行きつけの笹塚にあるとあるバーでいつものように飲んでいると、いつものように常連さんがやってきます。私とマスターだけだと大体が音楽の話題で「あれが良い、これが面白い」なのですが、私よりも年齢が高めの常連先輩の方々は歴史・政治系の話題が多め。歴史は昔から苦手だった私には難易度高めの話も多く、そんな時はおとなしく皆様の会話を聞いております。
しかし先週飲みながら「歴史は苦手なんですよね」と話していたら、苦手の割には音楽のアルバムと時代背景なんかの話だったら積極的に参加しているんだから苦手ではないんじゃない?とマスター。
そう言われてみると自分の音楽の聴き方は昔は単に音を聞いて感じるだけだったのが、最近はライナーノーツを丹念に読み込んだり、その音楽を作ったときに時に世の中は何が起こっていたのか時代背景を調べながら聞くことが多くなってきています。
数年前に聞いてもあまり興味がなかったアルバムも意外と良いなあと思ったりすることが最近増えています。改めて考えると、おそらくこういった聞き方の変化に原因があるんだなあと気が付きました。単にその音楽を好きかどうかだけで聞いていた音に作り手の考えや状況を想像することで響きが好みではない音楽でも興味を持って聞くようになっているんですね。(フリージャズも最近は聞けるようになったのは慣れもあるけど、フリージャズの生まれた流れとかを面白がって本を読んでいることにも原因があるんでしょう)また最近はジャズやブルース・ソウルを聴きながら、戦争・ドラッグ・人種差別問題を読み解き、その時代のレーベルの戦略なんかも気になります。
こんな話をしていたら常連先輩から「そういった変化が歳をとるってことなんだよなあ。自分も歴史とかは学生の時は嫌いだったんだけど歳をとるにつれてドンドン面白くなったし、仕事で海外に行くとそこに住んでいる人の歴史的背景を気にすることも多いうちに政治とか歴史が面白くなってきたんだよ」
含蓄のあるお言葉でありました。記憶・気力・体力の衰えを感じつつ、改めて「歳をとるのも悪くない。楽しいジジイになろう」
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