最近自分でエレピを練習していることもあって、ピアニストも色々なものを聴いていきたいと思って全く聴いたことの無いピアニストのアルバムも挑戦しています。Mulgrew Miller も、そんなピアニストの一人ではありますが、改めて検索してみると自分の所有音源の中にも、いくつかメンバーとして名前がクレジットされているものがあり、全く初めての方ではありませんでした。Roy Hargrove Mulgrew Miller / In Harmony、David Sanborn / Another Hand、Art Blakey & The Jazz Messengers / Live At Sweet Basil (特に Messengers では、Mr. Babe での地獄の特訓のような長尺超高速ソロが凄かった)
1955年生まれで、1976年に Duke Ellington Orchestra のレギュラーピアニストに代わりに招待され3年間ツアーに同行。Betty Carter 、Carmen Lundy 等のボーカリストの伴奏を努め、1983年 Jazz Messengers にも参加しています(それが前述の Live At Sweet Basil )以降は自分のバンドを結成し、リーダーとしてのレコーディングを開始し、2005年からウィリアム・パターソン大学でジャズ研究のディレクターを務め、57歳の2013 年 5 月 24 日に脳卒中で亡くなっています。
このアルバムの録音自体は存命の2004年2月2日にバルセロナ。発売は2023年の死後のライブ録音のリリース作品となりますので、おそらくその発売直後に disk UNION あたりで見かけて売り文句につられて購入したものと思われます。
たしか購入後に、行きつけの音楽好きの集まる「おでんバー」で聴いた時には、周囲から無反応だったような気がします。皆さんの傾向としては、ジャンルを問わず、尖った芸術性、超懐古的なもの、スリリングは好きだけどテクニックに溺れすぎないもの、が好まれているような気がしますので、割と聴きやすいこのタイプの音源には無反応だったものと思われます。最近では、私は参加していませんが、韓国のアマチュアのオカリナ(ほぼ素人)の発表会を延々2時間、聴き続けて「地獄の2時間だった」と皆さん満足げに話していたM気質なところもあります。
だいぶ話がそれましたが、音的には線がふと目で暖かく丸い感じがしながらも歯切れが良い。また熟練されたテクニックなので安心して聴けるピアノアルバムでした。
「Tour De Force」Dizzy Gillespie 作品です。軽くて楽しいメロディーを軽くスイングさせて楽しい演奏です。後半のソロの長い連続フレーズに少し熱いものを感じつつ、テーマに戻ってクールダウン、そしてリズミカルに力強くと良いんではないでしょうか。「I Love You」Cole Porter の繊細な楽曲ですっきりとした爽やかさが表現されています。リズミカルで聴きやすいですが、中盤のソロ部分でリズミカルから少し遠ざかったコードを弾いている部分とか、終盤に行く前の長い連続フレーズが1曲目と同様に印象的で、ここぞの時のこの人のクセなんでしょうかこの曲も最後は解放したダイナミクスに戻って終了。「Introduction」ここで曲紹介をしゃべっているようですが、私にはボソボソ過ぎて聞き取れません。「O Grande Amor」Antonio Carlos Jobim のボサノバ・ナンバー。イントロが細かく力強いフレーズだなと印象付けてから、軽めのボサノバのリズムでの演奏の突入します。前の2曲とはまたタッチで軽いながらもしっかりとしてた旋律での演奏。「It Never Entered My Mind」ピアノ・ソロでのこの曲も良いもんだと納得してしまう繊細さがあり、リラックスした空気感や自然体での安心感を感じます。「Milestones」John Lewis のスタンダードでホント聴きやすいアレンジで難なく軽くまとめているのが洒落ています。「Introduction」そしてまたボソボソと・・・してから「Excursions In Blue」全部アドリブでしょうか。今までの上品なところから泥臭さも演出したブギも入れた楽しいノリにしたり、ドブルースにしたりと色々なアプローチが見えて、ある意味このアルバムでの最も楽しいハイライトにも思えます。「Misty」 これも曲の中で色々なアプローチでのテーマを主体にしながらの構成が、かなり楽しいです。格調高すぎずカクテルピアノっぽくもなく聞かせどころを知っていらっしゃる。「Woody'n You」前の2曲を素人にもわかりやすいアレンジにしたので、この曲は少しテクニカルにジャズを強調したのか、曲順の流れも良いです。ライブ会場に来た人の満足感も高いのではないでしょうか。熱いです。「Just Squeeze Me (But Please Don't Tease Me) 」楽団に3年間同行したこともあっての思い出の選曲か Duke Ellington で最後は締めくくりです。スウィンギーで正統派なハード・バップのピアノワークで、小難しいことは無しで、やはり楽しさ重視の演奏で好感。
このソロピアノを聴いたうえで、もっとMulgrew Miller の音に集中しながら、他の音源を聴くと今までと違った発見もできるのではないかと今後が楽しみになりました。ヘビロテの棚に入れるかどうかは迷う感じですがいったん入れとこう🎶
piano : Mulgrew Miller
producer : Christian Brorsen
recorded at Fabià Puigserver Room, Teatre Lliure, Barcleona on February 2, 2004.
1. Tour De Force / Dizzy Gillespie
2. I Love You / Cole Porter
3. Introduction
4. O Grande Amor / Antonio Carlos Jobim
5. It Never Entered My Mind / Richard Rodgers
6. Milestones / John Lewis
7. Introduction
8. Excursions In Blue / Mulgrew Miller
9. Misty / Erroll Garner
10. Woody'n You / Dizzy Gillespie
11. Just Squeeze Me (But Please Don't Tease Me) / Duke Ellington






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