2021年9月8日水曜日

本日のCD Iron Maiden ♪ Iron Maiden


 アイアン・メイデンの1stでバンド名がタイトルです。私の中のアイアン・メイデンはこれと2nd の Killers で完璧です。全てがシングルのような完成度の高い曲ばかりで、このアルバムが出た時は興奮しました。全く歯がたたない難しさでなく、頑張ればコピーできる難しさで、しかもカッコイイフレーズというのが当時私たちロック小僧に最高に受けた原因でもあるかと思います。私は2枚しか持っていませんが総売り上げは1億枚を超える世界屈指のヘヴィメタルバンドとなっているとの記事を見たのは数年前です。
 このバンドの何が良かったかというとギターリフも天才的にかっこいいんですが、まずベースが基本となって曲とアンサンブルが構成されているのがこのバンドの特徴で、わかりやすくて力強い楽曲の原動力はこのベースラインから生まれていると思います。(少なくとも2ndまでは)このブログを書くにあたり、色々みていたら初期はパンク的なヘヴィメタルと形容されていることも多く、私的にはどこがパンクなんだ?と思っていたら、こんなのにも出くわしました。このアルバムも2ndも捨て曲が無いのですが、シングルは Prowler と Running Free でレコードを知らない世代にはわかりにくいダブルA面ってやつです。横たわっているのは確か別名「鉄の女(IRON LADY)」をもつ当時の英国の女性首相で、パンクなジャケットですね。
 
このジャケットで、パンクという訳では無いでしょうが英国伝統の風刺なんでしょうか?ちなみにProwlerはうろうく人とかコソ泥の意です。

vocal : Paul Di'Anno
bass : Steve Harris
guitar :  Dave Murray
guitar : Dennis Stratton
drums :  Clive Burr

1. Prowler
2. Remember Tomorrow
3. Running Free
4. Phantom Of The Opera
5. Transylvania
6. Strange World
7. Charlotte The Harlot
8. Iron Maiden

▶ Prowler




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2021年9月7日火曜日

本日のCD Hanoi Rocks ♪ All Those Wasted Years


 一時的に爆発ヒットしてたバンドで、いつごろ購入かはこれも覚えていませんが、少なくとも流行っていた頃ではないはずです。ドラマー・ラズルがモトリー・クルーのヴィンス・ニールが酒とドラッグバリバリの状態で車で買い物に行ったときに事故死したのは有名な最悪の有名な話で、この事故の翌年の1985年にバンドは「消滅」し、2001年に復活し、2009年に永久消滅しています。このアルバムは、1983年12月にロンドンのマーキークラブでラズルが亡くなる約1年前に録音です。
 モトリー・クルーもハノイ・ロックスもド派手なバンドで、ドラッグ漬けも納得の外見ですが、外見と裏腹なのが金髪のマイケルモンローで酒もタバコもドラッグも全然やらない健全な人らしい。
 最近昔のイメージで聴きなおすとイメージが違うことが多いのですが、このバンドは、やはりイメージ変わらずで、ド派手でドライブ感はあるけどプロっぽくないチープな音。それがこのバンドの良いところではあるんですが、今の時代ではメジャーからのデビューは無理なんだろうなあとは改めての感想です。
 オープニングはベンチャーズのPipelineってのも渋いのかダサいのかよくわからないですね。そこは実はジャコとハイラムのセッションのWipe Outでも感じていましたが、やっている本人たち. 受けるかなと思っているけど聞くほうはそれほどでもない。しかしそこからはもちろんハノイのグシャグシャのロックのオンパレード。無茶苦茶だけどライブの良さは実感できます。でも今のヤジオには脂っこいかなあ。

lead vocal, sax, harmonica : Michael Monroe
guitar, vocals : Andy McCoy
guitar, vocals : Nasty Suicide
bass, vocals : Sam Yaffa
drums, vocals : Razzle

recorded at the Marquee Studios

1. Pipeline
2. Oriental Beat
3. Back To Mystery City
4. Motorvatin'
5. Until I Get You
6. Mental Beat
7. Don't Never Leave Me
8. Tragedy
9. Malibu Beach Nightmare
10. Visitor
11. Th Street Kids
12. Taxi-Driver
13. Lost In The City
14. Lightning Bar Blues'
15. Beer And A Cigarette
16. Under My Wheels
17. I Feel Alright
18. Train Kept A Rolling





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2021年9月4日土曜日

本日のCD Babyface / MTV UNPLUGFED NYC 1997


 1997年の発売当時は大ヒットのアルバムで、アンプラグドという形態(番組)がこのアルバムで開始されたのかと思っていました。アコースティック・ライブの歴史を刻んできた「MTV Unplugged」の始まりは1989年で、日本のアーチストによる日本の番組も制作されています。後にライブがCD、またはビデオ、DVD化されたアーティストとしては、Aerosmith(1990)で、Babyface は MTV UNPLUGFED では中堅どころです。気になるUNPLUGFED のネーミングですが、実際このアルバムでもそうですけど電気の力を必要とするプラグ・インをしないと大きな会場でのライブは成立しません。しかし番組ですから堅いことは無しですね。
 私自身は Babyface はこのアルバムぐらいしか持っていなくて(のはず)あまり実態がわかっていないのですが、シンガーソングライターで音楽プロデューサーで、音楽プロデューサーとして1980年代中盤から活動を開始、80年代後半からソロシンガーとして活動とのことです。どちらかと言えばプロデュース業の方が多いような気もします。


 このライブも本人が歌うのではなく Babyface が自身が提供した曲などをそのアーティストと共演することがコンセプトのようで、1曲目は、クラプトンで有名な Change The World 。調べてみると、クラプトンの元のアルバムで Executive Producer は Robbie Robertson、Producer は Babyface (作曲は全く違う人で Tommy Sims, Gordon Kennedy, and Wayne Kirkpatrick となっています)なるほど、それで、クラプトンが頭から登場なわけです。実はこのライブではもっとクラプトンは演奏しているらしいのですが、大人の事情でカットされてしまい Babyface プロデュースの Change The World だけがアルバムに収録されているとのことでした。(いつかこういった音源は別売りで発売されるんでしょう)
 いったい何時間のショーなのかはわかりませんが、Shanice Wilson、Stevie Wonder、K-Ci & JoJo, Kevon Edmonds, Melvin Edmonds、Beverly Crowderなどの多彩なアーチストの素晴らしいパフォーマンス。End Of The Road のサビは極上で、胸が熱くなります。何しろステージ構成も良く録音も良いのが、このアンプラグド。他のアンプラグドも、もっと聴いて見ようかと思います🎶

1. Change The World / Featuring  Eric Clapton
2. Talk To Me / Featuring  Eric Clapton
3. Whip Appeal
4. Breathe Again / Featuring  Shanice Wilson
5. Exhale (Shoop Shoop) / Featuring  Beverly Crowder
6. I'll Make Love To You
7. End Of The Road
8. I Care About You / Featuring K-Ci & JoJo, Kevon Edmonds, Melvin Edmonds
9. The Day (That You Gave Me A Son)
10. Gone Too Soon / Featuring Stevie Wonder
11. How Come, How Long / Featuring Stevie Wonder





  

2021年9月3日金曜日

本日のCD Blues Brothers ♪ Briefcase Full Blues


 邦題は「ブルースは絆」 ブルース・ブラザーズが1978年に録音・発表したライブ・アルバムで、バンドのデビュー・アルバム。大好きなBlues Brothers のメンバーの John Belushi(ジョン・ベルーシ)Dan Aykroyd(ダン・エイクロイド) はコメディアンで、コメディ劇団「セカンド・シティ・ワークショップ」に在籍していた仲間で、この劇団で知り合って親友となりブルース・ブラザースを結成となったそうです。このバンドでの役割は、ベルーシは兄でジェイク・ブルース役、Dan Aykroydは弟でエルウッド・ブルース役と設定されています。エイクロイドはゴースト・バスターズでの主演、ベルーシは緑色のモンスターのスライマーのモデルとなんですが、もしかしたら若い人にはわからないかもしれません。ジョンベルーシは私の印象は「ナショナルランプーンのアニマルハウス」という映画でなんともバカバカしく下品な男を演じていたのを映画館で見てたのが最初で、バカバカしく楽しく少しのエロに中学生の時に映画館でドキドキしてた記憶があります。
 こういったコメディアンが本気になって作ったバンドですから、当然ステージはパロディというかジョークじみたものとなっています。ですが演奏もボーカルも本物でエンターテイメント性は抜群。ブルースとソウルのファンでマニアだからこそ作れる本物っていうのがこのバンドのミソなんではないでしょうか。サム&デイヴの「Soul Man」、キング・フロイドの「Groove Me」、ジュニア・ウェルズの「Messin' with the Kid」名曲だからこそ、のりのりで歌って自分たちが楽しみ、聴いている人見ている人に楽しんでもらうというエンターテイメントにブルースやソウルへの深い愛情を感じてしまいます。
 まるっきり素人が演じているだけではない本気度としては Hey Bartender、I Don't Know でのエイクロイドのハープ・ソロ、Shot Gun Blues、Flip, Flop & Fly のイントロでも発揮されています。低音のバック・コーラスは Soul Man のサビなんかで聴かれますが、こういったチョコっとしたとこもミュージシャンではなく音楽ファンだからこそ、入れちまえ見たいなところなんでしょうか。
 聴きなおしてみるとボーカルはツボは押さえているものの素人っぽいのは脳の中に刻まれていたイメージとは違っていましたが、当時はディスコ全盛期でブルース、ソウルはファンの間では聞かれていたものの懐メロ的な時代となっていたところに、セールス的に成功させてしまった Blues Brothers は偉大。

lead vocals : Joliet Jake Blues
harmonica, vocals : Elwood Blues

organ, piano : Paul "The Shiv" Shaffer
guitar : Matt "Guitar" Murphy, Steve "The Colonel" Cropper
bass : Donald "Duck" Dunn
drums : Steve "Getdwa" Jordan

tenor sax : Lou "Blue Lou" Marini, Tom "Triple Scale" Scott
tenor sax, baritone sax, trombone, trumpet : To m "Bones" Malone
trumpet : Alan "Mr. Fabulous" Rubin

1. Opening: I Can't Turn You Loose
2. Hey Bartender
3. Messin' With The Kid
4. (I Got Everything I Need) Almost
5. Rubber Biscuit
6. Shot Gun Blues
7. Groove Me
8. I Don't Know
9. Soul Man
10. "B" Movie Box Car Blues
11. Flip, Flop & Fly
12. Closing: I Can't Turn You Loose


▶  Soul Man



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2021年9月2日木曜日

本日のCD Kenny Dorham ♪ 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia

 

 ハード・バッパーの Kenny Dorham の安定のライブ収録盤。聴く前に予想していたレベルと雰囲気はやはり同じ期待を裏切らない安定の演奏はホッとします。ドーハムの参加していた The Jazz Messengers の At the Cafe BohemiaVol 1 2が録音されたのは、このライブの前年の1955年、この演奏が録音された1956年にはドーハム は Messengers を脱退しフロントの相棒にJ.Rモンテローズを迎え、自身のグループの Jazz Prophets を組んだとライナーノーツに書いてあります。💡 ドーハム のソロアルバムかと思っていたんですがジャケットとかにもどこにも書いてありませんが、どうやらこれはドーハムのリーダーセッションではなく Jazz Prophets のアルバムです。しかしこの Jazz Prophets もこのライブ後に解散して、ドーハムは急死したクリフォード・ブラウンの後任としてマックス・ローチのクインテットに移籍するとのことで、この時代のミュージシャンは忙しい。
 このアルバムは、リラックスした脱力加減が絶妙な気軽さでジャズとなっていて、実に楽しく聴ける。そして私的にはなんといっても名前も同じ Kenny Burrell のホーンに負けてられるかの高速バップギターが嬉しい。
 アルバム自体は哀愁度の高いメロディーの短調の曲が多い。Monaco はスローテンポのラテンから始まり倍テンポになってからは軽快に流れるような自然な展開でケニーバレルのソロは短めですが見事。次いでタイトル曲の 'Round About Midnight はモンク作曲のスタンダードですが、マイルスの演奏が強力に頭にインプットされていますがドーハムは何の気負いもなくさらっとプレイしています。次いで Mexico City ははじけるテンポのマイナー・テーマでこのアルバムで一番盛り上がっているのはこの曲ではないでしょうか。ここでもやっぱりバレルの粒立ちが良く流れるようなギターソロがカッコイイ。A Night In Tunisia はオープニングはラテンで直ぐに4/4に移行するこれも普通の展開ですが、テーマが終わった後のブレイク、ドーハムのトランペットのみからソロが始まる、この出だしで掴まれてからしまいます。スリリングではないけど余裕の落ち着いたチュニジアです。Autumn In New York は流れるようなバラードで聴いているとリラックスさせてくれる曲でドーハム以外は脇役に徹します。このアルバムでは箸休めのような役割でしょうか。最後は Hill's Edge でドラマーの Arthur Edgehill の名前を逆さにした曲でメンバーもノリノリで、ここではテナーのJ.R. Monterose が大活躍のソロを繰り広げ、バレルの本気の気合ソロのホーンライクなギターに耳を奪われます。
 派手なアルバムではないんですが聴いていると収録時間の43分があっというまに過ぎてしまう聞きやすいアルバムです。力の抜け具合がホントに絶妙でジャズって良いなあと思わせてくれます。

trumpet : Kenny Dorham
tenor sax : J.R. Monterose
piano : Bobby Timmons
guitar : Kenny Burrell
bass : Sam Jones
drums : Arthur Edgehill
 
producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

1.Monaco
2. 'Round About Midnight
3. Mexico City
4. A Night In Tunisia
5. Autumn In New York
6. Hill's Edge





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2021年8月31日火曜日

本日のCD Thelonious Monk / Underground

 

 ユニークなジャケットも当時話題を呼んだ、サックスにチャーリー・ラウズ、ベースにラリー・ゲールズ、ドラムにベン・ライリーをフィーチャーした1967年リリースのアルバム。数あるセロニアスのアルバムの中でも特異な1枚で、地下室に置かれたアップライト・ピアノをモンクが機関銃を肩に煙草をくわえながら弾いていて、テーブルには、手榴弾、拳銃と無線機。壁にはレジスタン時代のドゴールの写真、ゲシュタボの捕虜までいるパンクロックテイストなジャケット。このアルバムが制作された1967年はフリージャズやフュージョンが発動し始め、モダン・ジャズが、レコードを出せば売れる時代は過ぎポップス界ではビートルズが Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band を発売し The Doors なんてバンドも誕生した。ミュージシャンの演奏写真をジャケットにしただけでは売れなくなっていたのだろうか?当たらずとも遠からずの時代背景の推測のような気がします。
 録音された1967年はちょうどモンク50歳になった年で、派手さやトリッキーさは少ないが落ち着いて成熟した演奏になっていると感じます。力の入り具合やリズム隊とのコンビネーションは阿吽(あうん)の呼吸で実にスムーズです。また Jon Hendricks がボーカルで In Walked Bud に参加しているのも珍しく、父親の葬儀と2回目のレコーディングが重なったため、テナーのラウズは Thelonious、Raise Four、Easy Street、In Walked Bud に参加していないが、このサックスレスの楽曲が混ざることで、またこのアルバムの味付けになっていると思います。などと考えながら、このアルバムは愛聴盤の仲間入りは決定し、もう一回このアルバムを再生してみることとします🎶🎹

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charlie Rouse (2, 4, 6, 8, 9)
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley
vocals : Jon Hendricks (7)

producer : Teo Macero

tracks 2, 6, and 8 recorded on December 14, 1967, 4 and 9 on December 21, 1967, and 1, 3, 5, 7, and 10 on February 14, 1968.
mastered at Sony Music Studios, NYC.
Tracks 8 to 10 are bonus tracks, not on original LP.
Tracks 8 and 9 are previously unreleased.

1. Thelonious (Take 1)
2. Ugly Beauty (Take 5)
3. Raise Four
4. Boo Boo's Birthday (Take 11)
5. Easy Street
6. Green Chimneys
7. In Walked Bud
8. Ugly Beauty (Take 4)
9. Boo Boo's Birthday (Take 2)
10. Thelonious (Take 3)





  

2021年8月30日月曜日

本日のCD Bill Evans / Every body Digs

 

 Riversideレーベルから第2弾として1958年録音翌年リリースのピアノ・トリオ作品。ベースは Sam Jones、ドラムは Philly Joe Jones のメンバーでの録音で、このメンバーでは既に Cannonball Adderley の Portrate Of Cannonball Adderleyで7月に録音を行っており、このアルバムは12月の録音となっています。エバンスは最初から売れているわけではなく、ファースト New Jazz Conceptions の売り上げは1年間で800枚のセールスで当時の新人の売り上げはそんなものでしたが不安な売れ行きでの出発です。その後MilesDavisのコンボに在籍して知名度が高まっての録音ですが、2年3か月が次のコンボを脱退した直後の録音となっています。マイルスのバンドを去ったのは「自分のトリオを結成して自分自身の演奏をしたくなったから」と言っているようですが、ドラッグの重度の常習者となったこと、同バンドに在籍していたコルトレーンとの不和とも言われているようです。ちなみにこの作品参加のドラム Philly Joe Jones も筋金入りジャンキーでそれがもとでマイルス・バンドはクビになっています。ここらへんまではアルバムの音楽性以前のドロドロした事情です。 


 このRiversideレーベルでのエバンスの発掘者であり立役者はプロデューサーの Orrin Keepnews (オリン・キープニュース) で、この2枚目のアルバムを勝負と判断し著名なミュージシャンからの推薦の言葉を集めてジャケットのカバーに署名入りで印刷するという売り出し手法をとったのです。I've sure learned a lot from Bill Evans. He plays the piano the way it should be played (Miles Davis) , Bill Evans is one of the most retreshing pianists I have heard in years (George Shearing) , I thnk Bill Evans is one of the finest (Ahmad Jamal) , Bill Evans has rare orijinarity and taste and then even rare ability to make his conception of a number seem the diffinitive way to play it (Julian"Cannonball"Adderley)  
 このために金は当然動いたんでしょうが、かなりのキープ・ニュースの期待がこもっていることがうかがわれます。しかしビジネスは難しいものでこのアルバムは初回の800枚よりは売れたものの、さほどの営業成績はあげられなかったとのこと。しかし当時制作に前向きではなかったエバンスの音楽性が極めて高いレベルであったことはこのアルバムでよくわかります。ここら辺のくだりは「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事情」やネット記事を参考にして書かせていただいており、著書でも大活躍の Orrin Keepnews の写真は掲載しときます。


 さてかなり気合の入ったレビューとなった今回の作品ですが、お気に入りの曲は Minority イントロでのフィリーのとエヴァンスの絡みだけでこのアルバムへ期待してしまう絡みの重要なとこです。とても重度ジャンキー同士の演奏とは思えません。Young and Foolish はよく言われるエバンスのリリシズムを象徴するバラードで、この解釈は後の エヴァンス・トリオのに続く芸術的な曲です。Piece Piece ではソロ・ピアノとなりますが、クラシック的な響きの美しい作品です。ちなみにソロピアノは ( 3, 5, 7, 9 ) アップとスローがバランスよく配置されていますがスロー・ナンバーに聴きどころがあるかもしれません。芸術性はあるけど売れていない新人では売れにくいアルバムではあったかもしれませんね🎶🎹

piano : Bill Evans
bass : Sam Jones  (1,2,4,6,8,9)
drums : Philly Joe Jones  (1,2,4,6,8,9)

producer, Liner Notes : Orrin Keepnews

recorded at Reeves Sound Studio in New York December 1958.

1. Minority
2. Young & Foolish
3. Lucky To Be Me
4. Night & Day
5. Epilogue
6. Tenderly
7. Peace Piece
8. What Is There To Say?
9. Oleo
10. Epilogue
【Bonus】
11. Some Other Time (mono)






  

2021年8月29日日曜日

本日のCD Eric Dolphy At The Five Spot Vol2

 

 独特の感性のあるマルチ管楽器奏者の Eric Dolphy のライブ録音で1961年7月に録音されたもの。Vol1では New Jazz/Prestige で1964年に発売され、このVol2は Prestige からのみ発売されています。このライブでは Eric Dolphy はフルートとバスクラを演奏しています。アルバム名は Eric Dolphy ですが、バンドは Booker Little をトランペットに迎えた双頭クインテット。私によくあるパターンでVol1は未だ聴いておりません。この At The Five Spot  Vol2 はかなり尖っているだけに Vol1 はどのようなことになってしまっているのか非常に気になるところです。
 さてニューヨークの Five Spot と言えば私の手持ちのアルバムの中ではモンクの Misterioso があります。このカフェは当時の先鋭的なジャズ・ミュージシャンがよく出演するお店だったようです。元々はマンハッタン南部のバワリー通りにあった「バワリーカフェ」という見すぼらしいバーだったそうです。ところが1955年に店の上を通っていた鉄道が無くなったことにより雰囲気が一転し周辺に画家や詩人の卵が済むようになり 店の名前も Five Spot に改名し、そのたまり場だった店には現代アートを好む人たちがたむろするようになったため、出演するミュージシャンもモンク、ドルフィー、セシルテイラー、オーネットコールマン、コルトレーン、チャールス・ミンガスと先鋭的な人たちが多かったようです。
 そのような背景があっての Five Spot でのこの録音ですが、リトルはこの録音から3か月後に亡くなってしまいます。リトルは本作を含め数枚の音源が残っているのみの人で、このアルバムでは躍動する激しい一面と哀愁のあるメロディアスなトランペットが印象的で名前だけは知っていましたが今回で気になるトランぺッターの一人になりました。
 アルバムには2曲が収録されているのみで1曲20分弱という長尺ですが、これは聴き飽きない長尺で、Like Someone In Love のラストテーマまで聞き終わると充実感はあります。
 1曲目は Aggression のタイトルですがその名の通り攻撃力がかなりあります。最初にこれを聴いたのは仕事で疲れきった週末の行きつけ「おでんバー」でしたが、気力が萎えている時には少々疲れるぐらいの気合が入っている曲でした。ドルフィーはフレーズが速いし、ハーモニーとビートから脱却する「前衛的」な演奏となります。ドラムの Eddie Blackwell はイントロから鋭角的にハイハットを入れてきて、途中はひたすら裏箔を入れる体育会的な根性が入った演奏。そしてリトルの早いけれども調性のあるトランペットでバランスがとられているような感じです。
 2曲目はスタンド―ドの Like Someone In Love でリトル特に好きだった曲のようです。始まりのテーマ部分のルパートでは、リトルがメロディを丁寧に吹き、ドルフィーのフルートで、ベースのリチャード・デイビスが弓弾きで好き勝手に自由にやってしまいます。しかし、時折三人がかみ合う時がありその時に!?とかみ合ったことに驚きが生まれます。そこからは一転ドルフィーはまじめにフルートで、曲に合わせたアドリブをとりますが、やはりそこはドルフィーです、長くやればドルフィーらしさがでてきます。
 書く方にも熱が入るVol2で、私以外の皆さんはVol1を聴いておられましたが、こっちの方が強烈だったのは間違いないようでVol1の感想は余り聴くことはできませんでした。

flute, bass clarinet : Eric Dolphyt
trumpet : Booker Little
piano : Mal Waldron
bass : Richard Davis
drums : Eddie Blackwell

recorded by : Rudy Van Gelder
recorded July 16, 1961.

1. Aggression
2. Like Someone In Love




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コロナワクチン2回目の接種

 コロナ・ウイルスの感染は勢いを増して新規感染者は昨日8月28日もは22千人を超えています。大変なことになっているて、職場の出勤率は7割削減になりWEB会議での打ち合わせが当たり前になり、生活の様式は変化してきているのですが、実生活では死に至る可能性のある病がすぐそばの人に感染しているかもしれない危機感は希薄かもしれないです。できる感染対策はしているって感じですね。


 結構今回の接種はきつかったんで記録を残しておきます。
 
 8月27日(金)に2回目のワクチンを職域で接種してきました。1回目の接種では、他の人の症状よりはるかに軽くて、翌日まで腕が少し痛い程度だったので今回も軽いんじゃないのかと思っていましたが、1回目で体の中に抗体ができているので2回目のワクチン接種は、想像よりもはるかにきつかったです。

 午前11:30に接種を受けて、午後の勤務は「みなし勤務」として退社。現在の会社には出向しているので帰りがけに本籍のある会社によってみた。本籍のある会社は職域接種は行っていなかったので接種は完了している人がほぼいなかったのが印象的でした。1時間ほど滞在して会社を出たのは15:00ぐらいでしたが、全く体調に変調は無く「今夜も缶酎ハイ飲んで内販で買った食材をどうやってつまみに仕上げるか」などと思いながら帰宅。帰宅してからは最近購入したエレピの練習を30分ほどしてから少しだるいから横になって休んでからメシでもつくるかと寝入ってしましました。気が付くと 19:00 ぐらいで少し発熱して汗ばんでいます。だるいので夕食は作らずにアイス・コーヒーとお菓子で寝ることにします。

 夜中の 1:00  に目が覚めると注射をした肩のあたりが「ずん」と痛くなってきていて若干の頭痛がします。当然、酎ハイを飲む元気はなく温水シャワーを浴びてから寝ます。寝苦しくて熟睡ができずに朝 4:00 からは眠れなくなり YouTube を見ながらゴロゴロとしながら朝を迎えます。今考えるとかなり体調が悪くなっていたのですが、気分が悪すぎて自分の体調がやばいと思うことすらできませんでした。

 朝 8:30 ごろ接種から20時間経過でやっと熱が下がってきて就寝しました。午後14:00にはクリーニング屋と土曜日恒例のマッサージには行ったんですが体調がすぐれずに、固形物は摂らずに過ごしました。当然アルコールを飲む気分にもなれません。ピアノの練習とも思いましたが、肩が痛くて気分もすぐれず10分以下で敗退してベッドでゴロゴロでした。

 本日日曜になり方に若干の痛みは残っているものの、固形物が食べたくなり朝食をとりました。ピアノの練習も1時間以上連続してできる集中力をとり戻しました。

 私の接種したワクチンはモデルナです。ファイザーよりも副作用がきついとは聞いていたものの、これほどまできついとは思いませんでした。人間体調が悪くなると判断力も鈍りますので解熱剤も服用せずに体力を消耗してしまいましたので、これから受けられる方には簡単に食べられる軽食や鎮痛剤、飲み物を用意して少しでも楽に過ごすせるような準備をお勧めします。

 2回の接種でも時間とともに抗体が半減したり、抗体を作ることができない人も報道されています。3回目の接種になったら、それは「しんどいなあ」と思いますねえ。

2021年8月26日木曜日

本日のCD The Routine Funk ♪ Kei Kobayashi featuring B-BAND on "Perfect Day"


 「DJ小林径のコンピレーションアルバムって解説してあるが何のことやら」は自分の昔のレビューの冒頭に書いてました。今もクラブDJについては知識は持ち合わせていませんが、DJ小林径氏は、東京のクラブ・ジャズ・シーンの創世期から数々のムーブメントを引き起こし、シーンを支えてきた人で、90年代初頭にスタートしたイベント「routine」を活動の基盤に、シーンを牽引。'93年、イベントのレギュラーDJらによるコンピレーション「routine」を発表とありますので、それがこのアルバムになるんですかね(他にもシリーズで出ているようです)

 ちなみにクラブ・ジャズのウンチクを語ろうと調べてみたら
〈ダンス・ミュージックとしてのジャズと、ジャズの影響下にあるダンス・ミュージックを並列に捉えるマナーやアティテュードや視点や解釈〉(タワレコ「第24回  CLUB JAZZ」
 何のことやらさっぱりわかりません。が、読み進めると
〈クラブ側を出所とするDJやクリエイターがミュージシャンと絡むなどして旧来のジャズへもどんどん視野を広げ、逆にミュージシャン側にもクラブ・ジャズとして機能する生ジャズを作る人が増えてきた〉
 わかったようなわからないような内容で困ったもんです。

 知りたかったのはクラブ・ジャズとはどのような音楽でどのように定義されているか?ジャズ的な要素が無くてもクラブ・ジャズって呼んでるのはない?
 結果として明確な答えはでてこなかったんですが、流れとしては
①クラブDJが従来のヒップ・ホップとジャズをミックスして新しいムーブメントを作ったのがクラブ・ジャズ
②DJサイドからは、クラブ・ジャズとはクラブでDJによってプレイされることを目的として作られた「ダンスミュージック」と考える
つまりジャズ的な要素はなくてもクラブ・ジャズに分類されるものも出てくる。一般リスナーには、漠然とクラブでプレイされてそうなジャズ的要素のあるダンス・ミュージックでプレイヤー、DJの制作サイドの目的は特に気にしない。ってことが違いのような気がします。
 
 多分DJものは、私これしか持っていないと思いますが、オープニングはDJのアナウンスから始まり、アフリカンなリズムにミックスされたファンク。ジャズ的なサックスに、またアフリカンなリズムを被せたもの、おそらくファンクの原曲を加工して、FUNK. INC 的なジャズ・ファンクに仕立てたもの、フリージャズ的なフレーズを切り取ってファンクと合体など中々の凝った内容であります。
 つまりは、何も知らずに試聴してカッコエエヤンと心の中で思って買ったはずですが当たりではあります。私にとってはレアな一枚でした。

1. Opening
2. It's Just Began In Africa (Afro Break Mix)
3. Stone Felton
4. Funk Bronckhorst
5. Jazz Modric
6. Funk O'nilovic (Old School MIx)
7. Hamit Altinfunk
8. People Get Ribery
9. Re-Funk Samba
10. Perfect Day
11. Endtitle
12. Routine Mama Funk






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