2024年4月27日土曜日

Bill Evans Jim Hall / Undercurrent


 私の Bill Evans(ビル・エバンス)入門は、このアルバムでした。オリジナルは United Artists と言うレーベルから発売の、リマスター版で2曲 (Alternate Take)が入っています。若い頃はギター・アルバムしか聴かないような偏食なリスナーだったのですが、音楽好きの集う「おでんバー」に Bill Evans 贔屓の方が良くいらっしゃっていた時にお店でかなり聴いたのでソロソロ、ピアニストのアルバムも購入して聴 いてみようか?とCD屋の Bill Evans の棚の前に行って迷っていたら水死体が浮いているようなインパクトのあるジャケット、Jim Hall がギターのデュオとのことで手にした記憶があります。おそらく「おでんバー」でも聴いていたのでしょうが、記憶にはありませんでした。後に知ったのは「おでんバー」の住人には相対的に Bill Evans の評判が悪いこと。私は、それほど選り好みをする人でもないので、鞄に Bill Evans作品を忍ばせておいて客が少なければ、マスターにたまにはいいんじゃないかと言いながらかけています。
 ちなみに水死体のように見えるジャケ写ですが、水中ダンスの写真で、女流写真家のトニー・フリッセル(1907〜1988)。1947年の『Weeki Wachee Springs, Florida』という作品です。この Undercurrent の為の撮りおろしではなく、写真作品をジャケットに使ったものとのことで、実はロック、クラシック、アンビエントなどの他の音楽アルバムにも使われているとのことです。オリジナル作品そのままではなく、 Undercurrent では、腕輪が消されているなどの情報もあり、詳しくは 小学館のサライ.JP


 最初に聴い頃から結構立っていますので、この Jim Hall と Bill Evans の両人名義の傑作をじっくりと聴きながらのレビューです。My Funny Valentine 名演は数多くあるスタンダードですが、この作品では両巨頭のコラボレートによるに美しい演奏となっています。Bill Evans の 前置きから Jim Hall がじっくり音を選ぶようにギターを弾きます。デュオ演奏なので静かな演奏のイメージありましたが曲が進むにつれて煽るような展開となっていてじっくりと聴き直せば結構熱い演奏でした。I Hear a Rhapsody は、Jim Hall の主導によるイントロ。一音々に重みがあります。ギターとピアノの静かな対話のようで、これがこのアルバムの印象だったかなと思いだします。Dream Gypsy も聴けば思い出しました。こちらは Bill Evans 主導によるクラシックのようなイントロです。いかにも「らしい」演奏ですね。静かにダンスの伴奏をするような Bill Evans のピアノにフワフワとした Jim Hall のギターが印象的です。Romain は、また Bill Evans らしい静寂の演奏。Jim Hall が、しっかりと曲に表情をつけていき、複雑に絡み合う深い音に惹きつけられ途中からは曲に合わせた軽いアドリブ、後半の Jim Hall のストローク、最後に力強い強いピッキングでの締め。これも良いですね。Skating In Central Park 軽い出だしで何か可愛らしい曲です。曲名もセントラルパークでのスケートですから、イメージとしては子供を連れて冬のスケートを滑りながらの家族の団欒のような感じですかね。落ち着いた温かみのある楽曲は、これもまた味わいがあります。Darn That Dream そしてまた静の世界に戻ります。両者のソロによるイントロから、お互いの音を確かめながらソロリソロリとデュオに入っていくところに少し緊張感あり、お互いの音を確かめたら後はじっくりと絡み合う。実に気持ちが良い。Stairway To The Stars 曲名のごとく、ゆっくりと手を取りながら階段を上がっていくイメージ。手を取っているのは大事な彼女でしょうか?年老いた両親でしょうか?いずれにしろ、ゆっくりと手を取りながら急がずにゆっくりと動いているような優雅な曲でした。I'm Getting Sentimental Over You ここで、少しテンポ・アップです。それほど早い訳ではありませんが、これだけ静かな曲が続くと少しリズミカルな動きのある曲になると、とてもリズミカルに聴こえてしまうのが不思議です。途中でドラムのブラッシングの音がしているような気もしたぐらいの感覚になりました。そして最後2曲は My Funny Valentine, Romain のalternate Take となります。丁寧なリハーサルがあったと、どこかで見ましたが、確かに採用となったテイクとのテンポなどの違いが分かりやすく明らかに違いました。この2曲の追加は、お得感がありますね🎵

piano : Bill Evans
guitar : Jim Hall

producer : Alan Douglas

recorded at Sound Makers, NYC, May 14, 1962.

1.My Funny Valentine
2.I Hear a Rhapsody
3.Dream Gypsy
4.Romain
5.Skating In Central Park
6.Darn That Dream
7.Stairway To The Stars
8.I'm Getting Sentimental Over You
9.My Funny Valentine - (Alternate Take)
10.Romain - (Alternate Take)


▶ Romain



  

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