2021年7月30日金曜日

本日のCD Relaxin' With Miles Davis Quintet

 

 これで全部揃えて聴くことができました「マラソン・セッション・シリーズ」。マイルスは、Prestige Records からColumbia Recordsへの移籍にあたり1956年5月11日と10月26日の2回のセッションをおこない、そこから Prestige は合わせて4枚のアルバムを作成し1枚づつ発売し、日本では「マラソン・セッション」と呼ばれています。順を追うと57年Cookin'」58年「Relaxin'」60年Workin'」61年「Steamin'」 となります。
 ちなみに Relaxin' に収録の曲は全て2回目の10月26日の録音となっていて慣れてきたせいもあってか軽快で聴きやすい楽曲が多く演奏され、人気があるCookin'収録曲の演奏もこの10月セッションとなっています。
 Relaxin' には他のアルバムにはないスタジオ内の会話が収録された箇所があり、そこから伝わる“リラックス”した雰囲気が特徴ですがそれがアルバム名の元となっているかは不明とされています。
 音量を上げないとわかりませんが確かに If I Were A Bell の前でボソボソ言っています。私には聞き取れませんでしたが「演奏してみて曲名が何かはあとで言うよ」と言っているらしい。そしてイントロはフィンガースナップのカウントにあわせてレッド・ガーランドがピアノで学校のチャイムと同じメロディーを弾いて始まります。元々はミュージカル『野郎どもと女たち』の劇中曲とのことでチャイムのメロディーではなかったと今知ります。それにしても「演奏してみて曲名が何かはあとで言うよ」ということは完全にアドリブで全てやっているのでしょうか?全てワンテイクでの一発勝負の録音ということは知っていますがテーマんも含めたすべてが即興とは思えないので特定のメンバーにだけ言っているんだとは思いますが。
 You're My Everything ではイントロをシングルトーンで弾き始めたレッド・ガーランドをマイルスがヒュッと口笛を吹いて止める。マイルスが「ブロック・コードで弾いて」と言うとレッド・ガーランドがガツンとピアノを弾き始める。これはかなりクールな瞬間です。Woody'n Youでは演奏終了後に「OK?」どうやら誰かがダメ出しをしたようで直ぐに「Why?」。その後で「・・Beer・・」だけ聞こえるのですがビールの栓抜きはどこだ?とコルトレーンが言っているとのこと。確かに最後までリラックスですね。
 演奏的にはOleoが一番のお気に入りで、マイルスが出だしを誘導するとリハーサルっぽくピアノとベースが入ってきてドラムは様子を見るように休みコルトレーンのソロで煽られるようにドラムが入ってくる。ここでぐっと来てからドラムが何回も休んでベースのチェンバースだけがリズムを刻んでマイルスやコルトレーン、ガーランドと絡んでいく流れはスリリングでとても心地良いですね。
 もう一回4作を聞き直したいとは思いますが、このアルバム聞き直しながら細部の確認していたら楽しくなってきました。そしてRelaxin' はアルバムとして総合的に出来が良いような気がしますので聞き直す前に、私の心の中では格上げしときます。

trumpet : Miles Davis
tenor sax : John Coltr ane
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : "Philly" Joe Jones

1. If I Were A Bell
2. You're My Everything
3. I Could Write A Book
4. Oleo
5. It Could Happen To You
6. Woody'n You





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