こちら気合や思いを込めて作ったわけではないんだろうなってのは、最初に聴いたときの印象です。かといって手を抜いているわけではなく、丁寧な仕事をされているのがトミフラなんですね。不思議な感じがするアルバムです。ほんと気負いがないながら、テンポ、タイミングの良さ、フレーズの端々にはセンスが溢れています。
何故このようなアルバムに聞こえるのでしょう。聴きながらライナー・ノーツを読んでいると、同レーベルからフラナガンのリーダー作として出た 収録曲中4曲が「Eclypso」(1977年2月4日録音)と同じセッションからで、あとの2曲は「Ballads and Blue」(78年11月15日録音)と同じセッションからなので、各録音がアルバムに使われなかったテイクで1982年の発売です。なるほど、二つのセッションからの未発表曲を寄せたからボンヤリなのかも知れません。
ということで再度アルバムを聴きながらのレビューです。Maybe September 映画 The Oscar の Percy Faith 作曲の悲しげなメロディーの美しい曲です。ドラマチックな盛り上がりはです。Confirmation 有名な Charles Parker のスタンダードでタイトル曲となっています。やはり一番の盛り上がりを見せています。気負いなく気持ちのままにピアノを弾いている印象です。George Mraz のベースソロはグルーブ感があって音に粘りがあります。Elvin Jones のブラシ・ワークも絶妙です。How High The Moon は、アップテンポで演奏されることが多いと思いますが、なんと出だしはバラード扱い。途中でミドルテンポに変わりますのがおしゃれです。ベースソロではサンタクロースがやってくるも挟み込んでご機嫌です。ん。聴き直していると以前の印象よりつまらなくないかもしれません。It Never Entered My Mind スタンダードで取り上げられる曲が圧倒的に多い Rodgers & Hart の楽曲でテーマのメロディーと展開のバランスが良い曲です。George Mraz はやりすぎなくらいのベースの弾きっぷりで、触発されるようにトミフラも盛り上げてくるマニアックでそそられる演奏です。うん。つまらなくない。Cup Bearers アップテンポで、曲の表情がわかりやすく単純に楽しい曲です。トリオの各人の音の表情が鮮明に前に出てくる録音もかなり良いです。50 - 21 トミフラと所縁のある Thad Jones の曲で、アルバムの最後にふさわしい曲です。寄せ集めにしては考えられてるかもしれません。
再度、細かいところを聴きながらレビューしていたら楽しくなってしまいました。聴き直しは再発見がありますので良い気分です🎶🎹
piano : Tommy Flanagan
bass : George Mraz
drums : Elvin Jones (1, 2, 5, 6)
producer : Horst Weber, Matthias Winckelmann
recorded Penthouse Studio, NYC, Nov. 15, 1978 (3, 4) , Sound Ideas Studios, NYC, Feb. 4, 1977 (1, 2, 5, 6)
1. Maybe September (Percy Faith)
2. Confirmation (Charles Parker)
3. How High The Moon (Morgan Lewis)
4. It Never Entered My Mind (Rodgers & Hart)
5. Cup Bearers (Tom McIntosh)
6. 50 - 21 (Thad Jones)
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