2024年8月11日日曜日

The Tokyo Session

 

 本作はジャズ専門誌 JAZZLIFE のプロデュースによる教則用 CD BOOK の為に録音されたもので、選曲は誰もが知っているスタンダード・ナンバーであること条件でしたが、演奏内容はミュージシャンに一任されていました。東京市ヶ谷にある一口坂音楽スタジオで1991年の録音です。メンバーは、tenor sax : 佐藤達哉、guitar : 布川俊樹、piano : 福田重男、trumpet : 吉田憲司、drums : Peter Erskine、bass : Marc Johnson、bass : 納浩一、drums : 平山恵勇

  
 
 

 それではレビューです。Stanley Turrentine の楽曲の Sugar はファンキー・ジャズ。やはり和ジャズっぽい演奏で日本人としては好感です。佐藤達哉の最初のソロではアルフィーのテーマを引用、吉田憲司も落ち着いたソロ、布川俊樹はコーラスを深めにかけたコンテンポラリーなギター、福田重男ピアノでの曲がびしっと締まります。I Mean You はモンク作品ですが、布川俊樹のギター、福田重男のピアノがメインのフュージョンで、ギター部分は Oz Noy 風になってしまうところが、モンクとギターの親和性を再認識です。ピアノはハンコック風でモンク風ではありませんね。そしてモンク続きの Round Midnight は、布川俊樹のギターと佐藤達哉のテナーのデュオ。これはしっかりとテーマ、ソロ部分もわかりやすく教則の練習曲しても良いとは思いますが採用では無かったようです。次いではコールポーター作品で What Is This Called Love ? 邦題では「恋とはなんでしょう」です。別テイクと書いてあるので教則本に採用された演奏とは別テイクという意味のようです。先の曲よりも初心者には少し高度な演奏だと思いますので、これは納得。やはり全てが名スタンダードStella By Starlight の登場です。これも別テイクとあります。演奏としては非常にオーソドックスな演奏で、モダンジャズの香りがピンプンする演奏です。Koln,January,24,1975 Part 2 キースジャレットのピアノソロ作品、ケルン・コンサートのナンバーです。スタンダードと呼ぶには新しい作品ですが結構演奏されているらしいです。福田重男のピアノはまさに、その影響が感じられます。実に清々しいトリオ演奏です。最後は Things Ain't What They Used To Be ジャム・セッションの定番曲ですね。メンバーが楽しみながら演奏しているのが伝わりますが、決して羽目は外さないのは教則本用の収録だからでしょう。エンディングとしてもぴったりです。
 古くとも色あせないスタンダードが楽しめました。日本の一流ミュージシャンによる演奏は安定度も抜群で楽しめます。

produced and directed by JAZZLIFE
recoerded on September 2,3 1991 at Hitokuchizaka Studio. Tokyo

1. Sugar (Stanley Turrentine)
trumpet : 吉田憲司
tenor sax : 佐藤達哉
guitar : 布川俊樹
piano : 福田重男
bass : 納浩一
drums : 平山恵勇
2. I Mean You (Thelonious Monk)
guitar : 布川俊樹
piano : 福田重男
bass : 納浩一
drums : 平山恵勇
3. Round Midnight (Thelonious Monk)
tenor sax : 佐藤達哉
guitar : 布川俊樹
4. What Is This Called Love ? (Cole Porter)
tenor sax : 佐藤達哉
bass : Marc Johnson
drums : Peter Erskine
5. Stella By Starlight (Victor young)
tenor sax : 佐藤達哉
guitar : 布川俊樹
piano : 福田重男
6. Koln,January,24,1975 Part 2 (keith Jarret)
piano : 福田重男
bass : Marc Johnson
drums : Peter Erskine
7. Things Ain't What They Used To Be (Duke Ellington)
tenor sax : 佐藤達哉
guitar : 布川俊樹
piano : 福田重男






  

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