2026年10月24日土曜日

渡辺貞夫 / Birds Of Passage


 キャスターの無い昔のでっかい旅行鞄を携えているのに象徴される旅をテーマとしたナベサダの音楽性が一杯詰まった1987年のアルバムです。渡辺貞夫というとブラジル音楽、これもまたその雰囲気を残しつつ、時代を反映したな明るいライトなフュージョンとなっています。
 昔は「世界へ飛び出した日本人ミュージシャン」みたいな特集がTVでもよく組まれるので、ジャズファン以外にも広く知られる方だったと思われます。渡辺貞夫=ナベサダ で、当時は誰でも知っていたのに、最近は「ナベサダって誰ですか?」「渡辺貞夫を知らんか・・そうだよね、ワタナベ・サダオを知らんのか」「いえ、ワタナベ・サダオなら知ってます」そうか「世界のナベサダ」と言っていたのは、我々の世代で終了。多分そこで世界のナベサダって言ったら「世界のナベアツ」って以前にギャグのつもりで言ったら「それも、わかりません」と、まあそうなるか。
 

Round Trip 1970年にも同名のタイトルで Chick Corea、Miroslav Vitous、Jack DeJohnette の当時の最前線メンバーとの気合の入ったソプラノを吹きまくるフリージャズ的セッション作がありますが、テーマはどちらもシンプルですが、まったく違う旋律なので異なる作品のようです。こちらは Weather Report 的な響きも感じる旅の幕開けを連想させてくれます。
Pastral こちらも Round Trip と同様にシンプルなテーマの旋律ですが、がっちりと心に残るメロディーが印象的。穏やかで自然の風景を思わせますが、音の中身は単にのどかなだけではなく、都会的な感触や新しい編成感。ボサノバ感はわずかに残しつつ現代的フュージョンに移ってしまっています。
Salvador 都市名がそのまま曲名ですから当然ですが、旧ナベサダファンは「ああ良かった。ナベサダはブラジル魂を売ってはいなかったんだ」と安心したでしょう。ギターの Paul Jackson Jr. の、オクターブ奏法を使った最後のソロもブラジル感出てて良い感じ。
Just A Touch かなり久しぶりに聴いたので、このアルバムはナベサダのブラジルからフュージョンへの脱却アルバムのイメージが頭に残っていたんですが、このボサノバ・フュージョンを聴いて、そんなことは無いのだと改めて思いました。わたくし的にはガチのボサノバより、このぐらいかみ砕いてくれると親しみやすい。
Burung Burung "Birds" アルバムコンセプトと曲名からも “飛ぶ”“移る” という感覚で聴きとれます。地に足のついた感じより浮遊感を強く持ち、リズムが、歩くより飛ぶ印象に近く、景色が切り替わる瞬間を飛びながら下界を見ているような感じで、1977年の Burung Burung  からイメージをこのアルバム用に焼き直し。George Duke がシンセですね。フリューゲルホルンで Fredie hubbard ですか。
Birds Of Passage さあテーマです。鳥が飛び回るかのようにフュージョンサウンドに乗せてナベサダが気持ちよいメロディーを吹いていますが、基本はボサのリズム。忘れてました。
Chaser メロディが追いかけるように前へ出る、リズムが落ち着くより先に進む感じで獲物を追いかけるかのようなイメージ。猫系の猛獣が獲物を追いかけるイメージに聞こえるが、テーマを考えると猛禽類か?いや空を飛ぶ鳥たちが、追いかけ追い越されなのか。やっぱり昔のアルバムは曲の羅列であるより、テーマと音が練られた構成が多いので味わい深い。
Tanza Night アフリカ系のリズムから始まり、ジャズ系サウンドになり最後はアフリカ系コーラスで旅の終着はアフリカで大団円。LAフュージョンのサウンドにブラジルをミックスしてワールドにと、きっちりとナベサダ・サウンドで。


私が実際に見たことがあるのは、北海道勤務時代の札幌シティジャズフェスの芸術の森ステージです。渡辺貞夫ビッグバンドで登場し指揮だけして吹かなかったのは残念でしたが・・🎶🎷

producer : Akira Yada (1, 2, 7, 8), George Duke (3 to 6), Sadao Watanabe (1, 2, 7, 8)

1. Round Trip
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Dan Huff
drums : Vinnie Colaiuta
percussion : Alex Acuna
2. Pastral
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Dan Huff
drums : Vinnie Colaiuta
percussion : Alex Acuna
3. Salvador
backing vocals : Alexandria Brown, Carl Carwell, Lynn Davis, Maria Leporace
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion, backing vocals : Paulinho Da Costa
4. Just A Touch
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
flute : Hubert Law
5. Burung Burung "Birds"
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
flugel horn : Fredie hubbard
6. Birds Of Passage
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
7. Chaser
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
drums :  John Robinson
percussion : Alex Acuna
8. Tanza Night
backing vocals : Daniel Acuna, Diana Acuna, Jimmy Haslip, Petsye Powell, Regina Acuna
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
drums :  John Robinson
percussion : Alex Acuna
sax : Sadao Watanabe
flute : Hubert Law


▶ Chaser

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

0 件のコメント:

コメントを投稿