2025年2月24日月曜日

Family Underground / Once In A Lifetime


 1970年代は James Brown, Jackson 5, Earth Wind & The Fire, Ohio Players, Stevie Wonder, Tower Of Powers, The Isley Brothers, Sly & The Family Stone あたりの有名バンドが数多く存在するが、その他にも相当数の無名バンドが存在し、実力あり、曲良しでも、なかなかアルバムリリースまでこぎつけない。アルバムを作ってもコマーシャルがなく売れないなどの、不遇のバンドが数多く存在します。
 1968年ニューオリンズの マイナーファンクバンド Fabulous Fantoms。アルバムリリースにたどり着けなかったが、シングルをまとめた音源が話題になり、その編集盤再発により一躍、脚光を浴びています。その Fabulous Fantoms が分裂して、1974年に結成されたバンドが Family Underground となりますが、やはりアルバムを残すことなく消えています。このバンドの音源を発掘したシングル2曲の他75年と79年に録音され未発表のままだった楽曲を纏めたのが、この Once In A Lifetime。経歴的には、かなり面倒でマニアな話しです。
 商売に欠ける執念なのか、マニアの執念なのか、どちらか力が強いかはわかりませんが、発売当初はレコードで、世のB級ファンク・マニアに受けまくったアルバムとのこと。で、更にCDで再発したというマニアな音楽ファン目当ての安上がりな究極の商売のようですが、聴いてみたら、適度なチープさで懐かしく泥臭いファンク・ソウル・サウンド。B級過ぎないところが、新しさも感じてしまう優良盤でしたので、私も発売当時の試聴で即購入を決めているようです。

Fabulous Fantoms

 Once In A Lifetime ジャケ違い

 アルバムは、1975年の録音と、故Willie Teeプロデュース 78年の録音(7,8)と1978年の録音、1979年の3回の録音から構成されています。1978年で一回解散となり、ボーカルの Roland Treaudo, キーボードの Manuel Herrera Jr. がメジャーとの契約を目指して他のミュージシャンを雇っての録音とのことだが、発売するレーベル、広告宣伝、アルバムの出来不出来や実力だけで売れるわけでもないのは、音楽業界に限ったことではないでしょう。
 そのようにして埋もれた名盤をレア・グルーブとして発掘される本CDは、私のようなリスナーの大好物であるわけで、再度大好物を聴いたレビューをしておきます。We Are Somebody キャッチーなメロディーだがアンダーグラウンドな雰囲気のテーマ、サビではコマーシャルなどこかで聴いたようなメロー・ソウルなノリで、曲としては最も印象に残るファンクナンバーで初期の1975年録音。I Don't Know Why 1曲目とサウンドは大きく変化し、ベースの音色、リズムアレンジ、全体的にもこの演奏はどう聴いても完全なアース・サウンドのアレンジです。なるほど。1979年の解散後のミュージシャンを雇っての録音は、売れないと今後は無い。こここから1979年録音が6曲目まで続きます。Dr Music ファンクサウンドのメロー・ソウルを取り入れた楽曲でシンプル。For The Love Of Disco これはディスコ狙いのアース系で、この手の曲はこの時代、量産されていたはず。王道で悪かろう訳はないがオリジナリティは少な目、しかし演奏と曲は好い。複雑。All We Need Is Love またもやミラーボールが似合う商業アース系ファンクナンバーで、ここまで徹底すると気持ち良い。バンドのの演奏力はホント高いと思います。There Must Be An Answer このアルバムでの1979年録音のラストはバラードです。直ぐにわかる Lionel Richie に触発されての楽曲。Hello の出だしにそっくりのAメロに別のBメロつけてます。わかりやす過ぎて、これは逆に印象抜群。All We Have Is A Song さて1975年録音に戻ります。アース的なアレンジではありますがオリジナリティある良い曲です。Nowhere To Run やはり1975年録音の方が好みですね。2管のホーンもファンクですがブラス・ロックっぽいのが好感。Our Love's Gone By フォーク調のスロー・ソウルで素朴に良い感じです。ファズを効かせたギターソロも唐突だがレトロっぽいし未成熟なサウンドが更に好感。 There Must Be An Answer (75 1st Mix)  イントロからシンプルにかっこよいです。6曲目より Lionel Richie っぽさが少なくて私的にはこちらの方が好みです。アレンジ次第で、もっと変わるんだろうと思います。I Don't Know Why (75 1st Mix) これも2曲目のファースト・ミックスとのこと。アース臭さはかなり消えていますので、これもこっちの方がジャキジャキしている感じが良い。と思えば、1979年の方が解散後に売れてやろうとした結果が、当時流行っていた音を取り入れての策が良くない方に転んだのではなかろうか。Superstitous これは誰もが知っている Stevie Wonder の名曲です。これはスタンダードだから誰がやってもカッコ良いヤツです。〇です。Make A Change 私の好きなスライ系。似たような曲は当然世の中にいっぱいあるだろうけど、このパターンのファンクはかなり好物です。ただこのアルバムでは、このバンドでは異色な曲になってます。
 改めて聴き直してでは、頭の中で少し美化してたかもしれない感じで、お気に入りの棚には入らずですね。こんな珍しいもの持ってるけどと自慢できる一枚ではあります🎶

【1,9-12,(7,8)】
lead vocals, congas : Roland Treaudo
keyboards, backing vocals : Manuel Herrera Jr.
lead guitar, rhythm guitar, backing vocals : Arthur V. Bell 
bass guitar, lead vocals, backing vocals : Parker Shy 
drums, backing vocals : Winston Shy
sax, backing vocals : Milton Lewis
trumpet : Thomas Mitchell

【2-6】
lead vocals, congas : Roland Treaudo
backing vocals : Earl Smith Jr. 
keyboards, backing vocals : Manuel Herrera Jr.
lead guitar, rhythm guitar : Roy Joseph
bass guitar, backing vocals : Nick Daniels
trumpet : Thomas Mitchell
drums, percussion : Willie Green

recorded by Chuck Shehe, New Orleans 1975 (1,9,10,11,12)
recorded 1978 (7,8)
recorded at Ultrasonic Studios, New Orleans LA 1979 (2,3,4,5,6)

1. We Are Somebody / Manuel Herrera Jr.
2. I Don't Know Why / Roland Treaudo
3. Dr Music / Arthur V. Bell, Manuel Herrera Jr., Roland Treaudo
4. For The Love Of Disco / Roland Treaudo
5. All We Need Is Love / Manuel Herrera Jr.
6. There Must Be An Answer / Manuel Herrera Jr., Milton Lewis
7. All We Have Is A Song / Arthur V. Bell, Milton Lewis
8. Nowhere To Run / Joseph Arther James
9. Our Love's Gone By / Roland Treaudo
10. There Must Be An Answer (75 1st Mix) / Manuel Herrera Jr., Milton Lewis
11. I Don't Know Why (75 1st Mix) / Roland Treaudo
12. Superstitous / Stevie Wonder
13. Make A Change / Roland Treaudo, Manuel Herrera Jr.





  

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