2023年3月19日日曜日

Craig Scott Quintet / Introducing

 


 全く Craig Scott Quintet という存在を知らずにタワレコで試聴購入しましたので音は良いのはわかっていました。なので購入後の初聞きを、いつもの「おでんバー」でする時に、どんなアルバムなんだろうと言うドキドキはありませんでした。がマスター及び常連の反応はどうなのか?このタイプは微妙なのがわかっていましたので、そこがドキドキでした。
 今日は何かもってきたのかい?と言われビニールを破いてセットします。音が鳴るとタワレコで聴いた時よりもこの店でかけた方が良い感じです。反応はありませんがマスターがリズムをとる感じでツマミの準備をしているので合格かな。そうこうしているうちにビブラホン好きの常連さんが登場です。反応はこちらも薄いですが、気に入らないと酷評がある人だけにこちらも合格ですね。そうこうしているうちに聴き終わりましたので深くは感想を聴かずに家で聴くことにします。


 音的には古めで、ある程度有名なミュージシャンなのかと思いググっても情報は全くと言っていいほど出てきません。辛うじてわかったのはヴィブラフォン奏者 Craig Scott は、2012年ごろ Douglas College Jazz Camp という学校でドラムの講師として働いていたらしい。その学校のコンサートでドラムに座りながらビラフォンを演奏し The Cellar Jazz Club で週末に演奏するようなる。そのライブで Milt Jackson が Ray Brown、Teddy Edwards とレコーディングしたアルバムからアレンジした演奏を行っていて、それが注目を浴びるようになり、このレコーディングが2013年録音2014年7月22日に行われたとのこと。他の録音メンバーも含め所有音源の検索しましたが、一人もヒットしなかったことも珍しいレア音源です。
 さてマイナーではありますが、レビュー参ります。Lunar Blues は Craig Scott のオリジナルです。全体の雰囲気もそうですが50~60年代の古き良きジャズのような感じで素朴なテーマのブルースは聴きやすい。難しいことはしていませんが気負い少な目で演奏を楽しんでいる雰囲気は十分に伝わる演奏です。Groovin' High はチャーリー・パーカーです。ピアノとビブラフォンでテーマをユニゾンしてからのサックス、ビブラフォン、ピアノのソロ回し、ビブラフォンのソロの出だしが少し怪しいところはあったけど、クリアに細かいことはせずに演奏されている教科書ののような演奏です。とにかく聴きやすい。Chart Of My Heart は、B.Newman 作曲の50年代によくあるような楽しいスイング。思わず横揺れになりますし踊れないけど踊りたくなるような演奏はこれも楽しい。毎週末は、このメンバーでライブだったようですから息もぴったり。The Night We Called It A Day は、M.Dennis とあります。ここでバラードが挟まります。ビブラフォンにピッタリのテーマに聞こえます。サックスソロが特に気持ち良いかな。と思っていたらビブラフォンも良いですな。 Corner Table は誰の曲かと思えば、C. Scott のオリジナル。ピアノソロがまたも教科書のような譜わりで、聴きやすいけどアルバムを聴き進めてきて少し物足りない気もしてくる気もします。Head And Shoulders はC.Walton とあります。少しアルバムが単調かなと息もしてきたところで、ピアノソロでモンクっぽいフレーズが出てきたりアルバムのアクセントになっています。Banana Funk はピアノの T.Foster 作曲です。こういう曲名はどこから来るんでしょうか。朝食でバナナ食べてた時に思い浮かんだからでしょうか。現代風のファンク的な要素も入ってきてメンバーの演奏内容もぐっと変化します。やっぱりプロですね。これは良い。Auntie Mame は B.Kaper 作曲で、再び古き西海岸のクール・ジャズっぽい雰囲気で、ライトです。Stolen Moments は、O.Nelson ほんわかしながらも推理小説を読んでいるような少しだけ怪しいところも匂う時代がかった曲です。録音順に曲は並んでいないとは思いますが、耳が慣れてきたのか演奏にエンジンがかかってきた感じはあります。Bossa Nova Do Marilla は R. Evans とあります。曲名でもわかるようにボサノバではありますが、物悲しいタイプのやつですね。テーマの節回しはクラシックっぽいものもあります。ラストは  Ginza Samba V.Guarvaldi です。Ginzaはもしかして銀座ですかね?コミカルな曲です。全体を通してベテランぽくて、チームという感じの演奏で好感の持てるアルバムですが、スリリングさを求める人には物足りないかもしれません。
 
vibraphone : Craig Scott
piano : Tony Foster
tenor sax : Cory Weeds
bass : Russ Botten
drums : Joe Poole

producer : Craig Scott

recorded December 3, 2013 by Dave Sikula at Cory Weeds’ Cellar Jazz Club in Vancouver, BC

■曲目:
1. Lunar Blues
2. Groovin' High
3. Chart Of My Heart
4. The Night We Called It A Day
5. Corner Table
6. Head And Shoulders
7. Banana Funk
8. Auntie Mame
9. Stolen Moments
10.  Bossa Nova Do Marilla
11.  Ginza Samba





  

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