1972年に発刊された、米国ジャーナリストで大統領報道担当官も務めた
グレースハルセルのリポートです。
自らの肌を黒く染めた女性ジャーナリストの話は、TVドキュメントを昔見たことがありますので、おそらくこの人のことだったのかと思われます
TVでの印象はそれほど強くなく、変わった人もいるもんだぐらいにしか思っていませんでした。
しかし、このころのアメリカは
1963年 キング牧師のワシントン行進
1965年 ベトナム戦争本格化
1968年 キング牧師殺害
著者は未だ人種差別の残る社会で生きてきた人です。おそらくセックスのことも女性が大っぴらに話をするのもタブーだった時代に、人種差別を切る観点でこの著を出版するのは相当なエネルギーと決意があったことと思います。
著書の中身は、セックスの角度から歴史観点からの宗教、黒人から見た白人、白人から見た黒人、など、テーマは複雑な話題です。最初は、興味津々で読み始めました。しかし、色々な迷信や考え方、生き方があるとは思うものの、理解するは、かなり難解な内容でした。
「著名な学者などの他人の言葉」と「登場人物の言葉」「著者の考え」が交錯しているため
これは偏見だと他人が言っているのか、登場人物がそう思っているのかが解らなくなるのも難解な要因です。さらに外国文学の訳書にありがちな比喩が長いことや、文章のセンテンスが長すぎて何を言っているのかさっぱり?に近いものでもありました。
しかし、黒人白人抜きで色々な環境に、おかれている人のセックス観が書かれていることは興味深い作品ではあります。今では中々手に入らない著作でしょう。
出版はサイマル出版会で、1998に廃業しているが、理論・人間・問題・話題・外国語
にカテゴリー分けして出版している尖った出版社だったようです。これはB980なので、当時980円での販売であったようです。🎶
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