2025年1月5日日曜日

FUNK, INC / Hangin' Out , SuperFunk


 インディアナ出身の Funk Incorporated(ファンク・インコーポレイテッド)は、1969年に結成された Jazz funk/soul のグループです。1970年に彼らは Prestige Records と契約し解散まで5枚のアルバムをリリースしています。
 本アルバムは 73年3rdと4thのカップリング、1st「Funk Inc.」2nd「Chicken Lickin'」ではベース無しのオルガンファンクでしたが、3rd「Hangin' Out」は Gordon Edwards(ゴードン・エドワーズ)が3曲ベースを弾いています。また、4th「SuperFunk」の方では、ボーカルを多くフィーチャーしていて Smokin' At Tiffany's なんかはサンプリング・ソースとしても良く使われています。


 私は FUNK, INC は、音的にB級ジャズ・ファンクと思っていたのですが、このアルバムではB級を脱却した感があり、ダサくないのが若干つまらないような気もします。個人的には微妙にダサいヤツが大好きです。行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の常連さんの一人に、ソウル・ファンクをもっと聞いてみたいとのこともあったので、これを持って行ってB級ファンク好きなんですよとCDかけたのですが、これはB級ではないんではないか?との指摘がありました。やはりそうですか。
 ということで、レビューしていきましょう。最初6曲は アルバム Hangin' Out から。
 Smokin' At Tiffany's ティファニーで朝食ではなく煙草をとの曲名は中々粋です。曲自体はビッグバンドなんかで取り上げられそうなキメのあるファンク・ナンバーです。Steve Weakley のギターもペラペラに一歩手前の歪み無しのギターでダサさの一歩手前、腕前もダサくないのが惜しい。古典的な感じがします。
何か惹かれるものがあります。基本オルガン・ファンクのバンドですが、Stuff の Gordon Edwards が参加です。Give Me Your Love カーティスのナンバーを、ダラダラと演奏する少しだけダサ気味のアレンジですが元曲が良いのでダサくないですね。パーカッションとワウの入ったギターが好みです。We Can Be Friends これも Stuff の Gordon Edwards が参加で、ダミ声系ボーカル入りのジャズ・ファンクです。シングルカットもされているらしく、きちんとしています。パーカッションがアフリカン。Dirty Red これ好きです。私のFUNK, INC のイメージはこれです。アシッドな感じのするインスト・ファンクでワン・コード一発が延々と繰り返される工夫も何もないサウンドが最高です。I Can See Clearly Now
Johnny Nash で流行った曲です。元曲は優しく爽やかで、ここでも原曲のメロディーに忠実に演奏されていますが、原曲ほど爽やかでは無いとこが若干B級で好感。I'll Be Around これは元曲が The Spinners が正統派のメローなソウルナンバー。FUNK, INCではテンポ早めでポコポコしたパーカッションを入れながらのインストファンクにしています。The Spinners も1973年の同じ年の録音のようなので流行り曲をインストでやったようです。
 次いでアルバム変わり、SuperFunkからです。Message From The Meters 曲名からすると The Meters へのオマージュのようです。だるいテンポで重めのベースで Hangin' Out とサウンドが明らかに違います。コーラスも入ったボーカル曲で、サイケな雰囲気が好みです。ダサくないです。Goodbye So Long ブルース曲みたいなネーミングのオリジナルナンバー。ボーカルのクオリティが Hangin' Out より明らかに上がっています。うーんカッコ良くてセンス良いです。Hill Where The Lord Hides これは Chuck Mangione が元曲で、元の方はビッグバンド編成のフュージョンになっています。それをジャズ・ファンクで少しゴチャゴチャさせた感じにしています。ギターソロがフラメンコ・ギター風で少し凝った感じにしていてロッキーのテーマ風のバッキングが随所に出てきます。Honey I Love You オリジナルですが怪しい雰囲気の無いソウルです。良い曲なので何も書くことも思い浮かばずつまらない。いや良い曲です。Just Don't Mean A Thing 少しダサ目のソウル・ファンクになります。FUNK, INC のオリジナルですが、FUNK, INC の持つ少し暗めのダサいイメージとは違い明るい曲です。歪ませたギターの音は使いなれていないのかギターがダサ目で評価します。I'm Gonna Love You Just A Little Bit More Baby カバーナンバーを締めにしてますね。Barry White の原曲はポエトリー・ジャズ的な怪しいイントロからソウルに発展する壮大なアレンジが素晴らしい曲ですが、ここでも似たようなポエトリー・ジャズ的な怪しい更に低いローボイスのつぶやき、ソウルに発展はしますが原曲ほどの強弱はありません。
 やっぱり、FUNK. INC CHIKEN LICKIN' の方が微妙なダサ感があって怪しくて好きかもしれないです。FUNK, INCは、聴けば聴くほど味が出てくるような気がします🎶


vocals : Bobby Watley (3), Jimmy Mumford (3)
organ : Bobby Watley
guitar : Steve Weakley
electric bass : Gordon Edwards (1, 4, 6)
drums : Jimmy Mumford
congas : Cecil Hunt
tenor sax : Gene Barr

producer : David Axelrod (7 to 12), Ozzie Cadena (1 to 6)

【Hangin' Out】
℗ 1973 (Originally Prestige 10059)
Recorded at Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J. on December 1, 1972
1. Smokin' At Tiffany's (B. Watley, G. Barr, S. Weakley)
2. Give Me Your Love (C. Mayfield)
3. We Can Be Friends (B. Watley, C. Hunt, J. Munford)
4. Dirty Red (B. Watley)
5. I Can See Clearly Now (J. Nash)
6. I'll Be Around (P. Hurtt, T. Bell)

【SuperFunk】
℗ 1973 (Originally Prestige 10071)
Recorded at Fantasy Studios, Berkeley, CA (from Discogs)
7. Message From The Meters (L. Nocentelli)
8. Goodbye So Long (B. Watley, C. Hunt, J. Munford)
9. Hill Where The Lord Hides (C. Mangione)
10. Honey I Love You (B. Watley)
11. Just Don't Mean A Thing (B. Watley, C. Hunt, J. Munford)
12. I'm Gonna Love You Just A Little Bit More Baby (B. White)





  

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