2024年6月2日日曜日

Boscoe


 1970年代のシカゴのアフロ・ファンクで発売は Kingdom Of Chad Records。かなりアンダー・グラウンドなサウンドで、Sun Ra、Art Ensemble Of Chicago などのスピリッツを内包しているとの評もあります。ドロドロのサウンドはアーシーでコズミックさも感じます。レコードなんかは amazon で $4,500 ですから2024年5月現在のレートで、なんと 688,500円 と高額取引であります。もちろん私はリイシューのCDの購入でしたらからリーズナブル。入手が中古か新品かは覚えていません。リイシュー版も発売はレアものの再発/発掘を手がけるシカゴのレーベルの「NUMERO」が立ち上げた紙ジャケ専門レーベル「アスタリクス」とのこと。アスタリクスの表記は恐らく「4*」(ライナーノーツの裏側にありました)愛聴盤ではありますが、今回調べて見て初めて知りました。


 メンバーは6人でベースの Ron Harris は、Ramsey Lewis の Salongo に参加していましたが、他のメンバーの活動は結構マイナーな感じです。


 それではレビューです。Introduction は、スタートからスピリチュアルな幕開け。最初に聴いた時には退屈な感じがした気がしますが何十回も聴いていると、このドラマチックで大袈裟な構成とオドロオドロしいボーカルが大好きになってきます。またエンディングのベースが怪しさを醸し出すところも最高です。Writin' On The Wall も、イントロに続き怪しさ満載の朗読ボーカルとトランス状態になっているかのような叫び。管楽器はトランペットとトロンボーンですが誰が吹いているのかフルートがホラーっぽい。行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の常連の一人には、このエネルギー最高ですねの誉め言葉頂きました。He Keeps You あたりからは、普通にファンクの演奏ですがボーカルが野太い声で、更にどこかがアフリカンな響き。ここらへんでベースの Ron Harris の変態なベースラインとバカ馬なテクニックと正確なリズム感が気になってきます。We Ain't Free では、グルービーなリズムになってきて普通にファンクもするのかと妙に感心していると、いきなりのベースとドラムとパーカッションのアフリカンの長い間奏とフリーのようなソロに脳がやられてから最後はテクニック剝き出しのソロ合戦とサイケな展開にノックアウトです。If I Had My Way は は Sly とかが好きな人には受け入れやすい楽曲になります。ギターのカッティングとホーン部隊の上手さにも注目です。I'm What You Need では、メロー・ソウルの始まりにコマーシャルな部分を感じながら、ボーカルの野太いバリトン・ボイスが怪しさを加えながらファルセットのボーカルがポップさを加えコーラスがチャンと上手い所が怖いです。Money Won't Save You ここまで聴いてくると、この曲が一番普通に聞こえるので何かつまらなく思えてくるようになれば、相当このアルバムを聴きこんでいる証拠でしょう。私には、もはや普通過ぎて刺激が足りません。Now And Den きっとNow and Then なんですかね。普通ではありますがカオスを含んだスピリチュアルなソウル風ファンクです。
 購入当初ジャケットがレゲエカラーなのでそっち系かと思いきや、そちら要素は全くなく、スピリチュアル一歩手前のファンク。古きよきサウンドで全体的にリバーブかかりすぎでサイケな雰囲気カオスな香りが漂い、マニアにはヨダレものの一枚かと思います🎵

guitar : James Rice
bass : Ron Harris
drums : Steve Cobb
sax : Darry Johnson
trumpet : Harold Warner
trombone : Reg Holden

Producer – Joseph Ehrenberg

Recorded at Paragon Studios, Chicago, Illinois.
Originally released in 1973.

1. Introduction
2. Writin' On The Wall
3. He Keeps You
4. We Ain't Free
5. If I Had My Way
6. I'm What You Need
7. Money Won't Save You
8. Now And Den





  

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