2025年1月1日水曜日

Joni Mitchell / Clouds

 

 ジョニ・ミッチェルがウッドストックの年の1969年に発表した2枚目のアルバムです。録音はロサンゼルスのA&Mスタジオで、タイトルの Clouds とは「雲」という意味ですが、「青春の光と影」という邦題が付けられています。よくある飛躍しすぎた意訳かと思っていたら最後の Both Sides, Now が「青春の光と影」ですから、Clouds は無視して楽曲の邦題をアルバムタイトルにしているのかと、なるほど。
 

 アルバムは全曲彼女自身のアコースティック・ギターとキーボードによる弾き語りで、Stephen Stills が一部ギターとベースで参加しているとの情報有りますが、ライナー・ノーツに名前のクレジットはありませんでした。私が若い20代の頃もジョニ・ミッチェルの存在を知って楽曲もラジオなどで聴いてはいましたが、フォーク・ソングに興味もなく好んで聴くこともありませんでしたが、オジサンになってからジャコが入り口となり興味あるアーティストの一人となりました。最初は Shadws And Light を聴いてジャンルレスに聴く人を惹きつけるボーカルに心を打たれ、このフォーク時代まで遡って聴いています。フォークではありますが、彼女のこの孤高のスタイルの素晴しさにも、ゆっくり聴いていると心打たれるものがあります。


 さて再度聴きながら、レビューしてみます。Tin Angel 哀しいメロディで淡々と歌われているのは、新しい恋人に出会ったものの、価値観の違いに気づいてしまった歌です。 Chelsea Morning このアルバムはしっとり系の曲が多いのですがアップテンポの曲で、彼女がニューヨークの北にあるチェルシーに住んで生活を始めたことを描いています。I Don't Know Where I Stand 自分がわからなくなってしまう女性の心理を描いた曲で、澄んだ細い歌声に透き通った美しさを感じる曲です。That Song About The Midway フェアで見かけた男性を追っていく話です。何か物語が、このアルバムにはあるようです。Roses Blue 変則チューニングでしょうか。不安定なコードの流れに怪しいメロディ。禅と占いに凝った女性のことが題材です。なるほど。The Gallery 少女っぽい歌い方で可愛らしい。浮気な男の虜になった女性の話しですね。I Think I Understand 森の光と黒さに例えながらのドラッグの歌とのことです。何か哀しい訴えがメロディーにあります。Songs To Aging Children Come 誰しもが年老いていく子供になっていくとのこと。これも変則チューニングっぽい怪しさがコードにあります。The Fiddle And The Drum 伴奏無しの歌曲です。同じ目的を持っていてもやり方が違うために別れなければならない人のことが歌われています。凛として張り詰めた雰囲気に何か強い意志を感じる曲です。Both Sides, Now 最後にテーマ曲で、やはり、このアルバムの中でのカギとなる曲です。この曲は1967年3月にミッチェルが飛行機の中で書き上げたもので、歌詞はソール・ベローの小説「雨の王ヘンダソン(Henderson the Rain King)」から来ているものです。天使の髪の流れ、空に浮かぶアイスクリームのお城、至る所にある羽のような谷間・・と色々な物事の表と裏が歌詞の中に出てきますが、やはり物語的なものになっています🎶

Rows and floes of angel hair
And ice cream castles in the air
And feather canyons everywhere
I've looked at clouds that way

But now they only block the sun
They rain and snow on everyone
So many things I would have done
But clouds got in my way

雨の王ヘンダソン

vocals, guitar, keyboards, composed and arranged by : Joni Mitchell
bass, guitar : Stephen Stills

recorded at A&M Studios

1. Tin Angel
2. Chelsea Morning
3. I Don't Know Where I Stand
4. That Song About The Midway
5. Roses Blue
6. The Gallery
7. I Think I Understand
8. Songs To Aging Children Come
9. The Fiddle And The Drum
10. Both Sides, Now





  

0 件のコメント:

コメントを投稿