2022年3月5日土曜日

Wes Montgomery / Echoes Of Indiana Avenue


 2012年に発表された未表発掘の大物音源。発売はお馴染みの Rezonande Records です。世に出ていなかった未発表音源なのでレアさだけで寄せ集めの音源かと思っていたら、こんなに生き生きしたウェスを収録した演奏はあまり聞けないんじゃないかと思われる演奏に非常に満足したアルバムです。
 ウェスは1923年のインディアナポリス生まれで、1948年から1950年までライオネル・ハンプトンの楽団に参加し、その後インディアナポリスに戻り昼の仕事をしながら夜は演奏という生活を1959年にリバーサイド・レコードと契約するまで続けたとのこと。本作は1957から1958年にかけて録音されたリバーサイド・レコードと契約する前、つまりメジャーデビュー前のインディアナポリス時代の驚きの初期音源とのこと。ライブとスタジオの半々で
スタンダードの心地良い演奏が楽しめます。
 のちに本人が「インディアナポリスで演っていた頃はもっと巧く弾けたんだ」とインタビューで発言していますが、確かにギタリストとしてもっとも脂がのっていた時期は実はこの時期だったのか?と思える演奏です。
 
 
 Diablo's Dance はブルージーにピアノとのユニゾンでダイナミックなスイング、Round Midnight はオルガンとともにアーシーな曲になっていて、編集が良いのだろうがフルアコのギターの音と弦の響きが良い、Straight No Chaser はテンポ早めのドラムレスでの演奏でかえってスリリングにリズミカルに聞こえます。Nica's Dreamはホレス・シルバー作の名曲で実にリラックスした演奏で、何よりもわかりやすい演奏なのが良い。Darn That Dream でまたオルガンの Melvin Rhyne との共演となるが、あまり黒さを感じないオルガンとの演奏がしみじみときます。おなじみ Take The A Train はライブ感あふれる演奏で跳ねるリズムがノリよく客を盛り上げようと煽るような演奏で遠くで客が盛り上がっているのも録音されています。そしてMisty、Body And Soul と不滅のスタンダードが続き Misty はギター控えめにピアノメインで、締めは After Hours Blues ですからライブが終わった後の自由なセッションなのでしょう。リズム&ブルースのセッションで好き勝手な演奏でギターアンプの音量を上げて少し歪ませてみたりゲラゲラ笑いながらの実に楽し気な演奏は延々と続くようなフェイドアウトでした。ジャズ・ミュージシャンも、やっぱり好きなのねって親近感でホッコリ。
 ライナーノーツもたっぷり24頁、これはゆっくりと読みたいと以前に書きつつゆっくりと読むことも無く持ったままで満足しています🎵

guitar : Wes Montgomery
piano : Buddy Montgomery (3), Earl Van Riper (6 to 9), Melvin Rhyne (1, 4)
organ : Melvin Rhyne (2, 5)
bass : Mingo Jones (6 to 9), Monk Montgomery (3)
bass : Larry Ridley (1, 4)
drums : Paul Parker (1, 2, 4, 5), Sonny Johnson (6 to 8)

producer : Zev Feldman

Recorded 1957-58.
Tracks 1, 2, 4 & 5: Possibly recorded in Indianapolis (studio unknown).
Tracks 6-9: Recorded live, possibly at the Hub Bub, Indianapolis.
Track 3: Recorded live, possibly Indianapolis.

1. Diablo's Dance
2. Round Midnight
3. Straight No Chaser
4. Nica's Dream
5. Darn That Dream
6. Take The A Train
7. Misty
8. Body And Soul
9. After Hours Blues (Improvisation)






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