2026年4月30日木曜日

Brian Melvin Featuring Jaco Pastorius / Jazz Street Last Recording


  Jacoは1986年にニューヨークのベルヴュー病院に躁鬱病で入院、2カ月の入院の後、ドラマーの Brian Melvinを保証人として退院して、サンフランシコの Brian Melvin の家で3ヶ月にわたって生活をしました。この作品はその時に録音されたセッション三部作「 Night Food (1985), Standards Zone (1986)、Jazz Street (1989) 」の最終作で最後のスタジオ録音とされています。Jaco は、この録音の翌年1987年にフロリダ州フォート・ローダデールのブラワード・ジェネラル・メディカル・センターで、殴打による脳血管破裂により35年の生涯を閉じています。
 晩年のジャコは心身ともに非常に不安定な時期にあり、多くの友人は彼から離れていきましたが、Brian Melvin はその時期の彼を公私ともに支え続けた数少ない人物の一人で、自分のアパートに Jaco を住まわせ食事を共にし、彼が音楽の世界に戻れるよう環境を整えました。これは、ビジネス友情なんじゃないかと邪推してしまいますが、Brian は後に『Reflections: On Music & Friendship with Jaco Pastorius』というドキュメンタリーを制作しており、タイトル通り、彼らの関係が「友情」であったことを自ら強調しており、この録音は「天才ジャコを利用したビジネス」ではなく、「友人であるジャコの才能を信じ、彼が再び立ち上がるための場所を作る」という献身的なサポートの一環で、単なる「共演」ではなく、「魂の救済としてのセッション」と呼べる行動だと信じます。(様々な記録を読む限り、ジャコの晩年の常軌を逸した奇行とジャンキーぶりは、過去の友情、利害関係が発生するとしても、私としては関わりたくない人になると思いますが)


「No Slack」ジャコのベースは、十八番のフレーズを組み合わせて曲にのせています。ベース・ソロも、それなりにしっかりしています。このアルバムの中では最も良いできの録音かと思いますがチープな感じはしてしまう。
「Jazz Street」Weather Report にも似たラテンのリズムの曲ですが、ラテン・リズム箇所の2部、ハードロック系フュージョン部分の、つぎはぎ具合の不自然さが気になってしまう。
「Miles Mode」ジェフベックがソロで乱入してきそうな曲調でスタジオでジャム的にリハをしていたものをアルバムに入れてしまったような感じがします。やっているプレイヤーは楽しそうです。
「May Day」ベースはこのアルバムで1曲だけ参加の Keith Jones です。ジャコとは明らかに違うテイストです。曲は Brecker Brothers  が大好きなんだろうなって感じます。後半の盆踊り的なところは意外と外人がよくやるフレーズのような気がします。
「Wedding Waltz」アルバムとしては聴かせどころのピアノ・バラードです。ジャコが途中までは曲に合わせて良い具合に弾いているのに、ベース・ソロの出番が来たところから覚醒してしまい暴走するので事故ってるな感がありますが、Jan Davis が修正してエンディングに持ってくるあたり、ある意味このアルバムで一番インパクトあります。
「Out Of The Night」順番に録音しているわけではないでしょうが、前曲でのインパクトがあり、ここでもジャコが覚醒してしまうのかとハラハラしてしまいますが、ただの自己主張が強いベーシストが長めにソロをとり過ぎた感じに収まっています。ここで気づきますが、ピアノの Jan Davis は、どんなに曲の流れをジャコに破壊されても、その後で軌道修正をして曲に戻す優秀な腕があります。 
「Drums Of Yadzarah」 空間を演出するSE的なシンセにのせて皆様がアドリブで音をのせていきます。ん~この曲では、おそらくジャコはいないんじゃないのかと思われます。この曲で最後に覚醒したベースソロをぶち込んでくるのは、ありなんじゃないかと思いますが、ベースを抱えて寝ていたものかもしれません。

 クオリティに期待する人には、あまりお勧めできるものではありませんが、Jaco の遺作録音としては知っておきたい一枚ではあります。でも「Wedding Waltz」はインパクトあり過ぎで、何回も聴いてたら、かなり脳にインプットされました🎶

drums, programmed by percussion, drum programming : Brian Melvin
electric bass : Jaco Pastorius
bass : Keith Jones (4)
guitar : Paul Mousavi
piano, synthesizer : Jan Davis 
sax, drum programming : Rick Smith
percussion, synthesizer : Bill Keaney

producer : Wim Wigt

recorded: Oct. 1 to Nov. 1 1986, Different Fur Studio, San Francisco USA except
Poolside Studio, SF / USA (1)
Gipsy Studio, SF / USA (7)

1. No Slack
2. Jazz Street
3. Miles Mode
4. May Day
5. Wedding Waltz
6. Out Of The Night
7. Drums Of Yadzarah




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

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