2024年8月16日金曜日

The Roy Hargrove Quintet / Earfood

 

 Roy Hargrove は、1990年に Wynton Marsalis に見出されてデビュー、当時は若手ジャズ・トランペッターとして注目を集めていました。王道を突き進んできた方ですが、NYのクラブ・シーンでのセッションを通じて、ジャズ以外のミュージシャンと積極的に交流をはかり、2000年には D'Angelo の Voodoo に参加、その後のツアーにも加わり R&B/Hip
Hop系ファンからも知られるようになります。そのように様々なジャンルで演奏すし、RHQまたはRHS(ロイ・ハーグローヴ・クインテット)、RHB(ロイ・ハーグローヴ・ビッグバンド)、RHFactor(RHF)の3つの形態のバンドのリーダーでし、後期は主にRHQでの活動が主でした。
 本作は2007年録音の作品でストレートアヘッドなジャズ作品で、 2003年からはじまった Rh Factor で立て続けにアルバムをリリースしたあと。この時代のハーグローブは、ブラックミュージックと両立している時代となります。ジャズが仕事でRHFが趣味みたいな感じでしょうか。
 アルバム全体にはハード・バップな雰囲気流れますが、1~4曲目までは8ビートでポップな要素を盛り込んだライト・フュージョン。5曲目からは4ビート主体となりますが、「静」で聴きやすい曲となっています。ラストの13曲目だけはライブ収録となりゴスペル、ソウル的な演奏で盛り上がり、これはボーナスのようなもんでしょうか。


 それでは大好きなトランぺッターの一人でもある Roy Hargrove のクインテット作品をレビューします。I'm Not So Sure  は、Cedar Walton の作品でグレゴリー・ポーターをもっとジャズ寄りにしたようなソウルフルなリフのオープニングです。ジャズカルテットでありながら8ビートで爆進する心意気がとても心地よい。 Roy Hargrove節のトランペットも聴けます。Brown ハーグローブ作曲のナンバーです。1曲目よりもジャズよりです。Strasbourg は St. Denis の曲で、ソウル系のフィーリングの8ビート。こうやって互い違いに曲をだしてくるのだろうかと思いながら聴き直します。Starmakery は Lou Marini の作曲。ここではボサノバ調できました。。トランペットソロも鋭角でなく、ほのぼのしたトーンでの展開。The Stingerなるほど。Joy Is Sorrow Unmasked 8ビートに戻ってきません。けだるい雰囲気の幻想的な曲です。The Stinger は正調なジャズですね。芸は細かく懐は深いといった感じです。Rouge 今度は幻想的な路線です。ここでもサックスとトランペットのユニゾンが幻想的な世界に拍車をかけます。Mr. Clean は、Weldon Irvine Jr.の曲です。なるほど他人の曲は敢えてソウル的な曲を選んでいるのかと、ここまでではそう思っておきましょう。聞き流していると気付きませんね。Style はハーグローブ作。やはりジャズ寄りに戻ってきました。若干アバンギャルド気味で気持ち良いです。Divine ハーグローブ作の幻想曲ですね。やはり本人作曲はこのアルバムでは刺激少ない系です。To Wisdom The Prize Larry Willis の作曲。これはしっかりジャズですね。Larry Willisのクインテットのオリジナル音源に非常に近いですが、こちらの方が知的なイメージを受けます。Speak Low 有名なスタンダードですね。 しっかりとジャズに回帰しています。とりあえずオリジナルはジャズ路線ですが他人のオリジナルはソウル的な曲が多かったということですね。Bring It On Home To Me は Sam Cooke です。これだけはライブの収録です。
 ストレートにジャズとも言えるが、随所にソウル的な曲が登場して多彩な音楽の要素が入り混じる好きなアルバムではあります。良いのですが大衆的な分インパクトは弱いかもしれません。まだ私の中のロイ・ハーグローブのベストは Habana🎶

trumpet, flugelhorn : Roy Hargrove
alto sax, flute : Justin Robinson
piano : Gerald Clayton
bass : Danton Boller
drums : Montez Coleman

producer : Larry Clothier, Roy Hargrove

recorded September 19-21, 2007, at Capitol Studios, LA

1. I'm Not So Sure  (Cedar Walton)
2. Brown
3. Strasbourg / St. Denis
4. Starmakery (Lou Marini)
5. Joy Is Sorrow Unmasked
6. The Stinger
7. Rouge
8. Mr. Clean (Weldon Irvine Jr.)
9. Style
10. Divine
11. To Wisdom The Prize (Larry Willis)
12. Speak Low (Kurt Weill, Ogden Nash) 
13. Bring It On Home To Me (Sam Cooke)
written by Roy Hargrove (2, 3, 5 to 7, 9, 10)





  

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