本作は、Cortijo & Y Su Combo(コルティーホ・イ・ス・コンボ)コルティーホ楽団&イスマエル・リベーラが1950年代から60年代にかけて、ヘマ/ルンバ・レコーズに残した5作のうちの一つ。パーカッション奏者のラファエル・コルティーホ率いる楽団と、その相棒の名歌手イスマエル・リベーラの黄金タッグのクオリティの高さが光るエネルギッシュな演奏です。
他の盤でも書いていますが、この楽団の最大の武器は Plena、Bomba のプエルトリコ系アフロミュージックの強力なリズムです。Plena は、2/4拍子でソロとコーラスの掛け合いで歌われ歌詞は町の出来事などを歌いこんだものが多く、Bomba は元々ロイーサ・アンデーアの黒人居住区で太鼓を伴奏に歌い踊ったもので、単純なフレーズを反復する素朴な音楽で、どちらも即興性が高くプエルトリコの暮らしの中で永年楽しまれてきた音楽です。
豚の丸焼きを囲んで、楽しそうにメンバーが笑っているジャケットな訳はクリスマス・アルバムとして制作されたそうで、ところ変われば七面鳥でもなくケンタッキー・フライドチキンでもなく豚の丸焼きがご馳走になるのかと、お国柄も伺えます。 アルバム収録曲では、Oriza は、まず打楽器が先陣を切り民族音楽的なグルーブにのせた怪しげなコーラスの曲。1959年にキューバ革命が起きてプエルトリコも波乱の情勢の1960年に制作されたこのアルバム。時代特有のザワザワした雰囲気がこのアルバムにあるとライナーノーツで解説されていますが、私には混乱も音楽とダンスで吹き飛ばしてしまおうと言うラテン気質がすごいなと思います。またジプシー・キングスで有名になった Volare が3曲目。キリンの麒麟淡麗を思いだしてしまいます。また Y Pedro Flores は Bomba のリズムでのアルセニオ・ロドリゲスのカバーで、この当時の流行曲をカバーしているそうです。また Doña Chana はハチロクのリズム。いわゆる6/8拍子のリズムで日本人には複雑怪奇に思えますが一小節に二回アクセントが強調されるこのリズムはクセになります。
リズムだけでなく、エネルギッシュで楽しいところが魅力です🎶
1. Oriza (Ritmo Ganga)
2. Si Te Mueres No Me Lleves (Bomba)
3. Volare (Guaracha)
4. Que Le Paso (Bomba)
5. La Hija De La Vecina (Plena)
6. Madame Calalú (Plena)
7. Y Pedro Flores (Bomba)
8. Mofongo Pelao (Bomba)
9. Sola Vaya (Guaracha)
10. Los Chismosos (Bomba)
11. Doña Chana (Bomba)
12. Me Voy A Marancagaya (Samba)
13. Yayabo (Comparsa) Bonus Track
▶ Oriza
▶ Volaré
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