2025年4月26日土曜日

John Coltrane / Coltrane Jazz


 このアルバムは、コルトレーンがジャズ史に残る名盤を連発始めた時期の1959年から60年にかけて行なわれた3セッションからのテイクで Atlantic Records から1961年に発売されています。コルトレーンがジャズ史に残る名盤を連発始めた時期の1959年から60年にかけて行なわれた3セッションからのテイクで構成され、Giant Steps (1960) と同時期に録音されたトラックと、彼の黄金のカルテット結成前夜の演奏が収められ、彼の演奏スタイルの変遷を理解する上で重要な一枚であり、モダン・ジャズの発展においても欠かせないアルバムとされています。
  Giant Steps (1960) をソロで録音はしたものの、親分マイルスから声がかかり、Coltraneは マイルス・コンボに一時戻ることになります。その気心が知れたメンバーでコルトレーンは彼らとスタジオに入り、できたのが本アルバムと言われています。


 前作 Giant Steps (1960) 同様に本作も自作曲が中心です。俺のジャズを聴けと言わんばかりの勇ましいタイトルですが、前作よりリラックスしてのジャム・セッションのように聴こえます。それでは全曲レビューします。「Little old lady」一発目は、St. Thomas のような雰囲気の楽しい楽曲で、堅苦しさや緊張感は全くなし。「Village blues」この曲だけセッションメンバーが違ってピアノは McCoy Tyner、ベース Steve Davis、ドラムは Elvin Jones です。1曲目とは違うタイプのブルースです。テンポゆっくりなだけで聴く方も心穏やか、Coltrane は、音を探るようにロングトーンのソロ、ピアノ・ソロもゆったりと優しく、最後に Coltrane は、最後のテーマの後、静かに消えるようにいなくなり終了。「My shinning hour」になって、やっとアップテンポ来ました。やはり早めのテンポだと Coltrane のやる気が違います。音数は多いですがリラックスしている感じで Paul Chambers、Jimmy Cobb のリズム隊の良さも出ています。「Fifth house」は少し捻った曲になっています。アッチコッチと飛んでいくようなテーマのサックスに演奏がバラバラになるかのように聴こえながらも、戻ってきたり離れて行ったりと不思議な心象を聴き手に与えますが、やっているメンバーも戸惑っているのかエンディングが上手く着地していないかのように聴こえます。「Harmonic」は、モンク的な楽曲です。そう思うと Fifth house もモンクに対抗した雰囲気づくりを模索した楽曲のようにも思えます。Coltrane が身をよじるように変則なタイミングで音を入れようとソロを始めるが、結局はいつもの Coltrane 節に決着するのがニヤリ。コードの流れとソロの音程のタイミングを微妙にずらしたような Wynton Kelly のピアノ・ソロが、またニヤリ。「Like Sonny」軽いタッチの曲で、非常に正調。親友であり影響を受けた Sonny Rollins に敬意を表して書かれた曲で、「この曲は、コルトレーンのスタイルや音楽性の発展において重要な役割を果たしています」などと書かれているものを見かけますが、そうかなあ。「I'll Wait And Pray」これは Coltrane も音を模索する素振り無く、良く演奏して曲を熟知しているような吹き方で、いつもの Coltrane節が無いのが、逆に不思議に聴こえます。ラストは「Some Other Blues」のブルースで、これは、ノッペリと音数多めに いつもの Coltrane節 なのが安心感あります。
 「Giant Steps」「My Favorite Things」あたりと比較すると地味ですが、暗くしたジャズ喫茶でデカい音で、ゆったりとした気持ちで聞きたいアルバム🎶

① November 24, 1959 ②December 2, 1959
tenor sax : John Coltrane
piano : Wynton Kelly
bass : Paul Chambers
drums : Jimmy Cobb
③ October 21, 1960 ("Village Blues")
tenor sax : John Coltrane
piano : McCoy Tyner
bass : Steve Davis
drums : Elvin Jones

Recorded at Atlantic Studios, New York City

1. Little Old Lady (Hoagy Carmichael, Stanley Adams) ①
2. Village Blues (John Coltrane) ③
3. My Shining Hour (Harold Arlen, Johnny Mercer) ②
4. Fifth House (John Coltrane) ②
5. Harmonique (John Coltrane) ②
6. Like Sonny (John Coltrane) ②
7. I'll Wait And Pray (George Treadwell, Jerry Valentine) ①
8. Some Other Blues (John Coltrane) ②





  

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