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2023年12月23日土曜日

The Bodyguard


 1992年のケビン・コスナーとホイットニーの競演する映画「ボディガード」のサントラです。ホイットニーは人気歌手レイチェル・マロン役を務め、ケビン・コスナーが警備を担当していました。ちなみに、この主題歌は映画製作の慣例と異なり撮影現場でホイットニー・ヒューストンのツアーバンドを呼び寄せて撮影したライブ録音で無編集・無修正のものが使用されていました。この時はホイットニーは若くて細身でお美しい、まさに歌姫でした。2012年に亡くなったのは48歳でグラミー賞前日に浴槽で亡くなっています。遺体からはコカインが検出されていたとのことで2000年から薬物の使用を告白していたんですが、やめられなかったんですね。悲しいことです。


 サントラではありますが、バラードあり、ロックあり、映画も良かったけどこのサントラも素晴らしい。

 

 それでは、懐かしさを込めて聴き直してみます。I Will Always Love You は渾身のバラードです。ホイットニーの独唱から始まりしなやかで細い歌声が浸みます。I Have Nothing もバラードですが、力いっぱいの力みどころがいっぱいあって感動の名作。I'm Every Woman は、もともとは、Chaka Khan の楽曲でアルバムから2枚目のシングルとしてカットされているダンサブルな楽曲で「全てを兼ね備えた女」ってカッコ良い歌詞ですね。Run To You で、恋する女の歌に変わります。こんなに激しく駆け寄ってきてくれたら幸せいっぱいです。Queen Of The Night で、やんちゃなロック姫が誕生します。I Have Nothing も好きだけど一度聴くと暫く口ずさんでしまう良ロック。Jesus Loves Me は、ゴスペル調のポップな讃美歌。幸せあふれる様子が思い浮かぶ楽曲です。Even If My Heart Would Break は、Neville Brothers の Aaron Neville と Kenny G のコラボです。People get ready と同じコード進行と似たメロディですが異なる曲で頭が少し混乱する楽曲といつも思ってしまいます。Someday (I'm Coming Back) は、1990年代のディスコ・クラブシーンへの功績の大きい Lisa Stansfield のボーカル。上手いんだけどホイットニーと同じサントラへの楽曲参加は分が悪いですね。It's Gonna Be A Lovely Day は、Bill Withers  A Lovely Day ラップ・カバーで大ヒットでした。適度にポップさも加わって感じの良いラップです。 (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding は、パブロックバンド Brinsley Schwarz のヒット曲の Curtis Stigers ですが、Elvis Costello のバージョンが好きでした。いや懐かしの楽曲。Waiting For You は、これからホイットニーが歌うのかと思っていたら最後まで Kenny G でした。Trust In Me は、 Joe Cocker Featuring Sass Jordan 軽く大人の貫録のロック。これも良い。Theme From The Bodyguard は、パットメセニーっぽい大地を感じる楽曲になっています。Alan Silvestri の楽曲です。
 サントラとしても懐かしく聴けますがオムニバス・アルバムとしても楽しめますね。ホイットニー以外にも良い楽曲があったのを久々に思い出しました🎵

1. I Will Always Love You
2. I Have Nothing
3. I'm Every Woman
4. Run To You
5. Queen Of The Night
6. Jesus Loves Me
7. Even If My Heart Would Break / Kenny G  & Aaron Neville
8. Someday (I'm Coming Back) / Lisa Stansfield
9. It's Gonna Be A Lovely Day / The S.O.U.L. S.Y.S.T.E.M. 
10. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding / Curtis Stigers
11. Waiting For You / Kenny G
12. Trust In Me / Joe Cocker Featuring Sass Jordan 
13. Theme From The Bodyguard






  

2023年12月16日土曜日

Frankie Goes To Hollywood / Welcom To The Pleasuredome


 このアルバムを聴いた時にはとんでもない才能が現れたと思ってましたし、これだけの音楽性がありながら、まさかの一発屋になってしまうとは思いませんでした。この手のシンセサウンドのロックは当時ニューウェイブって呼ばれてて、私は全く聴いてなかったんですけどこのアルバムは大爆発のヒットだったのでさすがにかなり耳にしていましたので、中古CD屋で見つけたときにあまりの懐かしさに思わず購入してしまいました。
 アート・オブ・ノイズやバグルズ、イエスといったプログレ・バンドをプロデュースしたTrevor Horn(トレバー・ホーン)が、ダンス音楽の世代に向けてプログラミングを取り入れて作った作品です。コンピューターの発達した現代では楽器のできないミュージシャンも多数存在しますが、このアルバム発売当時の1984年はアップルがMacintoshを発表NECはPC9801でMS-DOS、5インチのフロッピーでグラフィックがやっと8色になった時代でした。当然ディスプレイはブラウン管でした。


 音楽界ではサンプラーが発達しはじめた頃で1983年にはイエスが、フェアライトCMIというサンプラーでオーケストラ・ヒットを使用した楽曲「ロンリー・ハート」を発表、1981年にはイエロー・マジック・オーケストラがサンプラーLMD-649を使用したアルバム「テクノデリック」を発売しています。ここらへん調べていると楽しい。


 そんな時代に、テクノロジーの進歩によってサンプリング、打ち込みでここまでの見事な「擬似プログレ」を作れたわけです。その技術的、芸術的に高度なアルバムで、歌詞にSM行為が描写されたり排尿音などが入っているが問題ともなり多くの国で放送禁止となりました。Two Tribes は米ソ冷戦と核戦争の危機について歌われていたりします。このアルバムでは扱われているところがパンク的。ニューウェイブですがプログレ的要素、思想的にはパンクなどが入り混じり革新的でありながら退廃的。、ゲイであることをカミングアウトしたり、話題性が先行したショー的な要素が強かったような気もします。ちなみにスティーブハウなんかも参加してたりします。リラックスのドラムはジョン・ボーナムのサンプリング。


lead vocals : Holly Johnson
backing vocals : Paul Rutherford
guitar : Brian Nash
bass guitar : Mark O'Toole
drums : Peter Gill

additional personnel
keyboards, programming, software : J. J. Jeczalik
keyboards : Andy Richards
percussion : Luís Jardim
keyboards, string arrangement on "The Power of Love" : Anne Dudley 
guitar : Stephen Lipson
acoustic guitar (on "Welcome to the Pleasuredome") : Steve Howe
backing vocals, bass guitar : Trevor Horn

producer : Trevor Horn

1. The World Is My Oyster (Including Well, Snatch Of Fury)
2. Welcome To The Pleasuredome
3. Relax
4. War
5. Two Tribes
6. Including The Last Voice
7. Born To Run
8. Happy Hi
9. Wish(The Lads Were Here)
10. Including The Ballad Of 32
11. Krisco Kisses
12. Black Night White Light
13. The Only Star In Heaven
14. The Power Of Love
15. Bang





  

2023年11月5日日曜日

The Jackson 5 / Greatest Hits

 

 Disk Union で、中古CDのソウル・コーナーを見ていたら、このアルバムを発見し懐かしさもあり即購入しました。アメリカで The Jacson5 が流行っていたと同時に日本でもフィンガー5 が完全に名前を意識して活躍していました。フィンガー5は1972年から1978年に活動、Jackson 5 は、1969年から1989年で本家は活動期間が長いですね。どちらも特にファンであったと言うことではりませんが、色々な場所で、とにかく良く流れていましたから色々な曲が耳に残っています。


メンバーは、下記の通り。5男は参加していないようです。
Jackie Jackson 長男 1962 - 1990・2001・2012-
Tito Jackson 次男 1962 - 1990・2001・2012 - 
Jermaine Jackson 三男 1962 - 1975・1984 - 1990・2001・2012 - 
Marlon Jackson 四男 1963 - 1987・2001・2012 - 
Michael Jackson 六男 1963 - 1984・2001
Randy Jackson 七男 1975 - 1990・2001


 さてレビューです。1曲目は、1969年のデビュー曲 I Want You Back メイン・ボーカルの Michael Jackson 11歳の時です。兄たちとのハーモニーも美しく、モータウン独特のサウンドは素晴らしい。現代でも十分通用する楽曲です。今まで気づきませんでしたがデビュー曲ですがバックにはストリングスが入っていますね。デビュー曲から豪華なサウンドでレーベルの期待の高さが最初から伺えます。次いで、ABC も、大ヒット曲です。マイケルのほ非凡な歌唱力、兄弟たちとの掛け合いも素晴らしい。楽器の演奏力の高さ、アレンジも素晴らしい。Never Can Say Goodbye は、典型的なソウルの楽曲ですが、伸びのあるマイケルの歌声と丁寧な歌いまわしで大人には出せない魅力ある作品になっています。Sugar Daddy は、モータウンですが少しロックっぽい曲ですね。踊りだしたくなるような跳ねたリズムが印象的です。I'll Be There は、少女のようなマイケルの歌声から始まるスローナンバーで切ないような歌声での楽曲が耳に残ります。Maybe Tomorrow ここらへんは、ビートルズとかも意識したような曲の出だし。このアルバムの中では曲としては弱いような感じです。 The Love You Save デビュー曲のような作りの曲で、良い曲ではありますが、少しネタ詰まり感が出ているような気もします。Who's Lovin You どっぷりソウル・ブルースですね。大人がダミ声で歌って味がでるタイプの曲ですが、正確な音程とリズム感できっちりと歌い上げることにより、このようなタイプの曲でまた違った魅力が出ています。でも背伸びしている感じがあるかな。 Mama's Pearl で、またモータウンサウンドに戻ってきます。ネタ詰まり感はあるものの、基本この路線で押していかなければファンは納得しないのでしょう。派手さはあって良いものです。Goin' Back To Indiana オールディーズですね。コンサートにはこういった曲もあった方が盛り上がります。演奏するバンドのメンバーは単純な進行で考えずに演奏できる、このタイプの曲は楽しいでしょう。そのように最後の方は盛り上がっています。I Found That Girl 締めの曲は、典型的なソウルです。リードボーカルは兄の誰かがとっています。それもワイルドで良いでしょう。
 若い頃に聴いていた音は、無条件に心地よいものです。Jackson 5 のアルバムを全て揃えようとは思いません。ベスト・アルバムを聴いて懐かしむにはちょうど良いアルバムです。映像を探していたら Ed Sullivan Show とか出てきましたがモロに口パクですね。そんな時代でもありました🎵

executive producer : Berry Gordy

1. I Want You Back
2. ABC
3. Never Can Say Goodbye
4. Sugar Daddy
5. I'll Be There
6. Maybe Tomorrow
7. The Love You Save
8. Who's Lovin You
9. Mama's Pearl
10. Goin' Back To Indiana
11. I Found That Girl





  

2023年9月15日金曜日

Brigitte Fontaine / Kékéland

 

 女優、歌手、作詞家、詩人、小説家などの様々な顔を持ち、音楽は、ロック、フォーク、ジャズ、ワールドミュージックなど、多くの音楽のスタイルを融合させフランスのカリスマ的アーティスト Brigitte Fontaine。ディスク・ユニオンのジャズ・ボーカルの棚にこれがあったので、たまたま手に取って購入してみたのが、Areski Brigitte Fontaine / Le bonheur 1969 気になっていた一枚を友人が持っていたのを見て貸してもらったのが Brigitte Fontaine / Comme A La Radio 1975 と、このアルバム。Le bonheur はフォーキーな感じ、Comme A La Radio は、演劇でも見ているかのようなに目まぐるしく場面が変わる世界観が不思議でアバンギャルド。そして、これは、また違った一面が感じられる不思議なアルバムです。Virgin France から、2001年発売の進化系です。ロック、タンゴ、シャンソン、ダブ、アラブなど、敢えてジャンルを変えているのか混沌としたつくりにしているのがアバンギャルドな味を出しています。年代は新しいので、1,5曲目では ノイズ・パンクの Sonic Youth がバックで、ノイズギターとストリングスを合わせるなどアイデアも斬新で、売れるアルバムつくりに、Sonic Touth を迎えた訳ではないことがわかり、ここらへんも凄いと感心してしまいます。


 先に聴いてきた2枚目のアルバムは、なんとなく呪術的な感じのある狂気が感じられましたが、このアルバムは呪術系を感じさせるささやき系ボーカルではなく、力強いボーカルでポップな感じがしますので比較的聴きやすいように感じます。
 ということでレビューです。Demie Clocharde は、聴きやすいポップのように始まりますが途中からノイズ系のギターが入ってきます。でも、そんなにストレンジな感覚にはならず、心して聴き始めたのに意外と普通だねとなります。そして Bis Baby Boum Boum については、あれっパンクじゃないの?となり、こういう変化なのかと思いながら聴き進めると、Pipeau では出だしはクラッシュ風のタンゴです。なるほど。Y'A Des Zazous も出だしは歪んだギターがギリギリと鳴りながらポップな曲です。そしてボーカルの力強さと破裂音を強調したボーカルでニナ・ハーゲンっぽいかなと思わせます。しかし主題曲でもある Kékéland では、怪しい感じの曲調になり、ここら辺が、私の Brigitte Fontaine のイメージの曲です。異次元的な雰囲気に何故かホッとして意外とあっさりと終わることに気づきます。全体的に曲の長さは短めで聴きやすいことに気づきます。Je Fume は、ダブですね。普通の人でも違和感なく聴ける非常にポップな曲で何か物足りません。良い曲ですけどね。そして Je T'Aime Encore は、伝統的な歌曲風。狂気は感じられないのがこれも物足りませんが、ああこの人は演劇もやる方なんだなあと再認識。God'S Nightmare は、クラブ風の出だしにフォーク要素を入れたポップ・ロックです。ここらへんで場面がクルクル変わる演劇を見ているような不思議な感覚になり、Guadalquivir で、リュートの響きが中東のヤツになります。ドンドンネタが変わり、ここら辺でも、おそらく脳みそが揺らされています。Les Filles D'Aujourd'Hui でフレンチ・ソフト・ロックですか。Rififi はワールド系でサビが来たら、激しいロックになりそうな曲調で進んでいきますがサビが来ないで終了します。また頭がバグります。ここら辺は天才的ですね。そして Profond は演劇の中の歌曲のような感じとなり Nrv は、クラブ、ソウル、フリー・ジャズ、などをごった煮にした感じで締めくくります。ある意味最後の曲は一番カッコ良いかもしれません。と思っていたら終わらず映画音楽のストリングスが流れるようなエンディングになります。いやいやアルバムを通して聴くとバグります。割と中毒性があるかもしれません🎵

vocals : Brigitte Fontaine
piano : Anna Sigalevitch, Camille Bazbaz, Jean-Claude Vannier, Jean-Eflam Bavouzet, Jean-Philippe Rykiel, Jim O'Rourke, Pierre Comblat
bass : Bobby Jocky
guitar : Oswaldo G. Nieto
lute : Thierry Agne
drums : Patrick Baudin, Philippe Entressangle
horns : Akosh Szelevényi, Didier Malherbe
conductor : Areski "Bokass" Belkacem

written by : Ali Belkacem (13), Areski Belkacem (1 to 3, 5, 6, 9 to 12), Bobby Jocky (8), Brigitte Fontaine (1 to 3, 5 to 13), Georges Moustaki (7)

producer : Areski (1, 5 to 7, 9, 12, 13)

#1, 3 to 13 Recorded & mixed at Studio Gang (Paris).
#2 Recorded & mixed at Studio Ferber (Paris).

1. Demie Clocharde
2. Bis Baby Boum Boum
3. Pipeau
4. Y'A Des Zazous
5. Kekeland
6. Je Fume
7. Je T'Aime Encore
8. God'S Nightmare
9. Guadalquivir
10. Les Filles D'Aujourd'Hui
11. Rififi
12. Profond
13. Nrv



▶ Nrv


  

2023年8月13日日曜日

Brigitte Fontaine / Comme A La Radio

 

 Brigitte Fontaine(ブリジット・フォンテーヌ)は、フランスの歌手でジャンル的にはアバンギャルド・ミュージックとされています。そして彼女はシャンソン史上、最も際立ったキャラクターと存在感を合わせ持つ女性シンガーとも言われています。フランスの歌と言えばシャンソンですが、定義としては、中世の吟遊詩人をルーツとした歌曲、フランス語の歌曲の総称とのことですので、古典的な歌でなくとも、フランス語の曲であればシャンソンを名乗ることができるわけで、フランス語で歌えば、フォークでも、ポップスでも、ジャズでもシャンソンと名乗ることが出来ます。私自身はフランスの歌手ものは聴いてこなかったので、Brigitte Fontaine が初体験となります。彼女のアルバムは Areski Brigitte Fontaine / Le bonheur に続く2枚目となります。DiscUnion でジャズボーカルの棚にあったものを見て、このアルバムと Le bonheur を見比べて購入したので気になっていました。Le bonheur も悪くは無かったのですが、好みという訳でもなかったため「おでんバー」の常連さんが、これを持っているのを見たときに、思わず「貸して!」となりました。


 聴いてみれば、最初に聴いた Le bonheur よりも前衛的。フランス語の持つ響きと呪術のようなささやきボーカルは強烈です。メンバーも Areski, Jacques Higelin そしてフリージャズの旗手 The Art Ensemble Of Chicago の名前があります。このアルバムの発売される1969年から1971年にかけてパリを拠点に活動していたとのこと。なるほど、このアルバムが際立っている訳もわかります。
 普段聞かないシャンソンですが、じっくり聴いてみます。出だしはタイトル曲「ラジオのように Comme à la radio」です。ジャズっぽくも聞こえるバックの演奏に、マイクを近づけてつぶやくように歌うのが不気味な雰囲気ですが、タイトル曲だけあってインパクトは強烈。何度も聴いていると様々な楽器の音がラジオにのって勝手に聴こえてくるようにも感じます。2曲目は Tanka II は日本語の「短歌」がテーマ。アフリカンなパカッションとベースが基本で日本っぽくはありません。次いで Le Brouillard は「霧」これもパーカッションがベースですがオリエンタルな管楽器のメロディーが迫力あります。段々とリバーブを深くかけて霧の彼方に恐ろしいものが消えていくようなイメージ。J'Ai 26 Ans は邦題「私は26歳」です。やはりおどろおどろしい雰囲気ではありますが、可愛らしい歌い方ではあるので清々しく聞こえないことも無い。お経のようでもある。L'Eté L'Eté もオリエンタルな感じです。軽い音色の弦楽器は lute でしょうか。曲調はフォークっぽいですね。邦題は「夏、夏」そして Encore 「まだ」は、セミの声の聞こえるところで可愛い女の子がささやくように歌い、つぶやいているイメージかた始まり、Leo で、フリージャズとなる演劇的な流れです。Les petits chevaux は「仔馬」は、女の子が仔馬に語り掛けているのでしょうか。43秒の短い歌。そして Tanka I ですが、Ⅱよりは、オリエンタルで日本のようなな感じはします。Lettre A Monsieur Le Chef De Gare De La Tour Carol は、中東の音楽の音階を使った楽曲で、またガラッと場面展開は変わります。邦題は「キャロル塔の駅長さんへの手紙 」で、キャロル塔は中東にでもある塔なのでしょうか。Le Goudron「やに」は、」オリジナルには無いボーナストラックでオリエンタル。Le Noir C'Est Mieux Chois「黒がいちばん似合う」は、一番普通の曲です。何か安心しいます。
 まあ何か演劇でも見ているかのようなアルバムで目まぐるしく変わる世界観が不思議でアバンギャルドとは、このようなパターンもあるのだなと感心してしまいます。かなり繰り返し聴いたので慣れてきました🎵

vocals : Brigitte Fontaine
percussion, vocals : Areski Belkacem
flute : Roscoe Mitchell
sax, oboe : Joseph Jarman
bass : Malachi Favors
trumpet : Lester Bowie, Léo Smith
cello : Jean-Charles Capon
guitar : Jacques Higelin
bass : Jean-Francois Jenny-Clark
zither :Kakino De Paz
lute : Albert Guez

producer : Pierre Barouh

featuring : Areski, Jacques Higelin, The Art Ensemble Of Chicago

1. Comme A La Radio
2. Tanka II
3. Le Brouillard
4. J'Ai 26 Ans
5. L'Eté L'Eté
6. Encore
7. Leo
8. Les Petites Chevaux
9. Tanka I
10. Lettre A Monsieur Le Chef De Gare De La Tour Carol
11. Le Goudron
12. Le Noir C'Est Mieux Choisi
tracks 11-12 are bonus tracks, originally released as 7", 1970.





  

2023年5月18日木曜日

Areski Brigitte Fontaine / Le bonheur

 

 Brigitte Fontaine(ブリジット・フォンテーヌ)は、フランスの歌手でジャンル的にはアバンギャルド・ミュージックとされています。ディスク・ユニオンのジャズ・ボーカルの棚にこれがあったので、たまたま手に取って購入してみましたが、この分野の音楽に触れることは滅多にないため不思議な感覚です。
 と言うことでもう少し Brigitte Fontaine を調べてみると歌手もやっているが、女優、作詞家、詩人、小説家でもあるマルチな才能の持ち主らしく、音楽的にもロック、フォーク、ジャズ、ワールドミュージックなど、多くの音楽のスタイルをオリジナルに融合させていった、フランス音楽シーンが誇るカリスマ的アーティストとのこと。1940年ブルターニュのモルレー生まれ。パリのソルボンヌ大学に入学後、実験演劇と歌手の両方で活動を開始したとのこと。
 そしてこのアルバムのもう一人の登場人物は Areski Belkacem(アレスキー・ベルカセム)。彼も1940年のフランスのベルサイユ生まれ。ダンスクラブや二流のレストランでヒット曲の演奏を始め、兵役の前には、ジャム・セッションのためにサン・ジェルマン・デ・プレの洞窟でドラマーとし活動。兵役後は、フランス中のロックやジャズクラブで多様な楽器を演奏しながらツアーをするマルチ・ミュージシャンです。Brigitte Fontaine とは、Art Ensemble Of Chicago と共に、Théâtre du Vieux-Colombierで、地下クラシックになる Comme à la radio アルバムで演奏し役者としても活動しています。


 先にも書きましたように、この手の音楽には馴染みがなく雑多にお音楽を聴いている私にも、耳慣れない響きです。フランス語は美しい響きの言葉であると言われるのを耳にすることはありますが、自分ではそれほど意識して美しいと感じたことはありませんでした。そこで、このアルバムを聴いてどう感じたのかと言えば美しいと言うよりは結構力強い響きであること。(演奏者の性格も出ているような気はします)
 さて、アルバムの曲のレビュー。テーマ曲である Le bonheur は、11曲含まれている楽曲のうち10曲目に配置されています。劇場での録音なのか、SE的な演出なのか、わかりませんが、出だしは観客と思われる人の笑い声から始まります。アルバム全体がフォーキーで、印象に残りやすいメロディーな曲は少ないのですが、その中で、かなり聴きやすいハッキリしたメロディでユニゾンをハモリながら進行していく印象深い曲。フォーキーでありながら語るように歌うのでお経のように聞こえるところもあり不思議な響き。楽曲としては、幸福と自由を求める若者たちへのメッセージを伝える歌詞で、曲の冒頭では、「幸福は自分で見つけなければならないものだが、それを見つけたら、人生は自由になるだろう」と歌われてるとのこと。当時のフランス社会において、政治的、社会的変革を求める若者たちの反逆の象徴となったとのこと。1969年にこの曲は書かれたとのことで1968年にフランスは五月革命というゼネストを主体とした学生、労働者、大衆の一斉蜂起がおこった頃です。なるほど力強い響きになってくるわけです。世界的には、アメリカではベトナム反戦運動の泥沼化、中国では文化大革命、日本は全共闘、東大紛争、ワルシャワ条約機構軍によるチェコへの軍事介入(プラハの春)などがあり、最近聴いているアルバムは、この辺に関するもの、時期のものが多く政治、戦争、音楽はこの時期には切れない縁があると再認識です。
 さて、アルバムに戻り冒頭の1曲目は、かぼちゃ La citrouille で歌いだしの奇妙な笑い声に聞こえるのは、ハエの前足をすり合わせるようなフォンティーヌの声とライナーノーツでは書かれているが歌詞の中身からしてもハエではないと思いたい。可愛らしいメロディーと奇妙な笑い声、カボチャは馬車になることが出来ると歌い、実は自分は灰色ネズミであるという中々シュールな曲のようで、アルバムは全体的にこのような雰囲気が漂っています。
 言葉はわからないけれど、美しさ、抒情性など芸術性を感じるアルバムで、1曲よりもアルバム全体を聴いた方がその感覚がわかると思います🎵

vocals , percussion (tambour) : Brigitte Fontaine
guitar, percussion, flute, music by : Areski
lyrics by : Brigitte Fontaine ( 1 to 4, 6 to 11)

producer : Pierre Barouh

recorded during the winter of 1975 in a theatre, a kitchen, a stable and a studio.

1. かぼちゃ La citrouille 
2. 芝居 Theatre
3. 星と豚 Les étoiles et les cochons
4. オーナー Le propriétaire
5. ブーダリ Boudali 
6. 痛い痛い Bobo
7. 果樹園 Les vergers 
8. メフィスト Mepfisto
9. ベーコンがある Y’a du lard
10. 幸福 Le bonheur
11. 忘却のうた L’oubliana





  

2023年5月6日土曜日

Baha Men / I Like What I Like


 1977年に結成されたバハマ出身のグループ Baha Men のメジャーデビュー3作目です。結成当時は High Voltage というバンド名でバハマのナイトクラブやホテルなどで活動しアルバムは自主制作でした。その後1991年に、自主制作テープが、アトランティク・レコードの目に留まり子会社のビッグ・ビートと契約しバンドは Baha Men に改名。そして翌年の1992年に、Junkanoo でメジャーデビューし1994年に、Kalik 1997年には本アルバム I Like What I Like をリリース。1998年にはポリグラムにレーベル移動し Doong Spank を発表、2000年は Who Let the Dogs Out? のリメイクで大ヒットし「ベスト・ダンス・レコーディング部門」でグラミー賞を受賞したがメジャーデビュー後は割と短命に終わってしまいました。


 購入動機としては関西在住時代に行っていた寝屋川のレゲエ・フェスの予習で購入していたものです。レゲエ・バンドという認識で購入していたんですがカリビアン・ビートのポップスという感じです。KC & The Sunshine Band の That's The Way (I Like It) なんかのカバーはレゲエはあまり感じません。ここらへんのビートだと先日レビューの Magnum Band より、はるかに日本人にも受け入れやすい感じです。とにかく陽気に気分を盛り上げていこう!と一貫した曲作りですねえ🎵

That's The Way I Get Down
Beautiful Girl
あたりが良く流れていたような気がします

1. Love Really Hurts
2. That's The Way I Get Down
3. Follow The Sun
4. I Like What I Like
5. Windee
6. Beautiful Girl
7. Only Lonely
8. Heart
9. Jump In
10. Living On Sunshine
11. Bounce
12. Gotta Move On





  

2023年3月24日金曜日

山下達郎 / On The Street Corner 2


 On The Street Corner 1 が発売されたのは1980年で、当時私が中学生の頃で山下達郎ファンク時代の「ボンバー」とか「タクシードラーバー」とかを好んで聴いていました。On The Street Corner 1 は、レコードとカセットで発売を開始し1986年にCDで再販となったようで、確かに私の記憶もカセットで聴いていました。一枚目の On The Street Coner 1 はかなり衝撃的で、声だけの多重録音でこのような広がりが出せるのに興味を持ち自分でもアカペラの宅録をしたこともあります。
 この第二作はステージで披露するために制作された楽曲が大部分を占めていて一作目より選曲と編曲の幅を拡げています。またアルバム制作にあたってはテクノロジーの進歩で繊細なテンポの設定が出来るようになり The Four Freshmen のような、より複雑なコーラス・スタイルも取り上げられています。その結果、作品のコンセプトであった1950年代アメリカン・ストリート・コーナー・ミュージック、あるいはドゥーワップの範疇から更に幅を広げた作品となっています。続作が発売されているとのことなので引き続き収集は続けたいとは思っております。


 改めてアルバムを聴きながらレビューします。Amapola は原曲は1922年スペインのJoseph M Lacalle の作品。山下達郎は、映画の Once Upon A Time In America をアレンジの手本としてこの曲を収録したそうで耳に覚えのある人も多いのではないでしょうか。Ten Commandments Of Love は 1952年から1960年に活躍したドゥーワップ・グループThe Moonglows の作品です。第1作の Corner1で、Most Of All が取りあげられていました。曲調が似ているのか前作の収録とも似たアレンジです。グループ名 The Moonglows の名前は素敵です。So Much In Love は The Tymes のカバーで1963年Billboard Hot 100で首位の邦題で「なぎさの誓い」このアルバムでも最も耳に残る楽曲です。Make It Easy On Yourself は、Teddy Randazzo の作曲で、このアルバムのアレンジの元はThe Imperials の有名なシングル Going Out My Head のB面に入っていた曲だそうです。マニアな解説が山下達郎らしい。My Memories Of You 邦題は「あなたの思い出」は、Louis Armstrong, Duke Ellington, Francis Sinatra などのジャズ系ミュージシャンの他、Bette Midlerなどのカバーもされている名曲。Chapel Of Dreams は、The Dubs 1959年のヒット曲。You Make Me Feel Brand New は、Tom Bell の The Stylistics の為に書いた楽曲です。これは私も知っているぐらいだから有名ですね。バリトンとファルセットのリードの組み合わせが普通のグループではありえないと達郎氏の解説ですが、この曲を聴くと何の違和感も感じないのは達郎氏の実力。I Only Have Eyes For You は1934年の映画 Dames の主題歌。曲はメローソウルな感じがしますが、このコーラスの広がり具合は別世界で凄い。Silent Night は誰でも知っている名曲「きよしこの夜」1818年に創られた讃美歌109番。そういえば教会の讃美歌で子供たちと一緒に歌っていた。White Christmas は、1942年の映画、Holiday Inn で Bing Crosby によって歌われた名曲。讃美歌ではありません。
 第一作ほどの衝撃はありませんが、素晴らしいアレンジと広がりで、制作側からするとかなりオタクなアルバムに入るかと思います。楽しいです🎵

1. Amapola
2. Ten Commandments Of Love
3. So Much In Love
4. Make It Easy On Yourself
5. My Memories Of You
6. Chapel Of Dreams
7. You Make Me Feel Brand New
8. I Only Have Eyes For You
9. Silent Night
10. White Christmas