Curtis のファルセット・ボーカルは、他のハイトーンのボーカルとは違うなんとも言えない緊張感と深みがあります。聴き始めたころはフワフワした感じが馴染めなかったのですが、聴いているうちに段々と好きになってきました。ボーカルだけではない全体のサウンドもストイックで細かく巧妙な仕掛けを発見できるところも気持ち良いポイントです。またThe Impressions は、学生のころアメリカに留学していた母が子守歌として歌ってくれていたので、その時代の歌のメロディーは、しっかりと私の脳に埋め込まれています。(オリジナルはさすがに世代ではないので当時聴いたことは無かったので大人になって聴いたときに、頭の中からスラスラとメロディーが出てきて、意味は理解していないですが歌詞まで丸暗記でした)
本CDは、同じ曲がボーカルもとインストの2種類が録音されていたりします。ボーナストラックなのかと思っていたら、当時の黒人映画の Superfly のサウンドトラックでした。アルバム・ジャケットはスパイ映画みたいなものを思わせる銃を持ったスーツの男と黒人女性写っていますが、この映画は麻薬密売人が主人公の、裏の世界で生き抜く苦悩や葛藤、暴力やその中で生まれる愛について描かれた物語なので、そういうこと。多分映画自体は、それほど名作といわれるものでは無いのだろうと推測しますが、後の映画のパルプ・フィクションには、この映画の主人公のヤクの売人とそっくりの人物ジュールズなる人物も登場するとのことで、もしかしたら原型はここにあるのでしょう。
映画自体は、Blaxploitation(ブラックスプロイテーション)と呼ばれる1970年代前半のアメリカ映画のジャンルで、主に、アフリカ系アメリカ人を客層として想定した、サウンド・トラックにR&B、ファンクやソウルミュージックを使用したブラックムービーで、映画の内容はB級だが、音楽はA級といった作品が多かったようです。黒人のポン引きや麻薬密売人といった人物が登場するものが多いので、これは白人の側から見た黒人のイメージとも結びついたことや、南部キリスト教指導者会議 (Southern Christian Leadership Conference)、全米都市協会 (Urban League)といった黒人団体がブラックプロイテーション映画に反対したこともあり、次第にこのジャンルは姿を消していったようです(日本の任侠映画も似たような感じですよね)
Curtis 音楽には、黒人別使、差別などの社会の様々な問題や主張が込められている曲が多数あります。ラブ・ソングかと思っていたら背景には全く違うものが込められているものもありがちですが、このサントラは映画用につくった曲なので全くもってストレート。
Pusherman (売人)、Junkie Chase、Give Me Your Love (官能シーンで使われるらしい)Eddie You Should Know Better (主人公の相棒エディが稼業の選択を間違った場面)、No Thing on Me (Cocaine Song) などなど。Superfly については、ゲットーのストリート生活から抜け出そうとして Superfly (抜け出そう)という意味です。
都会のギラギラとした側面を思わせる曲調、失望や渇きを表現した曲調など様々な曲がありますが、エンディングに向けての No Thing On Me や Think のような、美しい旋律の曲もあり、1972年のまさにカーティスの全盛期に制作されたサントラの域を出た作品です。
また、25th Anniversary Edition の名前のとおり、本アルバムは Superfly の映画公開の25周年を記念しての企画盤で映画でしか使われなかったテイク、映画公開に放送されたラジオスポット等11曲が加わったバージョンともなっています。
映画を見たことがあれば、さらに楽しめること間違いないと思います。youTube で、スーパーフライ(字幕版) が400円でレンタル試聴できるようですので、再度このアルバムを聴いた後で見てみようか迷いどころ🎶
1. Little Child Runnin' Wild
2. Pusherman
3. Freddie's Dead
4. Junkie Chase (instrumental)
5. Give Me Your Love (Love Song)
6. Eddie You Should Know Better
7. No Thing on Me (Cocaine Song)
8. Think (instrumental)
9. Superfly
10. Ghetto Child (Demo Version)
11. Pusherman (Alternate Mix)
12. Freddie's Dead (instrumental)
13. Junkie Chase (Full Length Version) (instrumental)
14. No Thing on Me (Cocaine Song) (instrumental)
15. Militant March (From "Score")
16. Eddie You Should Know Better (instrumental)
17. Radio Spot #1
18. Underground ("Superfly-Esque" Demo)
19. Check Out Your Mind (instrumental)
20. Radio Spot #2
▶ Superfly
定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。















:format(jpeg):mode_rgb():quality(90)/discogs-images/R-2702967-1485827409-7849.jpeg.jpg)