 1990・2001・2012-
Tito Jackson 次男 1962 - 1990・2001・2012 - 
Jermaine Jackson 三男 1962 - 1975・1984 - 1990・2001・2012 - 
Marlon Jackson 四男 1963 - 1987・2001・2012 - 
Michael Jackson 六男 1963 - 1984・2001
Randy Jackson 七男 1975 - 1990・2001


 さてレビューです。1曲目は、1969年のデビュー曲 I Want You Back メイン・ボーカルの Michael Jackson 11歳の時です。兄たちとのハーモニーも美しく、モータウン独特のサウンドは素晴らしい。現代でも十分通用する楽曲です。今まで気づきませんでしたがデビュー曲ですがバックにはストリングスが入っていますね。デビュー曲から豪華なサウンドでレーベルの期待の高さが最初から伺えます。次いで、ABC も、大ヒット曲です。マイケルのほ非凡な歌唱力、兄弟たちとの掛け合いも素晴らしい。楽器の演奏力の高さ、アレンジも素晴らしい。Never Can Say Goodbye は、典型的なソウルの楽曲ですが、伸びのあるマイケルの歌声と丁寧な歌いまわしで大人には出せない魅力ある作品になっています。Sugar Daddy は、モータウンですが少しロックっぽい曲ですね。踊りだしたくなるような跳ねたリズムが印象的です。I'll Be There は、少女のようなマイケルの歌声から始まるスローナンバーで切ないような歌声での楽曲が耳に残ります。Maybe Tomorrow ここらへんは、ビートルズとかも意識したような曲の出だし。このアルバムの中では曲としては弱いような感じです。 The Love You Save デビュー曲のような作りの曲で、良い曲ではありますが、少しネタ詰まり感が出ているような気もします。Who's Lovin You どっぷりソウル・ブルースですね。大人がダミ声で歌って味がでるタイプの曲ですが、正確な音程とリズム感できっちりと歌い上げることにより、このようなタイプの曲でまた違った魅力が出ています。でも背伸びしている感じがあるかな。 Mama's Pearl で、またモータウンサウンドに戻ってきます。ネタ詰まり感はあるものの、基本この路線で押していかなければファンは納得しないのでしょう。派手さはあって良いものです。Goin' Back To Indiana オールディーズですね。コンサートにはこういった曲もあった方が盛り上がります。演奏するバンドのメンバーは単純な進行で考えずに演奏できる、このタイプの曲は楽しいでしょう。そのように最後の方は盛り上がっています。I Found That Girl 締めの曲は、典型的なソウルです。リードボーカルは兄の誰かがとっています。それもワイルドで良いでしょう。
 若い頃に聴いていた音は、無条件に心地よいものです。Jackson 5 のアルバムを全て揃えようとは思いません。ベスト・アルバムを聴いて懐かしむにはちょうど良いアルバムです。映像を探していたら Ed Sullivan Show とか出てきましたがモロに口パクですね。そんな時代でもありました🎵

executive producer : Berry Gordy

1. I Want You Back
2. ABC
3. Never Can Say Goodbye
4. Sugar Daddy
5. I'll Be There
6. Maybe Tomorrow
7. The Love You Save
8. Who's Lovin You
9. Mama's Pearl
10. Goin' Back To Indiana
11. I Found That Girl