2024年8月4日日曜日

Lou Donaldson / Gravy Train


 Lou Donaldson は Blue Note時代、1952-1963年で17枚、1967-1974念で11枚と数多くのリーダー作を録音しています。現在の私所有音源では、バップ作品は Quartet Quintet Sextet plus five (1954)、Blues Walk(1958) 、Thelonious Monk 作品では Genius Of Modern Music Vol2、Art Blakey 作品では A Night At Birdland Vol1A Night At Birdland Vol2 など、ファンク路線は Hot Dog(1969) です。
 この作品は、1961年の Blue Note 録音、コンガ入りのワン・ホーン・クインテットのバップ作品です。メンバーは1957-1958年に Lou のコンボのレギュラー・ピアニストを務めた Herman Foster、 Art Pepper, Billy Taylor, Quincy Jones, Grant Green, Dexter Gordon, Hank Crawford, Junior Mance, Herbie Mann などサイドマンとして活躍する Ben Tuckerです。ドラムの Dave Bailey は、Blues Walk(1958) でもドラマーを努めていますが、私の所有音源では Grant Green / Green Street(1961)、Curtis Fuller / South American Cookin'(1961)などに参加のドラマー。コンガの Alec Dorsey は私の所有音源に参加はありませんでした。
 このアルバムは淡々とリーダーが気分良くアルトを吹くために、メンバーも特に難しいことはせずに気持ちよく演奏しているアルバムで、特に特徴があるわけではないのが特徴のようです。Gravy Train とは「あぶく銭をもらえる仕事のこと」


 それでは、レビューしていきましょう。Gravy Train は、Lou のオリジナルで、よくあるブルースです。あぶく銭という割には、明るく生真面目な感じで冒険はありません。ピアノソロの和音のみの部分はセンスが良いとは言えないと思います。そんなに固執する必要性はないと思います。ベースソロも無難なところで、盛り上がらずのフェイドアウト。うーん。こんなんだったか? South Of the Border 1曲目で不安になりましたが、この曲で不安は解消です。明るいピアノのリズムと明るいアルトで国境の南はメキシコを意味するのでしょうか、ラテンのリズムとコンガがトロピカルです。Polka Dots and Moonbeamsは、ムーディナナンバーで1曲目のピアノが嘘のように Herman Foster の繊細なタッチのピアノが印象的です。エンディングのアルトのロングトーンが劇場風ですね。Avalon でやっとコンガが存在を示し始めます。無難に卒なくは相変わらずで、ピアノの Herman Foster は、またソロでコード弾きをやっています。乗ってくるとこれなんでしょうね。1曲目よりは全然良いです。Candy は、あの Lee Morgan で有名なヤツです。テンポは若干晩めで、これも朗々とした印象ですが、ピアノの Herman Foster は今回も似たような弾き方ですがファンキーで良いです。 Lou の後半のソロは乗ってきているのが伝わります。Twist time はモロにブルースで、ブルースの演奏だとタイトル曲と同様のアレンジとソロに戻ってしまいます。息抜きタイムのような感じが良い人もいるんでしょうか。Glory Of Love は、どこで聴いたのか耳覚えありますが、同名の曲は持っていませんでしたので何回か聴き直していると、もしかしたら、モンキーズの Daydream Believer にイメージ重ねているのかも
 アルバム全体は可も無く不可もなくですが、敢えて言えばタイトル曲の Gravy Train が今いちかもしれません🎶

alto sax : Lou Donaldson
piano : Herman Foster
bass : Ben Tucker
drums : Dave Bailey
congas : Alec Dorsey

producer : Alfred Lion
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, April 27, 1961.

1. Gravy Train (Donaldson)
2. South Of the Border (Kennedy, Carr)
3. Polka Dots And Moonbeams (Burke-Van Heusen)
4. Avalon (Jolson, Rose)
5. Candy (Kramer, Whitney, David)
6. Twist Time (Donaldson)
7. Glory Of Love (Hill)
8. Gravy Train (Alt Take)
9. Glory Of Love (Alt Take)


▶ Candy



  

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