2020年7月4日土曜日

本日のCD Thelonious Monk Quartet / Misterioso


 1958年のニューヨークの Five Spot Cafe でのライブ録音です。これだけ凄い演奏なのに酒を飲んで騒いでいる客がいます。この時代それほど当たり前に、このクラスのジャズ・アーチストのライブが身近に聞けたということでしょう。私もこんなライブ聞きながら酔いたいです。
 なお、ジャケットはイタリアの画家 Giorgio De Chirico(キリコ)の作品です。後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた画家だそうです。「口頭、記述、その他のあらゆる方法によって、思考の真の動きを表現しようとする純粋な心的オートマティスム。理性による監視をすべて排除し、美的・道徳的なすべての先入見から離れた、思考の書き取りを定義し、シュルレアリスムはジークムント・フロイトの精神分析とカール・マルクスの革命思想を思想的基盤とし、無意識の探求・表出による人間の全体性の回復を目指した」という難解な定義と歴史があるようですが、日本では1930年以降はブルトンが提唱した無意識の探求という本来の目的から離れ、「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」という意味で「シュール」という日本独自の概念・表現が生まれることになったそうです。
 グリフィンのテナーとピアノの掛け合いの具合がちょうどよい。所謂モンク臭いピアノってあると思うんですが、結構いろんなモンクのアルバムを聴いてきてアルバムによってモンク臭さの度合いが違うことに気づいてきました。これはモンク臭さがかなり出ています。
 非常に簡単な旋律でありながら、印象的が強烈なタイトル曲「Misterioso」あまりに印象的すぎて一度聴いたら忘れられません。「misterioso(ミステリオーソ)」とは、「カンタービレ」「マエストーソ」と同様、音楽用語「発想標語」の一つであり、神秘的に奏でよという標語です。なるほど🎶🎹

Thelonious Monk : piano
Johnny Griffin : tenor sax
Ahmed Abdul Malik : bass
RoyHaynes : drums

producer : Orrin Keepnews
painting : Giorgio De Chirico
recorded at the Five Spot Café, New York City, July 9, 1958 & August 7, 1958

1. Nutty (Thelonious Monk)
2. Blkues Five Spot  (Thelonious Monk)
3. Let's Cool One  (Thelonious Monk)
4. In Walked Bud  (Thelonious Monk)
5. Just A Gigol (Irving Caesar, Leonello Casucci)
6. Misterioso  (Thelonious Monk)
7. 'Round Midnight  (Thelonious Monk)
8. Evidence  (Thelonious Monk)

Nutty



  

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