On The Street Corner 1 が発売されたのは1980年で、当時私が中学生の頃で山下達郎ファンク時代の「ボンバー」とか「タクシードラーバー」とかを好んで聴いていました。On The Street Corner 1 は、レコードとカセットで発売を開始し1986年にCDで再販となったようで、確かに私の記憶もカセットで聴いていました。一枚目の On The Street Coner 1 はかなり衝撃的で、声だけの多重録音でこのような広がりが出せるのに興味を持ち自分でもアカペラの宅録をしたこともあります。
この第二作はステージで披露するために制作された楽曲が大部分を占めていて一作目より選曲と編曲の幅を拡げています。またアルバム制作にあたってはテクノロジーの進歩で繊細なテンポの設定が出来るようになり The Four Freshmen のような、より複雑なコーラス・スタイルも取り上げられています。その結果、作品のコンセプトであった1950年代アメリカン・ストリート・コーナー・ミュージック、あるいはドゥーワップの範疇から更に幅を広げた作品となっています。続作が発売されているとのことなので引き続き収集は続けたいとは思っております。
改めてアルバムを聴きながらレビューします。Amapola は原曲は1922年スペインのJoseph M Lacalle の作品。山下達郎は、映画の Once Upon A Time In America をアレンジの手本としてこの曲を収録したそうで耳に覚えのある人も多いのではないでしょうか。Ten Commandments Of Love は 1952年から1960年に活躍したドゥーワップ・グループThe Moonglows の作品です。第1作の Corner1で、Most Of All が取りあげられていました。曲調が似ているのか前作の収録とも似たアレンジです。グループ名 The Moonglows の名前は素敵です。So Much In Love は The Tymes のカバーで1963年Billboard Hot 100で首位の邦題で「なぎさの誓い」このアルバムでも最も耳に残る楽曲です。Make It Easy On Yourself は、Teddy Randazzo の作曲で、このアルバムのアレンジの元はThe Imperials の有名なシングル Going Out My Head のB面に入っていた曲だそうです。マニアな解説が山下達郎らしい。My Memories Of You 邦題は「あなたの思い出」は、Louis Armstrong, Duke Ellington, Francis Sinatra などのジャズ系ミュージシャンの他、Bette Midlerなどのカバーもされている名曲。Chapel Of Dreams は、The Dubs 1959年のヒット曲。You Make Me Feel Brand New は、Tom Bell の The Stylistics の為に書いた楽曲です。これは私も知っているぐらいだから有名ですね。バリトンとファルセットのリードの組み合わせが普通のグループではありえないと達郎氏の解説ですが、この曲を聴くと何の違和感も感じないのは達郎氏の実力。I Only Have Eyes For You は1934年の映画 Dames の主題歌。曲はメローソウルな感じがしますが、このコーラスの広がり具合は別世界で凄い。Silent Night は誰でも知っている名曲「きよしこの夜」1818年に創られた讃美歌109番。そういえば教会の讃美歌で子供たちと一緒に歌っていた。White Christmas は、1942年の映画、Holiday Inn で Bing Crosby によって歌われた名曲。讃美歌ではありません。
第一作ほどの衝撃はありませんが、素晴らしいアレンジと広がりで、制作側からするとかなりオタクなアルバムに入るかと思います。楽しいです🎵
1. Amapola
2. Ten Commandments Of Love
3. So Much In Love
4. Make It Easy On Yourself
5. My Memories Of You
6. Chapel Of Dreams
7. You Make Me Feel Brand New
8. I Only Have Eyes For You
9. Silent Night
10. White Christmas
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