「ブルース・ハープ」と「だみ声」が素敵な、私がシカゴ・ブルースで最も好きなアーチストです。Sonny Boy Williamson II から9歳の時に手ほどきを受け、1957年に Muddy Waters のバンドで Little Walter の後任のハーピストとして頭角を現し、1967年からソロでの活動がメインとなっています。James Cotton を聴いたのは、たぶんFMラジオでブルース特集をやっていた時にカセットで録音したのが最初だったと思います。当時はロック小僧だったので、ホーンの入ったビッグバンドを聴くことはなくバンド・サウンドや、ブルース。ハープの表現力が新繊に聞こえた記憶が曖昧ながらあります。
そうやって、ファンになってしまってレコード屋で見かける度に揃えて何枚目にこのアルバムにたどり着いたのかはよくわかりませんが、これは 1986年のライブ録音で、James Cotton のキャリアとしては中盤、アブラギッシュ感満載の演奏の、シカゴの Biddy Mulligan's でのライブです。Biddy Mulligan's は、現在も存続しているアイリッシュ・バーです。(同一の店だと思っています)
それでは聴き続けてきた熱いライブを再度聴きながらレビューします。Here I Am (Knocking At Your Door) 煽るオープニングの紹介でから始まるブギーで、タイトなリズム隊+ホーン部隊でキメが多め、ボーカル、ハープがしっかりメインの録音。Michael Coleman の基本ノーマルの軽い歪みのギターの音も、カッコ良いです。Part Time Love ディスコチックなベースリフでポップな印象があるものの、しっかりブルースしてて2曲目も上げてきます。ホーンが入るビッグバンド形式は音が厚くて聴きごたえ十分。Just To Be With You バラードまでいかないスローテンポのブルースで Muddy Waters でも有名な曲です。しんみりとしてますが、On a ship that's made of paper, I will sail the seven seas, Fight a shark with a toothpick 紙の船に乗って爪楊枝でサメと戦うぜとシュール。Hard Headed 1曲だけ前の曲でしんみりさせて、またジャンプしてきます。たたみかけるようなボーカルでグイグイと来るところがやっぱり素敵です。When It Rains It Pours タイトなリズムのブルース。雨が降る時はガンガン降るぜ、悪いことも連続するけど、良いこともいっぱいあるぜ と前向きソング。Cross Your Heart 伝統的ブルースを少しモダンなアレンジで演奏していて曲が進めば進むほど盛り上がります。Come Back, Baby ここでバラードがきます。哀愁のコード進行がしみじみと来て、ブルースハープが、このしんみりさに拍車をかけて聞き惚れます。Born In Chicago そしてバラードの次はあげるのが基本です。まさにシカゴ・ブルース。曲中ブレイク前のワーオの叫び声も興奮です。The Midnight Creeper ブルースハープの為のブルース James Cotton 本人の曲で、最高です。
harmonica, vocals : James Cotton
piano : Eddie Harsch
bass : Noel Neal
drums Ray "Killer" Allison
guitar : Michael Coleman
tenor sax : Douglas Fagen
trombone : Johnny Cotton
trumpet : Danny ''Boney'' Fields
producer : Bruce Iglauer
recorded by : Timothy Powell
recorded live, February 1-3, 1986 at Biddy Mulligan's, Chicago, Illinois
1. Here I Am (Knocking At Your Door) (John Watkins)
2. Part Time Love (Clay Hammond)
3. Just To Be With You (Bernie Roth)
4. Hard Headed (Albert Atkins, Osee Anderson)
5. When It Rains It Pours (Bobby Patterson)
6. Cross Your Heart (Sonny Boy Williamson)
7. Come Back, Baby (Walter Davis)
8. Born In Chicago (Nick Gravenites)
9. The Midnight Creeper (James Cotton)
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